Psycho-Pass Episode 7 psycho|pass|episode

王 陵 さん また 娘 さん が お 見舞い に 来 て くださった わ よ おう|りょう|||むすめ||||みまい||らい||||

よかった です ね

ごめんなさい ね

お 父さん も ちゃんと 分かって て 喜んで くださって ます から |とうさん|||わかって||よろこんで|||

気 を 落とさ ない で ください ね き||おとさ||||

ええ もちろん

嘘 だ ここ に いる 人々 の 全て が そう だ うそ|||||ひとびと||すべて|||

何も 気付か ず 何も 語ら ず そして 何も 考え ない なにも|きづか||なにも|かたら|||なにも|かんがえ|

ただ の 抜け殻 の よう に 生き て やがて ||ぬけがら||||いき||

雪 が 解ける よう に 消え て いく ゆき||とける|||きえ||

罪 なき 人々 を 死に 至ら しめる 伝染 病 ざい||ひとびと||しに|いたら||でんせん|びょう

でも この 病原 菌 が 根絶 さ れる こと は ない ||びょうげん|きん||こんぜつ|||||

これ は 安らぎ と いう 名 の 病 ||やすらぎ|||な||びょう

人々 が 望 ん だ 死 の 形 ひとびと||のぞみ|||し||かた

これ って … まさか …

バラバラ に 切り開 い た 遺体 を プラスティ ネーション で 標本 に し て ばらばら||きりひら|||いたい|||ねーしょん||ひょうほん|||

そい つ を 街 の ど真ん中 に 飾り つけ て くれ た わけ よ |||がい||どまんなか||かざり||||||

今回 の 捜査 から 外れ て もらう ぞ 狡 噛 こんかい||そうさ||はずれ||||こう|か

何で だ ギノ なんで||

余計 な 先入観 に とらわれ た 刑事 を 初動 捜査 に 加える わけ に は いか ない よけい||せんにゅうかん||||けいじ||しょどう|そうさ||くわえる|||||

そんな … でも まだ 標本 事件 と 一緒 って わけ じゃ … |||ひょうほん|じけん||いっしょ|||

宿舎 で 待機 だ な しゅくしゃ||たいき||

そう だ

常 守 監視 官 とわ|しゅ|かんし|かん

はっ はい

どうやら 事情 は 知って いる 様子 だ し |じじょう||しって||ようす||

狡 噛 が 妙 な こと を しでかさ ない よう 付きっきり で 監視 しろ こう|か||たえ|||||||つきっきり||かんし|

それ が 今回 の 君 の 仕事 だ ||こんかい||きみ||しごと|

整理 する せいり|

渋谷 区 代官 山 の 公園 で 発見 さ れ た バラバラ 死体 は しぶや|く|だいかん|やま||こうえん||はっけん||||ばらばら|したい|

葛原 沙 月 かつらはら|いさご|つき

全 寮 制 の 女子 高等 教育 機関 桜 霜 学園 の 生徒 だ ぜん|りょう|せい||じょし|こうとう|きょういく|きかん|さくら|しも|がくえん||せいと|

１ 週間 前 から 行方 不明 に なって い た しゅうかん|ぜん||ゆくえ|ふめい||||

おい 「 桜 霜 学園 」 って |さくら|しも|がくえん|

標本 事件 の 容疑 者 藤間 幸三郎 の 勤務 先 ひょうほん|じけん||ようぎ|もの|ふじま|こうざぶろう||きんむ|さき

でし た よ ね

遺体 は 特殊 な 薬剤 に 浸食 さ れ タンパク 質 が プラスチック 状 に 変質 いたい||とくしゅ||やくざい||しんしょく||||しち||ぷらすちっく|じょう||へんしつ

分析 の 結果 これ は ３ 年 前 の 事件 で 使わ れ た 薬品 と 同一 で ある こと が 判明 し た ぶんせき||けっか|||とし|ぜん||じけん||つかわ|||やくひん||どういつ|||||はんめい||

