ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (01)
( 子供 時代 の グレン ) “ 一体 なん だ ? 何 が お前 に そこ まで さ せる ん だ ? ”
“ 私 に は お前 が まったく 理解 でき ない ”
“ する と 魔法使い は 言い まし た 簡単 だ よ 魔 王 ― ”
“ 僕 に は 守り たい もの 守る べき もの が ある ん だ ”
“ それ を 思え ば 自然 と 体 の 底 から 無限 の 力 が 湧 い て くる ん だ ”
“ 何度 だって 立ち 上がれる ん だ ”
“ さあ 覚悟 しろ 魔 王 僕 は お前 を 倒す ”
“ そして みんな を 守る ”
“ 魔法使い の 聖なる 稲妻 を 受け 断末魔 の 叫び を 上げる 魔 王 ”
“ 長かった 戦い は ようやく 終わった の です ”
は はっ
( グレン ) 正義 の 魔法使い に … なり たかった
( 鳥 の 鳴き声 )
( シス ティーナ ) ここ は アルザーノ 帝国 の 南方 に ある 都市 フェジテ
この 街 は ―
アルザーノ 帝国 魔術 学院 と 共に 生まれ ―
共に 発展 し て き た
( シス ティーナ の 荒い 息づかい )
( 男 ) う あっ ( ルミア ) あ あっ
大丈夫 です か ?
ちょっと いい です か ?
( ルミア ) “ 天使 の 施し あれ ”
( 男 ) おお っ
( シス ティーナ ) アルザーノ 帝国 が ―
魔 導 大国 と して ―
その 名 を 馳せる こと に なった の は ―
創立 400 年 余り の ―
アルザーノ 帝国 魔術 学院 の 存在 が あって こそ だ
お っ おお !
さすが 学院 の 生徒 さん だけ ある
大した もん だ
本当 は 魔術 を 学院 の 外 で 使う の は 禁止 な の で
ないしょ に し て ください ね
( 男 ) もちろん だ ありがとう
( シス ティーナ ) ルミア ! ( ルミア ) あっ
( シス ティーナ ) はっ はっ … あ は っ …
( ルミア ) で は ごきげん よう
魔術 の 勉強 頑張って な ( ルミア ) は いっ
はっ …
( シス ティーナ ) 学院 は ―
栄え ある 歴史 を 誇る だけ で なく ―
常に 最 先端 の 魔術 を 学べ る ―
最高峰 の 学び 舎 と して 誉れ 高く ―
また 高名 な 魔術 師 は 皆 この 学院 の 出身 な の で ある
( シス ティーナ ) もう ルミア ったら 先 に 行って て って 言った のに
( ルミア ) え ~ シス ティーナ お 嬢 様 を 置 い て 行く なんて
し が ない 居候 に すぎ ない 私 に そんな こと でき ませ ん わ
そういう の 冗談 でも やめ て よ ね 私 たち は 家族 な ん だ から
ごめん シス ティ
ほんと よ ( ルミア ) うん
( ルミア ) でも 珍しい ね シス ティ が 忘れ物 する なんて
ひょっとして あの こと ?
( シス ティーナ ) かも ね …
ヒューイ 先生 なんで 急に 辞め ちゃ った の かな ?
( ルミア ) うん …
今日 から は 非 常勤 だ けど 代わり の 先生 が 来る ん だ って
( グレン の 荒い 息づかい )
知って る
あぁ … ヒューイ 先 生み たい な 熱心 な 人 が いい なぁ
( グレン ) う お おお おお お ぉ !
ちょ っ そこ どけ ~ N ガキ ども ~ !
( 2 人 ) う わ あ ああ !
“ 大いなる 風 よ ” っ !
( グレン ) う お う わ ! う わ あ あ ~ !
う わ あ ~ あー っ !
ちょっと やり すぎ じゃ ない ?
