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盾の勇者成りがり02, 盾の勇者の成り上がり2 Chapter 20

盾 の 勇者 の 成り 上がり 2 Chapter 20

二十 話 憤怒 の 盾 咆哮 に 張り合う ように 俺 は 叫び 、 影 の 腕 を 盾 で 受け止める 。

痛く も 痒 くも ない 。

「 GYA !?」

黒い 影 の 奴 、 俺 を あざ笑って いた くせ に 、 驚愕 に 口元 を 歪ま せて いる 。

滑稽だ 。

「 死ね ! 」 俺 が 受け止め 、 そのまま 黒い 影 を 投げ飛ばす 。 黒い 大きな 影 は 驚き の 声 を 出し ながら 飛んで いった 。

「 GYAOOOOO ! 」 しかし 黒い 大きな 影 は 俺 の 攻撃 など 物ともせず 、 すぐに 起き上がって 俺 の 方 へ 駆けて 来る 。 …… この 盾 でも 敵 を 攻撃 する こと は でき ない の か 。

使え ない 。

黒い 影 は 懲り ず に 尻尾 を 伸ばして 俺 を 叩き 伏せよう と する 。

「 きか ねえ よ ! 」 ガイン と いう 音 と 共に 加えられる 黒い 影 の 攻撃 は 全て 俺 に 効果 が 無い 。 「 無駄だ ! 」 倒す 手段 が 無い な 。 そう 思った 直後 、 俺 を 中心 に 黒い 炎 が 巻き起こり 、 黒い 大きな 影 の 腕 と 尻尾 を 焼き 焦がす 。

「 GYAOO !?」

影 は 驚いて 転倒 した 。

「 へ ぇ …… ここ まで 攻撃 力 の ある 反撃 効果 が ある の か 」

怯 おびえる ように 俺 から 距離 を 取ろう と する 影 。

「 は 、 今更 命乞い か ? 許す わけ ねえ だ ろ ! 」 俺 は 徐に スキル を 唱える 。 「 アイアンメイデン ! 」 しかし 、 スキル は 発動 せ ず 、 俺 の 視界 に スキルツリー が 浮かび上がった 。 シールドプリズン → チェンジシールド ( 攻 )→ アイアンメイデン 。

発動 条件 か ?

面倒だ な 。 こう なったら わざと 影 に ぶつかって カウンター 効果 を 発動 さ せる と しよう 。

「 待って ろ …… 必ず 殺して やる ……」

近づいて くる 俺 の 向けられる 殺意 、 怒り に 、 影 が 怯えた ように 腕 を 振り回す 。 それ に 盾 を ぶつけて 影 を 燃え上がら せる 。

肉 を 焼き払い 、 骨 を 溶かす 。

火力 が 足りない …… 奴 の 存在 その物 を 消滅 さ せたい 。 「────っ! 」 なるほど …… 憤怒 の 盾 と やら は 俺 が 怒り狂えば 狂う ほど 、 力 が 増す らしい 。 ソンナコト 簡単 ダ 。

アイツ 等 に 抱いて いる 感情 を 思い出せば 良い 。

マイン = スフィア …… 本名 は マルティ だった か 。

名前 を 思い出す だけ で 怒り が 込み上げて 来る 。

次に クズ 、 元康 、 錬 、 樹 。

コイツ 等 に さ れた こと を 一つ一つ 思い出す 。

憎い …… 殺したい ……。 真っ赤な 盾 に 俺 の 怒り が 溶け 出して 、 黒く 染まって いく 。

「 今度 コソ 殺 ス …… 全員 ……」

影 の 腕 を 受け止めて 、 憤怒 の 炎 で 全て を 消し炭 に する 。

瞬く間に 炎 は 影 全体 を 包み込み 、 何もかも を 飲み込む 。

そこ で 俺 の 手 に 、 黒く 染まった 怒り を 溶かす ような 、 誰 か の 温もり が 触れる 。

ドクン ……。

それ は …… 優しい 何 か 。

「 世界中 の 全て が ナオフミ 様 が やった と 責め立てよう と も 、 私 は 違う と …… 何度 だって 、 ナオフミ 様 は そんな 事 を やって いない と 言います 」 …… え ?

その 言葉 に 、 黒く 歪んで いた 視界 が 僅かに 揺らぐ 。

心 の どこ か で 、 怒り に 任せて いて は もっとも 大切な もの を 失う と 心 が ざ わ つく 。

否定 したい 。 だけど ……。

「 どうか 、 信じて ください 。 私 は 、 ナオフミ 様 が 何も 罪 を 犯して いない と 確信 して います 。 貴重な 薬 を 分け 与え 、 命 を 救い 、 生きる 術 と 戦い 方 を 教えて くださった 偉大なる 盾 の 勇者 様 …… 私 は アナタ の 剣 。 たとえ どんな 苦行 の 道 であろう と も 付き 従います 」 声 が 俺 に 囁き かける 。

このまま 殺意 に 飲まれて は いけない 。 守ら ねば いけない 。

イカリヲワスレタノカ ?

…… 忘れ ない 。 だけど 、 それ より も 俺 は 自分 を 心から 信じて いる 者 に 報いたい 。 ワレニサカラウノカ ?

命令 が 気 に 食わ ない 。 俺 は 俺 自身 で 道 を 決める !