確かに 同一 犯 の 可能 性 は 高い たしかに|どういつ|はん||かのう|せい||たかい

謎 の 殺人 鬼 が ３ 年 ぶり に カムバック って わけ か なぞ||さつじん|おに||とし|||かむばっく|||

ギノ さ ー ん ホント に コウ ちゃん 外し て よ かった ん す か ||-||ほんと||||はずし||||||

あの 人 標本 事件 の 調査 って 続行 し て た でしょ |じん|ひょうほん|じけん||ちょうさ||ぞっこう||||

何 か 新しい 手掛かり と か つか ん で た か も なん||あたらしい|てがかり||||||||

やつ の 報告 書 に は 目 を 通し て ある ||ほうこく|しょ|||め||とおし||

あれ は ただ の 妄想 の 羅列 だ ||||もうそう||られつ|

やり 過ぎ です よ 狡 噛 さ ん |すぎ|||こう|か||

スパーリング 最高 レベル に 設定 し て ある じゃ ない です か |さいこう|れべる||せってい|||||||

本当 に 人間 です か 狡 噛 さ ん ほんとう||にんげん|||こう|か||

ああ それ でも パラ ライザー で 撃た れ れ ば 気絶 する ||||||うた||||きぜつ|

ただ の やわ な 人間 だ ||||にんげん|

後 で 絶対 に 管財 課 から 怒ら れ ます よ あと||ぜったい||かんざい|か||いから|||

ダサ 過ぎ ん だ よ この システム が |すぎ|||||しすてむ|

俺 の 顔 に 何 か 付い てる の か おれ||かお||なん||つけい|||

いや 別に … |べつに

ドミネーター ほど 強力 な 武器 が 支給 さ れる のに ||きょうりょく||ぶき||しきゅう|||

ここ まで 過剰 な 戦闘 訓練 が 必要 な ん です か ||かじょう||せんとう|くんれん||ひつよう||||

必要 だ ひつよう|

強く て 優れ た 武器 を 扱う から こそ その 使い 手 は より 強く タフ で なきゃ いけない つよく||すぐれ||ぶき||あつかう||||つかい|て|||つよく|たふ|||

相手 を 殺す の は ドミネーター じゃ なく この 俺 だ と … あいて||ころす|||||||おれ||

それ を 肝 に 銘じ て おく ため に も ここ に ちゃんと 痛み を 感じ て おか ない と な ||かん||めいじ|||||||||いたみ||かんじ|||||

それ って 私 に 対 する 教訓 です か ||わたくし||たい||きょうくん||

あんた に ドミネーター を 撃た せる よう な 状況 は 願い下げ だ ぜ ||||うた||||じょうきょう||ねがいさげ||

で 何 の 用 だ |なん||よう|

その 前 に タオル で 汗 拭い て 服 を ちゃんと 着 て ください |ぜん||たおる||あせ|ぬぐい||ふく|||ちゃく||

未解決 事件 みかいけつ|じけん

公安 局 広域 重要 指定 事件 １０２ に つい て こうあん|きょく|こういき|じゅうよう|してい|じけん|||

こっそり のぞき見 する みたい に 調べ た の は 謝り ます |のぞきみ||||しらべ||||あやまり|

なぜ 謝る |あやまる

怒って ない ん です か いかって||||

どうして 俺 が 怒ら なきゃ いけない ん だ |おれ||いから||||

過去 の 部下 を 殺さ れ た 事件 の こと で かこ||ぶか||ころさ|||じけん|||

３ 年 も たつ の に 解決 でき て ない 事件 の こと で とし|||||かいけつ||||じけん|||

怒ら ない さ いから||

俺 が 怒る と すれ ば おれ||いかる|||

その 対象 は 自分 自身 以外 あり 得 ない |たいしょう||じぶん|じしん|いがい||とく|

あの 事件 藤間 幸三郎 の 背後 で 糸 を 引 い て い た 黒幕 に |じけん|ふじま|こうざぶろう||はいご||いと||ひ|||||くろまく|

俺 は か する こと すら でき なかった おれ|||||||

今回 の 事件 も 同じ 人物 が 関与 し て いる と こんかい||じけん||おなじ|じんぶつ||かんよ||||

まだ 分から ない ただ の 手 の 込んだ だけ の 模倣 犯 と いう 可能 性 も ある |わから||||て||こんだ|||もほう|はん|||かのう|せい||

