Bakemonogatari Episode 9

（ 阿 良 々 木 ( あら ら ぎ ) ） 僕 が 千 石 撫子 ( せんごく な で こ ) に 最後 に 会った の は おもね|よ||き||||ぼく||せん|いし|なでしこ||||||さいご||あった||

６ 年 以上 も 前 の こと だ とし|いじょう||ぜん|||

だから 僕 は 千 石 と 再会 し た とき |ぼく||せん|いし||さいかい|||

最初 彼女 が 誰 な の か すぐ に は 分から なかった さいしょ|かのじょ||だれ|||||||わから|

（ 神原 ( かん ば る ) ） フフッ かみはら||||

ハア

（ 息切れ ） いきぎれ

（ 阿 良 々 木 ） お ？ （ 神原 ） あ … おもね|よ||き||かみはら|

（ 息切れ ） いきぎれ

（ 阿 良 々 木 ） もし 僕 が もっと 早く 彼女 に 気付 い て い れ ば おもね|よ||き||ぼく|||はやく|かのじょ||きづ|||||

この 物語 は あんな 結末 に は なら なかった の かも しれ ない |ものがたり|||けつまつ||||||||

（ 千 石 ） あ … せん|いし|

（ 阿 良 々 木 ） だ けど そんな 後悔 は 彼女 に 対し て も 怪 異 ( か いい ) に 対し て も おもね|よ||き||||こうかい||かのじょ||たいし|||かい|い||||たいし||

きっと 何 の 意味 も ない の だ ろ う |なん||いみ||||||

♪ ～

～ ♪

（ 阿 良 々 木 ） 今 の 女の子 … おもね|よ||き|いま||おんなのこ

（ 神原 ） こんな 山道 で 人間 と すれ違う と は 意外 だ な かみはら||やまみち||にんげん||すれちがう|||いがい||

それ に 随分 と かわいい 女の子 だった ||ずいぶん|||おんなのこ|

いい から 登る ぞ ||のぼる|

それ と 足 の ほう 気 を つけ と け よ ||あし|||き|||||

虫 刺され は ともかく この 山 やたら 蛇 が 出る らしい から ちゅう|さされ||||やま||へび||でる||

うん

ところで 阿 良 々 木 先輩 昨日 聞き そびれ た の だ が |おもね|よ||き|せんぱい|きのう|きき|||||

この 山 で 一体 何 を する の だ ろ う |やま||いったい|なん||||||

（ 阿 良 々 木 ） 仕事 だ よ 忍野 ( おし の ) から の おもね|よ||き|しごと|||おしの||||

この 山 の 上 に |やま||うえ|

今 は もう 使わ れ て ない 小さな 神社 が ある そう な ん だ けど いま|||つかわ||||ちいさな|じんじゃ|||||||

そこ の 本殿 に お札 を １ 枚 貼って き て くれ って さ ||ほんでん||おふだ||まい|はって|||||

（ 神原 ） そんな の 忍野 さん が 自分 で やれ ば いい の で は ない の か ？ かみはら|||おしの|||じぶん||||||||||

あの 人 は 基本 的 に 暇 な の だ ろ う ？ |じん||きほん|てき||いとま|||||

（ 阿 良 々 木 ） まあ 仕事 だ よ おもね|よ||き||しごと||

僕 は あいつ に 世話 に なった とき ぼく||||せわ|||

しゃれ に なら ない よう な 多額 の 借金 を し ち まって る から な ||||||たがく||しゃっきん|||||||

お前 だって そう な ん だ ぜ 神原 おまえ|||||||かみはら

（ 神原 ） え ？ かみはら|

（ 阿 良 々 木 ） あいつ は あれ でも 専門 家 な ん だ おもね|よ||き|||||せんもん|いえ|||

ロハ で 力 を 貸し て くれる ほど ||ちから||かし|||

甘く は ない さ あまく|||

（ 神原 ） ああ それ で … かみはら|||

（ 神原 ） ところで 阿 良 々 木 先輩 かみはら||おもね|よ||き|せんぱい

今日 の こと に つい て 戦場 ヶ 原 ( せ ん じょ う が はら ) 先輩 は 何 か 言って い た の か ？ きょう||||||せんじょう||はら|||||||せんぱい||なん||いって||||

（ 阿 良 々 木 ） ん ？ いや 別に おもね|よ||き|||べつに

神原 お前 に は 何 か 言って た か ？ かみはら|おまえ|||なん||いって||

（ 神原 ） ん ～ かみはら|

“ 目いっぱい かわい がって もらって き なさい ” と 言わ れ た めいっぱい|||||||いわ||

（ 阿 良 々 木 ） う … おもね|よ||き|

（ 神原 ） それ と こう も 言わ れ た かみはら|||||いわ||

“ 阿 良 々 木 くん から 粗相 を 受け たら 私 に 逐一 報告 なさい ” おもね|よ||き|||そそう||うけ||わたくし||ちくいち|ほうこく|

“ あの 男 に 山 に 埋め られる か 海 に 沈め られる か ” |おとこ||やま||うずめ|||うみ||しずめ||

“ 嫌い な ほう を 選ば せ て あげる ” きらい||||えらば|||

（ 阿 良 々 木 ） 嫌い な ほう を 選ば せる ん だ ！ おもね|よ||き|きらい||||えらば|||

ああ そう だ 神原 |||かみはら

戦場 ヶ 原 の 話 で 思い出し た けど あいつ もう すぐ 誕生 日 だ ろ ？ せんじょう||はら||はなし||おもいだし||||||たんじょう|ひ||

（ 神原 ） うん ７ 月 ７ 日 だ かみはら||つき|ひ|

（ 阿 良 々 木 ） それ で 誕生 日 を 祝って やろ う と 思う ん だ けど おもね|よ||き|||たんじょう|ひ||いわって||||おもう|||

最初 の １ 回 は にぎやか な ほう が いい と 思って さ さいしょ||かい||||||||おもって|

知り合い を 呼 ん で しりあい||よ||

軽く 誕生 パーティー でも 開 い て やり たい な って かるく|たんじょう|ぱーてぃー||ひらき||||||

いや … 戦場 ヶ 原 先輩 と し て は |せんじょう||はら|せんぱい||||

阿 良 々 木 先輩 と ２ 人 きり で 過ごし たい ん じゃ ない だ ろ う か おもね|よ||き|せんぱい||じん|||すごし||||||||

（ 阿 良 々 木 ） そんな 殊勝 な 女 か ？ あいつ が おもね|よ||き||しゅしょう||おんな|||

（ 阿 良 々 木 ） なあ 神原 おもね|よ||き||かみはら

（ 神原 ） 何 だ 阿 良 々 木 先輩 かみはら|なん||おもね|よ||き|せんぱい

（ 阿 良 々 木 ） その 左手 どんな 調子 だ ？ おもね|よ||き||ひだりて||ちょうし|

（ 神原 ） うん ？ かみはら|

ああ 忍野 さん の 話 で は 20 歳 まで に 治る そう だ |おしの|||はなし|||さい|||なおる||

（ 阿 良 々 木 ） そりゃ よかった な おもね|よ||き|||

20 歳 過ぎりゃ さい|よぎりゃ

また バスケットボール が できる って こと じゃ ない か |ばすけっとぼーる|||||||

そう だ な

あ …

（ 神原 ） う うん … かみはら||

（ 阿 良 々 木 ） ん ？ おもね|よ||き|

（ 神原 ） ハア かみはら|

（ 阿 良 々 木 ） どう し た 神原 おもね|よ||き||||かみはら

少し 疲れ た と いう か すこし|つかれ||||

（ 阿 良 々 木 ） 疲れ た ？ おもね|よ||き|つかれ|

じゃあ ど っか その 辺 で 休む か ||||ほとり||やすむ|

どこ か 座 れ そう な 場所 は … ||ざ||||ばしょ|

（ 神原 ） それ より 阿 良 々 木 先輩 食事 に し ない か ？ かみはら|||おもね|よ||き|せんぱい|しょくじ||||

（ 阿 良 々 木 ） 食事 ？ おもね|よ||き|しょくじ

うん 気分 が 悪い とき は |きぶん||わるい||

大抵 おなか いっぱい ご飯 を 食べ れ ば 治る の だ たいてい|||ごはん||たべ|||なおる||

分かった じゃあ 神原 わかった||かみはら