…… イツデモワレガ 隙 ヲ 狙 ッテイルトオモエ 。

黒い 声 が スーッ と 引いて いき 、 視界 が 少し だけ 鮮やかに なる 。

「 ゲホ ! ゲホ ! 」 気 が 付く と ラフタリア が 咳 を 必死に 堪え ながら 俺 の 手 を 握り締めて いた 。 「 だ 、 大丈夫 か !?」

「 は 、 はい 。 大丈夫 、 です 。 ゲホ ! 」 酷 い 火傷 を 負って いた 。 ここ に は 炎 を 使える 敵 なんて いない 。 一体 、 何 が …… あ !

憤怒 の 盾 の 専用 効果 、 セルフカースバーニング に ラフタリア を 巻き込んで しまった んだ 。

「 ラフタリア ! どうして 俺 の 手 を 握って いた んだ ! 」 「 手 を …… 握って いない と ナオフミ 様 が 、 どこ か へ 行って しまう ような 。 そんな 気 が …… ゲホ ──」

崩れ落ちる ように ラフタリア は 微笑んで 倒れる 。

俺 の …… 所 為 で ラフタリア が 重傷 を 負って しまった 。

『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 癒せ ! 』 「 ファスト ・ ヒール ! 」 『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 癒せ ! 』 「 ファスト ・ ヒール ! 」 『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 癒せ ! 』 「 ファスト ・ ヒール ! 」 『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 癒せ ! 』 「 ファスト ・ ヒール ! 」 俺 の 魔力 が 尽きる まで 俺 は 魔法 を 唱える の を やめ ない 。 ラフタリア は …… ラフタリア は 俺 を 唯一 信じて くれた 大切な 人 な んだ !

酷 い 火傷 だ 。 治療 する に は 初級 の 回復 魔法 で は 足りない 。 急いで 馬車 に ある ヒール 軟膏 を 使わ ねば 。

「 GYAOOOOOO ! 」 振り返る と ドラゴンゾンビ が 咆哮 し 、 俺 達 に 向けて 、 焦げた 腕 と は 反対の 腕 を ブレス と 共に 振り下ろす 瞬間 だった 。 「 邪魔 を する な ! 」 腕 を 振り上げる と 、 ドラゴンゾンビ の 攻撃 は 受け止められる 。 同時に 盾 が 黒く 光り輝き 、 セルフカースバーニング を 発動 さ せよう と する 。

「 やめろ ! 」 俺 の 声 に 呼応 する か の 如く 、 盾 は 沈黙 する 。 ここ で 盾 が 発動 したら 、 今度 こそ ラフタリア も 一緒に 焼き殺して しまう 。 そんな 事 を する わけに は いか ない 。 だけど 、 こうして ずっと 毒 の ブレス に 耐える こと は ラフタリア の 生命 力 から は 厳しい 。

俺 の 意思 に 呼応 した ように 、 盾 は セルフカースバーニング に より 、 毒 の ブレス だけ を 焼き払う 。 だけど 、 本格 的に 敵 を 屠 る に は 出力 が 足りない 。

どうした もの か 。

盾 から は 常に 殺意 と 怒り が 俺 に 供給 さ れ 、 飲み込ま れ まい と する 意識 で どうにか ねじ伏せて いる が 、 いつ また 怒り に 飲ま れる か わから ない 。

今 は 一刻 も 早く 馬車 に 戻って ラフタリア の 治療 を し なくて は いけない 。

俺 の 意思 は 辛うじて 、 ラフタリア を 守ろう と する こと で 保たれて いた 。 「 GYA !?」

そんな 攻防 を して いる 最中 、 突如 ドラゴンゾンビ は おかしな 声 を 上げて 胸 を 掻き毟り ながら 悶え 苦しみ だした 。

「 な 、 何 が ……」

一体 何 が 起こって いる んだ ? セルフカースバーニング の 炎 が 侵食 して いる と でも 言う の か ?

「 GYAOOOOOOOOOO ! ! ! 」 やがて ドラゴンゾンビ は ピクリ と も 動か なく なり 、 元 の 骸 に 戻った 。 今 は 事態 を 観察 して いる 状況 じゃ ない 。

見る と 辺り を ブンブン と 飛んで いた ポイズンフライ の 姿 が 無い 。 ドラゴンゾンビ が 暴れ まわった 所 為 で しばらく の 間 どこ か へ 逃げた のだろう 。

俺 は ラフタリア を 抱えて 馬車 へ 戻り 、 馬車 の 中 に ある ヒール 軟膏 と 即席 で 作った 火傷 治し の 薬草 混合 物 を ラフタリア の 患部 に 塗る 。 そして ラフタリア に 解毒 剤 を 服用 さ せた 。

「 あ …… ナオフミ 様 」

呼吸 が 静かに なった ラフタリア は 目 を 開けて 笑顔 で 俺 に 声 を 掛ける 。

「 大丈夫 か !?」

「 はい …… ナオフミ 様 の 薬 の おかげ で ……」

それ でも 火傷 が かなり 酷 い 。 単純な 火傷 は 薬 の おかげ で 治って いる が …… 黒い 魔法 的 効果 と でも いう のだろう か 、 黒い 痕 が 残って いる 。 少しずつ 良く なって は いる んだ けど 、 治り が 悪い 。

