宇崎 ちゃん は 遊びたい!06
~ ( 宇崎 ) 海 っす よ ~ せ ん ぱ ~ い ! ( 桜井 ) 見りゃ わかる って 。
っす よね ~。
う ぉぉ ! 海 海 海 ~。
( 亜実 ) 暑い わ ね 。
( 榊 ) いい ねぇ 。
( 亜紀 彦 ) 誰 も が 開放 的に なる
夏 の 海 。
そこ に なぜ この 4 人 が ?
すべて は 1 週間 ほど 前 の
とある 午後 。
この 喫茶 店 から 始まった のです 。
それでは 皆さん 。
『 宇崎 ちゃん は 遊び たい !』
レディ … ゴ ー !
ハァ …。
え ~ と いう わけで 。
新人 アルバイト の 宇崎 花 さん です 。
よろしく お 願 いしゃ ~ っす 。
どういう つもり だ 。
あれほど バイト は やめろ って
言った だろう が 。
俺 の 平穏 の ため に !
ま ぁま ぁ そう 嫌がら ないで 。
きっと 楽しい っす よ 。
(2 人 ) うん うん 。
ま ぁ 先輩 の 嫌がる 顔 が
見 たくて 来た
というのも あり ます が 。
テメエ !
って か 夏 休み も 近い から
もう ちょっと お 小遣い 欲しくて 。
マスタ ー に 聞いたら
二つ返事 で オ ー ケ ー でした 。
僕 は 単に おもしろ そうな ので
雇って み たくて 。
そんな 理由 で !?
桜井 くん は
花 ちゃん を 嫌がる けど
うち で バイト を し たい と
言って きた の は
花 ちゃん 本人 な んだ よ 。
それ を 桜井 くん が 止める の は
違う んじゃ ない かしら 。
し … しかし …。
ま ぁま ぁ とりあえず
一とおり お 仕事 教えて あげて よ 。
教える の も 勉強 だ よ 。
わ … わかり ました 。
先輩 大丈夫 っす か ~?
ちゃんと 教え られる ん す か ~?
お前 なぁ !
まずは お 客 さん が 入って きたら
席 に 案内 する 。
常連 さん は 案内 する 前 から
お気に入り の 席 に
行く こと が ある から な 。
フムフムフム 。
練習 台 よ 。
( 桜井 ) ほれ お 冷や と お しぼり 。
これ が 新規の お 客 さん に
最初に 持っていく セット だ 。
お 客 さん が 席 に 着く の を
確認 して から お 出し して 。
ご 注文 が お決まり に なり ましたら
お呼び ください 。
ご 注文 が お決まり に なり ましたら
お呼び ください 。
( 桜井 ) メニュ ー を 見て いる
お 客 さん を
催促 する 感じ が
出 ない ように 気 を つけて な 。
そして 注文 を とる 。
ここ まで が 一連の 流れだ 。
次に …。
は いっ 先輩 !
ん っ な んだ ?
いつ ボケ る ん す か ?
ボケ ねえ よ !
なんの 期待 して んだ !
フリ が 長い ん すよ 。
そろそろ 軽い ボケ
2~3 個 いっと か ない と 。
フリ じゃ ねえ よ !
コント やって んじゃ ねえ んだ よ !
ハッハッハ ! 真面目 か !
当たり前だ ! 給料 もらう んだ から
真面目に やれ !
ハッハッハ 真面目 か 。
アンタ の 店 だ ろ 雇用 主 !
実は 桜井 くん が 来る 前 から
一とおり 教えて た んだ よ 。
今 の は 先輩 を
お ちょ くる ため だけ の
時間 だった ん す 。
なんだ そりゃ !
( 宇崎 ) ありがとう ございました !
そう いえば 先輩 は
夏 休み ど っか 行 くん す か ?
ん っ ? いや ぁ 特に は 。
楽しみに して いた ゲ ー ム が 出る から
可能な かぎり 引きこもる つもりだ 。
え えっ !?
先輩 一年中 それ じゃ ない っす か 。
せっかく の 夏 休み を
ゲ ー ム で 費やす ん す か !?
あぁ 最高の 夏 に なる 気 が する 。
《 だ … だめだ 。
この 体育 会 系 引きこもり
私 が なんとか し ない と 》
じゃあ 先輩
私 と 海 に 行き ましょう !
もしくは プ ー ル !
えっ ?
ムムッ 。
ハッ !
はい 決定 ! 絶対 っす ~。
先輩 だって
高校 卒業 して から 全然
泳いで ない んじゃ ない っす か ?
あっ 言わ れて みれば 確かに 。
( 榊 ) へ ぇ ~。
2 人 で バイト する って いう から
見 に きた けど 。
あれ 。
あっ 。
ムッ …。
楽し そうな 話 して る じゃ ねえ か 。
フフッ …
暑い わ ね 。
亜実 さ ~ ん !
