勝海 舟 の 写し 本
かつみ|ふね||うつし|ほん
Transcript of Katsukaishu
勝海舟 の 写し 本
かつみ ふね||うつし|ほん
明治 時代 を 築く のに 大 活躍 を した 人物 に 、 勝海舟 が い ます 。
めいじ|じだい||きずく||だい|かつやく|||じんぶつ||かつみ ふね|||
Kaishu Katsu was one of the people who played an important role in establishing the Meiji era.
彼 は 下級 旗本 だった 父親 の 期待 を 受けて 蘭学 や 剣 術 を よく 学び 、 三十三 歳 の 若 さ で 幕府 の 役職 に 就き ました 。
かれ||かきゅう|はたもと||ちちおや||きたい||うけて|らんがく||けん|じゅつ|||まなび|さんじゅうさん|さい||わか|||ばくふ||やくしょく||つき|
In response to the expectations of his father, who was a low-ranking hatamoto, he studied Dutch studies and swordsmanship well, and at the young age of 33, he was appointed to an official position in the Shogunate.
長崎 で は 海軍 技術 を 学び 、 弟子 の 坂本 竜 馬 と ともに 海軍 操 練 所 を つくって い ます 。
ながさき|||かいぐん|ぎじゅつ||まなび|でし||さかもと|りゅう|うま|||かいぐん|みさお|ね|しょ||||
In Nagasaki, he studied naval technology and built a navy training center with his disciple Ryoma Sakamoto.
その後 も 反 幕府 派 と の 関係 修復 に 力 を つくした 勝海舟 は 、1868 年 、 江戸 を 攻めよう と する 官軍 に 江戸 城 を 明け渡して 江戸 を 戦火 から 守った 人物 です 。
そのご||はん|ばくふ|は|||かんけい|しゅうふく||ちから|||かつみ ふね||とし|えど||せめよう|||かんぐん||えど|しろ||あけわたして|えど||せんか||まもった|じんぶつ|
Katsu Kaishu, who continued to work hard to restore relations with the anti-shogunate faction, was the person who in 1868 surrendered Edo Castle to the government army, which was about to attack Edo, and protected Edo from the fires of war.
これ は 、 その 勝海舟 が 若い 頃 の お 話し です 。
|||かつみ ふね||わかい|ころ|||はなし|
This is the story of Kaishu Katsu when he was young.
勝海舟 は 大変な 勉強 好きです が 、 お 金 が ない ので 毎日 の 様 に 古本 屋 に 通って 本 を 読んで い ました 。
かつみ ふね||たいへんな|べんきょう|すきです|||きむ||||まいにち||さま||ふるほん|や||かよって|ほん||よんで||
Kaishu Katsu loved to study very much, but he didn't have money, so he went to second-hand bookstores almost every day and read books.
ある 日 の 事 、 勝海舟 が 読んで いた 兵 法 ( へいほう → 戦術 ) の 本 が 見当たり ませ ん 。
|ひ||こと|かつみ ふね||よんで||つわもの|ほう||せんじゅつ||ほん||みあたり||
One day, I couldn't find the book on tactics Kaishu Katsu was reading.
そこ で 勝海舟 は 、 古本 屋 の 主人 に たずね ました 。
||かつみ ふね||ふるほん|や||あるじ|||
Kaishu Katsu then asked the owner of the used bookstore.
「 主人 、 あの 本 は どこ に ある のだ ?
あるじ||ほん|||||
"Master, where is that book?
」 「 はい 、 あの 本 と は ?
||ほん||
"Yes, what is that book?"
」 「 昨日 まで この たな に あった 、 兵 法 の 本 だ 」 「・・・ ああ 、 あれ です か 。
きのう||||||つわもの|ほう||ほん|||||
"It's a book on martial arts that was on this shelf until yesterday."
申し訳 ございませ ん 。
もうしわけ||
I'm sorry .
