盾の勇者の成り上がり2 番外編 (1) たて の ゆうしゃ の なり あがり|ばんがい へん Der Aufstieg der Schildhelden 2: Extras (1) The Rise of the Shield Hero 2: Extra Edition (1) 盾之勇者成名录2额外版 (1)

番外 編 あの 人 へ の 贈り物 ばんがい|へん||じん|||おくりもの 「 ナオフミ 様 。 |さま 湯 煙 が 見えて きました よ 」 ゆ|けむり||みえて|き ました| その 日 、 私 は フィーロ の 馬車 を 操り ながら ナオフミ 様 に そう 言いました 。 |ひ|わたくし||||ばしゃ||あやつり|||さま|||いい ました ナオフミ 様 の 話 で は 、 次に 行く 町 が 温泉 街 だ と いう 事 で 、 どんな ところ か 今 から 楽しみです 。 |さま||はなし|||つぎに|いく|まち||おんせん|がい||||こと|||||いま||たのしみです

「 お ？ そう か 」

「 なんか くさ ー い 」 ||-|

フィーロ が 馬車 を 引き ながら 臭 そうに 顔 を 渋く さ せて います 。 ||ばしゃ||ひき||くさ|そう に|かお||しぶく|||い ます 「 そうい や 硫黄 臭 が する な 。 そう い||いおう|くさ||| 温泉 が 近く で 湧いて いる んだ ろ 」 おんせん||ちかく||わいて|||

「 おんせんって 美味しい の ？ おんせん って|おいしい| 」 「 温泉 自体 は 美味 くない な ー 、 温泉 卵 と か は 美味 い けど 」 おんせん|じたい||びみ|||-|おんせん|たまご||||びみ|| 「 おんせん が 卵 産む の ？ ||たまご|うむ| 」 「 違う 違う 。 ちがう|ちがう 温泉 で 茹でた 卵 だ よ 。 おんせん||ゆでた|たまご|| 他 に 温泉 饅頭 が …… この 世界 に は 無い か 」 た||おんせん|まんじゅう|||せかい|||ない|

と 、 ナオフミ 様 は フィーロ の 質問 に 答えて くださって います 。 ||さま||||しつもん||こたえて||い ます 「 ここ でも 薬 を 売る んです よ ね 」 ||くすり||うる|||

「 ああ 、 宿 の 手配 は 俺 が する から ラフタリア は 薬 を 売りさばいて くれ 」 |やど||てはい||おれ||||||くすり||うりさばいて|

「 わかりました 」 わかり ました 「 せっかく だ 。 ここ で 少し ゆっくり する の も 悪く ない 。 ||すこし|||||わるく| 二 、 三 日 滞在 して 休む か 」 ふた|みっ|ひ|たいざい||やすむ|

私 と フィーロ は 自然 と 笑み を 浮かべました 。 わたくし||||しぜん||えみ||うかべ ました だって 最近 は 行商 で 忙しく 、 遊んで いる 暇 は あんまり なかった から です 。 |さいきん||ぎょうしょう||いそがしく|あそんで||いとま|||||

特に ナオフミ 様 は 毎日 薬 の 調合 や 行商 の 金 勘定 、 それ に 加えて 魔法 の 勉強 と 休む 暇 が ありません 。 とくに||さま||まいにち|くすり||ちょうごう||ぎょうしょう||きむ|かんじょう|||くわえて|まほう||べんきょう||やすむ|いとま||あり ませ ん この 辺り で 少し 休息 を 取る の は 、 健康 の 面 でも 良い と 思います 。 |あたり||すこし|きゅうそく||とる|||けんこう||おもて||よい||おもい ます 「 それ は 名案 です ね 、 ナオフミ 様 」 ||めいあん||||さま

「 じゃあ 明日 は ご しゅじん さま も 遊んで くれる の ー ？ |あした||||||あそんで|||- 」 「 調合 が ある から そこ まで 遊べ ない が 、 ゆっくり 温泉 に 浸 かる くらい は できる と 良い な 。 ちょうごう||||||あそべ||||おんせん||ひた||||||よい| ほら 、 フィーロ 、 そろそろ 止まれ 」 |||とどまれ

「 は ー い 」 |-|

温泉 地 に 療養 へ 来て いる 方 や 治療 師 の 方 が 薬 を 買い求め 、 思いのほか 早く ナオフミ 様 が 作った 薬 を 売りさばく 事 が できました 。 おんせん|ち||りょうよう||きて||かた||ちりょう|し||かた||くすり||かいもとめ|おもいのほか|はやく||さま||つくった|くすり||うりさばく|こと||でき ました だ から 早 めに 宿 に 入り 、 温泉 に ゆっくり と 浸 かる 事 に 。 ||はや||やど||はいり|おんせん||||ひた||こと|

「 ご しゅじん さま の 所 へ 行って くる ね 」 ||||しょ||おこなって||

「 ダメです よ 。 だめです| ナオフミ 様 に 御 迷惑 が 掛ります 」 |さま||ご|めいわく||かかり ます 「 えー …… 大丈夫だ よ 。 |だいじょうぶだ| ご しゅじん さま なら 」

「 何 が 大丈夫です か ！ なん||だいじょうぶです| それ に あっち は 男湯 です よ 。 ||あっ ち||おとこゆ|| フィーロ は 女の子 でしょう ？ ||おんなのこ| 」 と 、 止める 私 を 振り切って 、 フィーロ は 温泉 の 垣根 を 乗り越えて 行って しまいました 。 |とどめる|わたくし||ふりきって|||おんせん||かきね||のりこえて|おこなって|しまい ました 「 ご しゅじん さま ー 一緒に は いろ ー 」 |||-|いっしょに|||-

「 なんだ フィーロ か 。 ああ 、 は いはい 。 肩 まで しっかり 浸 かれよ 」 かた|||ひた|

「 うん 」

垣根 の 方 から ナオフミ 様 と フィーロ の 声 が 聞こえて きました 。 かきね||かた|||さま||||こえ||きこえて|き ました う う …… な んでしょう 。 少し 負けた ような 気持ち です 。 すこし|まけた||きもち|

温泉 に 浸 かって いる と 、 温泉 の 由来 が 書かれて いる 看板 に 目 が 行きます 。 おんせん||ひた||||おんせん||ゆらい||かか れて||かんばん||め||いき ます 銀色 の …… イノシシ です か ？ ぎんいろ||いのしし|| その イノシシ を 倒した 事 で 温泉 が 湧いた みたいな 伝説 が 子供 でも 読める ように 物語 仕立て で 書かれて いました 。 |いのしし||たおした|こと||おんせん||わいた||でんせつ||こども||よめる||ものがたり|したて||かか れて|い ました 他 に 恋愛 成就 の 温泉 で も ある と か …… 物語 の 中 で 書かれて います 。 た||れんあい|じょうじゅ||おんせん||||||ものがたり||なか||かか れて|い ます この 温泉 に 一緒に 入った 男女 は 永遠に 結ばれる 。 |おんせん||いっしょに|はいった|だんじょ||えいえんに|むすばれる

それって …… 今 まさに フィーロ と ナオフミ 様 の 状態 では ありません か !? それ って|いま|||||さま||じょうたい||あり ませ ん| 「 う ……」

看板 を 見 ながら 温泉 に 入って いたら のぼせて きました ので 、 早 めに 上がります 。 かんばん||み||おんせん||はいって|||き ました||はや||あがり ます 宿 の 部屋 に 戻る と ナオフミ 様 は 既に 入浴 を 済ませて 、 部屋 で アクセサリー の 細工 の 勉強 を して いました 。 やど||へや||もどる|||さま||すでに|にゅうよく||すませて|へや||あくせさりー||さいく||べんきょう|||い ました 色々 と 教わった のです けど 、 最近 は 器材 の 関係 で 良い 物 が 作れ ない と 悩んで 知恵 を 絞って います 。 いろいろ||おそわった|||さいきん||きざい||かんけい||よい|ぶつ||つくれ|||なやんで|ちえ||しぼって|い ます 「 ああ 、 ラフタリア か 。 ちょっと こっち に 来い 」 |||こい

私 が 部屋 に 入って きた 事 に 気付いた ナオフミ 様 は 、 薬 を 持った まま ベッド に 腰掛ける ように 指示 しました 。 わたくし||へや||はいって||こと||きづいた||さま||くすり||もった||べっど||こしかける||しじ|し ました 「 はい 」

ナオフミ 様 は 私 の 背中 に ある 傷跡 を 酷 く 気 に して いて 、 薬 を 塗って 治そう と して くださります 。 |さま||わたくし||せなか|||きずあと||こく||き||||くすり||ぬって|なおそう|||くださり ます その お陰 か 、 背中 の 肌 が 突っ張る 感じ は 既に ありません 。 |おかげ||せなか||はだ||つっぱる|かんじ||すでに|あり ませ ん 私 は …… さっき 読んだ カップル は 永遠に 結ばれる と いう 記述 を 思い出し 、 わたくし|||よんだ|かっぷる||えいえんに|むすばれる|||きじゅつ||おもいだし

「 ナオフミ 様 ……」 |さま

勇気 を 振り絞って 体 に 巻いて いた タオル を 取って ナオフミ 様 に 見せました 。 ゆうき||ふりしぼって|からだ||まいて||たおる||とって||さま||みせ ました 言って は 何 です が 、 ナオフミ 様 は 女性 関係 で トラウマ を 抱いて いる ので 、 こういう の は 嫌う かも しれません 。 いって||なん||||さま||じょせい|かんけい||||いだいて||||||きらう||しれ ませ ん です が 、 私 の 気持ち を 知って 欲しい ので 思いきって 行動 します 。 ||わたくし||きもち||しって|ほしい||おもいきって|こうどう|し ます 「 ど 、 どう です か ？ 」 私 、 魅力 的でしょう か ？ わたくし|みりょく|てきでしょう| ナオフミ 様 ……。 |さま

と 、 ナオフミ 様 が 私 の 背中 を 見て 少し は うろたえて くれる 。 ||さま||わたくし||せなか||みて|すこし||| もしくは 、 私 の 決意 を 察して 理解 して 下さる 事 を 期待 した のです が 。 |わたくし||けつい||さっして|りかい||くださる|こと||きたい|||

「 まあ 、 大分 良く なった んじゃ ない か ？ |だいぶ|よく|||| 出会った 頃 と は 雲泥 の 差 だ な 」 であった|ころ|||うんでい||さ||

えっと …… ナオフミ 様 は 私 の 裸 を 見て 顔色 一 つ 変え ず 、 キョトンと した 表情 で 見て います 。 えっ と||さま||わたくし||はだか||みて|かおいろ|ひと||かえ||きょとんと||ひょうじょう||みて|い ます むしろ 私 の 方 が 恥ずかしくて めまい が して きました 。 |わたくし||かた||はずかしくて||||き ました 「 え ？ あの …… それ だけ です か ？ 」 「 何 か ある の か ？ なん|||| 」 「 い 、 いえ 」 「 あと 、 いつまでも 裸 に なって いる と 風邪 を ──」 ||はだか|||||かぜ|

「 あー ！ お 姉ちゃん が 裸 に なって る ！ |ねえちゃん||はだか||| 」 フィーロ が 部屋 に 入って 来て 大声 を 上げます 。 ||へや||はいって|きて|おおごえ||あげ ます ワンピース を 脱いで 全裸 に なって こっち に 突撃 して きました 。 わんぴーす||ぬいで|ぜんら|||||とつげき||き ました そういう 遊び じゃ ありません ！ |あそび||あり ませ ん 「 フィーロ も 混ぜて ー ！ ||まぜて|- 」 「 混ぜません ！ まぜ ませ ん なん です か 」

ああ …… ナオフミ 様 、 私 の 一世一代 の 告白 の 前 振り が ……。 ||さま|わたくし||いっせいちだい||こくはく||ぜん|ふり|

夜 も 更けて きた ので 就寝 する 事 に なり 、 フィーロ は すやすや と 私 の 隣 で 寝息 を 立てて いました 。 よ||ふけて|||しゅうしん||こと|||||||わたくし||となり||ねいき||たてて|い ました 「 あの 、 ナオフミ 様 」 ||さま

「 なんだ ？ 」 ナオフミ 様 は まだ 薬 を 調合 して いて 、 寝る の は まだ 先 です 。 |さま|||くすり||ちょうごう|||ねる||||さき| ここ で 頑張ら ない と 。 ||がんばら|| ナオフミ 様 と 両 想い に なる んです ！ |さま||りょう|おもい|||

「 その ……」

「 ん ？ 」 ナオフミ 様 が 私 を 見て います 。 |さま||わたくし||みて|い ます 温泉 の 所 為 か 、 顔 が 熱く なって きて …… 沸騰 し そうです が 、 頑張ります 。 おんせん||しょ|ため||かお||あつく|||ふっとう||そう です||がんばり ます 「 ナオフミ 様 、 私 は …… 貴方 が 好きです 」 |さま|わたくし||あなた||すきです

「 そう か 」

通じた ！ つうじた 私 の 心 は 空 を も 飛べる 程 高らかに ──。 わたくし||こころ||から|||とべる|ほど|たからかに

「 俺 も 好きだ ぞ 。 おれ||すきだ| 娘 みたいに 」 むすめ|

一瞬 で 水 を 掛けられ 、 地 の 底 に 落ちて しまいました 。 いっしゅん||すい||かけ られ|ち||そこ||おちて|しまい ました ああ 、 どうも ナオフミ 様 は 私 を 子供 扱い する と 言います か 、 親 の ような 感覚 で 接して くる んです 。 |||さま||わたくし||こども|あつかい|||いい ます||おや|||かんかく||せっして|| 私 は もう 子供 じゃ ありません ！ わたくし|||こども||あり ませ ん と 、 何 度 か 言った のです けど 、 |なん|たび||いった||

「 そうだ な ーラフタリア は もう 大人 だ よ な 」 そう だ||-ラフタリア|||おとな|||

と 、 取り合って くれ ない のです 。 |とりあって|||

もう …… 凄く 鈍感で …… そこ が 魅力 で も ある のです けど 。 |すごく|どんかんで|||みりょく|||||

ただ 、 もう 一 歩 前進 したい のです が 、 なかなか 機会 が なくて 上手く 行きません 。 ||ひと|ふ|ぜんしん|し たい||||きかい|||うまく|いき ませ ん 理想 と して は 、 ナオフミ 様 から 告白 して 欲しい と いう 想い は あります が 、 ナオフミ 様 は 過去 に 色々 あって 女性 に 強い トラウマ を 持って います 。 りそう|||||さま||こくはく||ほしい|||おもい||あり ます|||さま||かこ||いろいろ||じょせい||つよい|||もって|い ます だから 、 私 から 告白 して 恋人 に なる んです 。 |わたくし||こくはく||こいびと|||

だけど 、 ナオフミ 様 は どう すれば 気付いて くれる でしょう か ？ ||さま||||きづいて|||

そこ で 小さな 頃 に 聞いた 話 を 思い出しました 。 ||ちいさな|ころ||きいた|はなし||おもいだし ました お母さん は お 父さん に プレゼント を もらった の が きっかけ で 恋 に 目覚めた と 言って いました 。 お かあさん|||とうさん||ぷれぜんと|||||||こい||めざめた||いって|い ました はい 。 これ しか ない と 私 の 中 で 決まった 瞬間 でした 。 ||||わたくし||なか||きまった|しゅんかん|

これ は もう プレゼント を して 、 振り向いて もらう しか ありません ！ |||ぷれぜんと|||ふりむいて|||あり ませ ん ナオフミ 様 は 、 強く なる ため に 色々な 物 を 盾 に 入れて います 。 |さま||つよく||||いろいろな|ぶつ||たて||いれて|い ます と 言う 事 は 私 が 強く なる のに 必要な 物 を 調達 し 、 有能だ 、 大人 だ と 認め させて から 告白 すれば 気付いて くれる はず ！ |いう|こと||わたくし||つよく|||ひつような|ぶつ||ちょうたつ||ゆうのうだ|おとな|||みとめ|さ せて||こくはく||きづいて||

翌朝 、 私 は 温泉 街 を 歩いて 情報 を 集めよう と 思いました 。 よくあさ|わたくし||おんせん|がい||あるいて|じょうほう||あつめよう||おもい ました 「 あの 、 この 辺り で 珍しい 物って あります か ？ ||あたり||めずらしい|ぶつ って|あり ます| 」 メジャー な 物 だ と ナオフミ 様 も 認めて 下さら ない と 思う ので 、 近く に 伝説 と か ない か を 尋ねます 。 めじゃー||ぶつ||||さま||みとめて|くださら|||おもう||ちかく||でんせつ||||||たずね ます 前 に フィーロ の 服 を 作る ため に 遺跡 に 行きました 。 ぜん||||ふく||つくる|||いせき||いき ました あんな 感じ で 入手 が 困難な 代物 を 持ってくれば …… きっと 。 |かんじ||にゅうしゅ||こんなんな|しろもの||もってくれば|