あっ 。
こっち ~!
あっ 花 ちゃ ~ ん … ウッ 。
こっち こっち ~ こっち っす !
ウッ …。
~ ハァ …。 《 すごい もの を 見た …
兵器 だ あれ は 》
先輩 と パラソル 借りて きて
シ ー ト 広げて おいた っす 。
どうぞ どうぞ 。
ありがとう 。
マスタ ー も 来 られたら よかった っす ね 。
ぎ っく り 腰 じゃ しかたない わ ね 。
イタタタ …。
ん っ …。
あっ 榊 さん なら
一 度 先 に 来て 宿 の ほう を
見て くる って 言って ました 。
そう …。
足 と 宿 は 俺 に 任せろ 。
えっ いい の か ? 逸 仁 。
やった ~!
じゃあ みんな で 行き ましょう !
海 海 海 ~。
ちょ … ちょっと な に 勝手に 。
お 気持ち は わかり ます が
あの 2 人 です よ ?
安心 して 送り出せ ます ?
2 人 だけ で 行か せて
後悔 あり ませ ん か ?
う っ …
《 こう なったら 私 が ちゃんと
2 人 を 見守ら ない と 》
あれ ? 桜井 くん は ?
さっき まで
花 ちゃん と 一緒に いたんじゃ …。
先輩 っす か ? 先輩 なら 。
ん っ ?
あれ っす 。
遠 っ ! って
いつの間に あんな 所 まで !?
海 見て テンション 上がった らしく
辛抱 たまら ん と いった 様子 で
いちもくさんに
駆け出して った っす 。
どこまでも 個人 プレ ー な 男 め 。
フゥ …。
海 で 泳いだ の 初めて だ けど
波 が ある と
プ ー ル と ひと 味 違って おもしろい な 。
ガチ 勢 か っ !
ちょっと 桜井 くん !
海 で ゴ ー グル は ともかく
水泳 キャップ は ない でしょ
ライフセ ー バ ー じゃ ない んだ から 。
えっ そう っす か ?
ほら だ から
言った じゃ ない っす か 。
部活 スタイル は 周り の 人 が 引く から
今日 は やめ ま しょ 。
いい ? 今日 は 遊び だ から !
あくまで レジャ ー だ から !
水泳 部 は いったん 忘れ なさい 。
《 め っちゃ 怒ら れて る 》
と いう か
なに 花 ちゃん 一 人 残して
泳ぎ に いって ん の ?
はっ ?
ん っ !
いい ? 桜井 くん が 一 人 に なったら
花 ちゃん も 一 人 に なる の よ 。
ナンパ と かさ れたら どう する の ?
えっ …。
( 桜井 ) あっ …。
( 亜実 ) なに か あったら 桜井 くん
責任 とれる の ?
う っ …。
一緒に 来た 男の子 が
ちゃんと ガ ー ド する の よ 。
わかったら 返事 !
イ … イエッサ ー 。
じゃあ とりあえず
水着 を 褒め なさい 。
そういう の 苦手だろう けど
一 人 で 遊んだ 罰 よ 。
わ わかり ました … えっ と …。
水着 とても よく 似合って て
すてきです 。
スカイブル ー が
亜実 さん の イメ ー ジ に 合って て
それ から …。
う ぅ ~。
私 じゃ ねえ よ !
ぐ わ ~ っ !
《 あぁ びっくり した 。
あんな 至近 距離 で
超 真顔 で … 天然 め 》
なぁ 宇崎 。
なん す か ? 先輩 。
もう ちょっと で イルカ でき ます よ 。
う っ … あら ら ?
なんか 言わ れた ?
え ~ っ なん も ない っす よ ~
エヘッ エヘヘヘ 。
《 照れ隠し か 》
あれ で よかった んです よ ね ?
上出来 上出来 。
なんか … 釈然と し ない 。
お ぉ 楽しんで る か ?
差し入れ 持ってきた ぞ 。
お ぉ お 疲れ 。
わ ぁ スイカ !
でも って … これ だ 。
( 亜実 ) バット ?
そう すなわち
海辺 の お 約束 スイカ 割り だ 。
なんで 俺 な んだ ?
やった こと ない だろう サク 。
思い出 思い出 。
ほ いっ 巻け たっす よ 。
しかた ねえ
ど っ から でも かかって きや がれ !
実は 誘導 する ほう が
おもしろい んだ よ な ~ フッフッフ 。
ウソ の 誘導 したり ねぇ フフフ 。
まずは 無防備な ところ に
ドロップキック で 海 に 叩き込み ます か !
シュババババ シュッシュッシュッ 。
「 まずは 」 で それ かよ 。
お前 ら いつも
どんな 遊び して る んだ ?
