Saenai Heroine No Sodatekata Episode 3 saenai|heroine|no|sodatekata|episode

そ っか まだ ＯＫ くれ ない ん だ ２ 人 と も |||ｏｋ|||||じん||

ああ やっぱり クリエーター へ の 道 は 険しい な |||||どう||けわしい|

それ で 次の 締め切り は ？ ||つぎの|しめきり|

ゴールデン ウイーク いっぱい それ が ラスト チャンス だって さ ごーるでん|ういーく||||らすと|ちゃんす||

じゃあ もう 数 日 しか ない ね ||すう|ひ|||

でも まあ 今日 から 連休 だ し ||きょう||れんきゅう||

そう だ な

日 にち は 少なく て も 時間 は たっぷり ある ひ|||すくなく|||じかん|||

今日 から ずっと ゲーム の こと だけ 考え て れ ば いい ん だ きょう|||げーむ||||かんがえ||||||

週明け に 実力 テスト ある けど ね しゅうあけ||じつりょく|てすと|||

それ は … ともかく そんな わけ だ から また 合宿 だ ||||||||がっしゅく|

ミーティング する ぞ 加藤 みーてぃんぐ|||かとう

何と し て でも ２ 人 を 納得 さ せ て 俺 たち の 最強 の ギャルゲー を なんと||||じん||なっとく||||おれ|||さいきょう|||

ごめん 私 今回 は 参加 でき ない |わたくし|こんかい||さんか||

何で お前 俺 の サークル に 入った はず じゃ なんで|おまえ|おれ||さーくる||はいった||

まあ そう な ん だ けど

今 ちょっと 北海道 に い て さ いま||ほっかいどう||||

その 今日 から 家族 旅行 で 来 て て ね |きょう||かぞく|りょこう||らい|||

いつまで

えっ と ゴールデン ウイーク いっぱい って こと で ||ごーるでん|ういーく||||

そう です か

放課後 二 人 で 過ごし た 教室 ほうかご|ふた|じん||すごし||きょうしつ

机 の 上 夢中 で はずむ 君 の 声 つくえ||うえ|むちゅう|||きみ||こえ

鈍感 な 君 の その 態度 が どんかん||きみ|||たいど|

いつも 私 を 意地悪 に さ せる の |わたくし||いじわる||||

ひとりぼっち だ と 思う 時 も ある |||おもう|じ||

涙 止め られ ない 日 も ある なみだ|とどめ|||ひ||

本当 の 私 を 見つめ て ほしい の ほんとう||わたくし||みつめ|||

きっと 伝わる と 信じ て いる よ |つたわる||しんじ|||

君 は いつ だって いつ だって 変わら ない から きみ||||||かわら||

私 が 何 回 も 何 回 も シグナル 送って あげる わたくし||なん|かい||なん|かい||しぐなる|おくって|

夢見 た あの 丘 目指し て ゆめみ|||おか|まなざし|

くじけ そう な 時 も 頑張れ そう だ よ |||じ||がんばれ|||

君 が いる から きみ|||

よし やる ぞ 締め切り まで あと ４ 日 |||しめきり|||ひ

絶対 に アニメ 見 ない ゲーム し ない ラノベ も 読ま ない ぜったい||あにめ|み||げーむ|||||よま|

１ 冊 だけ 読 ん だ ら 最後 の 追い上げ だ さつ||よ||||さいご||おいあげ|

あれ ヤベ え や っち まっ た

水 飲 ん で こ すい|いん|||

あたし コーラ |こーら

分かった よ わかった|

いきなり 一 日 無駄 に し ち まった |ひと|ひ|むだ||||

まあ まだ ３ 日 も ある から 大丈夫 か ||ひ||||だいじょうぶ|

何で お前 が ここ に いる 英 梨 々 なんで|おまえ|||||えい|なし|

ああ そっち に 置 い と い て 原稿 濡れる と 困る から |||お|||||げんこう|ぬれる||こまる|

リアルタイム に 困って る の は 勝手 に 家 に 上がら れ てる 俺 の 方 だ と 思う ん だ けど ||こまって||||かって||いえ||あがら|||おれ||かた|||おもう|||

しょうがない でしょ

いくら チャイム 鳴らし て も 誰 も 出 なかった ん だ から |ちゃいむ|ならし|||だれ||だ||||

いや そもそも お前 ここ 数 年 うち に 来 た こと なんか なかった ろ ||おまえ||すう|とし|||らい|||||

そもそも ここ 数 年 ほとんど 話し た こと も なかった けど ね ||すう|とし||はなし||||||

で 改めて 聞く けど 何 し に 来 た |あらためて|きく||なん|||らい|

週 末 の イベント 合わせ の 原稿 作業 に 決まって る でしょ しゅう|すえ||いべんと|あわせ||げんこう|さぎょう||きまって||

男 ん ち に 来 て が ち の １８ 禁 原稿 描 い てん じゃ ねえ よ おとこ||||らい|||||きん|げんこう|えが|||||

しょうがない でしょ

こっち は 毎月 締め切り 抱え てる 身 な ん だ から ||まいつき|しめきり|かかえ||み||||

そんな 薄情 な こ と 言わ なく て も いい じゃ ない |はくじょう||||いわ||||||

それ どう 解釈 し て も みっともない 逆 ギレ に しか 聞こえ ない って の は ともかく ||かいしゃく|||||ぎゃく||||きこえ|||||

ん な もん 自 分 ち で 描け ば いい だ ろ |||じ|ぶん|||えがけ||||

パパ が お 客 様 呼 ん で ガーデン パーティー やって る から 逃げ て き た の よ ぱぱ|||きゃく|さま|よ||||ぱーてぃー||||にげ|||||

部屋 に こもって りゃ いい じゃ ん へや||||||

うち に い たら 顔 出 さ ない わけ に は いか ない の よ ||||かお|だ|||||||||

前 の 外務 大臣 と か 来 て たし ぜん||がいむ|だいじん|||らい||

そんな ブルジョア な 事情 と |||じじょう|

今 ここ に いる お前 の 姿 が まるで 重なら ない の は 仕様 です か いま||||おまえ||すがた|||かさなら||||しよう||

やかましい

ところで 進 ん でる の |すすむ|||

まだ ３ 日 も ある 余裕 だ |ひ|||よゆう|

つまり 全然 進 ん で ない の ね |ぜんぜん|すすむ|||||

なぜ 分かる |わかる

クリエーター が 残り の 日数 を 口 に し て 言い訳 を する 時 は ||のこり||にっすう||くち||||いいわけ|||じ|

一 つ の 例外 も なく 作業 が 遅れ て いる から よ ひと|||れいがい|||さぎょう||おくれ||||

いや そんな 苦し そう に 言う な よ リアリティー あり 過ぎる だ ろ ||にがし|||いう|||||すぎる||

もう 諦め たら しょせん あんた に 創作 なんて 無理 だった の よ |あきらめ|||||そうさく||むり|||

そんな の 分か ん ない だ ろ ||わか||||

だって 昔 は 同じ くらい 下手くそ だった じゃ ない か 俺 たち |むかし||おなじ||へたくそ|||||おれ|

下手くそ な 絵 描 い て 下手くそ な 話 付け て へたくそ||え|えが|||へたくそ||はなし|つけ|

喜んで 見せ 合って た じゃ ない か よろこんで|みせ|あって||||

そんな 昔 の こと 覚え て ない |むかし|||おぼえ||

それ が 今や そっち は 人気 サークル だ ||いまや|||にんき|さーくる|

お前 に でき た こと が 俺 に も でき ない わけ が ない おまえ||||||おれ|||||||

なら 勝手 に すれ ば いい |かって||||

ああ 勝手 に やらせ て もらう さ |かって|||||

そして いつか

英 梨 々 なんか 目 じゃ ない くらい の 人気 クリエーター に なって やる えい|なし|||め|||||にんき||||

まっ それ くらい 言い 返せ る なら 心配 する まで も なかった かな |||いい|かえせ|||しんぱい|||||

心配 ？ しんぱい

えっ あっ … いや

もし かして お前 俺 の こと 励まし に ||おまえ|おれ|||はげまし|

な っ 何 言って る の よ バッカ じゃ ない の ||なん|いって|||||||

変 な ふう に 勘違い し ない で よ ね へん||||かんちがい|||||

何 その 匂い立つ まで に テンプレート な ツンデレ 的 リアクション なん||においたつ||||||てき|

デレ て ない あたし は あんた の こと な ん か

誰 よ こっち は 大事 な 話 の 最中 だって の に だれ||||だいじ||はなし||さい なか|||

今 の 大事 な 話 だった ん だ いま||だいじ||はなし|||

て か お前 人 ん ちな の に フリーダム 過ぎる だ ろ ||おまえ|じん|||||ふりーだむ|すぎる||

どうぞ 散らかって ます けど |ちらかって||

思った より 片付 い てる じゃ ない おもった||かたづ||||

紛 う こと なき オタク 部屋 な の は 間違い ない けど まがい||||おたく|へや||||まちがい||

ええ まあ

それ で 今日 は どう し た ん です ||きょう||||||

先輩 が うち に 来る の 初めて です よ ね せんぱい||||くる||はじめて|||

そう ね 私 たち 初めて よ ね ||わたくし||はじめて||

でも 大丈夫 今 は それほど 緊張 し て い ない の |だいじょうぶ|いま|||きんちょう|||||

むしろ 来る べき 日 が 来 た と いう か |くる||ひ||らい||||

もう 逃げ場 は ない わ よ 倫理 君 と いう か |にげば|||||りんり|きみ|||

わが家 で は お 客 様 に 心 から の お もてなし と 安全 な ご 帰宅 を 保証 いたし ます から わがや||||きゃく|さま||こころ||||||あんぜん|||きたく||ほしょう|||

なんて ね

ただ の 陣中 見舞い よ ||じんちゅう|みまい|

それ で 今 の 進み 具合 は どんな 感じ ||いま||すすみ|ぐあい|||かんじ

えっ と その …

いえ まだ … 全然 ||ぜんぜん

もっと 女々しく 言い訳 する か と 思った けれど 潔い じゃ ない |めめしく|いいわけ||||おもった||いさぎよい||

同業 者 に は そういう の が 通用 し ない こと を 最近 身をもって 知り まし た ので どうぎょう|もの||||||つうよう|||||さいきん|みをもって|しり|||

別に 無理 する こと な ん か ない じゃ ない べつに|むり||||||||

詩 羽 先輩 し|はね|せんぱい

ここ で 諦め て も 今 まで と 変わら ない 消費 豚 と して の 日常 が 待って いる だけ よ ||あきらめ|||いま|||かわら||しょうひ|ぶた||||にちじょう||まって|||

それ は 倫理 君 に とって 決して つらい 毎日 じゃ なかった と 思う の だ けど ||りんり|きみ|||けっして||まいにち||||おもう|||

それ は そう だ けど

でも 消費 豚 って 面 と 向かって 言わ れる と 何 か も に ょ り ます |しょうひ|ぶた||おもて||むかって|いわ|||なん||||||

だいたい クリエーター って 華やか に 見える かも しれ ない けれど |||はなやか||みえる||||

そんなに いい こと ばかり じゃ な いわ よ

そう な の

締め切り は きつい し 競争 は 激しい し しめきり||||きょうそう||はげしい|

いつ 才能 が 枯れる かも 分から ない |さいのう||かれる||わから|

今 を 時めく 新進 気鋭 の 若手 作家 に いま||ときめく|しんしん|きえい||わかて|さっか|

そういう くたびれ た こ と 言わ れ たく ない ん です けど |||||いわ||||||

そして 何より アンチ が めん どくさい |なにより|あんち|||

評価 が 高 けれ ば ステマ と さげすみ 売れ なけ れ ば オワコン と 笑い ひょうか||たか||||||うれ||||||わらい

叩き に 反応 すれ ば 言い訳 と か 自己 正当 化 と か ほ ざ き たたき||はんのう|||いいわけ|||じこ|せいとう|か|||||

ならば と 何も 言い返さ なけ れ ば 説明 責任 を 果たして ない と か ||なにも|いいかえさ||||せつめい|せきにん||はたして|||

あの ○○ なんか 粛清 さ れ て しまえ ば いい のに ||しゅくせい|||||||

詩 羽 先輩 落ち着 い て し|はね|せんぱい|おちつ||

だから 倫理 君 あなた は 今 まで どおり 私 の 作品 を 消費 し て い れ ば |りんり|きみ|||いま|||わたくし||さくひん||しょうひ|||||