そ そう ね … つい …
どう しよ う …
( シス ティーナ ・ ルミア ) う わ あ !
あわ わ わ …
( グレン ) ふ っ
大丈夫 だった かい ? お嬢さん たち ?
( カエル の 鳴き声 )
( ラッパ の 音 )
遅い …
ケガ は ない かい ?
いや … N あなた こそ 大丈夫 … ?
ふ っ 急に 飛び出し たら 危ない から 気 を つけ た ほう が いい よ
( シス ティーナ ) 急に 飛び出し て き た の は そっち だった よう な ?
だめ だ よ シス ティ だって いきなり 魔術 を 撃った じゃ ない
ほら ちゃん と 謝って
( シス ティーナ ) ごめんなさい
( ルミア ) 申し訳 あり ませ ん でし た 私 から も おわび し ます
ふ っ ふ ー ん ! もう しかたない な ー
( シス ティーナ ・ ルミア ) え ?
ふ っ ふ ー ん ! もう しかたない な ー
( シス ティーナ ・ ルミア ) え ?
俺 は ちっとも 悪く なく て ―
お前 ら に 一方的 に 非 が ある の は 確定 的 に 明らか だ けど
そこ まで 言う なら 超 特別 に 許し て やら ん でも … あ ?
( ルミア ) あ … あ … ? ( グレン ) ん ん ?
( グレン ) ほっ ( ルミア ) ひ ゃ ああ ああ !
( シス ティーナ ) あ ああ あ ~ !
( ルミア ) ああ …
いや お前 … どこ か で … N ( ルミア ) あ …
って 何 やって る ん です か ~ !
( グレン ) う わ ~ !
って 何 やって る ん です か ~ !
ああ ああ … あ あ ~ !
女の子 に 無遠慮 に 触る なんて 信じ られ な いっ ! 最 っ 低 !
( ハーレイ ) 最低 です な ! 赴任 初日 から 遅刻 と は !
だから 反対 だった の です !
どこ の 馬 の 骨 と も 知れ ぬ 男 に 非 常勤 と は いえ ―
この 学院 の 講師 の 職 を 与える など と !
( リック ) しかし ハーレイ 君
彼 は あの セリカ = アルフォネア 教授
たって の 推薦 な ん だ よ ? ( ハーレイ ) ぐ っ …
( シス ティーナ ) どういう こと な の ? もう 半分 以上 授業 時間 過ぎ てる じゃ ない
何 か あった の か な ?
( ウェンディ ) 生徒 は もちろん の こと この 学院 の 講師 が 遅刻 する なんて ―
前代未聞 で は あり ませ ん こと ?
( カッシュ ) まっ ある 意味 大物 だ な ( セシル ) あ は …
( ギイ ブル ) むしろ ロク で なし だ ろ
( シス ティーナ ) これ は もう 生徒 を 代表 し て 一言 文句 を …
( ドア が 開く 音 )
( グレン ) あー 悪 ( わり ) い 悪い 遅れ た わ ~
やっと 来 た わ ね ! あなた この 学院 の 講師 と して の 自覚 は …
う わ あ ああ ! ( ルミア ) あっ …
違い ます 人違い です
( シス ティーナ ) 人違い な わけ ない でしょ ! ?
( グレン ) いえ 人違い です ~
そんな わけ … !
え ー このたび 非 常勤 講師 と なり ―
この クラス を 受け持つ こと に なった グレン = レーダス です
これ から 1 か月間 皆さん の 勉学 の お 手伝い を さ せ て いただき まあ す
( シス ティーナ ) あっ ああ … あ … う う っ …
これ から 1 か月間 皆さん の 勉学 の お 手伝い を さ せ て いただき まあ す
( シス ティーナ ) あっ ああ … あ … う う っ …
えー っと 特技 と 趣味 は …
挨拶 は いい から 早く 授業 を 始め て くれ ませ ん か ?
あー ま ぁ そりゃ そう だ な … N 仕事 だ し な …
( リック ) 教授 から の 推薦 状 が あれ ば 問題 なし だ ろ う
いや だからといって !
魔力 の キャパ も メモリ も 普通 魔術 の 系統 適性 も 全て 平凡
魔術 師 の クラス は 第 三 階 梯 ( かい て い ) って とこ かな
は ぁ ? たかが 第 三 階 梯 の 三流 魔術 師 が 講師 ! ?
我が 校 は 最低 でも 第 四 階 梯
ひいては 第 五 第 六 まで いる と いう の に あり え ない !
あっ …
彼 は 我が 校 の 優秀 な 生徒 に 教える こと が できる ん です か ?
よもや “ 自習 ” で お茶 を 濁し た り は !
あっ
( チョーク で 書く 音 )
えっ … ?
( グレン ) え ー 本日 の 授業 は 自習 に し ま ~ す 眠い から
( 生徒 たち の ざわめき )
( グレン の いびき ) ( シス ティーナ ) う っ … う う …
ちょっと 待て ええ ~ ! ( 本 を 投げる 音 )
( グレン ) あ た ~ !
あ それ から 彼 は 教職 免許 持 っと ら ん
は ぁ ! ?
ま これ も 教授 から の 推薦 状 が あれ ば で の
あり え な ~ い !
優秀 だ ぞ ~ なんと 11 歳 で 入学 し て おる
だが 15 歳 の 時 に 学院 を 去った と も ある
で 進路 は ?
その後 の 4 年 間 は 分から ん のう
それ は 何も せ ず に ―
ただ ひたすら 無駄 な 時間 を 過ごし て き た って こと で は ! ?
魔術 師 の 風上 に も 置け ない 愚か 者 で は ない ん です か ! ?
それ は どう か の お ?
リック 学院 長 っ ! あなた は あの 魔女 を 信じ て いる の です か !
( セリカ ) 魔女 … か 言って くれる じゃ ない か
( ハーレイ ) ヒッ グググ …
( リック ) おお セリカ 君
( ハーレイ ) い いつ の 間 に っ … !
( セリカ ) さあ いつ から だ ろ う な ?
それ より … N ( ハーレイ ) が は !
私 の こと を いくら 悪く 言 お う と 構わ ない が ―
私 の 前 で あいつ を 悪く 言う の は 許さ ん …
取り消せ
ぐ ぅ … N ぐ わ あ ああ !
失礼 し ます !
( セリカ ) ようやく あいつ を 授業 に 行か せる こと が でき た よ
( リック ) そう か …
( セリカ ) 本当 に すま ない と 思って いる …
ああ … なんの 実績 も ない 魔術 師 を 強引 に 講師 職 に ねじ込む
ハーレイ 君 の あの 反応 が 普通 じゃ ろ う な
( セリカ ) 責任 は 取る さ ―
あいつ が この 学院 で やる こと なす こと 全て 私 が 責任 を 取る
そこ まで か … N 君 に とって 彼 は なん な の か ―
聞い て いい かな ?
ふ ふ っ 別に 浮 い た 話 も 特殊 な 因縁 も ない よ
ただ あいつ に 生き生き と し て い て ほしく て な …
い て ぇ …
( 生徒 たち ) あんな 生き生き し て い ない 人 を 見る の は 初めて だ …
へえ ー え …
( シス ティーナ ) 字 が 汚く て 読め ない … N ( ルミア ) う うん …
シス ティーナ の 怒り の 鉄 拳 を 受け て も ―
まだ 真剣 に 授業 を する 気 に なら ない よう です わ ね
む ぅ …
んで たぶん きっと 大体 こんな 感じ で ~
要領 を 得 ない …
そ そう かな …
ああ …
は あ ~
( 生徒 たち ) 目 が 死 ん でる …
( リン ) あの … 質問 が …
( グレン ) なん だ ~ ?
( リン ) ええ と … 先ほど 紹介 し て くれ た ルーン 語 の 呪文 な ん です が …
その 共通 語 へ の 翻訳 が よく 分から なく て …
( グレン ) ああ …
ああ … ああ … ああ … N ふ っ 俺 も 分から ん
え えっ ?
( グレン ) すま ん な ~ N 自分 で 調べ て くれ
待って ください !
リン の 質問 に 対 し て その 対応 講師 と して どう なん です か ?
は ぁ ~ だ ー から ~ N 俺 に も 分 から ん って 言って る だ ろ
( シス ティーナ ) 生徒 の 質問 に 答え られ なけ れ ば ―
次回 の 授業 まで に 調べ ―
改めて 答える と いう の が 講師 と して の 務め だ と 思い ます !
( グレン ) ふ ぅ … だったら 自分 で 調べ た ほう が 早い ん じゃ ねぇ ー か ?
( シス ティーナ ) そういう 問題 じゃ なく て !
シス ティ …
あ ひょっとして お前 ら って 辞書 の 引き 方 まだ 教わって ね ー の ?
それ じゃ 調べ … あ ん ふ ふ じゃ 今日 は ここ まで ~
それ じゃ 調べ … あ ん ふ ふ じゃ 今日 は ここ まで ~
( 終業 の チャイム )
それ じゃ 調べ … あ ん ふ ふ じゃ 今日 は ここ まで ~
ちょっと 待って ください !
は ぁ ?
本物 の ロク で なし だ …
なん な の あいつ !
やる 気 な さ すぎよ !
ま … ま ぁ ま ぁ
( シス ティーナ ) 次 の 錬金術 の 実験 も あいつ が 監督 する ん でしょ ?
( ルミア ) うん … N ( シス ティーナ ) ああ …
胃 に 穴 が 開き そう
大丈夫 ? シス ティ
これ は … N 癒 やし が 必要 だ わ
ええ いっ !
( ルミア ) あ あっ ! ( シス ティーナ ) い ひ ひ …
あー やっぱり ルミア の 体 は 気持ち いい な ~
肌 が 白く て きれい で きめ細かく て
ち ょ … シス ティ だめ だ よっ ! あ あっ !
シス ティ あ あっ だめ !
む ぅ なんか 順調 に 育って る わ ね …
私 の は なぜ か 栄養 が いか ない から なぁ …
あれ ? 癒 やし どころ か かえって へ こん で き た ~
( グレン ) あー 面倒 くせ ぇ ! ( シス ティーナ ) あ …
った く なんで 錬金術 って の は 着替える 必要 が … あ ?
( ルミア ) あっ … N ( シス ティーナ ) あっ ! ちょっと !
( グレン ) あー 待て !
俺 は 常日頃 こんな お 約束 展開 に つい て も の 申し たい こと が ある
( 女子 生徒 たち ) あ …
どうして 慌て て 目 を 背け たり ―
( 女子 生徒 たち ) あ …
どうして 慌て て 目 を 背け たり ―
手 を 引っ込めよ う と し たり する ん だ ろ う って な
たかが 女 の 裸 を ちらっと 一目 見る の と
ボコ られる の が 等 価 交換 だ なんて 割に 合 わ ね ー だ ろ ?
どう 考え て も
だから 俺 は … この 光景 を 目 に 焼きつけ …
( 殴る 音 ) ( グレン ) ギャー !
結局 錬金術 実験 も 休講 だ なんて …
ちゃんと 勉強 し たい の に …
( ルミア ) 勤勉 な シス ティ の 気持ち も 分かる けど ―
ご飯 は 楽しく 食べよ う よ
そう ね けど …
お じい 様 と の 約束 の こと ?
