つぼ を 買う ||かう

つぼ を 買う ||かう

むかし むかし 、 吉 四六 さん と 言う 、 とても ゆかいな 人 が い ました 。 ||きち|しろく|||いう|||じん||| ある 日 、 吉 四六 さん の お 母さん が 吉 四六 さん に 言い ました 。 |ひ|きち|しろく||||かあさん||きち|しろく|||いい| 「 吉 四六 や 、 うめぼし を 入れる つぼ を 買って 来 ておくれ 」 「 わかった 」 　 吉 四六 さん が 、 すぐ に 出かけよう と する と 、 「 ちょっと お 待ち 。 きち|しろく||||いれる|||かって|らい|||きち|しろく|||||でかけよう||||||まち あんた は そそっかしい から 、 つぼ を 買う 前 に 落ちついて よく 調 ベ て みる のです よ 」 「 はい 、 気 を つけて 買い ます 」 と 、 吉 四六 さん は 頷いて 、 家 を 出 ました 。 ||||||かう|ぜん||おちついて||ちょう|||||||き|||かい|||きち|しろく|||うなずいて|いえ||だ|

町 へ やって 来る と 、 大きな 瀬戸物 屋 ( せともの や ) が あり ました 。 まち|||くる||おおきな|せともの|や||||| 吉 四六 さん は 、 中 へ 入って 言い ました 。 きち|しろく|||なか||はいって|いい| 「 ごめんなさい 。 つぼ を 一 つ 下さい 。 ||ひと||ください うめぼし を 入れる つぼ です 」 　 すると 瀬戸物 屋 の おばさん は 、 店先 で 本 を 読み ながら 、 「 いらっしゃい 」 と 、 言った だけ で 、 吉 四六 さん の 方 を 振り向き も し ませ ん 。 ||いれる||||せともの|や||||みせさき||ほん||よみ||||いった|||きち|しろく|||かた||ふりむき|||| 「 つぼ なら 、 そこ に 並んで いる から 見て 下さい な 」 「 はい 、 わかり ました 」 　 吉 四六 さん は 、 店 の 中 を 見 回し ました 。 ||||ならんで|||みて|ください|||||きち|しろく|||てん||なか||み|まわし| なるほど そこ に は 、 つぼ が たくさん 並べて あり ます 。 |||||||ならべて|| でも 、 どの つぼ も 口 を 下 に して 、 底 の 方 を 上 に して い ます 。 ||||くち||した|||そこ||かた||うえ|||| それ を 見る と 吉 四六 さん は 、 不思議 そうに 首 を 傾げて 、 「 おばさん 、 ここ に ある つぼ は 、 みんな 口 の ない つぼ です ね 」 と 、 言い ました 。 ||みる||きち|しろく|||ふしぎ|そう に|くび||かしげて||||||||くち|||||||いい| おばさん は 、 本 を 読み ながら 言い ました 。 ||ほん||よみ||いい| 「 ひっくり返して ごらん なさい よ 」 　 吉 四六 さん は 言わ れた 通り に 、 つぼ を ひっくり返して み ました 。 ひっくりかえして||||きち|しろく|||いわ||とおり||||ひっくりかえして|| すると 今度 は 、 もっと ビックリ した 様 な 顔 に なって 、 「 あれ れ ？ |こんど|||びっくり||さま||かお|||| 底 に 穴 が 開いて いる 。 そこ||あな||あいて| この つぼ は 口 が なくて 、 おまけに 底 も ない つぼ だ 」 と 、 言い ました 。 |||くち||||そこ||||||いい| 吉 四六 さん は 、 つぼ の 口 と 底 と を 間違えた のです が 、 それ に 気 が つき ませ ん 。 きち|しろく|||||くち||そこ|||まちがえた|||||き|||| 「 ここの つぼ は 、 みんな 駄目だ 」 　 吉 四六 さん は そう 言う と 、 そのまま 店 を 飛び出して 家 へ 帰って 来 ました 。 ここ の||||だめだ|きち|しろく||||いう|||てん||とびだして|いえ||かえって|らい| 「 お 母さん 、 瀬戸物 屋 へ 行き ました が 、 駄目な つぼ ばかり な ので 買って 来 ませ ん でした よ 」 「 おや ？ |かあさん|せともの|や||いき|||だめな|||||かって|らい||||| なぜ 駄目だった の ？ |だめだった| 」 「 はい 。 どの つぼ も みんな 、 口 も 底 も ない 物 ばかり だった のです よ 。 ||||くち||そこ|||ぶつ|||| あんな つぼ を 作った 人 は 、 よっぽど の 慌て 者 です ね 」 |||つくった|じん||||あわて|もの||

おしまい