episode 12「 ハート に 火 を つけろ 大 作戦 !」
( ゆかり ) 一星 ( いっせい ) さん 今 フリーな んです よ ね ?
ラーメン 一筋 で 好きな 人 も い ない って
( 一星 ) いや どう しよう
( 菜緒 ( なお )) いや ち ょっ …
( 一星 ) こいつ 俺 の 彼女
だから ごめん 君 と は 付き合え ない んだ
うわ っ
( 鍋 を 落とす 音 ) ( 徹 平 ) あ ち っ !
鍋 直接 触っちゃ った
( 一星 ) 始まり は 1 ヶ月 前
閉店 間際 に あの 人 … ゆかり さん が
何だか 知ら ない けど 泣き ながら ラーメン 食って て さ
俺 何とか して 励まし たくて
味 玉 サービス した んだ
( 一星 ) サービス だ よ お 客 さん
それ だけ ?
その 翌日
“ 付き合って ください ” って 言わ れて さ
いや 断った んだ けど 全然 諦めて くれ なくて
( 菜緒 ) だ と して も あんな ウソ つく なんて
何 か いっちゃ ん らしく ない よ
( 一星 ) でも ゆかり さん うち に 電話 して きたり
待ち伏せ まで する ように なって
( 徹 平 ) 昨日 は 仕込み の 時間 に 表 に いたし な
( 菜緒 ) 仕込み の 時間 って … 5 時 ?
( 一星 ) 俺 これ 以上 エスカレート する と
仕事 に 集中 で きね ー よ
( 上原 ( うえ はら )) だったら もっと はっきり 断れば いい だろう
( 菜緒 ) そ … そうだ よ いっちゃ ん
嫌わ れて も いい から 相手 が 納得 する まで
ちゃんと 伝え ない と
( 一星 ) ゆかり さん
うち の ラーメン を おいしい って 言って くれた んだ
うち の ラーメン 褒めて くれる 客 に
邪険な 態度 なんて とれ ね ー よ !
一星
さすが 俺 の せがれ だ 俺 の 一番星 の 一星 だ !
( 一星 ) 親父 !
あっ あの …
( 一星 ) ちょっと ( 徹 平 ) ん ?
( 一星 ) 頼む ! ( 菜緒 ) え ?
この 店 に いる 間
いや ゆかり さん が 来て る 時 だけ で いい
俺 の 彼女 の フリ して くれ
頼む
やめて よ
何 か いっちゃ んに 頭 下げ られる と
調子 狂う って いう か
そう だ
そう だ よ な
( 菜緒 ) え ?
お前 が 割った 丼 の 弁償 代 120万
内緒 で 分割 に して やって る の は 誰 だ っけ ?
いや …
それ と これ と は 別でしょう が
( 徹 平 ) ん ? 何 コソコソ 話して んだ ?
あっ いや …
とにかく 私 に は ちゃんと れっきとした 彼 氏 が …
( 上原 ) 付き合い きれ ね ー
( 菜緒 ) ちょ っ ちょっと ちょっと 待って よ 上原 君 !
ねえ 上原 君 は いい の ?
私 が 他の 人 の か … 彼女 でも
別に
単なる フリ だ ろ フリ ( 菜緒 ) そ … そう だ けど
んな こと より さ み ー から さっさと 帰る ぞ
( 菜緒 ) 何 な の …
もう !
ハッ !
ダメ 今
( 菜緒 ) ちょ っ … ダメ だって ば
( 香織 ) テツ 行 こ ( 哲 ) おう
生 チュー 初めて 見た
こんな 人前 で
( 上原 ) った く 迷惑な
まあ 普通 か
エレベーター って 密室 だ し
こういう 場面 映画 と か で よく 見る もん ね
べ … 別に 密室 だ から って
そういう の し たい わけじゃ ない から
( 上原 ) 何 を ブツブツ 言って んだ よ
( まり な ) 菜緒 が いっちゃ ん の 彼女 ?
そう しかも いっちゃ ん
丼 の 弁償 代 の 話 まで 持ち出して さ
( まり な ) でも 店 に その 人 が いる 間 だけ な んでしょ
( 菜緒 ) うん ( まり な ) いい じゃ ん 別に
( 菜緒 ) うーん ( スマホ の バイブ 音 )
あっ ごめん
う ー わ う ざ っ !
( 菜緒 ) ん ? 何 ?
昨日 ちょっと 連絡 し なかった ぐらい で
イヤミ ったら しい
みっ ちゃん 心配な んだ よ
だって 合 コン つったって たかが カラオケ だ よ ?
そりゃ あ 男の子 も 来る けど さ いちいち 束縛 し すぎ !
いい な 束縛 ( まり な ) え ?
何 か “ 彼 氏 ” って 感じ
何 言って ん の ?
誰 も が うらやむ 彼 氏 が いる くせ に
彼 氏 ねえ
( 上原 ) 付き合い きれ ね ー
んな こと より さ み ー から さっさと 帰る ぞ
( 徹 平 ) はい みそ ラーメン 一 丁 ! ( 菜緒 ) は ー い
( 一星 ) 吉川 ( よし かわ ) ここ 俺 やっと く から あっ ち の お 客 さん
( 菜緒 ) あっ は ー い
お 冷 お 持た せ し ました
( まり な ) こない だ は カラオケ 行って すぐ 帰った って 言って んじゃ ん
( 光 石 ) それ なら それ で メール ぐらい できる だ ろ って 話 だ よ
あー もう う ざい う ざい う ざい !
( 光 石 ) う ざい う ざい …
( 菜緒 ) は いはい … 私 から の サービス
( まり な ) ん っ いい の ? ( 光 石 ) サンキュー
だから いい加減 2 人 と も 仲直り して よ
( 菜緒 ) フフフ
どう ? ( まり な ) うーん おいしい
それ は そう と 菜緒 お前 さっき から ずっと 見 られて ん ぞ
え …
( 菜緒 ) ハハハ … 朝 から な んだ よ ね
朝 から ?
まさか あの 人 が いっちゃ ん の ストーカー ?
( 客 ) オヤジ さん ごちそう さん
( 客 ) オヤジ さん ごちそう さん
( 菜緒 ) まあ
( 客 ) オヤジ さん ごちそう さん
( 客 ) オヤジ さん ごちそう さん
例の 恋人 の フリ して って 頼ま れて る って やつ ?
例の 恋人 の フリ して って 頼ま れて る って やつ ?
シッ ! 聞こえる よ 聞こえる …
すげ え ネガティブオーラ だ な
( 一星 ) おい 吉川 カウンター 片付けて おいて くれ
( 菜緒 ) あっ は ー い
( 菜緒 ) ヘヘヘ …
あっ あっ
お 冷 … お 冷 いかがです か
お 冷 どうぞ
( ゆかり ) ウソつき ( 菜緒 ) え ?
やっぱり 一星 さん と 付き合って る なんて ウソ でしょ
あっ いや …
いや そんな …
一星 さん ( 一星 ) はい
明日 私 と デート して くれ ませ ん か ?
え !?
( ゆかり ) 私 デート して くれる まで 諦め ませ ん から
何 言って ん す か !
俺 に は 吉川 と いう 彼女 が いる し
なあ 吉川 ?
( 菜緒 ) う … うん
無駄 よ 私 の 目 は ごまかせ ない から
いや … ごまかす も 何も なあ ?
じゃあ 付き合って る のに どうして 名前 で 呼ば ない の ?
いや あの … 仕事 中 です から
なあ 菜緒
( 菜緒 ) う … うん
スキンシップ も 全く ないし
そんな こと ない よ な ?
( 菜緒 ) うわ っ ! あ … うん
そもそも 好き好き オーラ が ない !
好き好き オーラ ?
好きだ 菜緒 ! ( 菜緒 ) え ?
( 阿部 ) お前 ら いつの間に
( 阿部 ) 吉川 お前 一星 さん と ?
いや … 違う って あ べ っち !
いい や 違わ ねえ
一星 さん !
こいつ に はね 上原 って いう 彼 …
カレー が 食べた いって ? あ べ っち
でも ここ は ラーメン 屋 だ から
( 光 石 ) 餃子 餃子 食え !
