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江戸小話, おまけ

おまけ

むかし 、 ある ところ に 、 とても けちで 有名な 旦那 が い ました 。 この 旦那 は 、 どんな 物 を 買う 時 も 、 必ず 値段 を 引か せて から 買う 事 に 決めて い ます 。 さて 、 ある 日 の 事 です 。 旦那 は 店 の 小僧 に 、 「 いい か 、 うんと まけて もらって 買って 来る のだ ぞ 。 決して 、 相手 の 言い値 で は 買う な よ 。 わかった な ? 」 と 、 何度 念 を 押して 、 仏具 屋 ( ぶつぐ や ) に 位牌 ( いはい → 死んだ 人 に つける 名前 を 書いて 仏壇 に まつる 木 の 札 ) を 買い に 行か せ ました 。 やがて 買い物 から 帰って 来た 小僧 が 、 旦那 の 前 に 小さな 箱 を 差し出して 言い ました 。 「 旦那 さま 。 相手 が 、 どうしても 値段 は 引け ない と 申し ました ので 、 その 代わり に おまけ を つけて もらって き ました よ 」 「 そう か 、 それ は お 手柄 だった な 。 どれ どれ 、 どんな おまけ を もらった んだ ? 」 旦那 が ニコニコ し ながら 箱 の ふた を 開けて みる と 、 驚いた 事 に 中 から 子ども 用 の 小さな 位牌 が 出て きた のです 。 それ を 見た 旦那 は 、 目 を つり 上げて 小僧 に 怒鳴りつけ ました 。 「 この 大 馬鹿 者 め が ! いくら おまけ でも 、 余分に 位牌 なんか を もらって 来る 奴 が ある か ! 縁起 で も ない ! 」 でも 小僧 は 、 気 に もとめ ず に 言い ました 。 「 でも 旦那 さま 。 大事に しまって おけば 、 坊 ちゃ ま が 死んだ 時 に は 、 すぐに 役 に 立つ で は あり ませ ん か 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


おまけ

むかし 、 ある ところ に 、 とても けちで 有名な 旦那 が い ました 。 ||||||ゆうめいな|だんな||| この 旦那 は 、 どんな 物 を 買う 時 も 、 必ず 値段 を 引か せて から 買う 事 に 決めて い ます 。 |だんな|||ぶつ||かう|じ||かならず|ねだん||ひか|||かう|こと||きめて|| さて 、 ある 日 の 事 です 。 ||ひ||こと| 旦那 は 店 の 小僧 に 、 「 いい か 、 うんと まけて もらって 買って 来る のだ ぞ 。 だんな||てん||こぞう|||||||かって|くる|| 決して 、 相手 の 言い値 で は 買う な よ 。 けっして|あいて||いいね|||かう|| わかった な ? 」 と 、 何度 念 を 押して 、 仏具 屋 ( ぶつぐ や ) に 位牌 ( いはい → 死んだ 人 に つける 名前 を 書いて 仏壇 に まつる 木 の 札 ) を 買い に 行か せ ました 。 |なんど|ねん||おして|ぶつぐ|や||||いはい||しんだ|じん|||なまえ||かいて|ぶつだん|||き||さつ||かい||いか|| やがて 買い物 から 帰って 来た 小僧 が 、 旦那 の 前 に 小さな 箱 を 差し出して 言い ました 。 |かいもの||かえって|きた|こぞう||だんな||ぜん||ちいさな|はこ||さしだして|いい| 「 旦那 さま 。 だんな| 相手 が 、 どうしても 値段 は 引け ない と 申し ました ので 、 その 代わり に おまけ を つけて もらって き ました よ 」 「 そう か 、 それ は お 手柄 だった な 。 あいて|||ねだん||ひけ|||もうし||||かわり||||||||||||||てがら|| どれ どれ 、 どんな おまけ を もらった んだ ? 」   旦那 が ニコニコ し ながら 箱 の ふた を 開けて みる と 、 驚いた 事 に 中 から 子ども 用 の 小さな 位牌 が 出て きた のです 。 だんな||にこにこ|||はこ||||あけて|||おどろいた|こと||なか||こども|よう||ちいさな|いはい||でて|| それ を 見た 旦那 は 、 目 を つり 上げて 小僧 に 怒鳴りつけ ました 。 ||みた|だんな||め|||あげて|こぞう||どなりつけ| 「 この 大 馬鹿 者 め が ! |だい|ばか|もの|| いくら おまけ でも 、 余分に 位牌 なんか を もらって 来る 奴 が ある か ! |||よぶんに|いはい||||くる|やつ||| 縁起 で も ない ! えんぎ||| 」   でも 小僧 は 、 気 に もとめ ず に 言い ました 。 |こぞう||き|||||いい| 「 でも 旦那 さま 。 |だんな| 大事に しまって おけば 、 坊 ちゃ ま が 死んだ 時 に は 、 すぐに 役 に 立つ で は あり ませ ん か 」 だいじに|||ぼう||||しんだ|じ||||やく||たつ||||||

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )