ソードアート ・オンライン 13 奈落 の 淵
釣れ ます か
驚かせて すみません な
私 は ニシダ と 言い ます
ここ で は 釣り 師
日本 で は 東 都 高速 線 と いう 会社 の 保安 部長 を し とり ました
キリト です
東 都 高速 線 と いう と ?
ええ この ゲーム の ネットワークセキュリティー の 担当 でした
で かい
ちょ ろ い ちょ ろ い
お 見事
ええ ただ 釣れる の は いい んだ が ... 料理 が ね
煮付け や 刺身 で 食べ たい もん です が
醤油 無し じゃ どうにも ね
焼き魚 を おろし 醤油 で って の も いい し
ブリ 大根 と か も いい な
あの ... 心当たり が なく も ない んです が
なんで す と !?
いや 堪能 し ました
まさか この 世界 に 醤油 が あった と は
自家 製 な んです よ
よかったら 後 で お 持ち ください
本当です か
いや ありがたい で すな
それにしても 釣り スキル お 高い んです ね
キリト 君 なんて ろくに 釣って きた ためし が ない んです よ
この 辺 の 湖 が 難易 度 が 高 すぎる んだ よ
いや そう で も あり ませ ん よ
難易 度 が 高い の は キリト さん が 釣って おら れた あの 大きい 湖 だけ です
なんで そんな 設定 に ...
そう それ です
あの 湖 に は ...
ヌシ が おる んです が
ヌシ
ええ 私 も 何度 か ヒット さ せた こと が ある んです が ね
ものすごい 力 で
竿 ごと 取ら れて しまい ました
うん うん
そこ で ... もの は 相談 な のです が
ヌシ 釣り は いい けど
釣り竿 の スイッチ なんて できる の か な
キリト 君 なら 大丈夫だ よ
釣ったら そう する ? 飼う ?
飼える の か な
愉快な おじさん だった な
突然 連れて きた から びっくり しちゃ った よ
この 世界 に は 普通に 暮らして る 人 も たくさん いて
最 前線 で 戦える 私 たち は そんな 人 に 対して 責任 が ある んだ よ ね
俺 は 強く なる の は
自分 が 生き残る ため って の が 第 一 だった から
今 は キリト 君 に 期待 して いる 人 いっぱい いる と 思う よ
私 も 含めて ね
ああ 皆 を 助ける って そう 約束 した もん な
でも せめて もう 少し だけ
ああ
おいおい
皆 ヌシ の こと 知って た んだ ね
えー それ で は いよいよ 本日 の メインイベント を 決行 し ます
よっ 待って ました
キリト さん お 願い し ます よ
ああ ...
どれ だけ 大物 な んだ
行き ます よ
あの ... 来た んじゃ ...
まだ です
ニ ... ニシダ さん ?
なんの まだまだ
今 だ かかり ました
はい
ス ... スイッチ ...
くそ ぅ この やろ ぅ
見えた よ
よし 行ける
な なんだ よ おい
いって え
キリト 君
危ない よ
何 が
ず ず ず ずるい ぞ 自分 だけ 逃げる な よ
キリト さん
陸 を 走って る
肺 魚 な の か
キリト さん のんきな こと 言 っと る 場合 じゃ ないで すよ
速く 逃げ ん と
ああ そう です ね
仕方ない か
奥さん 逃げて
大丈夫です よ
キリト さん 奥さん が
奥さん
す ... すげ え
アスナ さん です よ ね
なんで ここ に
ファン な んです
僕 と も 握手 を
お 疲れ
ヒースクリフ
ほら いつまでも くよくよ して ない
だって まだ 二 週間 な んだ ぜ
休暇 中 の 私 たち を 前線 に 召集 する なんて よほど の こと だ よ
そりゃ そう だ けど
話 だけ でも 聞いて おこう よ
さあ もう 時間 だ よ
さっさと 片付けて 戻って こよ
そう だ な
お 見送り ありがとう ございます
短い 間 です が 楽しかった です
いやいや 貴重な 体験 でした
実は お 二 人 に 会う まで
ゲーム クリア に 挑んで おら れる 方々 が いる の を
別 世界 の ように 考えて おり まして
この 世界 に 抛 り 出さ れて 二 年
いまさら 帰った ところ で 会社 に 戻れる か 分から ない
内心 で は もう ここ から の 脱出 を 諦めて いた の かも しれ ませ ん な
それ なら いっそ ここ で 竿 を 振って た方 が ましだ と
情けない 話 です
そんな ... そんな こと は
私 も ...
私 も 最初の 頃 は 同じ こと を 考えて
毎晩 一 人 で 泣いて ました
この 世界 で 一 日 過ぎる 度 に
私 の 現実 が どんどん 壊れて いっちゃ う 気 が した んです
ひとしきり 泣いた 後 は 戦い に あけくれ ました
勝って 前 に 進んで
とにかく 強く なる こと だけ 考えて
そんな 時 広場 の 芝生 で 昼寝 して る 人 を 見かけた んです
私 頭 に きちゃ って
時間 を 無駄に する なって 怒った んです
そ したら
今日 は アインクラッド で 最高の 季節 の さらに 最高の 気象 設定 だ から
こんな 日 に 迷宮 に 潜っちゃ う の は もったいない って 言い返さ れて
ためしに 私 も 横 に って みたら ぐっすり 眠れ ました
起きたら 夕方 で 厭 きれた 顔 さ れた んです けど
でも そう やって
一緒に パーティー を 組む うち に 気づいた んです
彼 は こんな 世界 でも ちゃんと 生きて る
現実 世界 で 一 日 なくす んじゃ なくて
ここ で 一 日 積み重ねて る
それ を 教えて くれた の が この キリト 君 です
彼 の こと を 想い ながら 寝る と
嫌な 夢 を 見 なく なった
彼 に 会える の が 楽しみに なった
始めて ここ に 来て よかった って 思えた
キリト 君 は 私 に とって
ここ で 過ごした 二 年間 の 意味 であり
生きた 証 です
私 は この 人 に 出会う ため に
あの 日 ナーヴギア を 被った んです
ニシダ さん に も きっと 大切な 物 が ある はずです
そう です な 本当に そうだ
人生 捨てた もん じゃ ない
捨てた もん じゃ ないで す なあ
私 に 出来る こと は 何も あり ませ ん が
がんばって ください
また 一緒に 釣り を し ましょう
行って き ます
転移 グランザム
偵察 隊 が 全滅
来 たる ボス 戦 に 備え
五 ギルド 合同 の パーティー 二十 名 を 送り込んだ
だが 最初の 十 人 が 部屋 の 中央 に 到達 して
ボス が 出現 した 瞬間
入り口 の 扉 が 閉じて しまった のだ
クリスタル 無効 化 エリア か
そして 五 分 ほど 経過 し ようやく 扉 が 開いた 時
部屋 の 中 に は 何も 無かった そうだ
十 人 の 姿 も ボス も 消えて いた
バカな
だからと言って 攻略 を 諦める 事 は でき ない
可能な 限り 大 部隊 を もって 当たる しか ない
協力 は さ せて もらい ます よ
だが 俺 に とって は アスナ の 安全 が 最 優先 です
もし 危険な 状況 に なったら
パーティー 全体 より も 彼女 を 守り ます
何 か を 守ろう と する 人間 は 強い もの だ
勇 戦 を 期待 する よ
あと 三 時間 か どう し よっ か
どうした の よ
怒ら ないで 聞いて くれ
今日 の ボス 攻略 戦
参加 し ないで ここ で 待って いて くれ ない か
どうして そんな 事 言う の
転移 結晶 が 使え ない 場所 で は 何 が 起こる か わから ない
怖い んだ 君 の 身 に もしも の こと
そんな 危険な 場所 に 自分 だけ 行って
私 に は 安全な 場所 で 待って ろ って 言う の
もし それ で キリト 君 が 帰って こ なかったら
私 自殺 する よ
もう 生きて る 意味 ないし
ただ 待って た 自分 が 許せ ない もの
ごめん 俺 弱気に なって る
本心 で は 二 人 で 逃げ たい と 思って る んだ
現実 世界 に 戻れ なくて も いい から
あの 森 の 家 で いつまでも 一緒に 暮らし たい
うん そう できたら いいね
毎日 一緒に いつまでも
キリト くん 考えた こと ある
私 たち の 本当の 体 が どう なって る か
この ゲーム が 始まって 何 週間 か 経った 頃 に
ほとんど の プレイヤー が 何 時間 か 回線 切断 した 事件 が あった でしょう
多分 あの 時 全 プレイヤー が
あちこち の 病院 に 移さ れた んだ と 思う
私 たち の 体 が
病院 の ベッド で どうにか 生かさ れて る って 状況 な んだ と したら
そんな の 何 年 も 無事に 続く と は 思え ない
つまり ゲーム を クリア できる でき ない 関係なく
タイムリミット は 存在 する って ことか
私 私 一生 キリト くん の 隣 に い たい
ちゃんと お付き合い して 本当に 結婚 して
一緒に 歳 を 取って いき たい
だから だ から
今 は 戦わ なきゃ いけない んだ な
おう
なんだ お前 ら も 参加 する の か
なん だって こと は ねえ だろう
こっち は 商売 を 投げ出して 加勢 に 来た んだ ぞ
この 無私 無欲の 精神 を 理解 でき ない た あ
じゃあ お前 は 戦 利 品 の 分配 から は 除外 する から な
いや それ は だ な
コリドー オープン
さあ 行こう か
なんか や な 感じ だ ね
ああ
準備 は いい かな
基本 的に は 血 盟騎 士 団 が 前衛 で 攻撃 を 食い止める ので
その 間 に 可能な 限り 攻撃 パターン を 見切り
柔軟に 反撃 して ほしい
厳しい 戦い に なる だろう が
諸君 の 力 なら 切り抜け られる と 信じて いる
解放 の 日 の ため に
大丈夫だ よ
キリト くん は 私 が 守る
だから キリト くん は 私 を 守って ね
ああ 必ず
死ぬ な よ
お前 こそ
今日 の 戦 利 品 で 一 儲け する まで くたばる 気 は ねえ ぜ
戦闘 開始
なにも 起き ない ぞ
上 よ
スカル
リーパー
固まる な 距離 を 取れ
こっち だ
走れ
い 一撃 で
無茶苦茶だ
まともに 近づく こと も でき ねえ ぞ
下がれ
重 すぎる
二 人 同時に 受ければ いける
私 達 なら できる よ
よし
鎌 は 俺 たち が 食い止める
みんな は 側面 から 攻撃 して くれ
行く ぞ
よし
暴れ んじゃ ねえ
畜生
キリト くん