“ メルガリウス の 天空 城 の 謎 を 解く ” って
その ため に ―
私 は まだまだ たくさん の 魔術 の 勉強 を し なきゃ いけない のに …
( グレン ) 失礼 ~ N ( ルミア ・ シス ティーナ ) あっ …
( グレン ) い よ っと ( シス ティーナ ) あなた !
うめ え ~
( ルミア ) は あ … あっ ふ ふ っ
あの … 先生 すごく たくさん 食べる ん です ね
食べる の 好き な ん です か ?
ああ メシ は 俺 の 数 少ない 娯楽 の 1 つ だ から な
う ふ ふ っ N あ その 炒め 物 すごく おいし そう
( グレン ) お 分かる か ? この 時期 は キルア 豆 の 旬 だ から な
そう な ん です ね 私 も 今度 食べ て み ます
( グレン ) おお な ん なら 今 食って みる か ?
え い い ん です か ? ( シス ティーナ ) ん …
はむ ん …
おいしい !
( グレン ) だ ろ ? ところで そっち の お前
( グレン ) だ ろ ? ところで そっち の お前
( シス ティーナ ) ん ?
そんな ん で 足り ん の か ?
食事 に 関し て 先生 に 文句 を 言わ れる 筋合い は あり ませ ん
( グレン ) 食わ ない と 育た ない ぞ ~
余計 な お 世話 です
私 は 午後 の 授業 が 眠く なる から そんなに 食べ ない だけ です
けど この あと の 先生 の 授業 だったら ―
もう 少し 食べ て も 支障 は な さ そう です が
回りくどい な
言い たい こと が ある なら はっきり 言ったら どう だ
分かり まし た この際 はっきり 言わ せ て いただき ます
私 は … ! ん ? う う っ !
分 ー かって る って
お前 も 食い たかった ん だ ろ ? この いやし ん ぼ め
ん ~
( 飲み込む 音 )
違い ます ! わ 私 が 言い たかった の は …
代わり に そっち も 寄 こせ
( シス ティーナ ) ああ あっ ! なに 勝手 に ぃ !
いいかげん に し て ください !
( ルミア ) シス ティ …
あなた それ でも 講師 です か ! ?
あー 非 常勤 だ けど
( セリカ ) ふ ぅ …
( グレン ) 魔術 学院 の 非 常勤 講師 ?
( セリカ ) 新しい の が 来る まで だ が やら ない か ?
( グレン ) 無理 だ な ( セリカ ) 無理 ?
なぜ だ グレン
分かる だ ろ ? 俺 は 誰 か に 教える 資格 なんて ない さ
確かに お前 は 教員 免許 持って ない し な
やめ て よ ね 人 が せっかく 渋く 決め て ん のに 現実 突きつけ ん の
ちなみに お前 に は 拒否 権 は ない
ほう ? 嫌 だ と 言ったら ?
稲妻 に 打た れる か … N それとも 炎 で 焼か れる か …
なんなら 氷 漬け も ある ぞ ?
ふ っ …
養って ください ! 俺 絶対 に 働き たく ない ん です !
う ふ っ
“ 其 ( そ ) は 摂理 の 円 環 へ と 帰還 せよ ― ”
“ 五 素 ( ご そ ) は 五 素 に 象 ( しょ う ) と 理 ( ことわり ) を 紡ぐ 縁 ( え に し ) は 乖離 ( かいり ) せよ ”
“ 五 素 ( ご そ ) は 五 素 に 象 ( しょ う ) と 理 ( ことわり ) を 紡ぐ 縁 ( え に し ) は 乖離 ( かいり ) せよ ”
( グレン ) は あ …
は … ヒイ …
( セリカ ) 次 は 外 さん …
( グレン ) ヒエエエエエ ~ !