だが 調べる 価値 が ある の は 間違い ない |しらべる|かち|||||まちがい|

捜査 から 外さ れ ちゃ い まし た ね そうさ||はずさ||||||

別に いい さ べつに||

あんまり ギノ を 困ら せ て も な |||こまら||||

やり 方 は ある って こと だ よ |かた||||||

うまい 口実 を 見つけ て 俺 たち が 戻ら ざる を 得 ない 状況 を 作り出せ ば いい |こうじつ||みつけ||おれ|||もどら|||とく||じょうきょう||つくりだせ||

そんな 方法 が |ほうほう|

ある さ まあ 見 て ろ |||み||

佐々 山 執行 官 って どんな 人 だった ん です か ささ|やま|しっこう|かん|||じん||||

くそ 野郎 だった |やろう|

は あ

女 好き で ね おんな|すき||

唐 之 杜 や 六合 塚 なんて 何度 尻 を 触ら れ た こと か とう|ゆき|もり||むっ ごう|つか||なんど|しり||さわら||||

その たび に ぶん 殴ら れる の に まったく 懲りる 様子 が なかった な ||||なぐら|||||こりる|ようす|||

あと 短気 だった |たんき|

一 度 火 が 付く と 手 が 付け られ なく て な ひと|たび|ひ||つく||て||つけ||||

ある とき 色相 チェック に 引っ掛かった 容疑 者 宅 に 踏み込む と ||しきそう|ちぇっく||ひっかかった|ようぎ|もの|たく||ふみこむ|

まさに さらった 女性 に のしかかって る ところ だった ||じょせい|||||

佐々 山 は その 男 を 危うく 殺し かけ た ささ|やま|||おとこ||あやうく|ころし||

当時 俺 は 監視 官 だった から 一応 止め た が とうじ|おれ||かんし|かん|||いちおう|とどめ||

内心 楽しい やつ だ と 思って た ないしん|たのしい||||おもって|

女 好き で 凶暴 で 実に 楽しい くそ 野郎 だ と … おんな|すき||きょうぼう||じつに|たのしい||やろう||

少なくとも あんな 死に 方 を する よう な 男 じゃ なかった すくなくとも||しに|かた|||||おとこ||

死体 の 写真 は 見 た か したい||しゃしん||み||

はい

死体 は ホログラフ * イルミネーション の 裏側 に 配置 さ れ て い た したい|||||うらがわ||はいち|||||

はい …

イルミネーション の 内容 は 知って る か ||ないよう||しって||

いいえ そこ まで は

薬品 会社 の 広告 だった やくひん|かいしゃ||こうこく|

安全 な ストレス ケア 苦しみ の ない 世界 へ あんぜん||すとれす|けあ|くるしみ|||せかい|

佐々 山 は 標本 化 さ れる 前 ささ|やま||ひょうほん|か|||ぜん

生き た まま 解体 さ れ た こと が 分析 で 判明 し た いき|||かいたい||||||ぶんせき||はんめい||

犯人 の メッセージ みたい だった よ はんにん||めっせーじ|||

「 苦しい だけ が 人生 だ 」 って くるしい|||じんせい||

それ を しでかし た やつ を 同じ 目 に 遭わ せ て やり たい と ||||||おなじ|め||あわ|||||

いつ から か そんな ふう に 思う よう に なった 時点 で ||||||おもう||||じてん|

監視 官 と して の 俺 は もう 終わって た かんし|かん||||おれ|||おわって|

後悔 は あり ませ ん か こうかい|||||

自分 の 行動 に 後悔 は ない じぶん||こうどう||こうかい||

問題 は 未解決 な こと もんだい||みかいけつ||

この 一 点 に 尽きる |ひと|てん||つきる

３ 年 前 藤間 幸三郎 に 手 を 貸し た 共犯 者 とし|ぜん|ふじま|こうざぶろう||て||かし||きょうはん|もの

今 でも 使え そう な 手掛かり は 何 か あり ます か いま||つかえ|||てがかり||なん||||

佐々 山 が 撮った 写真 が ある ささ|やま||とった|しゃしん||

ひどく ピンぼけ だ が な |ぴんぼけ|||

佐々 山 の 使って た 端末 に 保存 さ れ て い た ささ|やま||つかって||たんまつ||ほぞん|||||

この 男 … 名前 と か は |おとこ|なまえ|||

画像 ファイル の タイトル は … 「 マキシマ 」 だった がぞう|ふぁいる||たいとる|||

死体 は 葛原 沙 月 さん だった したい||かつらはら|いさご|つき||

らしい ね

葦 歌 ちゃん が 昨日 から 欠席 し てる あし|うた|||きのう||けっせき||

らしい ね

ねえ ちょっと 真面目 に 聞い て よ ||まじめ||ききい||

聞い てる よ ききい||

大久保 さん だけ じゃ ない Ｂ 組 の 山口 昌美 も 欠席 が 続 い てる って さ おおくぼ|||||ｂ|くみ||やまぐち|まさみ||けっせき||つづ||||

たぶん この 学園 で よく ない こと が 起き て いる ||がくえん||||||おき||

それ で

「 それ で 」 って

よく ない こと に は 最初 から 近づか ない 噂 話 も し ない |||||さいしょ||ちかづか||うわさ|はなし|||

何 それ … なん|

うかつ に 動く と 本当 に 危ない 気 が する ||うごく||ほんとう||あぶない|き||

葦 歌 ちゃん 私 たち の 幼なじみ じゃ ない あし|うた||わたくし|||おさななじみ||

王 陵 璃 華子 おう|りょう|り|はなこ

大久保 さん かなり 入れ 揚げ て た ん でしょ おおくぼ|||いれ|あげ||||

向こう も 案外 まんざら でも なかった 様子 だ し むこう||あんがい||||ようす||

聞い て み たら 何 か 知って る かも よ ききい||||なん||しって|||

うん …

父 が 好き だった キルケゴール の 言葉 よ ちち||すき||||ことば|

「 人間 は 動物 より 勝って いる から こそ にんげん||どうぶつ||かって|||

言い換え れ ば 人間 は 自己 で あり 精神 で ある から こそ いいかえ|||にんげん||じこ|||せいしん|||| Em outras palavras, porque os humanos são eles mesmos e os espíritos

絶望 する こと が できる の で ある 」 ぜつぼう||||||| Você pode se desesperar.”

絶望 を 知ら なけ れ ば 希望 も ない ぜつぼう||しら||||きぼう|| Se você não conhece o desespero, não há esperança

父 の 絵 の 題材 に バラバラ の 人体 が 多い の は ちち||え||だいざい||ばらばら||じんたい||おおい||

自己 に 抱え た 矛盾 の 象徴 な の よ じこ||かかえ||むじゅん||しょうちょう|||

私 は 父 を 尊敬 し て い た わたくし||ちち||そんけい||||

芸術 家 と して の 義務 を 自覚 し て げいじゅつ|いえ||||ぎむ||じかく||

啓蒙 と して の 創作 姿勢 に こだわり 続け た あの 人 は けいもう||||そうさく|しせい|||つづけ|||じん|

本当 に 素晴らしい 絵描き だった と 今 でも 思って る わ ほんとう||すばらしい|えかき|||いま||おもって||

だから ね その 務 め を 途中 で 放棄 し て しまった こと が ことさら に 許せ ない の |||つとむ|||とちゅう||ほうき||||||||ゆるせ||

昨日 ね 父 が 亡くなった の きのう||ちち||なくなった|

もう とっくに 死 ん だ も 同然 の 人 だった けど ||し||||どうぜん||じん||

とうとう 心臓 まで 本当 に 止まっちゃ っ た |しんぞう||ほんとう||とまっちゃ||

でも 大丈夫 |だいじょうぶ

悲しく なんか ない わ かなしく|||

父 の 務め は 娘 の 私 が あなた たち と 一緒 に 果たし て いく の よ ちち||つとめ||むすめ||わたくし|||||いっしょ||はたし||||

すてき だ と 思わ ない ？ |||おもわ|

ドキドキ する よ ね どきどき|||

葦 歌 さん あし|うた|

ユー ストレス 欠乏 性 脳 梗塞 ゆー|すとれす|けつぼう|せい|のう|こうそく

まあ 公認 の 病名 で は あり ませ ん |こうにん||びょうめい|||||

原因 不明 の 心 不全 と いう 形 で 処理 さ れ て いる 死因 の おおかた は げんいん|ふめい||こころ|ふぜん|||かた||しょり|||||しいん|||

実は この 症例 に 該当 する と いわ れ て い ます じつは||しょうれい||がいとう|||||||

聞い た こと は ある ききい||||

過度 の ストレス ケア に よる 弊害 だ そう だ が … かど||すとれす|けあ|||へいがい||||

かねて より 適度 の ストレス は 免疫 活動 を 活性 化 さ せる など ||てきど||すとれす||めんえき|かつどう||かっせい|か|||

好ましい 効果 も ある と さ れ て き た このましい|こうか||||||||

いわゆる 人生 の 張り合い |じんせい||はりあい

生きがい と 言い 直し て も いい いきがい||いい|なおし|||

ところが サイコ パス 診断 が 恒常 化 し て しまった 結果 ||ぱす|しんだん||こうじょう|か||||けっか

ストレス の 感覚 が まひ し 過ぎ て すとれす||かんかく||||すぎ|

刺激 そのもの を 認識 でき なく なる 患者 が 出 て き た しげき|その もの||にんしき||||かんじゃ||だ|||

こう なる と 生ける 屍 も 同然 です |||いける|しかばね||どうぜん|

やがて は 自律 神経 そのもの が 自ら の 機能 を 見失い ||じりつ|しんけい|その もの||おのずから||きのう||みうしない

生命 活動 を 維持 でき なく なる せいめい|かつどう||いじ|||

嘆かわしい 限り だ な なげかわしい|かぎり||

人 は 自ら を いたわる あまり じん||おのずから|||

生物 と して は むしろ 退化 し て しまった わけ か せいぶつ|||||たいか|||||

実は ね これ だけ 医療 体制 が 発展 し た にもかかわらず じつは||||いりょう|たいせい||はってん|||

統計 上 の 平均 寿命 は むしろ 短く なる 傾向 に ある ん です よ とうけい|うえ||へいきん|じゅみょう|||みじかく||けいこう|||||

まあ 決して 公 に は なら ない データ でしょ う が |けっして|おおやけ|||||でーた|||

当然 だ な とうぜん||

この 時代 生きがい と 呼び 得る もの は 全て 枯れ 果て て しまった |じだい|いきがい||よび|える|||すべて|かれ|はて||

命 の 在り 方 を 誰 も 真面目 に 語ろ う と し なく なった いのち||あり|かた||だれ||まじめ||ごろ|||||

くだ ん の 王 陵 璃 華子 の 父親 も ね |||おう|りょう|り|はなこ||ちちおや||

まさに その ユー ストレス 欠乏 症 患者 だった ん です ||ゆー|すとれす|けつぼう|しょう|かんじゃ|||

王 陵 牢 一 おう|りょう|ろう|ひと

ある 時期 一 世 を 風靡 し た イラストレーター です |じき|ひと|よ||ふうび||||

ご存じ あり ませ ん か ？ ごぞんじ||||

あいにく と 美術 の 世界 に は 造 詣 が なく て ね ||びじゅつ||せかい|||つく|けい||||

少女 の 肉体 を モチーフ に 残虐 で 生々しい 悪夢 を 描き出す 天才 で し た しょうじょ||にくたい||もちーふ||ざんぎゃく||なまなましい|あくむ||えがきだす|てんさい|||

ところが 本人 は 至って 生真面目 な モラリスト で ね |ほんにん||いたって|きまじめ||||

まあ 作品 の イメージ と 制作 者 の 実態 が 乖離 し て いる の は 珍しく も ない 話 です が |さくひん||いめーじ||せいさく|もの||じったい||かいり||||||めずらしく|||はなし||

牢 一 の 場合 に は そこ に 確たる 理念 が あった ろう|ひと||ばあい|||||かくたる|りねん||

い わく 人間 は 心 の 暗部 内 に 秘め た 残虐 性 を 正しく 自覚 する こと で ||にんげん||こころ||あんぶ|うち||ひめ||ざんぎゃく|せい||まさしく|じかく|||

それ を 律 する 良識 と 理性 、 善意 を 培う こと が できる と … ||りつ||りょうしき||りせい|ぜんい||つちかう||||

彼 は その ため の 啓発 と して 自ら の 創作 活動 を 定義 づけ て い た かれ|||||けいはつ|||おのずから||そうさく|かつどう||ていぎ||||

