×

Nous utilisons des cookies pour rendre LingQ meilleur. En visitant le site vous acceptez nos Politique des cookies.


image

江戸小話, 竹の刀

竹 の 刀

竹 の 刀

酒 に 酔った 貧乏 侍 が 、 あっ ち へ ふらふら 、 こっち に ふらふら と 歩いて い ました 。 それ を 子ども たち が 見つけて 、 「 や ー い 、 酔っ払い 。 や ー い 、 酔っ払い 」 と 、 からかい ました 。 「 な っ 、 なんだ ? 酔っ払い が 、 どこ に いる んだ ? うん 、 おれ の 事か ? おれ は 酔って いる が 、 酔っぱらって は おら ん ぞ 。 だいたい 、 おれ の 金 で 飲んで 、 おれ が 酔っぱらって 、 なに が 悪い んだ 」 怒った 酔っ払い が 変な 文句 を 言い ます が 、 子ども たち は からかう の を 止め ませ ん 。 「 なんだい 、 酔っ払い 」 「 のろま の 酔っ払い 」 「 うす の ろ の 酔っ払い 。 や ー い 」 「 ええ い 、 子ども と は いえ 、 もう がまん なら ん 。 子ども 、 真っ二つ に する から 、 かくご しろ ! 」 酔っ払い が 、 わきざし (→『 わきざし 刀 』 の 略 で 、 左 腰 に さす 様 に 作った 短い 刀 ) を 抜こう と する と 、 「 わ ー い 。 切れる もの なら 、 切って みろ 」 「 そう だ 、 早く 抜け や ー い 」 と 、 また からかい ます 。 そこ で 酔っ払い が 刀 を 抜いた のです が 、 これ が 竹 で 出来た 刀 でした から 、 たまり ませ ん 。 子ども たち は 、 さらに 調子 に のって からかい ました 。 「 あ は は は 。 貧乏 侍 め 」 「 どうせ 本物 は 、 質屋 に 売った んだろう 」 「 それ で 切れる もの なら 、 切って みろ 。 や ー い 、 や ー い 」 子ども たち の 言う とおり 、 本物 の わきざし は 質屋 に あり ます 。 酔っ払い は くやしがって 、 こう 言い ました 。 「 よし 、 お前 ら かくご しろ ! かたっぱしから 、 竹 の とげ を 立てて やる から な 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


竹 の 刀 たけ||かたな бамбуковый меч

竹 の 刀 たけ||かたな

酒 に 酔った 貧乏 侍 が 、 あっ ち へ ふらふら 、 こっち に ふらふら と 歩いて い ました 。 さけ||よった|びんぼう|さむらい||||||||||あるいて|| それ を 子ども たち が 見つけて 、 「 や ー い 、 酔っ払い 。 ||こども|||みつけて||-||よっぱらい や ー い 、 酔っ払い 」 と 、 からかい ました 。 |-||よっぱらい||| 「 な っ 、 なんだ ? 酔っ払い が 、 どこ に いる んだ ? よっぱらい||||| うん 、 おれ の 事か ? |||ことか おれ は 酔って いる が 、 酔っぱらって は おら ん ぞ 。 ||よって|||よっぱらって|||| だいたい 、 おれ の 金 で 飲んで 、 おれ が 酔っぱらって 、 なに が 悪い んだ 」   怒った 酔っ払い が 変な 文句 を 言い ます が 、 子ども たち は からかう の を 止め ませ ん 。 |||きむ||のんで|||よっぱらって|||わるい||いかった|よっぱらい||へんな|もんく||いい|||こども||||||とどめ|| 「 なんだい 、 酔っ払い 」 「 のろま の 酔っ払い 」 「 うす の ろ の 酔っ払い 。 |よっぱらい|||よっぱらい|||||よっぱらい や ー い 」 「 ええ い 、 子ども と は いえ 、 もう がまん なら ん 。 |-||||こども||||||| 子ども 、 真っ二つ に する から 、 かくご しろ ! こども|まっぷたつ||||| 」   酔っ払い が 、 わきざし (→『 わきざし 刀 』 の 略 で 、 左 腰 に さす 様 に 作った 短い 刀 ) を 抜こう と する と 、 「 わ ー い 。 よっぱらい||||かたな||りゃく||ひだり|こし|||さま||つくった|みじかい|かたな||ぬこう|||||-| 切れる もの なら 、 切って みろ 」 「 そう だ 、 早く 抜け や ー い 」 と 、 また からかい ます 。 きれる|||きって||||はやく|ぬけ||-||||| そこ で 酔っ払い が 刀 を 抜いた のです が 、 これ が 竹 で 出来た 刀 でした から 、 たまり ませ ん 。 ||よっぱらい||かたな||ぬいた|の です||||たけ||できた|かたな||||| 子ども たち は 、 さらに 調子 に のって からかい ました 。 こども||||ちょうし|||| 「 あ は は は 。 貧乏 侍 め 」 「 どうせ 本物 は 、 質屋 に 売った んだろう 」 「 それ で 切れる もの なら 、 切って みろ 。 びんぼう|さむらい|||ほんもの||しちや||うった||||きれる|||きって| や ー い 、 や ー い 」   子ども たち の 言う とおり 、 本物 の わきざし は 質屋 に あり ます 。 |-|||-||こども|||いう||ほんもの||||しちや||| 酔っ払い は くやしがって 、 こう 言い ました 。 よっぱらい||||いい| 「 よし 、 お前 ら かくご しろ ! |おまえ||| かたっぱしから 、 竹 の とげ を 立てて やる から な 」 |たけ||||たてて|||

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )