シュタインズ ・ ゲート ゼロ (14)
( 岡部 ( お かべ )) ハァ …
( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( 岡部 ) ん ?
( 岡部 ) フッ …
( 雨 の 音 )
( 岡部 と ダル の 荒い 息 )
( ダル ) 鈴 羽 ( すず は )! ハァ …
( 鈴 羽 ) 父さん …
( ダル ) 何 やって んだ よ こんな ずぶぬれ に なって !
( 岡部 ) か が り が 消えて 数 か月
俺 たち は あらゆる 手 を 使って その 行き先 を 捜した が ―
結局 見つけ出す こと は でき なかった
萌郁 ( もえ か ) と 見つけた 施設 跡 も ―
結局 は 何 であった の かも 分から ない まま …
洗脳 を 受けて いた ?
( ダル ) 確証 は ない んだ けど ね
( 岡部 ) かがり の 素性 を 話せ ない 以上 ―
警察 の 力 を 借りる わけに も いか なかった
( ま ゆり ) オカリン
( 岡部 ) まゆ り
( ま ゆり ) オカリン 大丈夫 ? ( 岡部 ) え ?
傘 持って たかなって
急に 降って くるんだ もん
あ … ここん とこ 多い な
( ま ゆり ) 梅雨 だ から ね しかたない よ
そう だ な
もう じき 夏 か
そう だ ねえ
夏 だ ね
( 岡部 ) ああ
♪~
~♪
( クリック 音 )
おう 真 帆 ( ま ほ ) たん オッス オッス
おう 真 帆 ( ま ほ ) たん オッス オッス
( 真 帆 の あくび ) ( 真 帆 ) おはよう
( 真 帆 の あくび ) ( 真 帆 ) おはよう
え ?
比 屋 定 ( ひや じょう ) さん … 大丈夫 ?
( 真 帆 ) ん ん …
( ダル ) 低 血圧 真 帆 たん 萌 ( も ) える ~!
( 真 帆 ) また 連絡 を よこし たって こと は ―
本気 って わけよ ね ?
当たり前だ ろ !
この 前 話した とおり
タイム マシン が 使え なく なる かも しれ ない 今
タイムリープマシン は 絶対 必要な んだ
できる と 思って る の ?
( ダル ) オカリン が 分解 して 破棄 する 前 の 段階 まで に は ―
組み 直した んだ けど …
安定 し ない んだ よ ね
( 真 帆 ) そりゃ そう よ
記憶 データ なんて 膨大な もの を ―
どう やって 圧縮 して 過去 に 送った の か
そこ が 分から ない かぎり は どう しよう も …
だから こうして 連絡 して いる !
協力 して ほしい
オカリン おじさん に 聞け ない 以上 ―
あなた しか い ない
( 真 帆 ) 科学 者 だ から って 何でも できる と 思わ ないで
それ は 牧 瀬 ( まき せ ) 紅 莉栖 ( くり す ) だ から …
あの 天才 の 頭脳 が あった から
( ダル ) でも …
真 帆 たん だって 十分 天才 だ と 思う けど
( 真 帆 ) 気休め は 不要 よ
じゃあ そろそろ 出勤 だ から
それ は 断る って こと ?
( 真 帆 ) 切る わ ね
( クリック 音 )
( 真 帆 ) サリエリ に モーツァルト の 曲 は 書け ない
ん ?
ひ っ …
( 真 帆 ) うわ あ ~! ( 男性 ) わ あっ
私 この 顔 で しゃべって た の ?
くう ~
( ダル ) でも ホントに よかった の か な
オカリン 知ったら 怒る お
( 鈴 羽 ) じゃあ 説得 する ?
( ダル ) 無理だ お
話したら 即 行 破棄 で 間違い ない
( 鈴 羽 ) でしょ ?
( ダル ) でも さあ …
オカリン いつも すごい けんまく で 言う じゃ ん
“ 未来 を 変えよう なんて 思う な ” って
あれ って それなり に 理由 が ある と 思う んだ よ ね
確かに オカリン おじさん の 気持ち は 分かる よ
でも 第 3 次 世界 大戦 が 起きる この 世界 線 が 正しい なんて ―
私 に は 思え ない
( ダル ) それ は オカリン も 思って る よ きっと
だったら 何で 行動 し ない の ?
シュタインズ ・ ゲート を 目指す ため の ―
タイム マシン が あって
ほか の 世界 線 の 記憶 を 保持 できる ―
リーディング ・ シュタイナー の 能力 が あって …
それ で 何で 諦める の ?
行動 しよう と して くれ ない の ?
何で ?
( ダル ) 諦めて る わけじゃ ない と 思う お
僕 は いつか オカリン が 復活 して
また “ フゥーッハッハッハッハ ” って なって …
( 鈴 羽 ) 父さん が そう 言って から もう 半年 過ぎた
( ダル ) それ は …
( 鈴 羽 ) オカリン おじさん は もう ダメだ
私 たち で 何とか する しか ない
( ダル ) ごめん
“ 任せて ほしい ” なんて 言って おいて こんな 体たらく で …
( 鈴 羽 ) う うん
父さん が 私 の ため に 頑張って くれて いる の は ―
分かって いる から
( ダル ) ああ …
( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( ダル ) ん ?
まゆ 氏 から だ … えっ ?
どうした の ?
( ダル ) フブキ 氏 が また 入院 した って !
( ドア の 開く 音 )
( ダル ) じゃ ちょっと 行って くる お
( 鈴 羽 ) 母さん も 来る んでしょ ? しっかり ね
( ダル ) そんな 場合 じゃ ない と 思う んだ けど
私 が 生まれて こ なく なる ような 事態 に なったら …
( ダル ) き … 気合い 入れて 行って まいり ます !
( 鈴 羽 ) いって らっしゃい 父さん
( ダル ) は … はい !
頑張り ま ー す !
ハァ … ん ?
あれ は …
( ま ゆり ) あっ …
( フブキ ) あっ …
まゆ し ぃ オカリン さん
( ま ゆり ) フブキ ちゃん 大丈夫な の ?
( フブキ ) アハハ … ( ま ゆり ・ 岡部 ) ん ?
平気 平気 ! 何 かね …
( フブキ ) 検査 の ため に 一 度 病院 に 来て くれ って ―
言わ れた だけ な の
それ を かえで ちゃん が …
( かえで ) フブキ ちゃん が ―
“ これ から ちょっくら 入院 して くる ” って 送って くる から
“ ちょっくら ” って 書いた んだ から 察して よ
とにかく 心配 は ない んだ な ?
よかった
( ダル ) オカリン ! まゆ 氏 ! ( 由季 ( ゆき )) あ …
( 岡部 ) ダル … ( ま ゆり ) 来て くれた んだ
( ダル ) オッス オッス
( 由季 ) 橋田 ( は し だ ) さん ( ダル ) お っ …
( 由季 ) こんばんは
あ ? え えっ と …
ど ど … どうも
( 岡部 ) フッ …
( ダル ) あ あれ ? フブキ 氏 倒れた んじゃ …
( フブキ ) もう 橋田 さん まで
( 院長 ) だ から 何で 全員 個室 が 必要な んだ ね
( レスキネン ) 絶対 に 必要な こと な のです
( 院長 ) そう 言わ れて も ね そんな 都合 よく …
( レスキネン ) そこ を 何とか と 言って い ます
( 岡部 ) レスキネン 教授 ?
( 院長 ・ レスキネン ) あっ … ん ?
お 久しぶりです
( レスキネン ) リンターロ ! ( 岡部 ) えっ えっ ?
あっ ち ょっ 待 っ …
( レスキネン ) ハハハハ … ( 院長 ) 教授 その 青年 は ?
はい 彼 は 第 3 の アインシュタイン
9 月 から 我が 大学 の 生徒 と なり ―
いずれ 私 の 研究 室 に も 入って もらう リンターロ です
( 院長 ) ヴィクトル ・ コンドリア 大学 に ?
( 岡部 ) ああ いえ まだ 目指して る って 段階 で …
( 岡部 ) ああ いえ まだ 目指して る って 段階 で …
( ダル ) まゆ 氏 まゆ 氏 ( ま ゆり ) ん ?
( ダル ) 留学 する ん ? オカリン
決まった わけじゃ ない みたいだ けど …
勉強 頑張って る んだ よ オカリン
そ っか
( 岡部 ) えっ 院長 先生 ?
そんな 偉い 人 に ウソ を ?
( レスキネン ) ウソ は ついて ない よ リンターロ
私 は “9 月 ” と 言った んだ
“ 今年 の ” と は 言って ない フフ …
( 岡部 ) ん ん …
あっ 比 屋 定 さん も こっち に ?
( レスキネン ) 気 に なる の か ね ?
う っ … ああ いや まあ …
( レスキネン ) う ~ ん
残念 ながら 彼女 は アメリカ だ
しかし 君 が そう 言って た こと は 伝えて おこう
しっかり と ね
( 真 帆 ) やっぱり どこ か に いったん 記憶 データ を 送って ―
圧縮 して いた と 考える の が 自然 ね
紅 莉栖 と 関係 が あって そんな こと が 可能な 施設 と なる と …
( 岡部 ) だ が 一 歩 間違えば 死者 の 墓 を 暴く の と 同じ 行為 だ
( 真 帆 ) これ も 一 歩 間違えば 似た ような 行為 よ ね
( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( 真 帆 ) あっ …
教授 ?