聞く かぎり で は とんだ 聖人 君主 で は ない か きく|||||せいじん|くんしゅ||||

しかし サイコ パス 判定 の 普及 が 彼 の 自認 する 役目 を 終わら せ た ||ぱす|はんてい||ふきゅう||かれ||じにん||やくめ||おわら||

人 は 自ら を 律 する まで も なく じん||おのずから||りつ||||

機械 に よる 計測 で 心 の 健康 を 保て る よう に なった きかい|||けいそく||こころ||けんこう||たもて||||

牢 一 は ね この テクノロジー を 歓迎 し た そう です ろう|ひと||||てくのろじー||かんげい||||

方法 は どう あれ 彼 が 理想 と し た 人 の 心 の 健やか なる 形 は 実現 し た ほうほう||||かれ||りそう||||じん||こころ||すこやか||かた||じつげん||

その 結果 と して 自ら の 使命 が 完了 し |けっか|||おのずから||しめい||かんりょう|

その 人生 は 無 価値 な もの に なった わけ です が … |じんせい||む|かち|||||||

驚き だ な 芸術 家 など と いう の は 総じて 俗 物 だ と 思って い た が … おどろき|||げいじゅつ|いえ||||||そうじて|ぞく|ぶつ|||おもって|||

まあ 心 に は 葛藤 も あった でしょ う が |こころ|||かっとう|||||

牢 一 は その 解消 に 早速 先端 技術 で ある 各種 の ストレス ケア を 活用 し た ろう|ひと|||かいしょう||さっそく|せんたん|ぎじゅつ|||かくしゅ||すとれす|けあ||かつよう||

その 依存 ぶり は 耽溺 と 言って いい ほど だった と |いぞん|||たんでき||いって||||

娘 の 璃 華子 は 語って ます むすめ||り|はなこ||かたって|

その 結果 ベッド から 起き上がる こと も ない 生き た 死体 に 成り果て た と … |けっか|べっど||おきあがる||||いき||したい||なりはて||

父 を 慕う 娘 から し て み れ ば 許し 難い 話 でしょ う ね ちち||したう|むすめ|||||||ゆるし|かたい|はなし|||

王 陵 牢 一 は 二 度 殺さ れ た よう な もの です おう|りょう|ろう|ひと||ふた|たび|ころさ||||||

まずは 科学 技術 に よって 才能 を 殺さ れ |かがく|ぎじゅつ|||さいのう||ころさ|

そして 社会 に よって 魂 を 殺さ れ た |しゃかい|||たましい||ころさ||

つまり その 少女 の 犯行 の 動機 は 父親 の 復讐 か ね ？ ||しょうじょ||はんこう||どうき||ちちおや||ふくしゅう||

さて どう でしょ う ？

願わくば さらに 向こう側 の 意義 を 見いだし て ほしい もの です が … ねがわくば||むこうがわ||いぎ||みいだし|||||

チェ * グソン ？

お 早い お出まし で |はやい|おでまし|

それにしても 槙島 先生 は どうして 学園 内 に こんな 場所 が ある なんて 知って い た の かしら ？ |まきしま|せんせい|||がくえん|うち|||ばしょ||||しって||||

もともと は リサイクル ボイラー の 発電 室 だった の が ||りさいくる|ぼいらー||はつでん|しつ|||

改装 で 閉鎖 さ れ た とき 図面 から も 抜け落ち た み たい で かいそう||へいさ|||||ずめん|||ぬけおち||||

ずさん な もん です

それ で 薬 の 方 は ？ ||くすり||かた|

そちら に

別に 俺 の 専門 は 荷 運び じゃ ない ん です が ね べつに|おれ||せんもん||に|はこび||||||

今回 は 手当 も 弾 ん で もらえ て ます し こんかい||てあて||たま||||||

こんな カワイイ お嬢さん の お 手伝い って ん なら ||おじょうさん|||てつだい|||

まあ 文句 を つける 筋合い で も あり ませ ん な |もんく|||すじあい||||||

こんな 不思議 な もの を 槙島 先生 は いったい どこ から ？ |ふしぎ||||まきしま|せんせい||||

昔 仕込 ん だ 祭り の 残り と は 言って まし た が ね むかし|しこ|||まつり||のこり|||いって||||

誰 が 作った もん な の か は 知ら ない し 知り たく も ない が だれ||つくった||||||しら|||しり||||

そい つ は この 妙 ちき りん な 薬 で 特許 取ったり 商い を し たり する より ||||たえ||||くすり||とっきょ|とったり|あきない|||||

槙島 の 旦那 を 楽しま せる 方 が よほど 有意義 だ と 思った ん でしょ う ね まきしま||だんな||たのしま||かた|||ゆういぎ|||おもった||||

先生 の 周囲 に は いつも 才能 の 使い どころ を 間違え た 天才 が 集まって くる の でしょ う ね せんせい||しゅうい||||さいのう||つかい|||まちがえ||てんさい||あつまって|||||

あなた も その １ 人 な の でしょ う ？ |||じん||||

チェ * グソン …

何 な ん です か ね ～ なん|||||

あの 人 と 一緒 に いる と 童心 に 帰る って いう か |じん||いっしょ||||どうしん||かえる|||

どんな いたずら を 仕掛け て 世間 を あっ と 言わ せ て やる か |||しかけ||せけん||||いわ||||

それ ばっかり 夢中 に な っち まう ||むちゅう||||

分かる わ その 気持ち わかる|||きもち

あなた たち が おもちゃ を 用意 し |||||ようい|

それ を 使って 私 たち の よう な いたずら っ子 が 世の中 を 騒がせる ||つかって|わたくし||||||っこ||よのなか||さわがせる

楽しい わ よ ね 本当 に たのしい||||ほんとう|

まあ 俺 ら おもちゃ 屋 は |おれ|||や|

あんた たち 悪 が き の やる こと を 眺め て 楽しむ だけ で 十 分 です ||あく|||||||ながめ||たのしむ|||じゅう|ぶん|

そう ね そろそろ ２ つ 目 の いたずら が 見つかる 頃合い じゃ ない かしら ||||め||||みつかる|ころあい|||

ニュース に 注目 し とくと いい わ にゅーす||ちゅうもく||||

そう さ せ て もらい ま しょ う

あなた いつも 一 番 楽しい 場面 に は 付き合わ ず に 帰っちゃ う の ね ||ひと|ばん|たのしい|ばめん|||つきあわ|||かえっちゃ|||

もったいない わ

あいにく 血なまぐさい の は 苦手 な もん で ね |ちなまぐさい|||にがて||||

２ 件 目 か … けん|め|

これ が 藤間 幸三郎 の 犯行 なら ６ 件 目 です よ ||ふじま|こうざぶろう||はんこう||けん|め||

それ で 私 に 相談 事 って 何かしら ？ ||わたくし||そうだん|こと||なにかしら

川 原崎 加賀 美 さん かわ|はらさき|かが|び|

葦 歌 ちゃん … あし|うた|

大久保 さん の 件 な ん です おおくぼ|||けん|||

彼女 もう ３ 日 続け て 欠席 し て て その … かのじょ||ひ|つづけ||けっせき||||

心配 な の ね 川 原崎 さん は 友達 思い ね しんぱい||||かわ|はらさき|||ともだち|おもい|

彼女 私 の 幼なじみ で … かのじょ|わたくし||おさななじみ|

これ は …

女の子 同士 の 友情 って すてき ね おんなのこ|どうし||ゆうじょう|||

それ は それ で モチーフ と して とっても 刺激 的 かも ||||もちーふ||||しげき|てき|

葦 歌 さん を 展示 する に 当たって あし|うた|||てんじ|||あたって

そういう 志向 も いい わ よ ね |しこう|||||

幼なじみ と の 感動 の 対面 おさななじみ|||かんどう||たいめん

心 揺さぶら れる 場面 よ ね こころ|ゆさぶら||ばめん||

本当 泣か せ られる わ ほんとう|なか|||

この 感動 を もっと もっと 大勢 の 目 に 付く ところ で 再現 し たい って そう 思って しまう の が |かんどう||||おおぜい||め||つく|||さいげん|||||おもって|||

やはり 表現 者 の 業 かしら ね |ひょうげん|もの||ぎょう||