( 男性 ) くそ っ ! 「 カード を お 取り に なって … 」
( 男性 ) これ も 駄目 か ! 「 初め から やり 直し て ください 」
「 カード を お 取り に なって 初め から やり 直し て ください 」
( 男性 ) は っ ! 「 ご 利用 いただき まし て → N
ありがとう ござい まし た 」
( 男性 ) あっ !
「 いらっしゃい ませ 」
( 男性 ) あっ … 。
( 男性 ) あぁ … 。
( 男性 ) イエス !
( 男性 ) イエス !
・~ N
・~ N
( 井 種田 ) どちら まで ?
( 男性 ) 金融 街 へ 。
( 井 種田 ) かしこまり まし た 。
( 壮 一郎 ) 《 見ろ よ 》
( 壮 一郎 ) 《 ここ に いる 連中 の どれ だけ が … 》
( 壮 一郎 ) 《 気付 い て いる か 》
( 壮 一郎 ) 《 気付 い て い ない の か 》 → N
《 どれ だけ の 連中 が それ を 疑って いる か 》 → N
《 あるいは 何も 知ら ず に いる か 》
( 壮 一郎 ) 《 しょせん 金 は 金 か あるいは … 》
( 壮 一郎 ) 《 それ 以上 の もの か 》 → N
《 それとも … N それ 以下 の もの か 》
( 壮 一郎 ) Q 。
( Q ) うん ! ?
お前 は どう だ ?
( Q ) 満腹 なら ば それ で いい の です 。
( 壮 一郎 ) フン 。 単純 で いい な 。
( 壮 一郎 ) 単純 で は ない が 複雑 で も ない 。
( 壮 一郎 ) 立場 が 変われ ば 見え 方 も 変わる 。 → N
不思議 な もの だ な 。 金 と いう もの は 。
( 壮 一郎 ) だ が 一言 で 言え ば → N
俺 に とって は 世界 と つながる 手段 そのもの だ よ 。
( 壮 一郎 ) 唯一 に し て 無二 。 誰 に とって も その はず だ が → N
それ に 気付 い て く 者 は わずか 。 → N
こんな 世界 に やって 来 て も なお それ に 気付く 者 は 少ない 。
( 壮 一郎 ) うん ! ? ( 真坂 木 ) 三國 さま → N
お楽しみ の ところ 恐縮 です が 時間 です 。
( 壮 一郎 ) 真坂 木 ディール は 明日 の はず だ が ?
( 真坂 木 ) それ が こちら の 都合 で 少し ばかり 繰り上がり まし て 。
今日 は こいつ と デート な ん だ 。
決まり は 決まり で ござい ます ので 。
フン ! どんな 相手 だ ?
( 真坂 木 ) 参り ま しょ う か 。
( 真坂 木 ) お 相手 は あちら です 。
初めて か ?
あぁ !
俺 は ビギナー 向け の 相手 じゃ ない ぞ 。
( 男性 ) ビギナーズ ラック って こと も ある !
( 壮 一郎 ) 本気 か ?
「 DIRECT 」 !
可能 性 の 問題 だ ろ !
・~ N
「 OPEN DEAL 」 !
( 男性 ) お ー っ !
ばくち を 打ち たきゃ あっ ち に 行け ば いい 。
ばくち じゃ 駄目 だ ! 金 が 要る ん だ 。
できる だけ たくさん !
奇 遇 だ な 。 ( 男性 ) ああ … 。
( 男性 ) ああ … 。
俺 も だ よ 。 「 DIRECT 」 !
( 男性 の 悲鳴 )
( 江原 ) A と いう 物 と NB と いう 物 が ある と する 。 → N
例えば ね 。 でも って NA を 持つ 人 が B を 欲しく て → N
交換 し たい と 思って も NB を 持つ 人 が → N
A が 欲しい と は 限ら ない 。 → N
A と B の 価値 を 厳密 に 決定 する こと は でき ない 。 → N
いわゆる 利害 の 不 一致 以前 の 問題 。
( 羽 奈 日 ) あっ ! ( 江原 ) つい てき てる かな ? → N
OK OK ? だ から ね それ を どう 解決 する か … 。
( 羽 奈 日 ) 公 麿 !
