盾 の 勇者 の 成り 上がり 2 Chapter 14
十四 話 魔法 習得 あれ から 俺 達 の 行商 に 何故 か アクセサリー 商 が 同行 して いた 。
乗車 賃 は もらって いる ので 文句 は 言わ ない が 、 こいつ の 行動 理由 が わから ない 。
どうやら 盗賊 の 一 件 で えらく 俺 を 気 に 入った の か 、 アクセサリー 商 は 自身 の 身分 を 明かして 、 降りる まで ずっと 俺 に レクチャー する と か 言い出した 。
なんでも 、 この 辺り を 荒らして いる 行商 の 顔 を 覚え 、 注意 を 促す ため に 乗り込んだ の が 目的 だった らしい 。 商人 組合 の 刺客って 奴 だ 。 それ が 俺 の 資質 を 見出し 、 磨き たく なった と か ……。
しかも この アクセサリー 商 、 組合 内 で かなり の 権力 を 持って いる 商人 で 、 表面 上 は 優しい けど 、 弟子 と か に 教える ような 人 じゃ ない と 有名だった と 、 後 に 知り合った 商人 仲間 に 愚痴られた 。 教えられた 内容 は 、 まずは 宝石 等 の 付与 に 使う 物 の 調達 に ついて 。 これ は この アクセサリー 商 の 知り合い が 居る 採掘 場 を 斡旋 して くれた 。
次に 貴金属 を アクセサリー に 加工 する 作業 。 色々 と 凝った デザイン が 今 は 受ける らしい 。 絵 は 俺 自身 が オタク が 故 に 多少 心得 が ある ので 、 なんとなく それっぽい もの を 作ったら 気 に 入ら れた 。 さらに 加工 する ため の 道具 を 安く 売って くれた 。
この 世界 に しか ない 魔法 道具 で 、 燃料 は 石炭 に 似た 魔法 石 と いう 物 だ 。
やはり 盾 が 反応 して いる けれど 、 原価 は かなり 高い ので 吸わ せる わけに は いか ない 。
俺 の 世界 で 研磨 機 と いう 奴 や バーナー みたいな 物 が 数 点 ある 。 これ を 使って アクセサリー を 加工 する らしい 。 鉄 と か の 硬い 金属 の 加工 は 製鉄 所 に 金型 を 作って 持っていく の が 当たり前な のだ と か 。 まあ 、 ここ まで 来る と 細工 技能 の お陰 で 補正 が 発動 する 。
高度な 物 を 作る の に 必要な 道具 が ある らしい が 、 高くて 手 が 出せ ない 、 と いう の が 実情 だ 。
そして 本題 は これ から だ 。
魔力 付与 と いう 作業 。 これ は やはり 魔法 が 使え なければ いけない 。
俺 が 魔法 を 使え ず 魔法 書 片手 に 唸って いる と アクセサリー 商 が 話しかけて くる 。
「 勇者 様 は 魔法 が 使え ない ので ? 」 「 ああ 、 配下 の 奴 から は 魔力 を 同調 さ せる と 言わ れた のだ が 、 その 魔力 と いう の が よく わから なくて な 」 「 ああ 、 なるほど …… そういう 事 でした か 」
アクセサリー 商 は 何やら 懐 から 透明で 小さな 破片 を 俺 に 持た せた 。
「 何 だ これ は ? 」 「 とある 珍しい 鉱石 の 欠 片 です 。 高い んです よ 」
「 へ ー ……」
「 文字 は 読める のです よ ね 」
「 一応 …… 簡単な 奴 なら 」
一 ヶ月 近く この 世界 の 文字 に 触れ 、 真面目に 取り組んで いれば 覚えて くる 。 まだ 難しい 言い回し と か は 読め ない けれど 、 簡単な 物 なら 読める ように なった 。
「 なら 後 は 魔法 の 習得 だけ です 。 魔力 を 感じ取れれば 十分です 」
う ー む …… なかなか 難しい 事 を 言う 。
そう 思い ながら 、 俺 が 渡さ れた 欠 片 を 手 で 転がす と 、 ぼんやり と 輝き だした 。
それ は …… なんて いう のだろう 。 今 まで 知ら なかった 俺 自身 に ある 、 もう 一 つ の 手 が 動き出す か の ような 感覚 と でも いう のだろう か 。
飛ぶ こと を 知ら なかった 鳥 が 初めて 羽ばたき を 知った ような …… そんな 感覚 。 。 「 なんか 変な 感じ だ 」 「 本当 は そんな 物 は なくて も 魔力 を 感じる こと が できる のです が 、 アナタ は それ を 知ら ず に 育った ようで 、 試しに と 思って 渡して みました が 成功 の ようです ね 」 「…… そう な の か 」
