episode 01「 キャンパス ライフ は 誘惑 だらけ 」 (1)
( 鐘 の 音 )
( 神父 ) 健やかなる 時 も
病め る 時 も
喜び の 時 も
悲しみ の 時 も
富め る 時 も
貧しい 時 も
死 が 2 人 を 分かつ まで
これ を 愛し
これ を 敬い
これ を 慰め
これ を 助け
その 命 ある かぎり
慈しみ
貞 節 を …
( 菜緒 ( なお )) 神様 私 は 世界 一 幸せな 女の子 です
大好きな 人 と ―
これ から も ずっと 一緒に い られる なんて
( 神父 ) 支え合う こと を 誓い ます か ?
( 菜緒 ) 誓い ます
( 神父 ) 上原 ( うえ はら ) 久志 ( ひさし )
誓い ます か ?
( 上原 ) 無理
( 菜緒 ) え ? ( 上原 ) 悪 ( わり ) い 吉川 ( よし かわ )
俺 や っぱ 無理だ わ
え ?
お前 と ずっと 一緒に いる なんて 無理
え ? 上原 君 …
や っぱ 結婚 と なる と 訳 が 違う って いう か
ちょっと ちょっと … ちょっと 待って よ 上原 君 !
上原 君 上原 君 上原 君 …
上原 君 !
ちょっと 待って よ 上原 君
上原 君
上原 君
上原 君 …
上原 君 …
上原 君 !
( ノック )
( ノック )
夢 か …
( ノック )
( 上原 ) おい 吉川
起きろ って
( 上原 ) お前 卒業 式 まで 遅刻 する 気 か よ
( チャイム )
ハッ !
あっ あっ ああ …
( 菜緒 ) ちょ … ちょっと 上原 君 待って よ
( 上原 ) 本当 あり え ねえ よ こんな 日 まで 寝坊 しや が って
( 菜緒 ) 前 の マンション の ほう が 駅 も 学校 も 近くて 便利だった のに
取り壊し に なって 残念だ ね
( 上原 ) いい だ ろ 大家 さん の ご 好意 で ―
せっかく こんな 広い 部屋 貸して くれた んだ から
って か お前 どっち に しろ 寝坊 して た ろ
( 菜緒 ) って か 上原 君 も 合 鍵 持てば いい んだ よ
( 上原 ) お前 が 気 を つければ 済む んだ よ
( 菜緒 ) もう …
( 上原 ) って か ( 菜緒 ) ん ?
( 上原 ) お前 食った ろ
( 菜緒 ) 何 が ? ( 上原 ) 昨日
俺 の 部屋 の 牛乳 プリン
勝手に 食った だ ろ
ああ
だって いちご プリン と 牛乳 プリン 2 つ あった から
1 つ 私 の かなって
両方 と も 俺 のだ よ
絶対 買い置き し とけよ
フフン は ー い
ヘヘッ
( 上原 ) 何 だ よ
う うん
何でもない
( 菜緒 ) 私 と 上原 君 の 出会い は 今 から 1 年 半 前
( 上原 ・ 菜緒 ) えっ !?
( 菜緒 ) 両親 が 田舎 に 移住 した 私 と ―
お 兄さん 夫婦 の 家 を 出た 上原 君 は ―
不動産 詐欺 に 遭い 成り行き で 同居 を スタート
その後 同居 は 解消 した もの の ―
めでたく 両 思い に なった 私 たち は ―
同じ マンション の お 隣 同士 に
そして 今 こうして 毎朝 一緒に 同じ 高校 に 通う ―
ラブラブ …
( 上原 ) やめろ よ
あっ
( 菜緒 ) ラブッラブ な カップル な のです
でも 同じ 高校 に 通う の は 今日 で 最後
あっ ヤッベ マジ 遅刻 する よ
へ ?
ちょ … ちょっと 待って よ 上原 君
上原 君
( 男子 生徒 ) あっ ごめん ちょっと 写真 お 願い して いい ?
( 男子 生徒 ) はい チーズ
( 男子 生徒 ) よし ( 男子 生徒 ) ウエーイ
( 女子 生徒 ) ねえ どこ だろう
あっ いた いた ! 早く 早く …
( 女子 生徒 たち ) 上原 君 一緒に 写真 撮って ください
お 願い し ます
そういう の 苦手だ から
( 女子 生徒 たち ) キャー ! ( 阿部 ( あ べ )) あっ いた 上原
親友 だし ツーショット の 写真 撮ろう ぜ な っ
( 上原 ) や だ よ 親友 じゃ ねえ よ ( 阿部 ) はい チーズ
あっ 撮れた
( 女子 生徒 ) ちょっと ちょっと … 一緒に 写真 撮って ください
( 女子 生徒 たち の 騒ぎ 声 )
( まり な ) 菜緒
ねえ どうした の ? 暗い 顔 して
いい なあ まり な は 上原 君 と 一緒の 大学 で
は あ ?
まさか あんた 上原 君 と 離れて
寂し いって 言う んじゃ ない でしょう ね
うん
何 か 今朝 イヤな 夢見ちゃ って
あの ね 私 と 上原 君 が 通う 大学 と 菜緒 が 通う 大学 は 姉妹 校 だ よ ね
道 挟んで すぐ の 距離 だ よ ね
( 菜緒 ) うん ( まり な ) みっ ちゃん なんて ―
北海道 の 大学 に 行く んだ よ 遠距離 に なる んだ よ
( 光 石 ( み ついし )) って いう か 少し は 俺 と 離れる こと を 寂し が れよ
あっ
( 光 石 )“ あっ ” って … ( 菜緒 ) 寂しい
ねえ 寂し いよ みっ ちゃん
( 光 石 )“ あっ ” って 言った … ( まり な ) うん 寂しい
( 阿部 ) 安心 しろ 吉川 お前 に は 俺 が いる
大学 も 学部 も 同じだ し
これ から も ずっと 一緒だ な っ ?
ありがとう
何だか んだ あ べ っち が いて 心強い よ
まあ それ に お前 と 上原 は 固 ー い 絆 で 結ばれた
ベスト ・ オブ ・ カップル だ ろ ?
あ べ っち …
そう だ よね 上原 君 が 浮気 なんて する わけな いし
私 たち の 絆 は 永遠だ よ ね
( 阿部 ) うん ( 菜緒 ) フフッ
( 阿部 ・ 菜緒 ) イエーイ !
( まり な ) まっ でも 間違い なく モテ る だろう ねえ
えっ …
♪~
~♪
( 勧誘 の 声 )
( まり な ) 早速 こう なる よ ねえ
( 女子 学生 ) ねえ 1 年 に す っ ごい イケメン いる って 知って る ?
( 女子 学生 ) ミスター ・ キャンパス の 上原 久志 でしょ ?
( 女子 学生 ) そう そうそう ! ( 女子 学生 ) ランチ 誘って み よっ か
( 女子 学生 ) 行 こ 行 こ 行 こ
( まり な ) ああ …
菜緒 に は 知らせ ないで おこう
もう 遅い よ
( まり な ) 菜緒 !
うち の 大学 でも 上原 君 の 話題 で 持ち きり で さ
それ で 様子 見 に 来た んだ
( 菜緒 ) うん ( 太田 ( おお た )) 菜緒 ちゃん
( 太田 ) 菜緒 ちゃん 菜緒 ちゃん … ( 菜緒 ) あっ 太田 ちゃん
( 太田 ) あの さ … ( 菜緒 ) あっ まり な
同じ 文学部 の 太田 ちゃん
はじめ まして
よろしく ね 太田 ちゃん
菜緒 ちゃん
ねえ 菜緒 ちゃん の 彼 氏 め っちゃ イケメン じゃ ん
さっき 見かけた けど 注目 の 的だった よ
( 菜緒 ) フフフッ まあ ね
( まり な ) それ に こっち も 健在 みたいだ よ
( 菜緒 ) あっ 大 ( だい ) ちゃん だ
えっ 誰 ?
菜緒 の 幼なじみ
は あ ~
や っぱ 東京 の 大学 って すごい ね
イケメン 率 高 すぎ
女子 も そう だ よ な
( まり な ) あ べ っち あんた も 来た の ?
いや こっち の 大学 の ほう が ランク 高い だけ あって
キラッキラ 系 女子 が いっぱいで
キラキラ 系 …
キラキラ …
( まり な ) 太田 ちゃん ( 太田 ) え ?