( 公 麿 ) 羽 奈 日 。
まだ 本 科 も 始まって ない のに → N
何で 公務 員 試験 の 勉強 し て ん の よ 。
( 公 麿 ) 今 から じゃ ない と 間に合わ ねえ ん だ よ 。
大事 な の は 実 学 だ よ 。 実 学 。
( 羽 奈 日 ) その 前 に 卒業 でき なきゃ 公務 員 どころ じゃ ない でしょ ?
・ ( 学生 ) よう ! 余 賀 。 あした 飲み 会 が ある ん だ けど どう ?
ごめん あした は ちょっと … 。
( 学生 ) 羽 奈 日 は ?
( 羽 奈 日 ) わたし は … N どう しよ う かな ?
( 学生 ) 金 ない ん なら おごる けど ?
そんな … いい よ !
( 学生 ) こいつ 最近 羽振り いい ん だ よ 。
そんな こと ねえ よ 。
( 学生 ) 親父 さん の 会社 が 景気 いい ん だ って 。
じゃあ 俺 バイト ある んで !
あっ … N ち ょ … ちょっと ! → N
あした の ! 試験 用 の ノート … 。
あいつ 付き合い 悪い よ な 。 ( 学生 ) ホント 。
「 お 手続き を し て おり ます 。 しばらく お 待ち ください 」
「 お 取り 忘れ に ご 注意 ください 」
飲み 会 な ん か … N 行ける か っ つ う の 。
・~ N
( アナウンス ) 「 手すり に お つかまり ください 」 → N
「 The next station is Koganei 」
( アナウンス ) 「 間もなく 3 番 線 を 電車 が 通過 いたし ます 」 → N
「 危ない です から 黄色い 線 まで お 下がり ください 」
( アナウンス ) 「 3 番 線 電車 が 通過 です 。 ご 注意 ください 」
あっ !
( 乗客 たち ) あ あっ !
( 乗客 ) 飛び込み だ ! ( 乗客 ) どう す ん だ よ 遅刻 だ よ !
( 乗客 ) 景気 が いい なんて ホント な の かしら ねえ 。
( 角田 ) 公務 員 なんて 競争 率 高 え だ ろ ?
こんな 時代 に 民間 な ん か 勤め られ っか よ 。
( 角田 ) でも 公務 員 だって 安泰 じゃ ねえ だ ろ ? 最近 。
そりゃ そう だ けど よ 可能 性 は 上 だ ろ ?
どう だ ろ う な 。
安定 し た 収入 で 安定 し た 家庭 を 築く の が 俺 の 夢 。
かみ さん と 子供 と つましく 暮らせ れ ば → N
それ で いい の 。
ずいぶん ささやか な ん だ な 。
あくせく す ん の が 嫌 な ん だ よ 。 あっ ヤベ え 。 そろそろ だ わ 。
置 い て け よ 俺 やっと く から 。
悪い それ じゃ ! お 先 に 失礼 し ます 。
お 疲れ ~ !
( 島田 ) よく やる よ ね バイト 掛け持ち なんて 。
あっ ち の コンビニ シフト 増やし て もらえ ない ん す よ 。
( 島田 ) いい なあ 若い から 。
体 張って ご 家族 養って る 人 に は かなわない っす よ 。
( 島田 ) ハハ … 。 あっ 。 余 賀 君 。
えっ ? あ … 。
羽 奈 日 。
あした テスト ある って 知って た ?
えー っ 聞い て ねえ よ 。 何 ? 抜き打ち ?
( 羽 奈 日 ) 要点 は 書き出し とい た から 。
寝 ない で やれ ば そこそこ いける と 思う 。
悪い こんな とこ まで わざわざ 。 ( バイブレーター の 音 )
いいかげん 携帯 持って よ 。 メール で 済む ん だ から さ 。
そんな 余裕 ねえ よ 金 ない し 。
( 羽 奈 日 ) ある の に 使って ない ん じゃ ない の ?
自分 の こと は 自分 で 何とか し て ん だ よ 。
( 羽 奈 日 ) それ 親 の 金 で 大学 行って る → N
わたし たち に 対 する 嫌 み ?
そういう わけ じゃ … 。
しっかり しよ う と し 過ぎ て 全然 しっかり でき て ない 感じ 。
ちょっと カッコ悪い 。
こん だけ の ため に 来 て くれ た の ? うん 。
少し は 感謝 し て くれる ?
もう じき 上がり な ん だ けど そこ の ファミレス で お茶 でも … 。
( 羽 奈 日 ) 来 てん の 彼 氏 。 ごめん ね 。
あっ ああ 。 そんじゃ また 今度 。
頑張れ よ ! おう !
ただいま 。
ハァ 。
こんな 毎日 だ よ 。
でも あんた たち と 違って 誰 に も 迷惑 掛けて ねえ よ 。
ん ? あ ちゃ ~ 。 つ う か 掛け てる し 。
くう ぅ ー 。
・ ( ノック )
ん ?
・ ( ノック ) うーん あー あっ 。
夜 ? ( 真坂 木 ) こんばんは 。
私 ミダス 銀行 通商 部 の 真坂 木 と 申し ます 。
は あ ?
誰 ? ミダス 銀行 の 真坂 木 です 。
あなた に 資金 運用 の お 話 を … 。
ああ 。 そういう の いい から 。 あっ 。
金 な ん か ねえ ん だ よ ! あ あっ 。
どう か 話 を 聞い て いただけ ませ ん か 。
ねえ あなた 。 もっと 効率 良く お 金 を 稼ぎ たい と 思い ませ ん か ?
お っ 思わ ねえ よ 。
ホント に ?
出 て け よ 。
何 な ん だ よ … 。
っ つ か 何にも 頭 に 入って ねえ し … 。
ん ?
は ?
( 真坂 木 ) どうぞ 。 は ?
ここ は あなた が 本来 いる はず の 場所 と は → N
関係 の ない 空間 です 。 従って 時間 と も 無関係 。
勉強 が 済 ん だ ら 元 の 場所 に 帰し て さしあげ ます から → N
どうぞ 勉強 し て ください 。 は ?
あなた さっき から 「 は ? 」 しか 言って ない 。
あ … ああ … 。
先日 極東 金融 街 に おい て アントレプレナー の 欠員 が でき まし た 。
補充 要員 と して 無作為 抽出 さ れ た の が → N
あなた 余 賀 公 麿 さん 。
19 歳 平成 経済 大学 2 年生 間違い あり ませ ん ね 。
ああ 。
金融 街 は 基本 的 に 誰 に 対 し て も 開か れ て い ます 。
適性 なんて もの は あり ませ ん 。
最初 は ちょっと 驚か れる かも しれ ませ ん が → N
怖がる 必要な い です よ 。
すぐに 慣れ ます 。
ああ 。
今度 は 「 ああ 」 しか 言って ませ ん けど 。
ああ 。 参った な 。
少し は しっかり し て いただか ない と 。
しっかり しよ う が ねえ だ ろ 。
いきなり こんな 所 に 連れ て こ られ て 。
こう で も し ない と 信じ て もらえ ない か と 思って 。
信じる って 何 を ?
あなた アントレプレナー に 選ば れ た ん です よ ! !
何 な ん だ よ ? その アンドレ 何と かって 。
アントレプレナー 。 起業 家 って 意味 です 。
略し て アントレ 。
もっと さ 分かる よう に 説明 し て くん ない ?
