三 姉妹 探偵 団 (2) Chapter 17 (2)
みっ|しまい|たんてい|だん|chapter
Three Sisters Detective Agency (2) Chapter 17 (2)
綾子 は 、 講堂 から 表 に 出て 、 息 を ついた 。
あやこ||こうどう||ひょう||でて|いき||
Ayako came out of the auditorium and took a breath.
「 ご苦労さま 」
ごくろうさま
"Thank you for your hard work"
と 、 水口 恭子 が やって 来た 。
|みずぐち|きょうこ|||きた
Kyoko Mizuguchi came over.
「 どう ?
「 順調です 」
じゅんちょうです
「 良かった 。
よかった
── 何 時 から 始まる の か 、 って 問 合せ も 大分 あった わ 。
なん|じ||はじまる||||とい|あわせ||だいぶ||
─ ─ There were quite a few inquiries from what time it started.
お 客 も 充分 入り そう ね 」
|きゃく||じゅうぶん|はいり||
It seems that customers will come in enough. "
「 そう だ と いい です ね 」
本当 は どう で も いい んだ が 、 そう も 言って られ ない 。
ほんとう||||||||||いって||
I do not care about the truth, I can not say that.
「 あと 一 時間 ね 。
|ひと|じかん|
── じゃ 、 始まる ころ 、 また 来て みる わ 」
|はじまる|||きて||
「 はい 」
綾子 は 、 足早に 立ち去る 水口 恭子 の 後ろ姿 を 見送って 、 軽く 息 を ついた 。
あやこ||あしばやに|たちさる|みずぐち|きょうこ||うしろすがた||みおくって|かるく|いき||
何 か 、 仕事 らしい 仕事 を 、 人 に 任さ れる なんて 、 綾子 に とって は 実に 珍しい こと だった 。
なん||しごと||しごと||じん||まかさ|||あやこ||||じつに|めずらしい||
不安 は もちろん あった が 、 それ だけ で は ない 。
ふあん|||||||||
一種 の 充実 感 みたいな もの も 、 感じて いた 。
いっしゅ||じゅうじつ|かん||||かんじて|
それ に 、 綾子 の 胸 に は 、 もう 一 つ 、 自分 の 代り に 入院 して いる 、 あの 子 猫 の こと が あった 。
||あやこ||むね||||ひと||じぶん||かわり||にゅういん||||こ|ねこ||||
誰 だ か 知ら ない が 、 あんな こと を した 人間 は 許して おか ない !
だれ|||しら|||||||にんげん||ゆるして||
あの 怒り は 、 まだまだ 烈 しく 燃えて いた のである 。
|いかり|||れつ||もえて||
綾子 の ように 、 およそ 怒る と いう こと の ない 人間 を 万一 怒ら せる と 、 これ は 怖い のだ 。
あやこ||||いかる||||||にんげん||まんいち|いから|||||こわい|
As Ayako, if you misunderstand a person who is not angry by any chance, this is scary.
しかし ── 差し当り は 、 この コンサート を 成功 さ せる こと だ 。
|さしあたり|||こんさーと||せいこう||||
あの 神 山田 タカシ の こと は 気 に 食わ ない けれど ……。
|かみ|やまだ|たかし||||き||くわ||
I do not care about that Takashi Yamada Takashi ... ....
「 早く 始まら ない かしら 」
はやく|はじまら||
と 、 綾子 は 呟いた 。
|あやこ||つぶやいた