先輩 せんぱい

詩 羽 先輩 この 前 俺 に 言って くれ まし た よ ね し|はね|せんぱい||ぜん|おれ||いって|||||

俺 に は まだ 自分 が 作り たい もの が 何 な の か 見え て ない って おれ||||じぶん||つくり||||なん||||みえ|||

あの 言葉 すごく 響 い た ん です |ことば||ひび||||

あの 時 の 俺 は まだ 何も 分かって なかった って 分かった ん です |じ||おれ|||なにも|わかって|||わかった||

けれど だ から こそ

自分 が 作り たい もの が 見え た 時 に は じぶん||つくり||||みえ||じ||

詩 羽 先輩 に も 納得 し て もらえ る 答え が 出 せる ん じゃ な いか って し|はね|せんぱい|||なっとく|||||こたえ||だ||||||

そう 思う ん です |おもう||

だから もう 少し だけ 待って て ください ||すこし||まって||

必ず 先輩 が 納得 いく よう な 企画 書 を 出し て 見せ ます から かならず|せんぱい||なっとく||||きかく|しょ||だし||みせ||

そこ まで 言う の なら もう 止め ない 好き に やって み なさい ||いう||||とどめ||すき||||

ありがとう ござい ます

その代わり 締め切り も 延ばさ ない そのかわり|しめきり||のばさ|

休み 明け 楽しみ に し てる わ やすみ|あけ|たのしみ||||

任せ て よ まかせ||

必ず 詩 羽 先輩 が 参加 し たい って 思う よう な 企画 を 仕上げ て くる から かならず|し|はね|せんぱい||さんか||||おもう|||きかく||しあげ|||

じゃあ そんな 倫理 君 に もう 一 つ だけ アドバイス ||りんり|きみ|||ひと|||あどばいす

なに

もし あなた が 本当 に サークル を 立ち上げ たい と いう なら |||ほんとう||さーくる||たちあげ||||

みんな と ゲーム を 作り たい と いう の なら メンバー 全員 を 引きずり込み なさい ||げーむ||つくり||||||めんばー|ぜんいん||ひきずりこみ|

全員 って ？ ぜんいん|

で なけ れ ば あなた が どれ だけ 頑張って も いい もの は 作れ ない ||||||||がんばって|||||つくれ|

あなた 自身 の モチベーション も 保て ない |じしん||||たもて|

だから 取りあえず は 今 の サークル メンバー だけ でも 本気 に さ せ なさい |とりあえず||いま||さーくる|めんばー|||ほんき||||

それ から ついでに もう 一 つ ||||ひと|

自転車 も 隠し て おく べき だった わ ね じてんしゃ||かくし||||||

自転車 じてんしゃ

それ じゃ

霞 ヶ 丘 詩 羽 かすみ||おか|し|はね

いや そこ で 呪い の 言葉 を 吐く くらい なら 隠れ なきゃ よかった だ ろ |||まじない||ことば||はく|||かくれ||||

あの 女 と あんた の 部屋 で 鉢合わせ なんて ごめん よ |おんな||||へや||はちあわせ|||

どうせ また 「 何でも 知って る わ よ 」 み たい な ||なんでも|しって||||||

上 から 目線 で 嫌 み 言わ れる に 決まって る し うえ||めせん||いや||いわ|||きまって||

鉢合わせ し なく て も 全部 知ら れ て た けど な はちあわせ|||||ぜんぶ|しら|||||

何 ？ ごめん よく 聞こえ なかった なん|||きこえ|

何 か そっち にぎやか だ な なん|||||

今 どこ ？ 札幌 ？ いま||さっぽろ

え ー と まあ そんな とこ |-||||

楽し ん でる か たのし|||

うん す っ ごく

そ っか

それ で さ 安芸 君 締め切り の 方 は … |||あき|きみ|しめきり||かた|

その こと な ん だ けど さ 加藤 |||||||かとう

メンバー だけ でも 本気 に さ せ なさい めんばー|||ほんき||||

お前 は 心配 せ ず に 楽し ん で 来い おまえ||しんぱい||||たのし|||こい

俺 一 人 で 絶対 何とか し て 見せる から おれ|ひと|じん||ぜったい|なんとか|||みせる|

それ じゃあ な 加藤 |||かとう

ごめん もう 一 つ だけ ||ひと||

何 だ よ なん||

安芸 君 って さ 私 の どういう ところ が よかった あき|きみ|||わたくし|||||

だから ね こういう こと し て た 時 が 楽しかった なぁ と か |||||||じ||たのしかった|||

こういう とこ 好き だ なぁ と か ||すき||||

逆 に こういう とこ が 駄目 だった なぁ って の で も いい けど ぎゃく|||||だめ||||||||

お前 実は 今 不治 の 病 に かかって て 明日 を も 知れ ぬ 命 だったり する ？ おまえ|じつは|いま|ふじ||びょう||||あした|||しれ||いのち||

さすが に そこ まで 劇的 な 展開 は ない けど … ||||げきてき||てんかい|||

どう かな

そう だ なぁ …

まあ どれ も 楽しかった な かなり |||たのしかった||

じゃあ 不満 は なし ？ |ふまん||

でも まあ ほんの 少し だけ 欲 を 言わ せ て もらえ れ ば |||すこし||よく||いわ|||||

言わ せ て もらえ れ ば ？ いわ|||||

もう 少し 息苦しく て も よかった か な って |すこし|いきぐるしく||||||

えっ と つまり それ って 私 に もっと 意地悪 に なって ほしかった と |||||わたくし|||いじわる||||

全然 違う から ぜんぜん|ちがう|

そんな の は ２ 人 で 十 分 です よ |||じん||じゅう|ぶん||

何 が 違う の か なぁ なん||ちがう|||

まあ いい や あと は 自分 で 考える よ |||||じぶん||かんがえる|

何 を ？ なん|

じゃあ ね 安芸 君 ||あき|きみ

いか ん いか ん

まっ ちょっと だけ

って 丸 一 日 無駄 に し た |まる|ひと|ひ|むだ|||

あと ２ 日 |ひ

いや まだ 十分 間に合う ||じゅうぶん|まにあう

俺 に は 才能 なんて なかった おれ|||さいのう||

や っぱ ただ の 坂 じゃ ん ||||さか||

ここ に 来 れ ば 何 か が 思い浮かぶ って 何 か を 思い出せ る って 思った けれど ||らい|||なん|||おもいうかぶ||なん|||おもいだせ|||おもった|

今 の 俺 に は 何も 見え ない いま||おれ|||なにも|みえ|

満開 の 桜 も 空 を 舞う 帽子 も まんかい||さくら||から||まう|ぼうし|

坂 の 上 に 佇む 白い ワンピース の ヒロイン も さか||うえ||たたずむ|しろい|わんぴーす||ひろいん|

終わる の か な 俺 の 夢 おわる||||おれ||ゆめ

ここ で 始まって ここ で … ||はじまって||

このまま で いっか なんか

未来 は 未来 の 風 が 吹き そう だ ね みらい||みらい||かぜ||ふき|||

久しぶり ひさしぶり

また 会え た ね |あえ||

はじまり の 空 は 未完成 ||から||みかんせい

ホント 偶然 なんて ね ほんと|ぐうぜん||

加藤 かとう

あれ 私 の こと 知って た ん だ ？ |わたくし|||しって|||

愛 だ 恋 だ なん だ 今 ん とこ あい||こい||||いま||

安芸 倫也 君 あき|りんや|きみ

対岸 の ジェットコースター たいがん||

頑張る より 頑張る 人 を がんばる||がんばる|じん|

応援 する ほう が 得意 おうえん||||とくい

お前 これ … おまえ|

フラット 気味 の 目線 の 先 に ふらっと|きみ||めせん||さき|

暴走 狂 の ディスプレイ ぼうそう|くる||でぃすぷれい

これ いったい 何 な ん だ ||なん|||

ドラマ に なら ない リアル どらま||||りある

ねえ 安芸 君 |あき|きみ

どう 料理 する の ? |りょうり||

う うん 倫也 君 ||りんや|きみ

キャラ が 弱い と か ||よわい||

あなた が 求め て い た 私 は こんな 感じ だった かな ||もとめ||||わたくし|||かんじ||

嫌 な 安心 感 が ある だ と か いや||あんしん|かん|||||

目立ち たい なんて 一 度 も 言って な いよ ね めだち|||ひと|たび||いって|||

アニメ の 中 の ゲーム の 中 の そして ラノベ の 中 の あにめ||なか||げーむ||なか|||||なか|

どうでも いい けど ね

あなた の 理想 の 女の子 は ||りそう||おんなのこ|

このまま で いっか

こんな ふう に 話し て こんな ふう に 動 い て |||はなし|||||どう||

ど っか 遠く の 街 も 青空 なら ||とおく||がい||あおぞら|

そして こんな ふう に 恋 に 落ち た の か な ？ ||||こい||おち||||

立ち止まる 日 も なんとなく 楽しい たちどまる|ひ|||たのしい

今 は まだ 原石 の 夢 が いま|||げんせき||ゆめ|

合格 かな ？ ごうかく|

いつか 輝 ける なら いい な |あきら||||

今 の 私 は あなた の 作 ろ う と して いる 物語 の ヒロイン に なれる かな ？ いま||わたくし||||さく||||||ものがたり||ひろいん|||

まぶしい ! って

いつか ボヤ き たい |ぼや||

あなた の 力 に なれる かな ？ ||ちから|||

お前 今日 まで 北海道 だった ん じゃ おまえ|きょう||ほっかいどう|||

ああ ちょっと だけ 早く 戻って き た ん だ よ ３ 日 前 |||はやく|もどって||||||ひ|ぜん

まさか 連休 明け が 締め切り なんて 思って なく て さ |れんきゅう|あけ||しめきり||おもって|||

まず った なぁ って

「 まず った なぁ 」 じゃ ねえ だ ろ

何で そんな 程度 の こと で 家族 旅行 す っぽ かし たん だ よ なんで||ていど||||かぞく|りょこう||||||

だって 安芸 君 ここ で 手伝わ なかったら いつまで も 根 に 持ち そう だ し |あき|きみ|||てつだわ||||ね||もち|||

人 を 粘着 キモオタ みたい に 言う な じん||ねんちゃく||||いう|

キモオタ は 事実 だ けど ||じじつ||

て いう か それ なら 何で すぐ 顔 出 さ なかった ん だ よ |||||なんで||かお|だ|||||

だって どうせ ミーティング に 私 が い て も 役 に 立た ない し ||みーてぃんぐ||わたくし|||||やく||たた||

なら 帰って くる 意味 ねえ だ ろ |かえって||いみ|||

だから まあ 取りあえず 安芸 君 を 励ます 方向 で サークル 活動 し て みよ う か な って ||とりあえず|あき|きみ||はげます|ほうこう||さーくる|かつどう|||||||

でも 私 だけ じゃ ない よ |わたくし||||

澤村 さん と 霞 ヶ 丘 先輩 も すごく 協力 し て くれ た ん だ から さわむら|||かすみ||おか|せんぱい|||きょうりょく|||||||

あの ２ 人 が … ？ |じん|

この 服 澤村 さん が デザイン を 起こし 直し て |ふく|さわむら|||でざいん||おこし|なおし|

きっちり 安芸 君 の 趣味 に 合わせ てる ん だ よ |あき|きみ||しゅみ||あわせ||||

コンセプト は 「 もっと ミニ に もっと ヒラヒラ に もっと 二 次元 っぽく 」 なん だって さ こんせぷと|||みに|||ひらひら|||ふた|じげん||||

それ 俺 の 趣味 じゃ ない から 全て の 萌 え オタ の 夢 だ から |おれ||しゅみ||||すべて||ほう||||ゆめ||

それ と この しゃべり 方 や 演技 は 霞 ヶ 丘 先輩 の 台本 どおり ||||かた||えんぎ||かすみ||おか|せんぱい||だいほん|

もう 演技 指導 が す っ ごく 厳し くって さ |えんぎ|しどう|||||きびし||

よく 耐え た な |たえ||

あの 人 演劇 部 で 脚本 書 い た 時 それ で 部員 を ３ 人 追い出し た ん だ ぞ |じん|えんげき|ぶ||きゃくほん|しょ|||じ|||ぶいん||じん|おいだし||||

それ でも 結構 楽しかった よ ||けっこう|たのしかった|

これ から も あの ２ 人 と 仲良く やって いけ そう 同じ サークル の 仲間 と して ね ||||じん||なかよく||||おなじ|さーくる||なかま|||

加藤 お前 やる 気 な の か かとう|おまえ||き|||

だから 私 だけ じゃ なく て ね |わたくし|||||

俺 の 適当 で 行き当たり ばったり かも しれ ない 夢 を 信じ て くれる の か おれ||てきとう||ゆきあたり|||||ゆめ||しんじ||||

正直 今 は まだ 安芸 君 の やろう と し てる こと さっぱり 理解 でき ない しょうじき|いま|||あき|きみ||||||||りかい||

だ よ な

それ でも あなた が 本気 で 夢 を 叶え たい って 思って る こと だけ は ||||ほんき||ゆめ||かなえ|||おもって||||

どう しよう も なく 分かる よ ||||わかる|

加藤 かとう

だから 頑張って 倫也 君 |がんばって|りんや|きみ

私 を 誰 も が 羨む よう な 幸せ な ヒロイン に し て ね わたくし||だれ|||うらやむ|||しあわせ||ひろいん||||

ああ 約束 する |やくそく|

お前 を 胸 が キュン キュン する よう な メイン ヒロイン に して やる おまえ||むね||||||||ひろいん|||

もう ちょっと 恥ずかしく ない 言い 方 に し て くれる と ありがたかった ん だ けど な ||はずかしく||いい|かた||||||||||

そんな わけ で 今 から ミーティング する ぞ 加藤 |||いま||みーてぃんぐ|||かとう

何と し て でも ２ 人 を 納得 さ せ て 俺 たち の 最強 の ギャルゲー を 作る ん だ なんと||||じん||なっとく||||おれ|||さいきょう||||つくる||