えっ … 岡部 さん ?
何 な の ?
( アマデウス 紅 莉栖 ) 何 か あった んです か ?
( 真 帆 ) ん …
( アマデウス 紅 莉栖 ) ウフ …
そう いえば 教授 今 日本 な んです よ ね
岡部 さん と 偶然 会った みたい
羨ま し い です か ?
何で
あっ … 目 が 血走って ます けど
寝不足 よ
( アマデウス 紅 莉栖 ) でも 変な 人 でした よ ね あの 人
何 が ?
最初 会った とき から 思った んです
だって 会って 早々 ―
“ タイム マシン は 作れる か ?” です よ
( 岡部 ) タイムマシン … は 作れる だろう か ?
先輩 ?
ねえ あなた は 去年 の 春 ―
牧 瀬 紅 莉栖 が 日本 に 渡る 前 まで の 記憶 を 持って いる の よ ね ?
そう です が … どうした ん です ? 改まって
もし … もしも よ
今 タイム マシン を 作る 方法 が 見つかって …
タイムマシン ?
その 材料 が 目の前 に ある と したら どう する ?
そんな の 愚問 です よ
決まって る じゃ ないで す か
( 真 帆 ) ただし …
その 材料 を 用意 した 人 が 言う の
“ タイム マシン は 悪魔 の 発明 だ ”
“ 絶対 に 作って は いけない ” って
そう です ね
迷う … でしょう ね
実際 過去 に 干渉 する こと で 未来 が どう なる の か
今 ここ に いる 私 たち が どう なる の か ―
何 1 つ 分かって い ませ ん から
( 真 帆 ) そう よね
( アマデウス 紅 莉栖 ) ただ …
それ でも 形 に は する でしょう ね
使う か どう か で 迷う と 思い ます が
( 鈴 羽 ) 半年 前 に 落として いった ?
いや 違う
来た んだ ここ に
( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( 鈴 羽 ) あ …
ハァ …
今 の うち に 汗 流し と こう
( カーテン の 開く 音 )
( 足音 )
( シャワー の 音 )
( 鍵 の 開く 音 )
( シャワー の 音 ) ( 鈴 羽 の 鼻歌 )
( 鈴 羽 ) 動く な
おかしな マネ を したら 撃つ
手 を 頭 の 上 に
( 携帯 電話 から 流れる 鈴 羽 の 鼻歌 )
( 携帯 電話 から 流れる 鈴 羽 の 鼻歌 )
そのまま ゆっくり 外 に 出ろ
( ナイフ の 落ちる 音 )
止まれ
この 暑い の に よく そんな 格好 して い られる な
ヘルメット だけ でも 取ったら どう だ ?
あっ …
か …
かがり
( かがり ) 神様 の 声 が 聞こえる
か … かがり
( かがり ) どこ に ある の ?
ママ から もらった 大事な 物
かがり …
持って る んでしょ
出して !
ん … う っ …
とても マシン の 中 で ―
ベソベソ 泣いて いた 子供 と は 思え ない な
驚いた よ
まゆ 姉さん ―
泣いて いた ぞ
ママ … が ?
あっ …
が っ …
( 倒れる 音 )
( かがり の うめき声 )
おとなしく しろ 殺し は し ない
( かがり ) お 姉 … ちゃん
痛い … 痛い よ
お 姉 … ちゃん 痛い …
( ダル ) 鈴 羽 どうした ん ? 扉 開けっ放しで …
( かがり ) くっ … ( ダル ) え ?
あっ …
危ない !
父さん !
ひ いっ …
( 鈴 羽 ) かがり !
父さん に ―
傷 1 つ つけて みろ
たとえ お前 でも …
本当に 殺す !
え … うわ っ !
かがり !
今 の かがり たん … だ よ ね ?
( 鈴 羽 ) うん
どうして かがり たん が …
( ダル ) 鈴 羽 は 見た ん ? ( 鈴 羽 ) え ?
( ダル ) 彼女 たぶん 泣いて た
( 鈴 羽 ) あ 痛 っ …
あっ ごご … ごめん
やっぱり 病院 行った ほう が …
平気 かすり傷 だ から
( ダル ) あの ライダー スーツ の 女 が かがり た んだった なんて …
違う
父さん たち を 襲った の は 別の ヤツ だ よ
あの とき かがり は 神社 に いた はずだ から
( ダル ) じゃあ …
( 鈴 羽 ) たぶん オカリン おじさん の 推測 が 正解 だ と 思う
かがり は 何者 か に 洗脳 を 受けて 操ら れて いる
( ダル ) 洗脳 って … 誰 に ?