「 わ 、 私 より も …… 早く …… ドラゴン を 」

「 ドラゴンゾンビ は もう 動いて いない 」 「 そう 、 では なく …… 早く 死骸 の 処理 を し ない と 」

「…… わかった 」

ラフタリア の 視線 は 、 俺 が ドラゴン の 死骸 を 処理 し ない と いけない と 強く 注意 して いた 。

「 ここ に 置いて いって 大丈夫 か ? 」 「 自分 の 身 を 守る 程度 に は 戦えます 」 「 そう か …… わかった 」

俺 は 馬車 から 降りて ドラゴン の 死骸 に 向けて 歩き 出した 。

あれ を 解体 して 盾 に 吸わ せ なければ なら ない 。

そして フィーロ …… せめて 遺体 だけ でも 引き摺りだして 墓 を 立てて やら ない と 。

死骸 に 近づく と モゾモゾ と 内臓 が 蠢いて いる の が 見て取れた 。

これ から 一体 何 が 起こる と いう の か …… 今 の 俺 に は 戦う 術 が 辛うじて 存在 する 。

憤怒 の 盾 。

この 、 心 を 侵食 する 危険な 盾 は 、 強大な 防御 力 と 強力な カウンター 攻撃 を 持って いる 。

さすが に 常に 出し 続ける に は 俺 の 心 が 持た ない ため 、 今 は キメラヴァイパーシールド に 変えて いる 。 でも 、 いつでも 対応 できる ように 常に 構える 。

蠢き が 一 箇所 で 止まり 、 腹 を 食い 破って 何 か が 現れる 。

「 ぷは ぁ ! 」 そこ に は ── 体中 を 腐った 液体 で 滴ら せた 見慣れた 鳥 が ドラゴン の 死骸 から 体 を 出して いた 。 「 ふう …… やっと 外 に 出られた ー 」 ドラゴンゾンビ に 食わ れた はずの フィーロ が 元気な 姿 で 出て きた 。

「 フィーロ ? 無事だった の か !? 怪我 は して いない か ? 」 「 うん 。 怪我 なんて して ない よ 」

「 じゃあ …… お前 が 食わ れた とき 出た あの 血 は なんだ ? 」 「 血 ? フィーロ 、 ドラゴン に パックン さ れた 時 に お腹 を 押されて ゴハン を 吐いちゃった の 」 フィーロ が 食べて いた の は トマト に 似た 赤い 実 …… あれ を 吐いて 血 に 見えたって わけ か !? 確かに 戦闘 前 に 食い まくって いた が 。

「 驚か す な ! お前 が 死んだ か と 思った んだ ぞ ! 」 「 あの 程度 の 攻撃 じゃ フィーロ 痛く も かゆく も な ー い 」 魔物 か この 鳥 。 いや 、 魔物 である の は 事実 だ が 。

まったく …… 驚かせ や がって 。 「 ご しゅじん さま 、 フィーロ の こと 心配 して くれる の ー ? 」 「 知る か 」 「 ご しゅじん さま 照れて る ー 」

「 今度 は 俺 自ら 引導 を 渡して や ろうか ? 」 「 や ー ん 。 でも 嬉しい ! フィーロ の 代わり を 買おう と か 思わ ない んだ ね ! 」 は ぁ …… 無事だった なら 良い んだ 。 ニヤニヤ して いる フィーロ に 腹 が 立つ 。 後 で 覚えて ろ よ 。

「 それ で 何 が あった 」

「 うん 。 この ドラゴン の お腹 の 中 を 引き裂いて 進んで いったら 紫色 に 光る 大きな 水晶 が あった の 」

もし かして あれ か ? ドラゴンゾンビ の 体 を 動かして いた 大 本 が その 大きな 水晶 な の か ?

フィーロ が 出て きた 場所 は 胸 の 辺り …… 心臓 か 。

しか しなんで そんな もの が ?

ドラゴン だ から か ? 死んで も 体 に 宿った 魔力 が 放置 さ れた 骸 で 結晶 化 して 動き出した と か ?

「 で …… その 結晶 は ? 」 「 ゲッフゥウウウ ! 」 うん 。 この 返答 は アレ だ よ な 、 食った んだ な 。 なんか 腹部 が 光って る し 。

こいつ …… 殴りたい 。 「 少し だけ 余った の 。 ご しゅじん さま に おみやげ 」

そう 言って フィーロ は ポンっと 紫色 の 小さな 欠 片 を 俺 に 渡す 。 …… どうした もの か な 。

一応 半分 に して 盾 に 吸わ せた 。

やはり ツリー や Lv が 低くて 解放 さ れ ない 。

「 ラフタリア は 怪我 を して いる から 、 フィーロ 、 この 死骸 を 掃除 する ぞ 」

「 は ー い ! 」 まったく …… 本当に この 鳥 は 俺 を 驚かせる 。 あの 時 、 怒り に 任せ なくて 良かった 。

フィーロ の 仇 を 討つ ため に 盾 を 変えた と いう のに 、 後半 は 怒り で 完全に 我 を 失って いた 。

ラフタリア が 止めて い なければ 、 俺 は フィーロ すら も 燃やして いた はずだ 。

憤怒 …… 呪わ れた 盾 。

勇者 の 意識 すら 乗っ取って 何 を さ せよう と して いた の か 。

ただ 言える こと は 、 あの まま だったら 俺 は あいつ 等 を 殺し に 向かった はず 。

…… 少なくとも あの 時 は 、 その 事 しか 考えられ なかった 。 「 いただき ま ー す ! 」 「 こら フィーロ 、 その 肉 は 腐って る ! 食う な ! 」 「 お 肉 は 腐り かけ が 一 番 おいしい んだ よ 、 ご しゅじん さま ー 」 「 腐り かけ じゃ ない ! 完全に 腐って る んだ よ ! 」 なんだか 緊張 感 の 無い まま 、 ドラゴンゾンビ の 処理 は 終わった 。 骨 と か 肉 と か 皮 と か 、 色々 と あった わけだ けど 、 ツリー を 満たせ なかった 。

それ でも ドラゴンゾンビ の 皮 と か ドラゴン の 骨 と か は 素材 に なり そうで 、 一部 を 馬車 に 乗せる こと に した 。


盾 の 勇者 の 成り 上がり 2 Chapter 20 たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter Rise of the Shield Heroes 2 Kapitel 20 Rise of the Shield Heroes 2 Chapter 20

二十 話 憤怒 の 盾 にじゅう|はなし|ふんぬ||たて 咆哮 に 張り合う ように 俺 は 叫び 、 影 の 腕 を 盾 で 受け止める 。 ほうこう||はりあう||おれ||さけび|かげ||うで||たて||うけとめる

痛く も 痒 くも ない 。 いたく||よう||

「 GYA !?」 gya

黒い 影 の 奴 、 俺 を あざ笑って いた くせ に 、 驚愕 に 口元 を 歪ま せて いる 。 くろい|かげ||やつ|おれ||あざわらって||||きょうがく||くちもと||ゆがま||

滑稽だ 。 こっけいだ

「 死ね ! しね 」 俺 が 受け止め 、 そのまま 黒い 影 を 投げ飛ばす 。 おれ||うけとめ||くろい|かげ||なげとばす 黒い 大きな 影 は 驚き の 声 を 出し ながら 飛んで いった 。 くろい|おおきな|かげ||おどろき||こえ||だし||とんで|

「 GYAOOOOO ! gyaooooo 」 しかし 黒い 大きな 影 は 俺 の 攻撃 など 物ともせず 、 すぐに 起き上がって 俺 の 方 へ 駆けて 来る 。 |くろい|おおきな|かげ||おれ||こうげき||ものともせず||おきあがって|おれ||かた||かけて|くる …… この 盾 でも 敵 を 攻撃 する こと は でき ない の か 。 |たて||てき||こうげき|||||||

使え ない 。 つかえ|

黒い 影 は 懲り ず に 尻尾 を 伸ばして 俺 を 叩き 伏せよう と する 。 くろい|かげ||こり|||しっぽ||のばして|おれ||たたき|ふせよう||

「 きか ねえ よ ! 」 ガイン と いう 音 と 共に 加えられる 黒い 影 の 攻撃 は 全て 俺 に 効果 が 無い 。 |||おと||ともに|くわえ られる|くろい|かげ||こうげき||すべて|おれ||こうか||ない 「 無駄だ ! むだだ 」 倒す 手段 が 無い な 。 たおす|しゅだん||ない| そう 思った 直後 、 俺 を 中心 に 黒い 炎 が 巻き起こり 、 黒い 大きな 影 の 腕 と 尻尾 を 焼き 焦がす 。 |おもった|ちょくご|おれ||ちゅうしん||くろい|えん||まきおこり|くろい|おおきな|かげ||うで||しっぽ||やき|こがす

「 GYAOO !?」 gyaoo

影 は 驚いて 転倒 した 。 かげ||おどろいて|てんとう|

「 へ ぇ …… ここ まで 攻撃 力 の ある 反撃 効果 が ある の か 」 ||||こうげき|ちから|||はんげき|こうか||||

怯 おびえる ように 俺 から 距離 を 取ろう と する 影 。 きょう|||おれ||きょり||とろう|||かげ

「 は 、 今更 命乞い か ? |いまさら|いのちごい| 許す わけ ねえ だ ろ ! ゆるす|||| 」 俺 は 徐に スキル を 唱える 。 おれ||おもむろに|||となえる 「 アイアンメイデン ! 」 しかし 、 スキル は 発動 せ ず 、 俺 の 視界 に スキルツリー が 浮かび上がった 。 |||はつどう|||おれ||しかい||||うかびあがった シールドプリズン → チェンジシールド ( 攻 )→ アイアンメイデン 。 ||おさむ|

発動 条件 か ? はつどう|じょうけん|

面倒だ な 。 めんどうだ| こう なったら わざと 影 に ぶつかって カウンター 効果 を 発動 さ せる と しよう 。 |||かげ|||かうんたー|こうか||はつどう||||

「 待って ろ …… 必ず 殺して やる ……」 まって||かならず|ころして|

近づいて くる 俺 の 向けられる 殺意 、 怒り に 、 影 が 怯えた ように 腕 を 振り回す 。 ちかづいて||おれ||むけ られる|さつい|いかり||かげ||おびえた||うで||ふりまわす それ に 盾 を ぶつけて 影 を 燃え上がら せる 。 ||たて|||かげ||もえあがら|

肉 を 焼き払い 、 骨 を 溶かす 。 にく||やきはらい|こつ||とかす

火力 が 足りない …… 奴 の 存在 その物 を 消滅 さ せたい 。 かりょく||たりない|やつ||そんざい|そのもの||しょうめつ|| 「────っ! 」 なるほど …… 憤怒 の 盾 と やら は 俺 が 怒り狂えば 狂う ほど 、 力 が 増す らしい 。 |ふんぬ||たて||||おれ||いかりくるえば|くるう||ちから||ます| ソンナコト 簡単 ダ 。 |かんたん|

アイツ 等 に 抱いて いる 感情 を 思い出せば 良い 。 |とう||いだいて||かんじょう||おもいだせば|よい

マイン = スフィア …… 本名 は マルティ だった か 。 ||ほんみょう||||

名前 を 思い出す だけ で 怒り が 込み上げて 来る 。 なまえ||おもいだす|||いかり||こみあげて|くる

次に クズ 、 元康 、 錬 、 樹 。 つぎに|くず|もとやす||き

コイツ 等 に さ れた こと を 一つ一つ 思い出す 。 |とう||||||ひとつひとつ|おもいだす

憎い …… 殺したい ……。 にくい|ころし たい 真っ赤な 盾 に 俺 の 怒り が 溶け 出して 、 黒く 染まって いく 。 まっかな|たて||おれ||いかり||とけ|だして|くろく|そまって|

「 今度 コソ 殺 ス …… 全員 ……」 こんど||ころ||ぜんいん

影 の 腕 を 受け止めて 、 憤怒 の 炎 で 全て を 消し炭 に する 。 かげ||うで||うけとめて|ふんぬ||えん||すべて||けしずみ||

瞬く間に 炎 は 影 全体 を 包み込み 、 何もかも を 飲み込む 。 またたくまに|えん||かげ|ぜんたい||つつみこみ|なにもかも||のみこむ

そこ で 俺 の 手 に 、 黒く 染まった 怒り を 溶かす ような 、 誰 か の 温もり が 触れる 。 ||おれ||て||くろく|そまった|いかり||とかす||だれ|||ぬくもり||ふれる

ドクン ……。

それ は …… 優しい 何 か 。 ||やさしい|なん|

「 世界中 の 全て が ナオフミ 様 が やった と 責め立てよう と も 、 私 は 違う と …… 何度 だって 、 ナオフミ 様 は そんな 事 を やって いない と 言います 」 せかいじゅう||すべて|||さま||||せめたてよう|||わたくし||ちがう||なんど|||さま|||こと|||||いい ます …… え ?

その 言葉 に 、 黒く 歪んで いた 視界 が 僅かに 揺らぐ 。 |ことば||くろく|ゆがんで||しかい||わずかに|ゆらぐ

心 の どこ か で 、 怒り に 任せて いて は もっとも 大切な もの を 失う と 心 が ざ わ つく 。 こころ|||||いかり||まかせて||||たいせつな|||うしなう||こころ||||

否定 したい 。 ひてい|し たい だけど ……。

「 どうか 、 信じて ください 。 |しんじて| 私 は 、 ナオフミ 様 が 何も 罪 を 犯して いない と 確信 して います 。 わたくし|||さま||なにも|ざい||おかして|||かくしん||い ます 貴重な 薬 を 分け 与え 、 命 を 救い 、 生きる 術 と 戦い 方 を 教えて くださった 偉大なる 盾 の 勇者 様 …… 私 は アナタ の 剣 。 きちょうな|くすり||わけ|あたえ|いのち||すくい|いきる|じゅつ||たたかい|かた||おしえて||いだいなる|たて||ゆうしゃ|さま|わたくし||||けん たとえ どんな 苦行 の 道 であろう と も 付き 従います 」 ||くぎょう||どう||||つき|したがい ます 声 が 俺 に 囁き かける 。 こえ||おれ||ささやき|

このまま 殺意 に 飲まれて は いけない 。 |さつい||のま れて|| 守ら ねば いけない 。 まもら||

イカリヲワスレタノカ ?

…… 忘れ ない 。 わすれ| だけど 、 それ より も 俺 は 自分 を 心から 信じて いる 者 に 報いたい 。 ||||おれ||じぶん||こころから|しんじて||もの||むくい たい ワレニサカラウノカ ?

命令 が 気 に 食わ ない 。 めいれい||き||くわ| 俺 は 俺 自身 で 道 を 決める ! おれ||おれ|じしん||どう||きめる

…… イツデモワレガ 隙 ヲ 狙 ッテイルトオモエ 。 |すき||ねら|

黒い 声 が スーッ と 引いて いき 、 視界 が 少し だけ 鮮やかに なる 。 くろい|こえ||||ひいて||しかい||すこし||あざやかに|

「 ゲホ ! ゲホ ! 」 気 が 付く と ラフタリア が 咳 を 必死に 堪え ながら 俺 の 手 を 握り締めて いた 。 き||つく||||せき||ひっしに|こらえ||おれ||て||にぎりしめて| 「 だ 、 大丈夫 か !?」 |だいじょうぶ|

「 は 、 はい 。 大丈夫 、 です 。 だいじょうぶ| ゲホ ! 」 酷 い 火傷 を 負って いた 。 こく||やけど||おって| ここ に は 炎 を 使える 敵 なんて いない 。 |||えん||つかえる|てき|| 一体 、 何 が …… あ ! いったい|なん||

憤怒 の 盾 の 専用 効果 、 セルフカースバーニング に ラフタリア を 巻き込んで しまった んだ 。 ふんぬ||たて||せんよう|こうか|||||まきこんで||

「 ラフタリア ! どうして 俺 の 手 を 握って いた んだ ! |おれ||て||にぎって|| 」 「 手 を …… 握って いない と ナオフミ 様 が 、 どこ か へ 行って しまう ような 。 て||にぎって||||さま|||||おこなって|| そんな 気 が …… ゲホ ──」 |き||

崩れ落ちる ように ラフタリア は 微笑んで 倒れる 。 くずれおちる||||ほおえんで|たおれる

俺 の …… 所 為 で ラフタリア が 重傷 を 負って しまった 。 おれ||しょ|ため||||じゅうしょう||おって|

『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 ちから||こんげん||たて||ゆうしゃ||めいずる 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 癒せ ! り||いまいち|たび|よみ|とき|かれ||もの||いやせ 』 「 ファスト ・ ヒール ! 」 『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 ちから||こんげん||たて||ゆうしゃ||めいずる 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 癒せ ! り||いまいち|たび|よみ|とき|かれ||もの||いやせ 』 「 ファスト ・ ヒール ! 」 『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 ちから||こんげん||たて||ゆうしゃ||めいずる 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 癒せ ! り||いまいち|たび|よみ|とき|かれ||もの||いやせ 』 「 ファスト ・ ヒール ! 」 『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 ちから||こんげん||たて||ゆうしゃ||めいずる 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 癒せ ! り||いまいち|たび|よみ|とき|かれ||もの||いやせ 』 「 ファスト ・ ヒール ! 」 俺 の 魔力 が 尽きる まで 俺 は 魔法 を 唱える の を やめ ない 。 おれ||まりょく||つきる||おれ||まほう||となえる|||| ラフタリア は …… ラフタリア は 俺 を 唯一 信じて くれた 大切な 人 な んだ ! ||||おれ||ゆいいつ|しんじて||たいせつな|じん||

酷 い 火傷 だ 。 こく||やけど| 治療 する に は 初級 の 回復 魔法 で は 足りない 。 ちりょう||||しょきゅう||かいふく|まほう|||たりない 急いで 馬車 に ある ヒール 軟膏 を 使わ ねば 。 いそいで|ばしゃ||||なんこう||つかわ|

「 GYAOOOOOO ! gyaoooooo 」 振り返る と ドラゴンゾンビ が 咆哮 し 、 俺 達 に 向けて 、 焦げた 腕 と は 反対の 腕 を ブレス と 共に 振り下ろす 瞬間 だった 。 ふりかえる||||ほうこう||おれ|さとる||むけて|こげた|うで|||はんたいの|うで||||ともに|ふりおろす|しゅんかん| 「 邪魔 を する な ! じゃま||| 」 腕 を 振り上げる と 、 ドラゴンゾンビ の 攻撃 は 受け止められる 。 うで||ふりあげる||||こうげき||うけとめ られる 同時に 盾 が 黒く 光り輝き 、 セルフカースバーニング を 発動 さ せよう と する 。 どうじに|たて||くろく|ひかりかがやき|||はつどう||||

「 やめろ ! 」 俺 の 声 に 呼応 する か の 如く 、 盾 は 沈黙 する 。 おれ||こえ||こおう||||ごとく|たて||ちんもく| ここ で 盾 が 発動 したら 、 今度 こそ ラフタリア も 一緒に 焼き殺して しまう 。 ||たて||はつどう||こんど||||いっしょに|やきころして| そんな 事 を する わけに は いか ない 。 |こと|||||| だけど 、 こうして ずっと 毒 の ブレス に 耐える こと は ラフタリア の 生命 力 から は 厳しい 。 |||どく||||たえる|||||せいめい|ちから|||きびしい

俺 の 意思 に 呼応 した ように 、 盾 は セルフカースバーニング に より 、 毒 の ブレス だけ を 焼き払う 。 おれ||いし||こおう|||たて|||||どく|||||やきはらう だけど 、 本格 的に 敵 を 屠 る に は 出力 が 足りない 。 |ほんかく|てきに|てき||と||||しゅつりょく||たりない

どうした もの か 。

盾 から は 常に 殺意 と 怒り が 俺 に 供給 さ れ 、 飲み込ま れ まい と する 意識 で どうにか ねじ伏せて いる が 、 いつ また 怒り に 飲ま れる か わから ない 。 たて|||とわに|さつい||いかり||おれ||きょうきゅう|||のみこま|||||いしき|||ねじふせて|||||いかり||のま||||

今 は 一刻 も 早く 馬車 に 戻って ラフタリア の 治療 を し なくて は いけない 。 いま||いっこく||はやく|ばしゃ||もどって|||ちりょう|||||

俺 の 意思 は 辛うじて 、 ラフタリア を 守ろう と する こと で 保たれて いた 。 おれ||いし||かろうじて|||まもろう|||||たもた れて| 「 GYA !?」 gya

そんな 攻防 を して いる 最中 、 突如 ドラゴンゾンビ は おかしな 声 を 上げて 胸 を 掻き毟り ながら 悶え 苦しみ だした 。 |こうぼう||||さい なか|とつじょ||||こえ||あげて|むね||かきむしり||もだえ|くるしみ|

「 な 、 何 が ……」 |なん|

一体 何 が 起こって いる んだ ? いったい|なん||おこって|| セルフカースバーニング の 炎 が 侵食 して いる と でも 言う の か ? ||えん||しんしょく|||||いう||

「 GYAOOOOOOOOOO ! gyaoooooooooo ! ! 」 やがて ドラゴンゾンビ は ピクリ と も 動か なく なり 、 元 の 骸 に 戻った 。 |||ぴくり|||うごか|||もと||むくろ||もどった 今 は 事態 を 観察 して いる 状況 じゃ ない 。 いま||じたい||かんさつ|||じょうきょう||

見る と 辺り を ブンブン と 飛んで いた ポイズンフライ の 姿 が 無い 。 みる||あたり||||とんで||||すがた||ない ドラゴンゾンビ が 暴れ まわった 所 為 で しばらく の 間 どこ か へ 逃げた のだろう 。 ||あばれ||しょ|ため||||あいだ||||にげた|

俺 は ラフタリア を 抱えて 馬車 へ 戻り 、 馬車 の 中 に ある ヒール 軟膏 と 即席 で 作った 火傷 治し の 薬草 混合 物 を ラフタリア の 患部 に 塗る 。 おれ||||かかえて|ばしゃ||もどり|ばしゃ||なか||||なんこう||そくせき||つくった|やけど|なおし||やくそう|こんごう|ぶつ||||かんぶ||ぬる そして ラフタリア に 解毒 剤 を 服用 さ せた 。 |||げどく|ざい||ふくよう||