あれ は さきほど 、 四 谷 の 奉行 所 の お 役 人さま が 買わ れて いき ました 」 「 四 谷 の ・・・。
|||よっ|たに||ぶぎょう|しょ|||やく|ひとさま||かわ||||よっ|たに|
It was just bought by an official at the magistrate's office in Yotsuya." "In Yotsuya...
おおっ 、 その お 役人 なら 知って いる ぞ 」 そこ で 勝海舟 は 、 さっそく その 役人 の 家 まで 行く と 、 「 どうか 、 あなた さま が お 買い に なった 兵 法 の ご 本 を 、 わたし に 貸して ください 」 と 、 頼み 込んだ のです 。
おお っ|||やくにん||しって|||||かつみ ふね||||やくにん||いえ||いく|||||||かい|||つわもの|ほう|||ほん||||かして|||たのみ|こんだ|
でも その 役人 は 、 首 を 横 に 振って 断り ました 。
||やくにん||くび||よこ||ふって|ことわり|
「 だめだ 、 だめだ 。
今 買った ばかりで 、 まだ 読んで い ない のだ から 」 しかし 、 ここ で あきらめる 様 な 勝海舟 で は あり ませ ん 。
いま|かった|||よんで|||||||||さま||かつみ ふね|||||
「 では 夜 に 、 ご 本 を うつさ せて いただいて も よろしい でしょう か ?
|よ|||ほん||||||||
あなた さま が 、 お やすみ に なった 後 で 」 「・・・ うむ 、 まあ 、 それ なら いい が 。
|||||||あと|||||||
しかし あれ は 、 かなり 分厚い 本 だ ぞ 」 「 はい 、 承知 して おり ます 」 それ から 勝海舟 は 夜 に なる と 役人 の 家 に やって 来て 、 朝 に なる まで ずっと 本 を うつし 続けた のです 。
||||ぶあつい|ほん||||しょうち||||||かつみ ふね||よ||||やくにん||いえ|||きて|あさ|||||ほん|||つづけた|
After that, Katsu Kaishu would come to the official's house at night and keep the book on his desk until the morning.
やがて 、 半年 が 過ぎ ました 。
|はんとし||すぎ|
Six months passed.
ある 秋 の 朝 、 勝海舟 は 起きて きた 役人 に 、 深々と 頭 を 下げて 言い ました 。
|あき||あさ|かつみ ふね||おきて||やくにん||しんしんと|あたま||さげて|いい|
One autumn morning, Arthur Katsu Kaishu woke up and bowed to a government official.
「 おかげ さ まで 、 全部 うつし 終わり ました 。
|||ぜんぶ||おわり|
ありがとう ございます 」 それ を 聞いて 、 役人 は びっくり です 。
||||きいて|やくにん|||
「 あれ を 、 全部 うつし 終えた の か ?
||ぜんぶ||おえた||
それ は 何とも 、 感心な 人 だ 。
||なんとも|かんしんな|じん|
それほど 気 に 入った 本 なら 、 あなた に 差し上げ ましょう 」 「 いえいえ 、 とんでもない 。
|き||はいった|ほん||||さしあげ|||
それ に わたし は 、 うつさ せて いただき ました から 」 すると 役人 は 、 頭 を かき ながら こう 言い ました 。
||||||||||やくにん||あたま|||||いい|
「 あはは は は 。
あ は は||
いや 実は ね 、 あの 本 は 読む ため で なく 、 人 に 自慢 する ため に 買った んだ よ 。
|じつは|||ほん||よむ||||じん||じまん||||かった||
『 わたし は 、 こんなに 難しい 本 を 読んで い ます よ 』 って ね 。
|||むずかしい|ほん||よんで|||||
試しに 少し だけ 読んで みた が 、 ぜんぜん 分から なかった よ 。
ためしに|すこし||よんで||||わから||
あはは は は 」
あ は は||
おしまい