< 県立 学 文 高校 1 年 2 組 に > < 入学 早々 学校 中 の 注目 を 集める 生徒 が い た > < 日直 さえ も スタイリッシュ > < ランチ タイム も スタイリッシュ > < 廊下 に 立た さ れ て も スタイリッシュ > < その 一 挙手 一 投 足 が … > < 圧倒 的 に ク ー ル で スタイリッシュ な 学園 生活 を 送る > < その 生徒 の 名 は … > 坂本 です が ?
♪~
≪ ( み ー ちゃん ) あ ッ 今日 は 空 い てる
( 藤田 ) さすが に 寒く なって き た し
外 で 食べる 人 減った ね
( カナ ちゃん ) ここ が 今 最高 に いい 眺め と は 知ら ず に ね
( 久保田 ) アチアチ アチャチャ …
何 か … 思い出し ちゃ う な
坂本 君 に 初めて 出会った 日 の こと を
え ッ ?
《 ハアハアハア … 》
あれ は 去年 の 2 月 上旬 高校 受験 当日
《 ( 教師 ) それでは 試験 開始 》
寒 さ と 緊張 が あいまって
手 の 震え が 止まら なかった の
《 あ ッ … 》
《 あ ッ … 消し ゴム 》
《 あ ッ … 》
( み ー ちゃん ) まさか !
坂本 君 と 手 と 手 が 触れ合って ! ?
う うん 消し ゴム が 落ちる 寸前 に …
拾って くれ た ん だ けど …
《 あ ッ ありがとう … 》
そのまま 勝手 に 使い 始め ちゃ った の
豪快 に
何て ひどい 人 な ん だ ろ う って 思ったら …
摩擦 に よって 温め られ た 私 の 消し ゴム は
か じかん だ 私 の 手 を ほぐし …
私 は それ の おかげ で 問題 を 解き 進め られ た の
その とき の 消し ゴム は 今 も 私 の お守り
キャーッ ! あま ず っぱ ~ い !
今日 の 弁当 の 酢 豚 と どっこい どっこい よ !
じゃ 私 ! 次 私 !
≪ ( み ー ちゃん ) あれ は 忘れ も し ない 嵐 の 入学 式
あいにく の 大荒れ の 天気 は
登校 する 新入 生 を むし ばん で いった
《 う ッ … 》
《 ( 生徒 達 ) う わ ッ ! 》
《 ( 生徒 達 ) ああ ッ ! 》
《 あ ッ ! 》
≪ ( み ー ちゃん ) お気に入り の 傘 も 壊れ
それ は …
それ は 輝かしい 新 高校 生活 に
暗い 影 を 落とす に は 十 分 だった
そんな とき …
《 うん ? は ッ … 》
え ッ まさか ! 傘 に 入れ て くれ た と か ! ?
う うん それ が …
≪ ( み ー ちゃん ) 彼 の 傘 も すでに ぶざま に 反り返って い た わ
ご 愁傷 さま って 思った の 最初 は
でも そこ に は …
《 一 年 もの の 春 驟雨 … です ね 》
≪ ( み ー ちゃん ) みじめ と は ほど遠い
雨 ソムリエ の 姿 が あった の
ああ ッ …
おかげ で 散々 だ と 思って た 天気 が
まるで 祝い の 雨 の よう に 思え て …
その 日 から 私 雨 の 日 が 好き に なった ん だ
素敵 そんな 資格 持って る ん だ
はい じゃ 最後 は 私
あれ は …
《 ハアハアハア … 》
≪ ( カナ ちゃん ) あれ は 入学 式 前日
ちょうど そこ の 食堂 で
教科 書 の 受け取り に いった とき の こと
≪ ( カナ ちゃん ) 手さげ を 忘れ た 私 は
必修 科目 の 教科 書 を 両手 に 積み重ね て い た の
前 も 見え ない 状態 で 歩 い て い たら …
《 あ ッ ! 》
いや ッ ! それ って まさか !
う うん
私 は まあ 普通 に 転 ん だ ん だ けど …
≪ ( カナ ちゃん ) 私 の 教科 書 は お姫様 抱っこ さ れ て た わ
《 お 損傷 は あり ませ ん か ? 》
あ ~ ッ ! ロマンチック ~ !
坂本 君 の おかげ で 私 の 教科 書 は 傷 一 つ なく
もの を 大事 に しよ う って 思え た の
そ っか
坂本 君 と の 出会い は 一人一人 に とって
とっても 素敵 な 思い出 に なって る ん だ ね
うん うん
< ( 3 人 ) まあ 私 の 出会い の エピソード が > < 一 番 だ けど … ね > そう そう そう いや 昔 さ ~
入学 説明 会 の とき ここ で
初めて 会った こと 覚え てる ? はて ?
≪ ( 久保田 ) まあ 坂本 君 は 覚え て ない か
あの とき さ …
≪ ( 久保田 ) 僕 薬指 に 変 な イボ が でき て
絆創膏 巻 い て 隠し て た ん だ よ ね
でも いつの間にか 抜け ちゃ って
坂本 君 が 拾って くれ た ん だ よ ね
ああ この 木 の 下 で はめ て くれ た ん だ っけ
《 ああ … 》
さあ 記憶 に ない です ね
まあ どう って こと ない 出会い だ し ね
< ( 3 人 ) アンタ の 出会い が 一 番 ロマンチック だ よ > 「 二 度 と 忘れる こと が でき ぬ 」
「 刹那 に 消え た あの 夏 の 君 よ 」
「 真夏 の アスファルト の よう な 鉄板 に 横たわる 」
「 君 の 断層 」
「 口 に 入れる やいなや 溶け 出す 肉 汁 と 脂身 」
「 ほのか な 甘味 と かぐわし さ を 残し 」
「 ああ なぜ 君 は 消え ゆく 消え ゆく 」
≪ ( 現 国 教師 ) え ~ 次 の 小節 を
出席 番号 4 番 久保田
久保田 … 久保田
久保田 ! え ッ は い ! ?
( 現 国 教師 ) 何 ボーッ と し て ん だ
さては 好き な 子 に でも 見とれ とった の か ?
アハ ハハ …
いや ~ タハハ … その ~
まあ いい 24 ページ の 2 小節 目 だ
えっ と … はい
( せきばらい )
「 たとえる なら …」
「 君 は 味 の 蜃気楼 」
《 ( 小林 ) 一 時 は どう なる か と 思い まし た が 》
《 徐々に 成績 も 伸び て き て 問題 あり ませ ん よ 》
《 ( 茂美 ) やる じゃ ない 吉伸 》 《 ヘヘヘ … 》
《 これ も 彼 の 影響 かも しれ ませ ん ね 》
《 友達 の 坂本 君 の 》
《 ブホーッ ! 》 《 え ッ ? 》
《 ≪ ( 小林 ) いや ~ ホント 学校 で は 一 番 仲よく て 》
《 休み 時間 など よく 一緒 に おら れ ます よ 》
《 38 度 2 分 風邪 ね 》
《 バカ じゃ ない から 風邪 ひ い た の よ 》
《 今日 は 学校 休み なさい 》
《 学校 に は お 母さん が 連絡 入れ とく から 》
《 お 母さん ! 》 《 な ~ に ? 》
《 学 ラン なら クリーニング 出し とく から 》
< 夢 じゃ ない … > < もう 二 度 と 会え ない と 思って い た 坂本 君 が > 《 すみ ませ ん 僕 は こちら の 世界 の 住人 な ん です 》
< こっち の 世界 に 舞い戻って き た > ( チャイム )
坂本 君 !
< いけない 茂美 > < 今日 の 私 は 久保田 吉伸 坂本 君 の お 友達 > ( 家庭 科 教師 ) は ~ い 今日 の 調理 実習 は
お 味噌汁 です ( 生徒 達 ) おお ~ ッ !
≪ ( 生徒 A ) すげ え ! 坂本 全面 揃え や がった
( カナ ちゃん ) コツ と か ある の ?
え ッ …
< いか ん いか ん よそ見 し て ちゃ > わ ~ ッ ! 久保田 君 味噌 とく の 上手
≪ ( み ー ちゃん ) 何 か お 母さん みたい だ ね
お 母さん の 作る とこ よく 見 てる から ね
どれ どれ ? あ ッ 坂本 君
< う う ッ … > 芳 醇 で 素材 本来 の 味 が 出 て ます ね
さすが ミソムリエ
< ああ … > < 坂本 君 が こんな 近く に … > 久保田 君 も テイスティング し ます か ? え ッ …
( あい な ) ササッ ! あ ッ 泥棒 猫 !
< う う ~ ッ ! > うん ? 何 ! ? その 顔 !
え ッ う うん 何でもない
フーフー …
< 我慢 よ 茂美 > ( あい な ) よっ と …
渡さ ない わ 坂本 君 と の 間接 キッス
< 坂本 君 と は 友達 だ もの > 次 体育 か ~ N だ り ぃ わ ~
< さすが に ね トイレ で 着替え ま しょ う > ≪ ( B ) なあ 坂本 腹筋 見せ て
やれやれ ≪ ( B ) お お ッ !
もう これ 1 ダース 割れ てん じゃ ね ~ の ! ?
ああ …
う ッ !
< ダメ よ 茂美 見 て は いけない > < そんな の 私 に は 刺激 が 強 すぎる > ≪ ( C ) 坂本 ~ ちょ っち 触ら せ て え ッ ! ?
≪ ( C ) 腹筋 あみだ くじ ダメダメ !
ダメ ~ !
( 角田 ) こら ッ ちゃん と 走ら ん かい !
そんな ん や ったら 来週 の マラソン 大会
の たれ 死ぬ ぞ … うん ?
クソッ ! 坂本 の ヤツ
また ダ ー ウィン の 進化 論 走り し よって から に
せ やけど 誰 より も 速い から
叱る に 叱れ ん の が 腹 立つ わ うん ?
ハアハアハア …
≪ ( 角田 ) え ッ … 久保田 ?
嘘 やろ ! ? あの 久保田 が
坂本 の 進化 論 に ついていって る や と ! ?
< 友達 で いい ! > < 友達 で いい から > < せめて 誰 より も ! > < そば に い させ て ~ ! > < う う ッ う う ッ … > < 苦しい よ 坂本 君 > < こんなに 近く に い て も 決して 届く こと が な ~ い ! > < ねえ 坂本 君 私 ホント は ね ~ ! > < あなた に ! 触れ たい の ~ ! > あう ッ !
やれやれ 自分 の ペース で 走ら ない から です よ
大丈夫 です か ? う … うん
まったく 久保田 君 らしく ない です ね
平気 ツバ つけ ときゃ 治る
( 森田 ) 何 か 今日 の 久保田 変 じゃ ね ?
( 安田 ) す ん げ ~ 乳 揺れ て たし な 太り すぎ だ ろ
うん … これ は ?
< あの とき 優しく 手 を 差し伸べ た 坂本 君 の 瞳 に > < 私 は 映って なかった > < それ は 吉伸 私 じゃ ない > < そんな の 最初 っ から 分かって た はず な のに > 茂美 の あんぽ ん たん
坂本 君 に 触れる 最後 の チャンス だった のに ね
( 安田 ) あい に ゃ ん の ランニング 見 た ?
( 森田 ) 見 た 見 た すげ え 揺れ て た な ~
でも 案外 委員 長 も で か い ん だ よ な
マジ で ? たぶん D は ある な
あ ~ オッパイ ! 触り て ~ !
この際 男子 の 乳 で も いい から
瀬 良 は いら ん も み 飽き た
お ッ 爆乳 発見 あ ッ …
お前 ダントツ で 揺れ て た ぞ
どう なって ん だ ? 触ら せろ よ
< ヤダ … バレ ちゃ う > < え ッ ? > < 坂本 君 ! > < もう … いっか > やっと 観念 し た か
< 坂本 君 が 私 の 本当 の 姿 を 見 て くれる なら > < それ で … > オイ ! 待て よ
久保田 より で っけ え の が …
ある じゃ ねえ の ! え ッ ! ?
あ ッ …
風 で カーテン が はためく の が わずらわしい の で
端 を 結 ん で おき まし た
おお ~ ッ !
( 生徒 達 ) で か ぱい ぱい だ ~ !
< あら … > < この 光景 前 に どこ か で … > ♪~
< あ ッ … > < そ っか … > < 本当 の 私 は … > < お 母さん だった > 坂本 君 用事 思い出し た ん で 帰る ね
待って ください うん ?
落とし物 です よ
あ ッ …
これ から も 「 ぼく 」 と 仲よく し て ね 坂本 君 !
ええ もちろん です よ
フー フー フー
どう ? 熱 は ? もう だいぶ 下がった みたい
う ~ ん ! お 母さん の 作る おじや おいし ~
そんな の 当たり 前 じゃ ない
だって … お 母さん だ も の
♪~
もしもし 俺 リョウ だ 今日 カラオケ で
合 コン する 約束 し た よ な は あ 法事 ! ?
何 だ よ それ ! カラオケ ドタキャン かよ チェッ
せっかく 美女 3 人 と カラオケ に 行く の に
メンツ が 足り ねえ
しかし こんな クリスマス の 季節 に
カラオケ に も 行か ず に 1 人 で 出歩く 男 なんて …
あの メガネ の 高校 生 いったい 何 やって る ん だ ?
よし あいつ を カラオケ に 連れ て い こ う
次回 の 「 坂本 です が ? 」 は … N 2 本 だ ぜ !