まり な まり な しょうゆ ( まり な ) しょうゆ は いよ
( ゆかり ) やっぱり おかしい 何 か 隠して る でしょ
いや そんな … 何も
とにかく 俺 たち は ちゃんと 付き合って ます から
じゃあ 証拠 見せて よ !
2 人 が ラブ ラブ な 証拠
しょ … 証拠 ?
明日 1 日 私 に 見せて ください
え … どういう ?
( ゲーム の 音 )
( 上原 ) ん ? 3 人 で デート ?
そう …
何 か 成り行き で
3 人 で 行 くって こと に なっちゃ って
( 上原 ) ふ ー ん
いっちゃ ん すっかり 参って て
だから 気 が 済む ならって その場で オーケー しちゃ って さ
あっ でも 心配 し ないで ね 上原 君 !
これ は ゆかり さん を 納得 さ せる ため だ から
でも 上原 君 が イヤ なら 今 から でも 行く の 断って …
行け 行け !
おっしゃ !
ん ? 何 だった ?
ハァ … 何でもない
お 風呂 入って くる
本当に 彼 氏 な んだ よ ね
( 一星 ) あー いい 天気 だ な
風 は 穏やかだ し まさに デート 日和 って 感じ
なあ 吉川
やっぱり 気 が 進ま ない な
( 一星 ) 悪かった よ 付き合わ せて
でも これ で 最後 だ から
今日 1 日 だけ 俺 の 彼女 に なって くれよ な っ
( 菜緒 ) 分かった よ
お 待た せ
( 菜緒 ) あっ
ど … どうも
今日 は 1 日 よろしく お 願い し ます
よろしく お 願い し ます
や っぱ パソコン 高 え な ー
( 阿部 ) の ん 気 に 雑誌 なんか 読んで る 場合 じゃ ね ー ぞ 上原
何 だ よ う ぜ え な
俺 は 親友 と して 忠告 し に きた んだ ろ ー が !
誰 が 親友 … ( 阿部 ) イッテ
いい か 聞いて 驚く な よ
吉川 な バイト 先 の 一星 さん と …
デキ てる んだ !
本当 だって 俺 見た んだ ぞ !
分かった から 帰れよ
俺 これ から バイト な んだ けど
上原 ! ( 上原 ) ヤッベ 遅刻 する
( 阿部 ) あ ~ あ や っぱ モテ る 男 は 余裕 だ よ な
あの 吉川 が 一星 さん に 肩 抱か れて さ
俺 なんか 彼 氏 でも ね ー の に イラッ て しちゃ った よ
( 一星 ) どうし よっ かな
まあ 最初 は 絶叫 系 かな
吉川 …
菜緒
そう だ ね いっちゃ ん
( 菜緒 ) アハ ハハハ …
( 一星 ) あっ あれ いい じゃ ん
あれ に しよう よ 行こう
上原 君 と 来 たかった な
( 菜緒 ) や だって ば ( 一星 ) 何で だ よ
( まり な ) あ ~ あ
( まり な ) あ ~ あ
( 一星 ) 楽しみじゃ ん ( 菜緒 ) や だ よ ー
( 一星 ) 楽しみじゃ ん ( 菜緒 ) や だ よ ー
( 一星 ) 楽しみじゃ ん ( 菜緒 ) や だ よ ー
本当に 3 人 で デート しちゃ って る よ
で 何で 俺 たち が それ を ここ で 見て る んだ ?
いい じゃ ん これ は 菜緒 の ため な んだ から
どこ が 菜緒 の ため な んだ よ
名づけて “ ハート に 火 を つけろ 大 作戦 ”
( まり な ) あっ 来た 来た ( 阿部 ) 連れて きた よ
って か お前 ら まで 何で ここ に いんだ よ ?
だから みんな で 吉川 が 何 か 間違い を 起こさ ない ように
見守ろう って 話
どん だけ 暇な んだ よ バカバカしい
ああ ! 上原 君 見て 見て 見て …
( 上原 ) は ? ( まり な ) 見て 見て 見て …
隠れて !
( まり な ) いくら 演技 と は いえ あれ は ない よ ね ?
何 か 心配
まり な 親友 と して 心配
このまま あの 2 人 が エスカレート したら どう しよう
( 一星 ) 今日 は さ 開き直って 楽しもう ぜ
( 菜緒 ) 楽しめる かな ( 一星 ) 絶叫 系 は 苦手 か ?
そう じゃ ない けど
何 か 寒気 する 気 が する
( 阿部 ) ヤバ い 上原 怖い よ
( 上原 ) 触 んな う ぜ え な
何 か 罪悪 感 から 上原 君 の 声 聞こえる 気 が する し
あいつ の 許可 もらった んだ ろ
( 菜緒 ) そうだ けど ( 阿部 ) 上原 …
( 菜緒 ) 何 か 気持ち 上 で 引っかかる って いう か
こういう カップル が 多い 所 来る と
上原 君 どうし てる か な と か 上原 君 と デート し たい …
ギャー !
( 菜緒 ) ああ びっくり した ( 一星 ) なあ
意外 と 楽しかった ね ( 一星 ) そうだ な
( 菜緒 ) いっちゃ ん メリーゴーラウンド だ よ
こんな 早かった っけ ? メリーゴーラウンド
( 菜緒 ) 見て す っご い 揺れて る ( 一星 ) 本当だ
あっ 富士山
ねえ 見て ゆかり さん 富士山 見える よ !
( 一星 ) め っちゃ デカ いな 富士山 ( 菜緒 ) お っ きい
ほら 見える ?
( 一星 ) きれいだ な ( 菜緒 ) すご ー い
( 一星 ) ねっ ( 菜緒 ) ねっ
( 菜緒 ) お ー い 楽しい よ 何で 乗ら ない の ?
ほら
あいつ 結局 ノリ ノリ じゃ ね ー かよ
( 阿部 ) なあ なあ 上原 見て 見て ポテト ポテト
うる せ ー !
うん うん いい 感じ に 火 が ついてきた ねえ
( 光 石 ) お前 趣味 悪く ね ー か
( まり な ) いい の いい の これ も 菜緒 の ため
( 一星 ) ヘタクソ
( 菜緒 ) そっち だって ヘタ クソ じゃ ん
いっちゃ ん 待って 待って …
遊園地 って 久々に 来た けど や っぱ 楽しい ね !
( 一星 ) だ ろ ? ( 菜緒 ) うん
たまに は こういう の も いい よ な ( 菜緒 ) ねっ
あっ ( 一星 ) 何 だ よ
( 菜緒 ) 今度 ゆかり さん の 好きな やつ に 乗ろう よ
別に 私 は 何でも いい
そんな せっかく 来た んだ から たくさん 乗ろう
もし かして
そろそろ 俺 たち の こと 納得 して くれた ?
そう だった
私 ったら 普通に 楽しんじゃ って
( 一星 ) 俺 ゆかり さん と は
今 まで どおり 一番星 の 常連 さん と して
末 長く お付き合い できたら … ( ゆかり ) まだ …
私 まだ 2 人 の こと 信用 した わけじゃ ない から
ゆかり さん
次 私 が 好きな やつで いい んだ よ ね
うん
私 あれ 乗り たい
あれ ?
( 菜緒 ) イヤ イヤ イヤ …!
( 菜緒 ) あっ … あっ あっ
開けて ! ねえ ねえ 開け …
うわ ー !
イヤ イヤ イヤ … うわ ー !
( 菜緒 ) うわ っ うわ っ ! イヤだ イヤだ …
うわ ー イヤだ イヤだ …
キャー ! キャー キャー …
あっ あの 出口 って こっち です か ?
( 阿部 ) あー バイト です か 大変です ね
あっ 僕 阿部 順 って いい まして
みんな から は “ あ べ っち ” って 呼ば れて …
( まり な ) もう あ べ っち さっさと 行く よ すいません ね
( 光 石 ) お前 よく こんな とこ で ナンパ できる な
( まり な ) う お ~ ( 光 石 ) びっくり した
バイト です か ?
( 菜緒 の 泣き声 )
( 菜緒 ) もう ダメ
何 か まり な 声 聞こえて くるし
幻 聴 聞こえて くる
もう 怖くて おかしく なっちゃ った
( 恐怖 音 )
あっ えっ !
あー もう 帰り たい よ
( 上原 ) 何 して んだ よ ( 菜緒 ) イヤ ! イヤ イヤ …
( 上原 ) うる せ ー ! おい 俺 だって ば おい !
ほら ほら ( 菜緒 ) うわ ー !
( 上原 ) 俺 だ ほら ほら
う … 上原 君 何で ?
( 上原 ) お前 こそ 何で 1 人 な んだ よ
( 菜緒 ) 会い たかった …
( 菜緒 ) ハァ …
( 上原 ) 帰る ぞ
ほら
うん
( 幽霊 の 声 )
( 一星 ) 吉川 !
ハッ ! あ …
え ? えっ
何で ? 何で みんな ここ に いる の ?
いや ー 実は たまたま チケット もらって さ
でも 邪魔 しちゃ 悪い かな ー って ねえ みっ ちゃん
ああ 黙って 別 行動 して た んだ よ
この イケメン は ?
( 菜緒 ) あっ あ … 上原 君 は その …
( まり な ) 同級 生 です 同級 生 !
み ー んな 菜緒 の 同級 生 ( 菜緒 ) うん
( ゆかり ) ふ ー ん
そう いえば あれ 乗った ? ( 菜緒 ) え ?
ここ の 大 観覧 車 何と 4 台 だけ
スケルトン の ゴンドラ が ある んだ よ !
( 菜緒 ) ほほ っ お ~
( まり な ) その ゴンドラ に 乗って
頂上 で キス した カップル は 幸せに なれる って いう ね
ジンクス ある んだ よ ね ~ ( 光 石 ) ね ~
( 菜緒 ) へ えー
アホ らし 俺 もう 帰る わ
うわ っ
うわ っ …
もっと こっち 来 いよ
上原 君
( 上原 ) 菜緒
うわ っ …
乗り たい な
え ? ( 菜緒 ) あっ アハハ
わ っ フフフ …
私 乗り たい です
と は 言った もの の どうせ 3 人 で 乗る ハメ だった
私 が ゆかり さん と いっちゃ ん を 引き止める から
その 隙 に 上原 君 と 乗って ( 菜緒 ) え ?
スケルトン の やつ は 菜緒 たち に 譲る から
頂上 で 密室 キス 頑張って ね !
まり な
大丈夫 上原 君 も その つもり だ よ
きっと 通じ合って る
うん
いい ? 行く よ
せ ー の
一星 さん
吉川
まり な
上原 君
( ゆかり ) 一星 さん 行き ましょう ( 一星 ) マジ で …
( 阿部 ) じゃあ 上原 は 俺 と
( 上原 ) 触 んな 気持ち 悪い な
( 阿部 ) イッテ !
( 菜緒 ) やめて やめて
( 阿部 ) うわ ー !
( 菜緒 ) うわ ー !
( 従業 員 ) は いはい 後 が つかえて ます から ね
( 上原 ) え ?
何で 何で 俺 だけ もう !
( まり な ) 菜緒 は ?
何 か ややこしい こと に なって る ぞ
( まり な ) 何で ? 何で そう なる の
もう ほっとけ よ
何 その 言い 方
わざわざ こんな 手 の 込んだ こと し なくて も
菜緒 と 上原 なら ほっとけば うまく いく って
別に 菜緒 たち だけ の ため じゃ ないし
ん ?
仲直り に も きっかけ が 必要だ し
みっ ちゃん って さ
人 の こと は 分かる けど
自分 の こと に なる と 全然 気づか ない よ ね
( 菜緒 ) わ ー ! え ? えっ
まり な と みっ ちゃん が …
密室 キ …
あー 先 越さ れた …
ハァ …
ハハハ …
何 か おかしな ペア に なっちゃ った ね
悪かった わ ね
あっ う うん
なんだか んだ 今日 す っ ごく 楽しめた し
ねえ ゆかり さん
どうして そんなに いっちゃ ん の こと 好きな の ?
あっ いや …
ゆかり さん の こと よく 知ら ない けど
でも そんなに 積極 的な タイプ に は 見え ない から
笑って くれた から
え ?
私 昔 から うまく 笑え なくて
大学 でも いつも 1 人 で …
ある 日 頑張って 合 コン に 行った の
でも やっぱり 話 に 入れ なくて
みんな 私 の こと を 見て 見 ぬ フリ して
その 帰り に …
( 一星 ) サービス だ よ お 客 さん
今日 1 日 頑張った ご 褒美
( ゆかり ) あの 時 一星 さん だけ は
私 の 存在 を 認めて くれた 気 が した
で この 人 と 少し でも 一緒に い られたら って
身の程 知ら ず だって 分かって る けど
そんな こと ない !
いっちゃ ん 言って たよ
ゆかり さん が ラーメン 褒めて くれた って
いっちゃ ん も ゆかり さん に 励まさ れた んだ よ
別に 分かって る し
あんな の 単なる 営業 スマイル だって
そんな こと ない … ( ゆかり ) もう 分かって る から
2 人 の こと 本当 は もう 認めて る から
( 菜緒 ) え ?
ただ ちょっと 意地悪 し たかった だけ
今日 1 日 一緒に いて よく 分かった
あんなふうに 一星 さん が 笑う なら
諦める しか ない
ゆかり さん …
( 一星 ) 今日 は 悪かった な 吉川 借りて
あいつ が いつも 世話に なって る から
でも 本当 は 面白く なかった だ ろ
別に
平気な の か ?
平気だ けど
何で 平気な んだ よ
俺 が 言う こと じゃ ない けど
お前 が あん ま 余裕 な 顔 する と
逆に あいつ が 不安がる と 思って
あいつ いつも 笑って んだ よ
( 一星 ) ん ?
すぐ 怒る し
で すぐ 泣く
( 上原 ) でも 最後 は いつも 笑って ん の
忙しい 奴
それ が あいつ の いい と こだから な
ああ
悪い
や っぱ 余計 なお 世話だった な
俺 何 か 吉川 の 身内 みたいな 気持ち に なって て さ
あいつ うち に 来た 時 初め は 全然 ダメで さ
毎日 丼 割る し 注文 は 間違える し
でも 親 に 知らせる わけに いか ない から って 言って
毎日 必死 で 頑張って て さ
( 一星 ) 何 か 不思議だ よ な 吉川 って
ウソ
ウソ だ よ ( 一星 ) ん ?
や っぱ 俺 平気じゃ ね ー から
( 一星 ) 何 だ よ それ
( 菜緒 ) あっ まり な と みっ ちゃん 先 帰る って 2 人 で
( 一星 ) ラブ ラブ だ な
( 上原 ) じゃ 俺 ら も 帰る か ( 菜緒 ) うん
私 は ここ で いい
ここ で お 別れ に する
私 一番星 の ラーメン は 好きだ けど
一星 さん の こと 忘れる まで もう 店 に は 行か ない から
ゆかり さん
今日 は ありがとう
今 まで ごちそうさま
ちょっと 待って ゆかり さん !
や っぱ ダメだ よ こんな の
吉川
ゆかり さん は いっちゃ ん の こと が 好き だって
ちゃんと ごまかさ ず 伝えて くれた んだ よ
だから ごまかしちゃ ダメな んだ よ
どういう こと ?
ゆかり さん ごめんなさい
私 …
( 一星 ) すいません でした
俺 ウソ ついて ました
本当 は
こいつ 俺 の 彼女 でも 何でもない んです
俺 ゆかり さん を 傷つける の が イヤで
つい こんな ウソ を …
でも その ほう が ずっと 失礼でした よ ね
ゆかり さん ごめんなさい
あの ね ゆかり さん
もう いい だ ろ
( 菜緒 ) え ? ( 上原 ) あと は 2 人 の 問題 だ
でも … ( 上原 ) 俺 たち に は 関係ない から
俺 たち ?
( 菜緒 ) えっ ち ょっ …
いっちゃ ん ゆかり さん ごめん ね
あっ あの さ ゆかり さん
私 ゆかり さん と 話せて よかった
本当だ よ あっ ちょっと
事情 は 分かった けど
何 か 納得 でき ない
全部 俺 が 悪い んです
俺 が あいつ に 無理やり 頼んで
じゃ なくて
本当に 演技 だった んです か ?
え ?
一星 さん は あの 人 の こと 本当に 何も 思って ない んです か ?