( 榊 ) よし じゃあ 宇崎 は
サク に 張り付け 。
( 宇崎 ) 了解 っす ~。
( 亜実 ) ちょっと 待って
スマホ で 動画 撮って いい ? ウフフ 。
お前 ら ! さっき から 全部
聞こえて る から な !
ま ぁ いって みろ サク 。
フフフ … まな板 の 上 の 鯉 って
感じ っす ね ~ 先輩 。
テメエ あと で 覚えて ろ よ 。
じゃ いき ます よ 先輩 。
おう !
近距離 で 下 上 左 右 B !
クッ … 初手 で それ かよ
バカ か お前 は !
下 上 下 B
右下 左上 B 上 左上 A !
だから ! なんで さっき から
格 ゲ ー の 技 コマンド な んだ よ !
お前 マジ で ふざけ ん な !
すげ ぇ 水 を 得た 魚 かよ 。
出る 幕 なし だ な 。
もはや あれ は 才能 ね 。
クッソ …。
桜井 くん とりあえず まっすぐ よ 。
少し 右 少し 右 。
先輩 先輩
上 X 下 B L Y R A 。
宇崎 黙れ ~!
と っ … うわ っ 。
えっ …。
ヤバ い !
( 宇崎 ) わ ~ っ !
(2 人 ) あっ !
イッテテテ … ん っ ?
う っ … う う っ 。
なんだ これ … クラゲ か ?
う っ … クッ …。
お前 それ は いくら なんでも
おいし すぎる だ ろ 。
って いう か ちゃんと 誘導 しろ !
どこ だ よ スイカ !
今 鷲づかみ に して いる
それ じゃ ない ?
は ぁ !?
ウッ … ウウッ 。
( 宇崎 ) まずは
ど いて くれ ませ ん か …。
まだ かよ 宿って …。
もう すぐだ 焦る なって 。
ん っ 。
さっき から なに
むくれて んだ よ ?
別に … むくれて ない っす よ 。
は ぁ ?
《 そりゃ あ そう よ ねぇ 》
あぁ もう !
で スイカ は どこ に ある んだ ?
あっ …。
えっ や っぱ さっき の
スイカ だった の か 。
う ぅ … う っ …。
ん っ …。
う ぅ …
ホント … 天然 め 。
着いた ぜ 。
( みんな ) お ぉ …。
( 亜実 ) 宿 は 任せろ って
言って た けど 。
( 宇崎 ) 別荘 なんか
持って たんす か 。
どうぞ どうぞ
好きな 部屋 使って いい から 。
榊 さん って
お 金持ち だった ん すね 。
別荘 ある の は 知って た けど
来た の は 初めて だ な 。
( 榊 ) サク は 去年 誘った けど
来 なかった ろ 。
あと お 金持ち な の は
俺 じゃ なくて 親 だ から 。
わ ぁ ! 見て ください 先輩 !
照明 の スイッチ が 金持ち の やつ っす !
おお っ ホント だ !
わ ぁ インタ ー ホン に カメラ 付いて る っす !
マジ か !
これ ガチャッ て 引っ張る やつ っす よ !
すげ ぇな !
お前 ら の お 金持ち の 基準 って …。
冷蔵 庫 の 中身 も
自由に 使って ください 。
今日 の ため に 準備 した んで 。
す っご …。
先輩 肉 っす よ 肉 !
肉 好きだ なぁ お前 。
当たり前じゃ ない っす か ~
なん たって 肉 っす から ね !
うん うん 。
あっ …?
いや ぁ おいしい っす
バ ー ベキュ ー 最高 !
で このあと どう する ?
あっ 私 ゲ ー ム 持ってき ました 。
俺 も 。
お っ じゃあ 対戦 っす ね 。
おいおい お前 ら
そんな の は いつでも できる だ ろ 。
せっかく の 夏 休み !
外泊 ! そして 夜 !
それ なら
それなり の ことし ねえ と な 。
裏山 に 行こう ぜ 。
( フクロウ の 鳴き声 )
( 桜井 ) って … 言わ れる まま に
ついてきた けど 。
上 に 何 か ある の か ?
けっこう 暗い んだ けど 。
キャンプファイヤ ー でも する ん す か ?
多少 ベタ かも しれん が
夏 の 定番 と いえば …。
肝 試し ! やろう ぜ !
帰る 。
この先 に もう ちょっと 登って く と
崖 が あって だ な …。
聞き たく ない ! 帰る !
なんだ サク
もし かして こういう の 苦手 か ?
ハッ …。
俺 は ホラ ー ゲ ー ム も やら ない し
ホラ ー 映画 も 見 ない 。
なぜ だ か わかる か ?
怖い から だ !
( 榊 ) そんな キメ 顔 で 言う こと か ?
( 亜実 ) 必死に
危険 を 回避 しよう と して る 。
わかった 悪かった よ 。
怖い の 無理な 人 だった って
マジ で 知ら なかった んだ 謝る よ 。
しかし だ な
正直な の は けっこうな んだ が
自ら 弱点 を 告白 した の は
まずかった と 思う ぞ 。
ハッ !
へ ぇ ~ っ 。
う っ …。
せ ん ぱ ~ い
怖い のだ めな ん すね 。
フッフッフッフ …。
私 も 知ら なかった なぁ フ ー ン 。
やめて くれ 宇崎 俺 が 悪かった 。
降伏 宣言 早 すぎ ねえ か ?
怖い の ホント に 無理な んだ 。
うり ゃあ !
あっ !
ヤッホ ー ! スマホゲット !
先輩 の 恥ずかしい 秘密
全部 暴いて やる っす よ !
やめろ ! 返せ マジ で !
返して ほしけりゃ
捕まえて みろ ~ い !
テ … テメエ !
うわ 先輩 足 速 っ !
奥 に 行く な !
アハハハ !
予定 どおり ?
う ~ ん …。
いや ぁ 4 人 で 行く つもり
だった んです けど …。
って いう か 逆の パタ ー ン を
想像 して た んです けど ね 。
や ~ ん 先輩 怖い ~。
いい 子 だ
しかた ねえ 追いかける か 。
この 前 …。
えっ ?
亜細 さん に
言わ れた じゃ ないで す か 。
「 手 を 出す な 見守れ 」 って 。
そう ね 。
だから 状況 だけ 用意 して やろう と
思った んです よ 。
アイツ ら が おもしろい こと に
なる ような 状況 を 。
( 亜実 ) やっぱり …
そんな こと だろう と 思った わ 。
( 榊 ) でも アイツ ら ことごとく
予想外の 動 きする んで 。
うまく いか ない もん です ね …。
でも なんで ?
えっ ?
なんで ここ まで やる の ?
なんで って … う ~ ん …。
サク は いい ヤツ な んだ けど
クソ 真面目で 不器用で
友達 作る の が 下手で 。
一 人 好きで …。
余計 なお 世話な の は
わかって ます けど
もっと 楽しい 学生 生活
送って くれ ねえ かなって …。
じゃ ない と
もったいない じゃ ないで す か 。
アハハハ …。
あっ … ん っ ?
あと は ま ぁ … いろいろです 。
いろいろ … ね …。
あっ いた 。
あっ …。
すみません って 先輩 ごめんなさい
調子 に 乗り すぎ ました 。
ほら 榊 さん と 亜実 さん も
来 ました し
帰って アイス でも 食べ ま しょ ねっ 。
もう 一 歩 も 動け ない …。
声 ち っさ 。
わ わかった よ 中止 戻ろう な っ 。
先輩 帰って ゲ ー ム し ましょう 。
うん … ゲ ー ム する …。
声 ち っさ ~。
よっ しゃ ~! 見て ください 先輩 。
ハイスコア 更新 っす よ ! あっ …。
ム ー ッ 先輩 ゲ ー ム する って
言って た じゃ ない っす か 。
榊 さん も 亜実 さん も
寝ちゃ った し …。
ま ぁ 今日 は 一 日 中 遊んで たから
みんな お 疲れ です もん ね ~。
って こんな 顔 見せ られたら
ムズムズ 湧き上がって くる じゃ
な いっす か ~。
油断 して る 先輩 が 悪い ん すよ 。
フフッ … わ っ !
せ 先輩 ! 急に な に して …。
( 寝息 )
って … 寝て る ?
( 寝息 )
い … 意外 と
抱きつき 癖 と か あった ん すね
ビックリ した ~。
う ~ ん …。
ちょ 先輩 !? ホント は
起きて んじゃ ない でしょう ね !?
ん ん っ …。
ガチ 寝 …。
( 寝息 )
起きて たら こんな こと し ない か 。
怖がり の 先輩 から かって
疲れ させちゃ った の 私 だし 。
ちょっと の 間 くらい
しかたない か …。
今日 だけ … 今日 だけ …。
~ いや ぁ …。 俺 あれ から
リビング で 寝ちゃ った んだ な 。
でも な ~ ん か
ぐっすり 眠れた 気 が する わ 。
先輩 は 抱き 枕 と か 買う と
いい かも しれ ない っす よ ね 。
ん っ ? 何 が ?
いいえ 別に 。
なんか す っ ごく 大事な もの を
見逃しちゃ った 気 が する 。
次 こそ アイツ ら
くっつけて みせ ます よ 。
私 は また 失敗 する ほう に
花 京 院 の 魂 を 賭ける 。
ムッ 。
ぬ ぅ …。
ク ー ッ 。
( 榊 ) ク ー ッ 。
( 亜実 ) ぬ ぅぅ !