どう 言った って 分かり づらい と 思う ん です よ 。
えっ ? あなた の 教養 体系 で は → N
理解 し 難い こと が あまり に も 多 過ぎる 。
バカ に して ん の ?
う わ っ !
あえて 分かり やすく 言う と する なら ば → N
あなた の 未来 を 私 ども に ご 提供 いただき → N
私 ども は それ を 担保 に → N
あなた に お 金 を お 貸し する と 。 は ! ?
それ を 金融 街 で 運用 し て ほしい の です 。
われわれ の お 願い は それ だけ です 。
未 来 って 何 だ よ ?
未来 は 未来 です よ 。 あなた の 将来 あなた の 可能 性 。
寿命 が 縮む と か そういう こと ?
そういう こと も 含み ます 。
じゃあ や だ よ 。 お 金 が 欲しく ない の です か ?
いる か よ 。 そんな 訳 分か ん ねえ 金 。
飲み 会 に も 行け ます よ 。 えっ ああ … 。
バイト を 2 つ も やら ない で 済み ます 。
公務 員 に なら なく った って 安定 し た 生活 が 手 に 入り ます よ 。
あんた 何者 ?
もっと 素直 に なり ま しょ う よ 。
あ あっ ! ?
え ? え ! ? ウフ 。
あ あっ ! ? え ? え ! ? え えっ ! ?
夢 ?
う わ っ 。
えっ ? 一 十 百 千 万 十万 … 。
どう だった ? 試験 。
あっ ああ 。 おかげ で 助かった よ 。
フゥ 。 少し は 自立 し て よ ね ~ 。
ああ … 。 うん ?
( 学生 ) う ぃ ~ す 。 ( 羽 奈 日 ) うん ?
( 学生 ) や っぱ 駄目 かな ? 今夜 の 飲み 会 。 → N
いまいち 集まり が 悪く て さあ 。
( 学生 ) 羽 奈 日 に は 僕 おごっちゃ う よ !
( 羽 奈 日 ) どう しよ う かな … 。
考え と くわ 。 ( 3 人 ) えっ ?
( 学生 ) お ~ 珍しい じゃ ん ! ( 学生 ) 待って る ぜ ~ 。
( 角田 ) だって それ って 向こう の ミス だ ろ ?
お前 が 盗 ん だ わけ じゃ ない じゃ ん 。
そう だ けど … 。 ( 角田 ) しかも 50 万 だ ろ ? → N
1,000 万 じゃ ある まい し 。
うーん … 。 お前 まじめ 過ぎ ん だ よ 。
( 島田 ) もしも の 話 ? はい もしも の 話 です 。
( 島田 ) 君 の 年齢 だったら 届け た と 思う よ 。
や っぱ そうです よ ね 。 アハハ ハハ … 。
( 島田 ) でも 今 だったら もらって しまう かも しれ ない ね 。
えっ ? 金 は あって 困る もの じゃ ない 。
それ に 50 万 程度 だったら ね むしろ 名乗り出 た 方 が → N
ミス が 発覚 し て 迷惑 が られる ん じゃ ない か な 。
そう です ね 。 ( 島田 ) まあ お 金 は 必要 だ よ 。 → N
じゃ なきゃ この 年 で こんな 時間 に アルバイト なんか し ない よ 。
あ … ああ 。
平気 だ よ 。 これ くらい … 。
「 お 取り 忘れ に ご 注意 ください 」
う っ … 。
羽 奈 日 は 金 で 男 と 付き合う よう な やつ じゃ ねえ ん だ よ 。
あんた が やった の か ?
気 分 が 悪い ぜ 。
親父 の こと を 言う な 。
言う なったら !
( 真坂 木 ) さあ 。
( 真 朱 ) 公 麿 。
( 真坂 木 ) 金融 街 へ ようこそ 。
( 井 種田 ) どちら まで 。 ( 真坂 木 ) 兜 町 。
かしこまり まし た 。 えっ ? う わ っ わ っ !
う ぁ ー っ ! ?
・~ N