俺 は 魔法 書 に 書かれて いる 解読 済み の 概念 を 開き ながら 暗唱 する 。 魔力 と いう もう 一 つ の 腕 を 自身 の 腕 に 合わせて 意識 した 。
文字 が 輝き だす 。 これ は 俺 に しか 読め ない 俺 自身 に 刻ま れる 魔法 。
『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 守れ ! 』 「 ファスト ・ ガード ! 」 ターゲットマーク が 視界 に 浮かぶ 。 試しに 自分 を 選んで みた 。
淡い 輝き が 俺 に 宿った 。
ステータス を チェック する と その分 が 上昇 して いる 。
「 おお ……」
「 どうやら 習得 できた ようです ね 。 では 魔力 付与 を 教えます よ 」 アクセサリー 商 の 奴 、 俺 の 感動 を 聞き流して レクチャー を 始めた 。
せっかく 覚えた の に あっさり 流さ れる と いう の は なんだか な 。
で 、 アクセサリー 商 に 教えられる まま 、 俺 は 魔力 付与 を 覚えた 。 加工 した 宝石 に 魔力 を 与え 、 宝石 に 備わって いる 力 の 方向 性 を 制御 する 物 だ 。
最初 は 手間取った が 、 魔法 が 使える ように なった 今 、 盾 から の 補正 も あって 数 回 である 程度 の 物 が できる ように なった 。 難しい 物 と なる と 別の 宝石 の 力 を 混合 さ せたり 、 別の 、 例えば 薬 から 魔力 を 吸い出して 付与 する こと だって できる らしい 。
「 まあ 、 基本 は こんな ところ でしょう 。 では 後 は 自力 で 覚え 、 商売 の 役 に 立てて ください 」
そう 言って アクセサリー 商 は 馬車 を 降りて いった 。
こうして 俺 は 薬 の 調合 以外 に 宝石 の 細工 技術 も 覚える こと が できた のだった 。
細工 用 の 鉱石 が 必要に なった ので 、 斡旋 さ れた 採掘 場 の ある 町 に 行った 。
「 へ ー …… あの 方 の 紹介 です か 」
炭鉱 夫 みたいな 体つき の 良い 男 が 怪しむ ように 俺 を 見て いる が 、 アクセサリー 商 の 紹介 状 を 見せる と 驚き ながら 聞いて きた 。
「 確かに 、 あの 方 の 証文 です ね 。 あの お 金 に 厳しい 方 の 紹介 と は ……」
「 どういう 意味 だ ? 」 話 に よる と 、 アクセサリー 商 は 非常に ケチ で 知ら れる 商人 な のだ そうだ 。 炭鉱 夫 は そんな ケチ から の 紹介 状 を 持って やって 来た 俺 を 怪しんだ らしい が 、 本物 を 見て 驚いた 、 と いう のだ 。
「 あの 方 の 紹介 です から いい です よ 。 幾ら で 買います か ? 紹介 状 も あります し 、 融通 します が 」 「 あの さ 、 俺 に も 掘ら して くれ ない か ? それ なら もっと 安く できる だ ろ ? 」 「 え ? あ 、 まあ …… それ なら 殆ど タダ で お 譲り できます が ……」 俺 は ラフタリア と フィーロ に 商売 を 任せて 、 採掘 場 の ある 洞窟 に ツルハシ を 持って 入った 。
カンカン と ツルハシ で 叩く 音 が 洞窟 内 で 木霊 して いる 。 正直 、 騒がしい な 。
何 か 空気 が 篭もって 暑苦しい 。
壁 に 水晶 が 露出 して いて 淡い 光 を 放って いる 。 前 に 行った 廃 坑 と は 違う 感じ だ 。
「 この 洞窟 内 なら 、 余程 の 事 が ない 限り 安全な ので 、 どこ を 掘って も 問題 は ありません が 、 崩落 の 危険 性 は ゼロ で は ない ので 注意 して ください 」 そう だろう なぁ 。
炭鉱 夫 の 言葉 から する と 、 何 個 か ある 洞窟 の 中 で 頑丈な 場所 を 案内 して くれた のだろう 。
徐に 俺 は ツルハシ を 振り上げて 、 岩 壁 に 振り下ろす 。 すると 、 壁 に 十字 に 輝く ポイント が 浮かび上がる 。
ライトメタル の 時 と 同じだ な 。
