JIN - 仁 - 完结 编 #11 (2)
官軍 の 方 来 られて も 治し ます そういう 話 じゃ ねえ んだ よ
≪( 多紀 ) 医者 は 医 の 道 を 歩く のみ →
治まら ぬ もの を 治める の が 政 の 道 であろう
多紀 先生
南方 殿 我ら は 鉄砲 傷 も 縫え ん
しかし 役 に 立てる こと が ない わけで も なかろう
ありがとう ございます
玄 孝 ! はい
我ら に 指図 を せよ
はい
まったく よ ~
好きな ように やり や がれ !
馬鹿 医者 が
南方 先生 !
恭 太郎 さん
咲 さ ん
早く 寝 台 へ
左上 腕 部 に 銃 創 腕 の 外側 に 擦 過 傷
先生 咲 は ! 大丈夫です
死 に 至る ような 傷 で は ございませ ぬ
左 様 で ございます よ ね 先生 ?
はい それ は
( 佐分利 ) 咲 さ ん
自分 で やり ます ので 他の 方 を
私 が やり ます って 人手 の 足り ぬ 場
せめて 足手まといに は なり とう ございませ ぬ
先生 大丈夫で っか ?
はい
佐分利 先生 お 願い し ます
はい !
咲 さ ん すいません
私 は 大丈夫です から 他の 方 の ところ へ
じゃあ よろしく お 願い し ます
ほ な 摘出 し まっ せ
はい お 願い し ます
痛み まっか ?
先生 の お 心 に 比べれば …
くそ ~
《≪( 龍 馬 ) 口 八 丁 手 八 丁 ぜ よ 先生 》
え ッ ?
《≪( 龍 馬 ) 手 が 動か ん か ったら 口 を 動かせば えい 》
龍 馬 さん …
南方 先生 !
はい
撃て ーッ !
服 を 裂いて 傷 を 確認 して ください
弾 が 貫通 して る か どう か 見て ください
≪( 橘 ) どうかした の か ?
夢 を 見て いる ようで ございます
蘭 方 の 医師 と 本道 の 医師 が 共に 手 を 取り合い
治療 に 当たる など
縫 合 は 皮膚 が ズレ ない よう 傷口 を 合わせて から 縫って ください
こんな 日 が 来る など
共に 手 を 取り合い …
落ち着いて やれば 大丈夫です はい
実は
二 度 も 遺書 を 書き ました
こんな 格好 の つか ぬ 男 も おり ます まい
初めて 会った とき
恭 太郎 さん 私 に 何て 言った か 覚えて ます か ?
《 どうか 頼む 》
恭 太郎 さん あの とき
「 橘 家 を 守る ため に 死ぬ わけに は いか ない 」 って
私 に そう 言った んです
そう … でした か
恭 太郎 さん は ずっと そう な んです よ
恭 太郎 さん が 命がけ で 守って きた の は
徳川 じゃ ない
橘 の 家 な んじゃ ない です か ?
≪( 榊原 ) 橘 !
戻る ぞ
戻って ください まだ … 邪魔 立て する な
橘 徳川 の 死 に ざま を 見せつけて やろう ぞ
私 の 誇り は
徳川 の ため に 死ぬ こと で は ございませ ぬ
ここ で 水 を 運び ます
腰抜け が
大丈夫です か 恭 太郎 さん ?
腰抜け で ございます
〈 命知らずの 男 達 は 〉
〈 拾った 命 を 再び 捨て に いった 〉
〈 俺 達 は …〉
〈 捨て に いく ため の 命 を 延々と 拾い 続けた 〉
〈 冷静に 見れば この 治療 は 〉
〈 意味 の ない もの だった の かも しれ ない 〉
〈 きっと それ は みんな 分かって いた 〉
〈 だけど 誰一人 と して 〉
〈「 やめよう 」 と は 言いださ なかった 〉
≪( 医師 ) すいません
〈 それ が 俺 達 医者 の 誇り だった から 〉
この 位置 なら 傷 は ギリギリ 内臓 に は 届いて ませ ん
すぐに 消毒 して 縫 合し ましょう
≪( 医師 ) はい
〈 そして 戦 は たった 一 日 で 終わり 〉
〈 官軍 に よる 残党 狩り が 始まった 〉
ここ を 全体 的に お 願い し ます は い
咲 さ ん 治り は どう です か ?
診せて もらえ ます か ?
順調で ございます
ペニシリン も よく 効いて おり ます ので
包帯 巻き 直す の 手伝い ます
自分 で やり ます ので 大丈夫です
やり ます よ
あの それ より
少し お伺い し たい のです が
南方 先生 ちょっと お 願い いたし ます
あ ッ はい
何 です か 咲 さ ん ?
大した こと で は ございませ ぬ ので
お 早く
じゃあ 後 で
治って きて いる 証し で ございます よ ね
南方 先生 が 龍 の 字 に 見えた の かい ?
戦う ので は なく 共に 手 を 取り合い
新しい 世 を 目指す
お 二 人 が 目指さ れて いた の は 畑 は 違え ど
同じ こと だった ので は ない か と
そうかい
生きて る って なあ あり が て え な 恭 太郎
はい
私 が すいません
咲 さ ん 休んで たほう が いい んじゃ ない です か ?
できる こと は さ せて ください
こちら も 消毒 いたし ます ね
でも 熱 で も ある んじゃ …
( 佐分利 ) 先生 … ちょっと す ん ま へん →
八木 先生 ( 八木 ) はい
先生 … 先生
脳 腫瘍 に よる 噴出 性 嘔吐 … で っか ?
正解 です
《≪( 龍 馬 ) 先生 》
龍 馬 さん ? は ッ ?
《≪( 龍 馬 ) ここ じゃ 先生 頭 ん 中 じゃ 》
頭 ん 中 ?
《≪( 龍 馬 ) わし が 話す と 痛む が かえ ほ いたら …》
今 の 幻 聴 いう やつで っか ?
多分 正解 です
ほん ま に どうにも なら ん ので っか ?
どうにか なる んだったら
佐分利 先生 に 手術 して もらって ます よ
私 は 何で …
こんな ヤブ な んでしょう
一 番 助け たい 人 に は
結局 何も で け へん
もう 死な ん とって ください よ 先生
佐分利 先生 は すごい 医者 に なる と 思い ます よ
私 が 自分 が ヤブ だって 気づいた の は
たった 六 年 前 だった んです
それ に 比べたら
佐分利 先生 は びっくり する ぐらい 早い です
佐分利 先生 は
大丈夫です
南方 先生
≪( 福田 ) 大丈夫です か 咲 さ ん !
咲 さ ん 咲 さ ん !→
咲 さ ん ッ 咲 さ ん !
これ … 咲 さ ん !?
ペニシリン の 量 増やした ほう が よろしい でしょう か ?
咲 さん が 感染 して る の は 恐らく
緑 膿 菌 と いう 細菌 です
この 菌 に ペニシリン は 効き ませ ん
効く 薬 は 作れ へん のです か ? ペニシリン の とき みたいに
残念 ながら
私 の 力 で は …
でも 自然 回復 を 望め ない 感染 症 で は ない んです
咲 さん の 体力 を 戻し 免疫 力 を 高める 努力 を し ましょう
福田 先生 何 か 薬 お 願い し ます
はい !
≪( 山田 ) 忙しい ところ →
心配 を かけ まい と さ れて おった んでしょう な
申し訳 ございませ ぬ
忙しい とき に
このような
私 こそ 気づか なくて 本当に すいません
いえ 私 が 言えば よかった のです
膿 が 出つくせば 治る もの と 思って おり まして
あ ッ 私 が
咲 さ ん
それ が 駄目な んです よ
ちゃんと 休ま ない から 免疫 力 が 落ちて
菌 に 負けちゃ う んです
菌 ごとき に 負けて は
母 に 叱ら れ ます ね
〈 だけど 咲 さん の 容態 は 好転 せ ず 〉
〈 このまま で は 敗血症 ショック を 起こし 〉
〈 死に 至り かね ない 状態 に なって いった 〉
ホスミシン で も あれば なあ
≪( 山田 ) 本来 ならば 南方 先生 が お 伝え に くる べきな のでしょう が
先生 も お 悪い のです か ?
よく は ござ り ませ ぬ
我々 も でき うる かぎり の 治療 は いたして おる のです が
でき ま すれば 奥 方 様 に 咲 様 を 一 度 見舞って いただければ …
私 は 会い ませ ぬ
どうか 恭 太郎 一 人 で 母上 !
あの 子 に お 伝え ください ませ
「 約束 どおり 己 の 足 で 戻って き なさい 」 と
母上 咲 の 病 は ひとえに 私 の せい で ございます
何とぞ 一緒に 見舞って … 私 が まいれば
咲 は 己 が 死ぬ や も しれ ぬ と 悟り ましょう
それ は 咲 の 気力 を 奪う や も しれ ぬ で は あり ませ ん か
南方 先生 に お 伝え ください ませ
「 咲 を よろしく 」 と
意外に …
咲 さ ん ?
え ッ …
夢 を 見て おり まして
夢 を ?
熱 に うかされ
ふと 目 が 覚める と
先生 が どこ に も おら れ ぬ のです
私 は 仁 友 堂 を さがす のです けれど
先生 は どこ に も おら れ ず
それ で 未来 に お 戻り に なった んだ と 思って
「 ああ よかった 」 と 思った ところ
目覚める と
先生 の お 顔 が 見えて
よかった ?
お 戻り に なれば
先生 の 岩 は 治 せる で は ないで す か
おとなしく して おり ます ので
どうぞ 他の 方 の 治療 に
先生
咲 さん の 寝て る 顔 見て たら
彰 義 隊 の 皆さん の こと を 思い出した んです
彰 義 隊 を ?
あの 人 達 は
ただ せっぱ詰まって た だけ じゃ なくて
意外に 明るい 気持ち も あった の か な って
もし かけがえのない もの が なくなって しまう の なら
一緒に なくなる の が
一 番 幸せだ って
そんなふうに も 思った の か な って
医者 が
そのような こと を 言って
どう する のです か
はい
どう する ので ございます か
あの 時
あの 時 の
ホスミシン だった んじゃ ?