は ぁ …
( グレン ) じゃあ 午後 の 授業 始める ぞ ー
( カッシュ ) また か よ …
( グレン ) はい 午後 2 限 目 … N ( ギイ ブル ) 文字 すら 適当 …
( グレン ) 3 … 限 …
( 生徒 たち の ため 息 )
( シス ティーナ ) あまり 言い たく は ない の です が
( グレン ) じゃあ 言わ なく て いい ぞ
私 は この 学院 に それなり の 影響 力 を 持つ 魔術 の 名門 ―
フィー ベル 家 の 娘 です !
私 が 父 に 進言 すれ ば ―
あなた の 進退 を 決 する こと も できる ん です よ !
( グレン ) え … マジ で ?
( シス ティーナ ) 本当 は こんな 手段 に 訴え たく は あり ませ ん !
ですが 講義 に 対 する 態度 を 改め ない と 言う なら …
お 父 様 に “ 期待 し て ます ” と お 伝え ください !
な っ …
い や ー よかった よかった ! これ で 辞め られる ~
も ぉ ー 脅さ れ て いやいや 引き受け て み た けど や っぱ 無理 で さあ
( ルミア ) シス ティ ! ?
あ ?
いって ぇ
魔術 決闘 の 申し込み です わ
面白く なって き た …
あなた に それ が 受け られ ます か ?
お前 … マジ か ?
私 は 本気 です
( ざわめき )
シス ティ ! だめ !
早く 先生 に 謝って ! 手袋 を 拾って !
何 が 望み だ ?
( シス ティーナ ) これ まで の 態度 を 改めて 真面目 に 授業 を し て ください
( グレン ) 忘れ て ない よ な
俺 が 勝ったら こっち の 要求 を のま なきゃ なら ない ん だ ぜ ?
承知 の うえ です
( グレン ) 本当 に いい の か ?
う わ … N なん だ よ あいつ
( セシル ) ひどい こと 考え て そう …
それ でも 私 は … フィー ベル 家 の 次期 当 主として ―
あなた の よう な … N 魔術 を おとしめる や から を
看過 する こと は でき ませ ん !
ん っ …
は ぁ … N や ー れ やれ
こんな カビ 臭い 儀礼 を 吹っかけ て くる 骨董 品 が ―
いまだ に 生き残って る なんて な ( シス ティーナ ) あ …
いい ぜ その 決闘 受け て やる よ
ん …
ああ …
( セシル ) 受け ちゃ った ? ( カッシュ ) ウソ だ ろ ?
( テレサ ) 生徒 と 講師 の 決闘 なんて ( ウェンディ ) 前代未聞 です わ !
面白 すぎ だ ろ …
( グレン ) ただし ―
さすが に お前 み たい な ガキ に ケガ さ せ ん の は 気 が 引ける んで ね
使える 魔術 は “ ショック ・ ボルト ” のみ
それ 以外 の 手段 は 禁止 だ いい な ?
決闘 の ルール は 受け 手 側 に 決定 権 が あり ます 是非 も あり ませ ん
どっち が 勝つ と 思う ?
さすが に 先生 かな
ただ シス ティーナ を 甘く 見 てる 気 も する けど
でも “ ショック ・ ボルト ” だけ って
ハンデ を つけ て くれ た の かしら ?
それ は どう かな ? ( ウェンディ ) ん ?
どういう こと です の ?
“ ショック ・ ボルト ” は 確かに 汎用 魔術 だ
一 番 最初 に 習う 初歩 中 の 初歩 …
微弱 な 電気 を 飛ばし マヒ さ せ て 行動 不能 に する 護身 用 の 魔術
基本 的 に 呪文 は ―
“ 雷 精 ( ら い せい ) よ ・ 紫 電 の 衝撃 以 ( も っ ) て ・ N 撃ち 倒せ ” の 三 節
でも 実戦 に おい て は ―
三 節 を 省略 し た 一節 で の 詠 唱 を ―
いかに 相手 より 速く 唱える か で 勝敗 が 決まる
じゃあ 詠 唱 の 速 さ に かなり の 自信 が … ?
恐らく ね
( ウェンディ ) 仮に も アルフォネア 教授 の お墨付き の 魔術 師 です わ よ
( 生徒 たち ) ん ー む …
ああ …
ん っ …
ん … おいおい なにも 取って 食 お う って わけ じゃ ね ー ん だ
胸 貸し て やっ から 気楽 に かかって き な
( シス ティーナ ) 引く わけ に は いか ない の よ シス ティーナ
私 が 私 で ある 以上 あんな 男 を 野放し に する わけ に は いか ない
たとえ 無 様 に 地 を 舐める こと に なって も 否 ( いな ) を 突きつける
それ が 私 の 魔術 師 と して の 誇り …
行く わ よ !
“ 雷 精 の 紫 電 よ ” !
ああ あー ! う う う ー ! あ あー !
ああ … あう …
( 生徒 たち ) は ぁ … ?
あれ れ ?
えっ … ?
ええ え ? 私 ルール 間違え た ?
( グレン ) な なかなか やる な …
ま ぁ いい 一 本 くらい くれ て やる
これ は 三本 勝負 だ から な
( シス ティーナ ) そう で し た っけ ?
さあ 行く ぞ ! 二 本 目 だ !
“ 雷 精 よ ・ 紫 電 の 衝撃 を 以 て … ”
( シス ティーナ ) “ 雷 精 の 紫 電 よ ” ! ( グレン ) ギャアアアア !
ほ ほう ? ま ー さ か まさか これほど と は …
五 本 勝負 だ から って ちょっと 遊び すぎ た な 反省 反省
ご … ? さっき 三本 勝負 って …
いい わ だったら …
( グレン ) 待て ! おい 見ろ ! ( シス ティーナ ) え ?
かかった な アホ が !
“ 雷 精 … ” ( シス ティーナ ) “ 雷 精 の 紫 電 よ ”
( グレン ) ギャアアアア !
もし かして 先生 …
でき ない ん です か ?
なんの こと だ か !
そもそも 呪文 を 省略 する なんて 邪道 だ から ね !
別に でき ない から ―
そう 言って る わけ じゃ ない から ね ~ !
( 生徒 たち ) でき ない ん だ …
とにかく 決闘 は 私 の 勝ち です
だから 私 の 要求 通り 先生 は 明日 から …
あっ れ ー ? 何 か 約束 し た っけ ?
( 2 人 ) は あ ?
( グレン ) 僕 なん の こと だ か 分か ん な ー い
それ より も なかなか やる な お前 !
今日 の ところ は 超 ぎりぎり 紙一重 で
引き分け と いう こと で 勘弁 して やる !
は ー っ は っ は っは っ は … N ( シス ティーナ ) あ … あぁ …
えっ と …
だが 次 は ない ぞ ! さらば だ !
ぐ は っ !
ぎ ぃ は っ は っ は っ …
う … う ぅ …
( シス ティーナ ) 心底 見損なった わ
聞い た ぞ ! グレン
お前 自分 の 生徒 と 決闘 し て ボロ 負け し た そう じゃ ない か
別に 負け て ねえ し 不意打ち み て え な もん だ し
コンディション も 悪かった し
ほん と 情けない もう お前 の そんな 姿 を 見る の は コリ ゴリ な の よ !
( グレン ) 聞こえ な ~ い
せめて 次回 予告 だけ は ちゃんと しよ う ? な ?
お前 の 好き な 焼き芋 作って やる から
ち ぇっ しょうが ねえ なあ
次回 「 ろくでなし 魔術 講師 と 禁 忌 教 典 ( アカシック レコード ) 」 最終 回
「 グレン 先生 最後 の 授業 」
( セリカ ) よく でき た ぞ グレン !
( グレン ) ご 視聴 ありがとう ござい まし た !
( シス ティーナ ) 勝手 に 終わら せ ない で ください !
え へ っ
次回 「 ほんの わずか な やる 気 」 お楽しみ に !