「 てい ! 」 勢い を つけて 、 俺 は ツルハシ を 振るった 。 ガツン と いう 音 と 共に 壁 に ヒビ が 入る 。 その 亀裂 が メキメキ と 広がって 崩れた 。
「 は ? 」 炭鉱 夫 の 奴 、 俺 の 方 を 見て 惚けて いる 。 「 あの 固い 岩盤 を 一 振り ……? 」 …… 固い の か ? 採掘 技能 の おかげ か 一 振り する ごと に どんどん 壁 が 崩れ 、 あっという間 に 宝石 の 原石 が ごろごろ と 出て きた 。 ただ 、 やはり 技能 の Lv が 低い 所 為 か 、 幾ら 打って も 掘れ ない 壁 が ある 。
「 じゃあ これ だけ 貰って いく ぞ 」
「 は 、 はい 」
宝石 の 原石 を 袋 に 詰めて 足早に 採掘 場 を 後 に した 。
ちなみに 採掘 場 の 近く なら 、 クワ で 畑 を 耕す か の よう に 掘って も 宝石 の 原石 が 採掘 できた 。 案外 、 この 辺り は 出 やすい 傾向 が ある ようだ 。
問題 は 地表 近く の 原石 は 魔力 的に は 質 が 悪い 傾向 が ある こと だ けど 。
俺 の 世界 の 知識 に よる と 、 宝石 掘り で 有名な 場所 で は 畑 で 掘る か の よう に ごろごろ と 宝石 が 採れた らしい 。 この 辺り は 異 世界 だ から だろう 。 質 の 良い 宝石 は 地中 深く に 埋まって いる そうだ 。
ルビーブレスレット が 出来ました ! 品質 良い → 高 品質 試しに 作って みた ところ 、 元々 の 質 が 良い ので か なり の 一 品 が 作れた 。
魔力 付与 も ついでに 行って みる 。
ルビーブレスレット ( 火 耐性 +)
品質 高 品質 → 普通 う …… 魔力 付与 で 品質 が 随分 下がった 。
こんな 感じ で 装飾 品 に も 手 を 出し つつ 、 俺 の 行商 の 旅 は 続いて いく 。
ちなみに 馬車 の 中 で アクセサリー 作り を する の は かなり 難しく 、 薬 の 調合 と の 時間 単価 を 比べる と 割に 合う か 微妙な ところ だった 。 しかも …… 原石 に しろ 完成 品 に しろ 、 盾 に 吸わ せて も ツリー と Lv が 足りなくて 変化 で きや し ない 。
売る 専門 だ な 。
ちなみに 先ほど の ブレスレット は 製作 日数 二 日 で 銀貨 八〇 枚 で 売れた が 、 土台 の 腕 輪 を 作る のに 時間 が 掛かる 。
この 世界 で の 宝石 の 価値 は 俺 の 世界 より 低い 。
どれ だけ 流行 に 乗った 斬新な デザイン である か に よって 値打ち が 変わる と か 。 些 いささか 矛盾 した 題材 だ な 。
なんでも 今 は そういう ブーム らしい 。 異 世界 で も 流行り すたり が ある みたいだ 。
と いう か 、 高価な 宝石 は どうも 俺 の 知ら ない 宝石 らしい 。 とはいえ 大分 金 も 稼げて いる 。 そろそろ 本格 的に 装備 の 新調 を する の も 悪く は ない 。
鉄鉱 石 の 盾 の 条件 が 解放 さ れました 。 銅 鉱石 の 盾 の 条件 が 解放 さ れました 。 銀 鉱石 の 盾 の 条件 が 解放 さ れました 。 鉛 鉱石 の 盾 の 条件 が 解放 さ れました 。 鉄鉱 石 の 盾
能力 未 解放 …… 装備 ボーナス 、 製 錬 技能 2
銅 鉱石 の 盾
能力 未 解放 …… 装備 ボーナス 、 製 錬 技能 1
銀 鉱石 の 盾
能力 未 解放 …… 装備 ボーナス 、 悪魔 系 から の 攻撃 2% カット
鉛 鉱石 の 盾
能力 未 解放 …… 装備 ボーナス 、 防御 力 1
武器 屋 の 親父 に 任せて おけば 良い だ ろって 技能 が 出て くる 。 何でも やれば い いって もの じゃ ない 。
鉛 鉱石 の 盾 は 何 か が 置き換わって いる ようだ 。
この 技能 は 使わ ない だろう 。
そんな 感じ で 行商 の 日々 を 続けて いた ある 日 、 丁度 南方 の 街 へ 寄った 時 の こと 。
アクセサリー 商 から 、 ある 地方 で 除草 剤 を 大量に 欲して いる いう 情報 を 耳 に 入れた 。
なんでも 速度 から して 納品 期日 に 間に合う の は 神 鳥 …… フィーロ くらい な も の らしい 。
大金 が 手 に 入る なら と 、 俺 達 は 南西 に ある と いう 村 へ 急行 した 。