「 あ …… ナオフミ 様 」 ||さま

呼吸 が 静かに なった ラフタリア は 目 を 開けて 笑顔 で 俺 に 声 を 掛ける 。 こきゅう||しずかに||||め||あけて|えがお||おれ||こえ||かける

「 大丈夫 か !?」 だいじょうぶ|

「 はい …… ナオフミ 様 の 薬 の おかげ で ……」 ||さま||くすり|||

それ でも 火傷 が かなり 酷 い 。 ||やけど|||こく| 単純な 火傷 は 薬 の おかげ で 治って いる が …… 黒い 魔法 的 効果 と でも いう のだろう か 、 黒い 痕 が 残って いる 。 たんじゅんな|やけど||くすり||||なおって|||くろい|まほう|てき|こうか||||||くろい|あと||のこって| 少しずつ 良く なって は いる んだ けど 、 治り が 悪い 。 すこしずつ|よく||||||なおり||わるい

「 わ 、 私 より も …… 早く …… ドラゴン を 」 |わたくし|||はやく||

「 ドラゴンゾンビ は もう 動いて いない 」 |||うごいて| 「 そう 、 では なく …… 早く 死骸 の 処理 を し ない と 」 |||はやく|しがい||しょり||||

「…… わかった 」

ラフタリア の 視線 は 、 俺 が ドラゴン の 死骸 を 処理 し ない と いけない と 強く 注意 して いた 。 ||しせん||おれ||||しがい||しょり||||||つよく|ちゅうい||

「 ここ に 置いて いって 大丈夫 か ? ||おいて||だいじょうぶ| 」 「 自分 の 身 を 守る 程度 に は 戦えます 」 じぶん||み||まもる|ていど|||たたかえ ます 「 そう か …… わかった 」

俺 は 馬車 から 降りて ドラゴン の 死骸 に 向けて 歩き 出した 。 おれ||ばしゃ||おりて|||しがい||むけて|あるき|だした

あれ を 解体 して 盾 に 吸わ せ なければ なら ない 。 ||かいたい||たて||すわ||||

そして フィーロ …… せめて 遺体 だけ でも 引き摺りだして 墓 を 立てて やら ない と 。 |||いたい|||ひきずりだして|はか||たてて|||

死骸 に 近づく と モゾモゾ と 内臓 が 蠢いて いる の が 見て取れた 。 しがい||ちかづく||もぞもぞ||ないぞう||うごめいて||||みてとれた

これ から 一体 何 が 起こる と いう の か …… 今 の 俺 に は 戦う 術 が 辛うじて 存在 する 。 ||いったい|なん||おこる|||||いま||おれ|||たたかう|じゅつ||かろうじて|そんざい|

憤怒 の 盾 。 ふんぬ||たて

この 、 心 を 侵食 する 危険な 盾 は 、 強大な 防御 力 と 強力な カウンター 攻撃 を 持って いる 。 |こころ||しんしょく||きけんな|たて||きょうだいな|ぼうぎょ|ちから||きょうりょくな|かうんたー|こうげき||もって|

さすが に 常に 出し 続ける に は 俺 の 心 が 持た ない ため 、 今 は キメラヴァイパーシールド に 変えて いる 。 ||とわに|だし|つづける|||おれ||こころ||もた|||いま||||かえて| でも 、 いつでも 対応 できる ように 常に 構える 。 ||たいおう|||とわに|かまえる

蠢き が 一 箇所 で 止まり 、 腹 を 食い 破って 何 か が 現れる 。 うごめき||ひと|かしょ||とまり|はら||くい|やぶって|なん|||あらわれる

「 ぷは ぁ ! 」 そこ に は ── 体中 を 腐った 液体 で 滴ら せた 見慣れた 鳥 が ドラゴン の 死骸 から 体 を 出して いた 。 |||たいちゅう||くさった|えきたい||したたら||みなれた|ちょう||||しがい||からだ||だして| 「 ふう …… やっと 外 に 出られた ー 」 ||がい||で られた|- ドラゴンゾンビ に 食わ れた はずの フィーロ が 元気な 姿 で 出て きた 。 ||くわ|||||げんきな|すがた||でて|

「 フィーロ ? 無事だった の か !? 怪我 は して いない か ? ぶじだった|||けが|||| 」 「 うん 。 怪我 なんて して ない よ 」 けが||||

「 じゃあ …… お前 が 食わ れた とき 出た あの 血 は なんだ ? |おまえ||くわ|||でた||ち|| 」 「 血 ? フィーロ 、 ドラゴン に パックン さ れた 時 に お腹 を 押されて ゴハン を 吐いちゃった の 」 ||||||じ||おなか||おさ れて|||はいちゃ った| フィーロ が 食べて いた の は トマト に 似た 赤い 実 …… あれ を 吐いて 血 に 見えたって わけ か !? ||たべて||||とまと||にた|あかい|み|||はいて|ち||みえた って|| 確かに 戦闘 前 に 食い まくって いた が 。 たしかに|せんとう|ぜん||くい|||

「 驚か す な ! おどろか|| お前 が 死んだ か と 思った んだ ぞ ! おまえ||しんだ|||おもった|| 」 「 あの 程度 の 攻撃 じゃ フィーロ 痛く も かゆく も な ー い 」 |ていど||こうげき|||いたく|||||-| 魔物 か この 鳥 。 まもの|||ちょう いや 、 魔物 である の は 事実 だ が 。 |まもの||||じじつ||