今 すぐ ？ いま|

当たり前 だ 締め切り は 明日 な ん だ ぞ あたりまえ||しめきり||あした||||

でも それ って 安芸 君 の 作業 が 全然 進 ん で なかった せい だ よ ね |||あき|きみ||さぎょう||ぜんぜん|すすむ|||||||

細かい こと 気 に し てる 時間 が あったら アイデア 出せ こまかい||き||||じかん|||あいであ|だせ

さっき の 演技 で 俺 に 囁け 超 萌 え させろ ||えんぎ||おれ||ささやけ|ちょう|ほう||さ せろ

でも 明日 学校 だ から 一 度 家 に 帰ら なく ちゃ |あした|がっこう|||ひと|たび|いえ||かえら||

安心 しろ 朝 の ７ 時 まで に は 解放 して やる から あんしん||あさ||じ||||かいほう|||

ええ 女の子 に は 色々 準備 が ある ん だ から ６ 時 に は 帰し て よ |おんなのこ|||いろいろ|じゅんび||||||じ|||かえし||

それ で いい ん だ ！ ？

てい うか ２ 話 連続 で 同じ オチ と か ない わ ||はなし|れんぞく||おなじ|おち||||

ない の は 安芸 君 の 態度 だ よ |||あき|きみ||たいど||

とうとう 巻き込ま れ ちゃ った わ ね |まきこま|||||

まだ 企画 書 完成 し て ない し 明日 まで に 仕上がる か 分か ん ない し |きかく|しょ|かんせい|||||あした|||しあがる||わか|||

メイン ヒロイン が やる 気 に なっちゃ っ た 時点 で 勝負 あった でしょ |ひろいん|||き|||||じてん||しょうぶ||

そんなに 悔しかった の なら 加藤 さん に 協力 し なけ れ ば よかった のに |くやしかった|||かとう|||きょうりょく||||||

何 それ 全然 気 に し て ない なん||ぜんぜん|き||||

て か そういう 問題 じゃ なく て そもそも あたし に は 関係ない し |||もんだい||||||||かんけいない|

そう やって 肝心 な ところ で 意地 を 張る その 性格 何とか し ない と ||かんじん||||いじ||はる||せいかく|なんとか|||

いつか 後悔 する かも しれ ない わ よ |こうかい||||||

もう し てる より に も よって あの 霞 詩子 と 同じ サークル だ なんて ||||||||かすみ|うたこ||おなじ|さーくる||

私 実は 結構 楽しみ に し てる の よ ね あの 柏木 エリ と 組む の わたくし|じつは|けっこう|たのしみ||||||||かしわぎ|||くむ|

あたし は あんた みたい な へぼ 作家 の 後始末 なんて ごめん な の ||||||さっか||あとしまつ||||

バイバイ の あと 冷め ない 微熱 |||さめ||びねつ

夜風 に 吹か れ 考える よかぜ||ふか||かんがえる

好き 嫌い 嫌い 好き 繰り返す すき|きらい|きらい|すき|くりかえす

その 瞳 に うつって いる の は |ひとみ|||||

現実 （ リアル ） ？ それとも 虚像 （ 二 次元 ） ？ げんじつ|りある||きょぞう|ふた|じげん

容易 く 可愛い だ なんて 言わ ない で よ ね ようい||かわいい|||いわ||||

明日 も 目 を こす って 「 おはよう 」 を 言って あした||め||||||いって

他 愛 も ない こと たくさん 教え て た|あい|||||おしえ|

少しずつ 近づ い て く 距離 に どう しよ う すこしずつ|ちかづ||||きょり||||

自分 じゃ ない みたい だ じぶん||||

メリーゴーランド が 止まら なく て ||とまら||

廻る 廻る 景色 が 変わって く まわる|まわる|けしき||かわって|

カラフル な 夢 を 見る からふる||ゆめ||みる

ど くどく し て 身体 中 を ||||からだ|なか|

巡る 巡る 気持ち まだ 言葉 に 出来 なく て めぐる|めぐる|きもち||ことば||でき||

ひとこと それ で 十 分 な のに |||じゅう|ぶん||

誰 が 何と 言 お う と ０ 点 だれ||なんと|げん||||てん

ちょっと 待って 今回 相当 自信 ある ん だ けど |まって|こんかい|そうとう|じしん||||

ただ お 目当て の ヒロイン と イチャイチャ し たい って いう あんた の 醜い 欲望 しか 見え ない ||めあて||ひろいん|||||||||みにくい|よくぼう||みえ|

自分 が 作り たい もの を 見せろ って 言った じゃ ん じぶん||つくり||||みせろ||いった||

あまり に も 露骨 過ぎる の が 腹立たしい |||ろこつ|すぎる|||はらだたしい

超 力作 な ん だ よ ちょう|りきさく||||

昨日 徹夜 で 書き上げ た 魂 の 企画 書 な ん だ よ きのう|てつや||かきあげ||たましい||きかく|しょ||||

知って る けど あんた の 態度 が 気 に 入ら ない しって|||||たいど||き||はいら|

俺 だけ じゃ なく て 加藤 だって 頑張った ん だ おれ|||||かとう||がんばった||

おい お前 も 何 か 言って |おまえ||なん||いって

って 寝る な |ねる|

いや ヒロイン なら 男 に もたれ掛かって 寝ろ |ひろいん||おとこ||もたれかかって|ねろ

いっ … 痛 っ ちょ っ やめ やめ て |つう||||||