( 鈴 羽 )12 年 前
かがり が タイム マシン で やってきた こと を 知った 誰 か が
かがり を 捕らえて …
( 鈴 羽 ) あっ … ( ダル ) どうした ん ?
( かがり ) 神様 の 声 が 聞こえる
( かがり ) 声 が … 聞こえる
( 鈴 羽 ) 神様 の 声 … ( ダル ) え ?
まさか …
あの とき 既に かがり は …
えっ と …
オカリン に 連絡 する お “ かがり たん が 現れた ” って
オカリン おじさん
かがり が 見つかった と 聞いたら ―
たぶん また 必死に 捜して くれる と 思う
でも 父さん も さっき 見た とおり ―
今 の かがり は 危険 すぎる
それ と 洗脳 って 考えれば ―
かがり の こと 思い当たる 節 が 私 に も ある んだ
たぶん あいつ の 状況 を …
かがり を 救う ため に は タイム マシン を 使う しか ない
( 鈴 羽 ) バカ か 私 は !
今頃 に なって 思い出す なんて !
ワルキューレ の 仲間 たち を 次々 に 毒 牙 に かけた ―
管理 局 の …
教授 !
鈴 羽 …
( 鈴 羽 ) 父さん ?
( ダル ) 真 帆 たんに もう 一 度 頼んで みる
え ?
( ダル ) “ こっち に 来て 本格 的に ―”
“ タイムリープマシン の 開発 を 手伝って くれ ない か ” って
心配 す んな
僕 が 絶対 完成 さ せて み せる
絶対 に だ !
( 真 帆 ) 日本 に ?
どうしても あなた の 力 が 必要な の
世界 を 救う ため に !
それ に 来て くれれば 夏 服 ロリ 真 帆 たん ハァハァ …
純白の ワンピース に ハイソックス キボン !
( 鈴 羽 ) 父さん ! ( ダル ) は う !
ああ すま ん 妄想 が 暴走 モード に 入った だけ
マジ な 話 する と 真 帆 たん が い ない と ―
修理 でき そう も ない んだ よ ね 電話 レンジ
本気で 直す つもりな の ね
( 鈴 羽 ) もう 一 度 言う
あなた の 力 を 借り たい
( 真 帆 ) 少し だけ 考え させて くれる ?
( 真 帆 ) はっきり した こと は 聞いて い ない
でも 恐らく 牧 瀬 紅 莉栖 は 岡部 倫太郎 ( りん たろう ) と 一緒に ―
別の 世界 線 で 何度 も 何度 も トライ ・ アンド ・ エラー を 繰り返し …
それ でも 時 に 干渉 する こと に 成功 した
完成 さ せた のだ 牧 瀬 紅 莉栖 は その 装置 を
( レスキネン ) いや あ まさか …
この 若 さ で 論文 が 掲載 さ れる と は ね
すばらしい ! 君 の その 才能 は 本物 だ
そう 学会 が 認めた んだ よ
さあ これ から もっと 忙しく なる ぞ
( 真 帆 ) 開けて やる って
絶対 中 を 見て やる って
せめて その くらい は … って
( 岡部 ) だ が 一 歩 間違えば 死者 の 墓 を 暴く の と 同じ 行為 だ
( 真 帆 ) 私 は …
どう し たい の かしら ね
( アマデウス 紅 莉栖 ) どうした ん です ? 先輩
考え 事 です か ?
私 で よければ 相談 に 乗り ます けど
ありがとう
あっ …
先輩 ?
あ …
フッ …
紅 莉栖 ! ちょっと 探し物 雑誌 の バックナンバー !
紅 莉栖 ! ちょっと 探し物 雑誌 の バックナンバー !
えっ ?
紅 莉栖 ! ちょっと 探し物 雑誌 の バックナンバー !
えっ ? あ … はい !
えっ ? あ … はい !
( 真 帆 ) それ と …
( 真 帆 ) 自分 の 力 で たどりつけば いい の よ ね
あなた の もの から 答え を 探し回る ので は なく ―
あなた の 道筋 を たどって ―
そこ に たどりつければ !
( 真 帆 ) こうして 私 は 再び 向かう
牧 瀬 紅 莉栖 が 生涯 を 終えた あの 街 へ
理由 は 少し 言葉 に は し にくい けど …
ただ 1 つ だけ 言える と したら …
モーツァルト の 才能 を ―
誰 より も 認めて いた の は …
サリエリ な のだ
♪~
~♪