まったく …… 驚かせ や がって 。 |おどろかせ|| 「 ご しゅじん さま 、 フィーロ の こと 心配 して くれる の ー ? ||||||しんぱい||||- 」 「 知る か 」 しる| 「 ご しゅじん さま 照れて る ー 」 |||てれて||-

「 今度 は 俺 自ら 引導 を 渡して や ろうか ? こんど||おれ|おのずから|いんどう||わたして|| 」 「 や ー ん 。 |-| でも 嬉しい ! |うれしい フィーロ の 代わり を 買おう と か 思わ ない んだ ね ! ||かわり||かおう|||おもわ||| 」 は ぁ …… 無事だった なら 良い んだ 。 ||ぶじだった||よい| ニヤニヤ して いる フィーロ に 腹 が 立つ 。 |||||はら||たつ 後 で 覚えて ろ よ 。 あと||おぼえて||

「 それ で 何 が あった 」 ||なん||

「 うん 。 この ドラゴン の お腹 の 中 を 引き裂いて 進んで いったら 紫色 に 光る 大きな 水晶 が あった の 」 |||おなか||なか||ひきさいて|すすんで||むらさきいろ||ひかる|おおきな|すいしょう|||

もし かして あれ か ? ドラゴンゾンビ の 体 を 動かして いた 大 本 が その 大きな 水晶 な の か ? ||からだ||うごかして||だい|ほん|||おおきな|すいしょう|||

フィーロ が 出て きた 場所 は 胸 の 辺り …… 心臓 か 。 ||でて||ばしょ||むね||あたり|しんぞう|

しか しなんで そんな もの が ?

ドラゴン だ から か ? 死んで も 体 に 宿った 魔力 が 放置 さ れた 骸 で 結晶 化 して 動き出した と か ? しんで||からだ||やどった|まりょく||ほうち|||むくろ||けっしょう|か||うごきだした||

「 で …… その 結晶 は ? ||けっしょう| 」 「 ゲッフゥウウウ ! 」 うん 。 この 返答 は アレ だ よ な 、 食った んだ な 。 |へんとう||||||くった|| なんか 腹部 が 光って る し 。 |ふくぶ||ひかって||

こいつ …… 殴りたい 。 |なぐり たい 「 少し だけ 余った の 。 すこし||あまった| ご しゅじん さま に おみやげ 」

そう 言って フィーロ は ポンっと 紫色 の 小さな 欠 片 を 俺 に 渡す 。 |いって|||ポン っと|むらさきいろ||ちいさな|けつ|かた||おれ||わたす …… どうした もの か な 。

一応 半分 に して 盾 に 吸わ せた 。 いちおう|はんぶん|||たて||すわ|

やはり ツリー や Lv が 低くて 解放 さ れ ない 。 |つりー||lv||ひくくて|かいほう|||

「 ラフタリア は 怪我 を して いる から 、 フィーロ 、 この 死骸 を 掃除 する ぞ 」 ||けが|||||||しがい||そうじ||

「 は ー い ! |-| 」 まったく …… 本当に この 鳥 は 俺 を 驚かせる 。 |ほんとうに||ちょう||おれ||おどろかせる あの 時 、 怒り に 任せ なくて 良かった 。 |じ|いかり||まかせ||よかった

フィーロ の 仇 を 討つ ため に 盾 を 変えた と いう のに 、 後半 は 怒り で 完全に 我 を 失って いた 。 ||あだ||うつ|||たて||かえた||||こうはん||いかり||かんぜんに|われ||うしなって|

ラフタリア が 止めて い なければ 、 俺 は フィーロ すら も 燃やして いた はずだ 。 ||とどめて|||おれ|||||もやして||

憤怒 …… 呪わ れた 盾 。 ふんぬ|のろわ||たて

勇者 の 意識 すら 乗っ取って 何 を さ せよう と して いた の か 。 ゆうしゃ||いしき||のっとって|なん||||||||

ただ 言える こと は 、 あの まま だったら 俺 は あいつ 等 を 殺し に 向かった はず 。 |いえる||||||おれ|||とう||ころし||むかった|

…… 少なくとも あの 時 は 、 その 事 しか 考えられ なかった 。 すくなくとも||じ|||こと||かんがえ られ| 「 いただき ま ー す ! ||-| 」 「 こら フィーロ 、 その 肉 は 腐って る ! |||にく||くさって| 食う な ! くう| 」 「 お 肉 は 腐り かけ が 一 番 おいしい んだ よ 、 ご しゅじん さま ー 」 |にく||くさり|||ひと|ばん|||||||- 「 腐り かけ じゃ ない ! くさり||| 完全に 腐って る んだ よ ! かんぜんに|くさって||| 」 なんだか 緊張 感 の 無い まま 、 ドラゴンゾンビ の 処理 は 終わった 。 |きんちょう|かん||ない||||しょり||おわった 骨 と か 肉 と か 皮 と か 、 色々 と あった わけだ けど 、 ツリー を 満たせ なかった 。 こつ|||にく|||かわ|||いろいろ|||||つりー||みたせ|

それ でも ドラゴンゾンビ の 皮 と か ドラゴン の 骨 と か は 素材 に なり そうで 、 一部 を 馬車 に 乗せる こと に した 。 ||||かわ|||||こつ||||そざい|||そう で|いちぶ||ばしゃ||のせる|||