だって あいつ に は 最初 から 上原 が いる し
そもそも あいつ は 俺 に とって 仕事 仲間 って いう か
大体 俺 は ラーメン 一筋
しいて 言う なら 恋人 は ラーメン ! って ね
ハァ …
自分 の こと は 見て 見 ぬ フリ か
え ?
何でもない
一星 さん って もっと 男らしい 人 だ と 思って た
えっ と …
さよなら
( 一星 ) いや ちょっと …
何で ?
一星 さん ( 一星 ) あ ?
何 だ お前 か よ ( 阿部 ) あっ も しか して
ストーカー に フラ れ ました ?
( 一星 ) ち げ ー よ !
つ ー か お前 大体 どこ 行って た んだ よ !
( 阿部 ) いや ー 聞いて ください よ ( 一星 ) あ ?
俺 も 今 幽霊 に フラ れた んです
( 一星 ) は ? ( 阿部 ) あっ そうだ
これ から 一緒に 傷 の 舐め 合い し ませ ん ?
お前 な 一緒に すんじゃ ね ー よ
一緒じゃ ない っす か ( 一星 ) う っせ ー バカ
( 菜緒 ) フッ
何 ニヤ ついて んだ よ 気持ち 悪い な
だって 気づいちゃ った んだ もん
気づいた ?
出会った 頃 は 上原 君
何 考えて ん の か よく 分か ん なくて
全然 こっち 見て くん ないし
でも それ でも いい やって 思って て
何 か こう なった の も 奇跡 みたいな もん だ な あって
だから 私 今 を 楽しむ こと に した の
大げさな
それ に うれしかった し
何 が
お化け 屋敷 で 暗闇 の 中 気づいて くれた でしょ ?
あれ って 私 の 気配 と か 空気 と か
そういう の で 分かった って こと でしょ ?
フフフ … もう
えっ ち ょっ …
なかなか 来 ない ね
( せきばらい )
お前 さ
( 菜緒 ) ん ?
もう 辞めたら ?
え ?
バイト
どうして ?
いや 別に 他の バイト でも いい じゃ ん
女 ばっかり の カフェ と か
( エレベーター の 到着 音 )
何 だ よ
いや …
何 か 今 の 彼 氏 っぽい なって 思って
アホ
( おばさん ) ちょっと 待って 乗り ます !
はい ごめんなさい ちょっと 詰めて ね
ごめん
( エレベーター の 到着 音 )
いいね 若い 子 は
( 菜緒 ) もう 本当 幸せ すぎ !
あー うわ ー !
まさか 3 年 も
まり な と みっ ちゃん と 一緒に なって
本当 うれし いよ
私 も うれしい よ 菜緒
これ で 毎日 彼 氏 の グチ と か 言い 合える ね !
じゃあ 俺 い ない ほう が よかった んじゃ ない の
( 阿部 ) なあ なあ … 今年 は 俺 も 一緒だ ぜ
あっ でも 上原 君 と また クラス 離れちゃ った ね
( 菜緒 ) うーん でも 全然 平気
お 昼 と 登 下校 は 一緒 って 約束 した から
何 か 余裕 じゃ ん
春 休み に 絆 深めちゃ った ?
まあ ね フフッ
( 女子 生徒 ) 吉川 菜緒 って いる ?
( まり な ) 知り合い ? 菜緒 ( 菜緒 ) う うん
見 ない 顔 だ けど す っげ え 美人 じゃ ん
( 光 石 ) って か 何 か す っげ え 怒って ない ?
( 菜緒 ) え ?
吉川 菜緒 って 知って る ?
( 美 南 ) あっ ち だ けど
( まり な ) ちょっと …
( 菜緒 ) え … 来る 来る ( まり な ) 来る よ
( 菜緒 ) ちょ っ ちょ っ …
吉川 さん って あなた ?
は … はい
ちょっと 顔 貸して くれる ?
か … 顔
私 北浦 希 ( のぞみ )
北浦 さん ?
( 希 ) この 春 から 編入 して きた の
ああ 転校 生
どうりで 見た こと ない と …
それ で 私 に 話 って ?
あなた …
上原 久志 ( ひさし ) と 付き合って る って 本当 ?
え ?
あっ それ は …
♪~