これ から 菜緒 の こと よろしく ね
もう 上原 君 がらみ の しょう も な ー い 悩み を
毎日 聞か さ れる ハメ に なる と 思う けど
ウザ がら ないで ねっ
菜緒 ちゃん は そんな ウザキャラ じゃ ない よ
( まり な ) ん ? ( 太田 ) ねっ 菜緒 ちゃん
あれ ?
( 女子 学生 たち の 歓声 )
( 女子 学生 ) 上原 君 サークル と か 入る ?
( 女子 学生 ) ねえ 一緒に テニス 部 入ら ない ?
あの 愛 の ラリー と か 一緒に …
もう ! 近寄ら ないで よ キラキラ 星 人
( 女子 学生 ) ねっ ( 上原 ) 俺 バイト ある から
よし クリア !
( 女子 学生 ) 分子 化学 の 授業 私 も 取って る から 休む 時 代 返して あげよ っか ?
上原 君 バイト で 忙しい でしょ 私 が 代 返して あげる
( 菜緒 ) ダメ だまさ れちゃ ダメ
目的 は 連絡 先 の 交換 だ よ
( 上原 ) 俺 今 急いで る から
( 菜緒 ) サー !
サー !
( 女子 学生 たち の 騒ぎ 声 )
( 女子 学生 ) 上原 君 袖 の ボタン 取れ かけ てるよ
( 女子 学生 ) つけ 直して あげよ っか
( 菜緒 ) … と と 見せかけて 触った !
( 上原 ) 別に 気 に なら ない し
( 女子 学生 たち の 歓声 )
もう 心臓 に 悪い よ
うわ っ わ っ わ っ …
あっ あっ ごめんなさい
すいません
ごめんなさい
( 夏目 ( なつ め )) じゃあ とりあえず ID 教えれば いい ?
え ?
今日 で 5 回 目 な んだ よ ね
ぶつかった フリ して 連絡 先 聞いて くる 人
は … はい ?
大丈夫 俺 逆 ナン と か 大 歓迎 だ から
いや … 違い ます
いや そんな つもり あり ませ ん
何 だ 違う の ?
私 に は 決まった 相手 ちゃん とい ます から
( 女子 学生 たち の 歓声 )
へえ …
あっ じゃあ
手 が 届か ない 男 を 追う より
リアルな 恋愛 を した ほう が ずっと 有意義だ と 思う けど ?
は ?
よかったら これ 来て よ
( 菜緒 ) 合 コン ? ( 夏目 ) 君 に も ―
身の丈 に 合った 相手 絶対 見つかる よ
( 菜緒 ) 身の丈 って … ( 夏目 ) 大丈夫
ぼ っち に なったら 俺 が 相手 して あげる から
ハァ …
どうも ありがとう ございます
どう いたし まして
じゃあ すでに 予約 が 何 人 か ある から …
おかげ で つくづく 彼 の 魅力 が 分かり ました
は ?
上原 君 は どんなに モテ て て も 全然 いい気に なら ない し
初対面 の 人 に こんな チャラ い こと 絶対 言わ ない し
あの …
やっぱり 上原 君 は 特別な んだ な
あっ じゃあ そういう こと で
かわいそうに
で ね 123 戦 123 勝 だった の
( 太田 ) ん ? 何の こと ?
だから 私 が 2 時間 尾行 して
上原 君 が 女の子 に 声 かけ られて 断った 回数
ああ …
何 か 大変 そう だ ね 彼 氏 が モテモテ な の も
( 菜緒 ) うん フフッ
( 女子 学生 ) ねえ ねえ 吉川 さん
上原 君 の こと だ けど 入学 式 で 挨拶 した らしい じゃ ん
( 女子 学生 ) って こと は トップ で 合格 した んだ よ ね
イケメン な のに 頭 も いい んだ
うん 頭 も いい しね 運動 神経 も いい んだ よ
( 女子 学生 ) ねえ 吉川 さん って 上原 君 と 話した こと ある ?
( 女子 学生 ) 同じ 高校 なら 挨拶 と かした ?
( 女子 学生 ) 授業 中 消し ゴム 拾って もらったり
( 女子 学生 ) そうだ 卒 アル 見せて よ
あの …
みんな 失礼だ よ
( 太田 ) 菜緒 ちゃん は ね ( 菜緒 ) あの …
うん
菜緒 ちゃん は 上原 久志 の 彼女 な んだ よ
( 笑い声 )
冗談 ばっかり
吉川 さん が 上原 君 の 彼女 な わけ ない じゃ ん ね
( 女子 学生 ) って いう か あ べ っち も 親友 と か 言って る し ウケ る よ ね
( 上原 ) ハァ …
誰 も 来 ない な
ああ …
疲れた ー
いただき ます
( ドア が 開く 音 ) ( 女子 学生 ) あっ ここ に いた !
上原 君 !
( 女子 学生 ) 上原 君 ねえ 一緒に 学 食 行か ない ?
( 女子 学生 ) それ か この 近く に ―
おいしい パスタ 屋 さん が ある んだ けど
いいかげんに しろ …
え ?
いいかげんに しろ !
( 夏目 ) まあ そう 怒る なって
悪かった よ 待た せて
ごめん ね こいつ 俺 の せい で 機嫌 悪い の
( 女子 学生 ) そう な んだ
許して やって
( 女子 学生 ) うん あっ じゃ あね 上原 君
( 女子 学生 たち ) また ね
( ドア が 開く 音 )
( ドア が 閉まる 音 )
誰 だ よ お前
( 夏目 ) その 前 に 何 か 言う こと は ?
( 上原 ) 別に 頼んで ねえ し
お前 いつも そんな 態度 な の ? すげ え かわいい 子 でも ?
いちいち 面倒な んだ よ 気 ぃ 使って らん ねえ よ
( 夏目 ) 何で ? 女の子 傷つける くらい なら
面倒な ほう が ずっと 楽じゃ ん
( 上原 ) そう か ?
ハハッ 変な ヤツ
あっ 変な ヤツ と いや
さっき お前 の ストーカー に 会って さ
訳 分か ん ねえ こ と 言って すげ え 危 ねえ 感じ だった ぞ
そんな ん ほっときゃ い いよ
本当 かわい げ ない な お前
( ドア が 開く 音 )
( 女子 学生 ) 上原 君 こっち の ほう に 歩いて った よ ね
( 夏目 ) 助けて やろう か
ここ って …
まあ 黙って ついてき なさい って
( 上原 ) 研究 室 ?
そう ここ 出 はいり 自由
( 上原 ) そう な の ? ( 夏目 ) うん
ここ に 研究 者 の 夜食 ストック が ある
おお !
( 夏目 ) この 貯金 箱 に 100 円 入れれば 誰 でも 勝手に 食って いい らしい
マジ か
あと この ガス バーナー で お 湯 沸かせる ぞ
( 上原 ) おお
す っげ え これ 新 発売 の やつ だ
お前 ある 意味 素直だ な
大丈夫 かな ?
うん いい よ
あっ けど ここ で 1 つ 注意 する こと が あって …
( 物音 )
( 紗栄 子 ( さえ こ )) 火 を つけた の は 誰 だ
お前 か !
( 上原 ) うわ っ …
誰 の 許可 を 取って そんな こと した !
温度 湿度 密度
どれ か 1 つ でも 狂えば 実験 に 支障 が 出る
何 か あったら どうして くれ ん の !?
温度 湿度 密度 …
どれ か 1 つ でも …
あっ …
き ゅ … 救急 車
( 夏目 ) 大丈夫 いつも の こと
また 実験 室 と 勘違い して る し
( いびき )
( ドア が 開く 音 )
( 教授 ) 君 たち ケガ は ない ?
大丈夫です
( 教授 ) その 人 3 日 寝て ない から ね
絶対 起こす んじゃ ない よ
次 は 命 の 保証 ない から ね
( 上原 ) 研究 員 ?
( 夏目 ) そう
こういう の が いる から 一般 学生 が 寄りつか ない
なるほど
( 夏目 ) それ に …
ここ で は 研究 第 一
誰 も お前 の こと なんて 眼中 に ない
な っ いい 場所 だ ろ
ありがとう
え ?
これ …
ん ?
やる
( 夏目 ) ハハハッ
俺 夏目