「 珍しい 物 か ー 、 この 辺り で 有名だ と ガゴッコ の 温泉 卵 と か 珍味 で 有名だ な 」 めずらしい|ぶつ||-||あたり||ゆうめいだ||||おんせん|たまご|||ちんみ||ゆうめいだ|

宿 の 店主 が 私 の 質問 に 、 考え ながら 答えて くれました 。 やど||てんしゅ||わたくし||しつもん||かんがえ||こたえて|くれ ました 「 いえ 、 そう 言う 物 で は なく 、 もっと 珍しい 物 を 探して いる のです けど …… 綺麗な 石 と か 」 ||いう|ぶつ|||||めずらしい|ぶつ||さがして||||きれいな|いし||

「 と なる と 、 ラチウム と か かな ？ 」 「 な んです か それ ？ 」 「 ああ 、 この 辺り で 採れる 凄く 珍しい 鉱石 な んだ 。 ||あたり||とれる|すごく|めずらしい|こうせき|| 魔法使い や 錬金術 師 が 高く 買い取って くれる 。 まほうつかい||れんきんじゅつ|し||たかく|かいとって| 他 に も 恋愛 成就 の おまじない と して この 辺り じゃ 珍重 さ れる 物 だ 」 た|||れんあい|じょうじゅ||||||あたり||ちんちょう|||ぶつ|

これ です ！ こう 言う 珍しい 鉱石 を 私 一 人 で 採って くれば 、 ナオフミ 様 も 認めて 下さる はず ！ |いう|めずらしい|こうせき||わたくし|ひと|じん||とって|||さま||みとめて|くださる|

しかも 恋愛 成就 と は 、 今 の 私 に ピッタリ の 鉱石 です 。 |れんあい|じょうじゅ|||いま||わたくし||ぴったり||こうせき|

「 どこ で 採れる のです か ？ ||とれる|| 」 「 あの 山 の 奥地 で 採取 できる と 思う けど 、 大変だ よ 」 |やま||おくち||さいしゅ|||おもう||たいへんだ| 「 覚悟 の 上 です 」 かくご||うえ|

「 じゃあ ラチウム の ある 場所 は ガゴッコ の 巣 の ──」 ||||ばしょ||||す|

私 は 店主 に 食い入る ように 質問 し 、 ラチウム と いう 鉱石 が 採れる 場所 を 聞き出しました 。 わたくし||てんしゅ||くいいる||しつもん|||||こうせき||とれる|ばしょ||ききだし ました そして 準備 を 整え 、 出発 いたします 。 |じゅんび||ととのえ|しゅっぱつ|いたし ます 「 この 辺り です か ー ……」 |あたり|||-

地図 を 片手 に 私 は 火山 を 登って 行きます 。 ちず||かたて||わたくし||かざん||のぼって|いき ます 硫黄 臭くて 正直 暑い です 。 いおう|くさくて|しょうじき|あつい|

店主 の 話 で は 、 ラチウム と いう の は 高い 所 に 住む 魔物 が 目印 だ そうで 、 その 魔物 の 巣 の 下 に は 間違い なく ある そうです 。 てんしゅ||はなし||||||||たかい|しょ||すむ|まもの||めじるし||そう で||まもの||す||した|||まちがい|||そう です

その 魔物 自体 は そこ まで 珍しく ない のです けど 、 巣 を 作って いる の が 珍しく ラチウム の 生み出す 魔力 と いう か 、 何 か に 引き寄せられて 巣 を 作る と か 。 |まもの|じたい||||めずらしく||||す||つくって||||めずらしく|||うみだす|まりょく||||なん|||ひきよせ られて|す||つくる|| と 、 探索 して いる と その 魔物 の 巣 を 見つけました 。 |たんさく|||||まもの||す||みつけ ました 「 あ ──」

さっそく その 場 へ 行こう と 目線 を 高く して いた 所 為 でしょう か 。 ||じょう||いこう||めせん||たかく|||しょ|ため||

ボフン と 大きな 何 か に ぶつかって しまいました 。 ||おおきな|なん||||しまい ました 「 い たた ……」

跳ね飛ばさ れ 、 尻もち を ついて 、 ぶつかった 相手 を 見ます 。 はねとばさ||しりもち||||あいて||み ます 「 あ 、 お 姉ちゃん ！ ||ねえちゃん 」 なんと フィーロ が 私 と 同じ ように 紙 を 片手 に 持って 、 そこ に 立って いました 。 |||わたくし||おなじ||かみ||かたて||もって|||たって|い ました 紙 は 、 おそらく 地図 でしょう 。 かみ|||ちず|

「 なんで フィーロ が こんな 所 に いる のです か ？ ||||しょ|||| 」 「 それ は こっち の セリフ だ よ ー 」 ||||せりふ|||- 「「……」」

何 でしょう 。 なん| なんとなく 女 の 勘 が 私 に 囁いて います 。 |おんな||かん||わたくし||ささやいて|い ます フィーロ は 敵 である と 。 ||てき|| ナオフミ 様 を 私 から 掠 め 取ろう と して いる と 。 |さま||わたくし||りゃく||とろう||||

確かに 前々 から フィーロ は ナオフミ 様 を 渡さ ない など と 言って います 。 たしかに|まえまえ|||||さま||わたさ||||いって|い ます ここ は 聞きだす の が 先決 です 。 ||ききだす|||せんけつ|

「 フィーロ 、 もう 一 度 聞きます 。 ||ひと|たび|きき ます なんで ここ に ？ 」 「 えっと ね ー 珍しい 食べ物 が ー この お 山 に ある んだって ー 」 えっ と||-|めずらしい|たべもの||-|||やま|||ん だって|- そう 言えば 店主 は ガゴッコ の 温泉 卵 と 言ってました 。 |いえば|てんしゅ||||おんせん|たまご||いって ました おそらく 、 その 事 でしょう 。 ||こと|

「 その 美味しい 珍しい 食べ物 を ご しゅじん さま に 持っていけば きっと ご しゅじん さま が フィーロ を 撫 な で 撫で して フィーロ の 番 い に なって くれる と 思う の ー 」 |おいしい|めずらしい|たべもの||||||もっていけば||||||||ぶ|||なで||||ばん||||||おもう||-

「 なりません ！ なり ませ ん 」 どういう 理屈 です か 、 この 子 は ！ |りくつ||||こ| 「 そう 言う お 姉ちゃん は どう な の ー ？ |いう||ねえちゃん|||||- フィーロ に 内緒 で 何 か 探し に ここ へ きたん でしょ ー ？ ||ないしょ||なん||さがし||||||- 」 …… これ見よがしに 小 首 を 傾か しげる フィーロ を 、 私 は なんか かわいらしい と 思って しまいました 。 これみよがしに|しょう|くび||かたむか||||わたくし|||||おもって|しまい ました この 可愛らし さ に ナオフミ 様 が 籠 絡 さ れたら 私 は 惨めです 。 |かわいらし||||さま||かご|から|||わたくし||みじめです

なにがなんでも 負ける わけに は いきま せ ん ！ |まける|||||

「 じゃあ 、 どっち が 用意 した 物 が ナオフミ 様 を 喜ば せる か 勝負 です ！ |||ようい||ぶつ|||さま||よろこば|||しょうぶ| 」 「 うん ！ お 姉ちゃん に は 負け ない よ ー 」 |ねえちゃん|||まけ|||-

フィーロ と の 勝負 の 火蓋 が 切って 落とさ れました 。 |||しょうぶ||ひぶた||きって|おとさ|れ ました 「 た ああ ああ ああ ああ ああ ああ ああ ああ ああ ああ ！ 」 「 負けません ！ まけ ませ ん 」 掛け声 と 共に 斜面 を 駆けあがる フィーロ に 負け じ と 、 私 も 走り抜けます 。 かけごえ||ともに|しゃめん||かけあがる|||まけ|||わたくし||はしりぬけ ます こんな 事 も あろう か と 暇 さえ あれば 体 を 鍛えて いた の が 役立つ 時 です ！ |こと|||||いとま|||からだ||きたえて||||やくだつ|じ|

フィーロ に は 死んで も 負けません ！ |||しんで||まけ ませ ん 「 グッグガ !?」

ガゴッコ と 呼ば れる なんか 丸くて 真っ白な 鳥 が 突進 して くる 私 達 を 見て 声 を 上げます 。 ||よば|||まるくて|まっしろな|ちょう||とっしん|||わたくし|さとる||みて|こえ||あげ ます