もしかしたら
どこ か に
先生 ?
咲 さ ん
ちょっと 待って て ください
すぐ すぐ 戻って き ます
絶対 に 治し ます
はい
じゃあ 行って き ます ね
はい
あの すいません
私 咲 さん を 助ける こと の できる 薬 持って た かも しれ ない んです
持って らっしゃった と は ?
とにかく 持って て 落とした かも しれ ない んです
6 年 前 なんで ちゃんと 効く か 分から ない んです けど
でも 何で 持って たか は 覚えて なくて
そのような 事 どうでも よろしい ! 何という 薬 で ございます か ?
ホスミシン と いう 薬 です
どこ に 落とした ので ございます か ?
えっ と …
どうか 咲 を
( 足音 )
母上 咲 を 助ける 薬 が 我が家 に ある や も しれ ぬ のです
初めて お 会い した とき 先生 が お 持ち に なって た かも しれ ぬ と
母上 !
捜す のです 恭 太郎
小さな 瓶 小さな 瓶 …
小さな 瓶
ここ は 初めて 会った 辺り で ございます な
あの 時 に 戻り 自分 に 言って やり たい です
何 が あって も 上野 に は 行く な と
私 も 戻り たい です
《≪( 龍 馬 ) 戻る ぜ よ 先生 》
《≪( 龍 馬 )「 咲 さん を 助け たく ば 戻れ 」 ち →》
《 先生 の 頭 の 中 に おる 奴 が 言う ち ょる が じゃ 》
え ッ ?
あれ が って …
《≪( 龍 馬 ) 先生 は どこ から 来た が じゃ ?》
どこ って 東京 の …
先生 ?
東京 の …
《[ TEL ]( 救急 隊員 ) 錦 糸 公園 内 で 倒れて いる ところ を 発見 さ れ ました 》
《( 博美 ) 錦 糸 公園 に 倒れて いた そうです 》
入り口 と 出口 は 違う
入り口 と 出口 ?
恭 太郎 さん 錦 糸 町 は どっち です か ?
錦 糸 堀 なら あちら で
先生 入り口 と 出口 と は 何の こと で ?
《≪( 龍 馬 ) この先 じゃ 先生 》
≪( 官 軍兵 ) 何 を して おる !
官軍 の 残党 狩り です 先生 逃げ ましょう
《≪( 龍 馬 ) 急ぐ ぜ よ 先生 》
先生 ! ( 官 軍兵 ) おい 止まれ !
止まれ と 言う て おろう が !
先生 ! ≪( 官 軍兵 ) 何で 止まら ん のじゃ …
先生 お 逃げ ください ッ 早く !
急が ない と
あ ちき は 幸せな 女 であり ん す
咲 さ ん
どうか あの 二 人 に も 幸せ を
待って て ください よ
絶対 に
治し ます から
お 二 人 の 思い を 遂げ させて おく ん なん し
ここ …
《≪( 龍 馬 ) 戻る ぜ よ 先生 》
《≪( 龍 馬 ) 戻る ぜ よ あん 世界 へ 》
わ あ ~ ッ !
[ TEL ]( 救急 隊員 ) 錦 糸 公園 内 で 倒れて る ところ を →
発見 さ れ ました 性別 は 男性 …
ドレープ
では 続いて 腫瘍 の 摘出 を 行い ます マイクロ 用意 して
吸引 管 3 号 と バイポーラー
《( 龍 馬 ) ほ いたら のう 先生 》
《 龍 馬 さん どこ 行く んです か ?》
《 先生 は いつか 》
《 わし ら ん こと を 忘れる ぜ よ 》 《 え ッ ?》
《 けん ど 悲しま んで えい 》
《 わし ら は ずっと 先生 と 共に おる ぜ よ 》
《 見え ん でも 聞こえ ん でも 》
《 おる ぜ よ 》
《 いつ の 日 も 》
《 先生 と 共に 》
《 龍 馬 さん ?》
《 龍 馬 さん ッ 》
《 どこ 行く んです か ?》
《 ちょっと 龍 馬 さん ッ 》
何 か あったら すぐ 連絡 ください ( 梅子 ) はい
行か なきゃ
あの 時 と 同じ が いい か
( ドア が 開く )
チャンス か ?
( ドア が 開く )
( 野口 ) 例の 患者 が 部屋 から い なく なり ました
1868 年
5 月 20 日
戻して くれよ
〈 これ で 俺 は 戻れる んだろう か ?〉
〈 それとも また 同じ こと が 繰り返さ れる んだろう か ?〉
〈 いや 戻る んだ 〉
〈 今度 は 俺 が 絶対 に 〉
大丈夫です か ? 戻り ましょう
まだ 安静に して ない と 危険です
どうして こんな こと を した んです か ? 何 か …
どうして これ を ?
《≪( 龍 馬 ) 戻る ぜ よ 》