お前 は その 重箱 を 広げ られ そう な 場所 探し て くれよ おまえ|||じゅうばこ||ひろげ||||ばしょ|さがし||

その 間 に 僕 は この お札 貼って くる から |あいだ||ぼく|||おふだ|はって||

（ 神原 ） うむ 申し訳ない が 仕事 の ほう は かみはら||もうし わけない||しごと|||

阿 良 々 木 先輩 に 任せる こと に する おもね|よ||き|せんぱい||まかせる|||

（ 阿 良 々 木 ） じゃ おもね|よ||き|

（ 阿 良 々 木 ） お … おもね|よ||き|

（ 阿 良 々 木 ） どこ か で 会った 気 が する ん だ よ な あの 娘 ( こ ) おもね|よ||き||||あった|き||||||||むすめ|

でも 中学生 くらい の 女の子 と |ちゅうがくせい|||おんなのこ|

知り合う 機会 なんて しりあう|きかい|

妹 なら まだしも そう そう ない し … いもうと||||||

ん ？ 妹 ？ |いもうと

あっ これ が 本殿 かな ？ |||ほんでん|

う お ！

これ で よ しっと

お ～ い 神原 ||かみはら

神原 ！ かみはら

神原 ？ 神原 ！ かみはら|かみはら

神原 ！ かみはら

ヒャッ ！

あっ ああ 何 だ 阿 良 々 木 先輩 か ||なん||おもね|よ||き|せんぱい|

（ 阿 良 々 木 ） おいおい 何 だ と は ご 挨拶 だ な おもね|よ||き||なん|||||あいさつ||

（ 神原 ） あ … 申し訳ない かみはら||もうし わけない

つい 気 が 動転 し て しまって |き||どうてん|||

（ 阿 良 々 木 ） 顔色 が 悪い ぞ 大丈夫 か ？ おもね|よ||き|かおいろ||わるい||だいじょうぶ|

そんなに 気分 が 悪い ん だったら さっき の 本殿 の 縁側 と か |きぶん||わるい|||||ほんでん||えんがわ||

軽く 掃除 すれ ば 横 に な れ そう だった ぞ かるく|そうじ|||よこ||||||

（ 神原 ） いや 阿 良 々 木 先輩 そう じゃ なく て … かみはら||おもね|よ||き|せんぱい||||

あれ を 見て くれ ||みて|

え ？

あ …

あっ あ …

あ …

（ 阿 良 々 木 ） あれ は 千 石 撫子 ？ おもね|よ||き|||せん|いし|なでしこ

（ 羽 川 ( はね かわ ) ） これ と これ かな はね|かわ||||||

あっ その 本 は あんまり ため に なら ない かも ||ほん|||||||

効率 を 求める なら そっち の 本 の ほう が いい と 思う こうりつ||もとめる||||ほん||||||おもう

それにしても 阿 良 々 木 くん が |おもね|よ||き||

参考 書 選び を 手伝って ほしい って 言い出す なんて さんこう|しょ|えらび||てつだって|||いいだす|

ちょっと びっくり

（ 阿 良 々 木 ） うん 僕 も そろそろ 進路 の こと を 視野 に 入れよ う か と 思って おもね|よ||き||ぼく|||しんろ||||しや||いれよ||||おもって

進路 ？ しんろ

（ 阿 良 々 木 ） この 間 戦場 ヶ 原 と そんな 話 を し て さ おもね|よ||き||あいだ|せんじょう||はら|||はなし||||

それ から あいつ の 志望 校 を 聞い た ん だ が ||||しぼう|こう||ききい||||

（ 羽 川 ） ああ 戦場 ヶ 原 さん は 確か 地元 の 国立 でしょ ？ はね|かわ||せんじょう||はら|||たしか|じもと||こくりつ|

推薦 で 行く はず よ ね すいせん||いく|||

お前 は 何でも 知って る な おまえ||なんでも|しって||

（ 羽 川 ） 何でも は 知ら ない わ よ 知って る こと だけ はね|かわ|なんでも||しら||||しって|||

それ で 阿 良 々 木 くん ||おもね|よ||き|

ひょっとして 戦場 ヶ 原 さん と 同じ 大学 を 目指す って こと ？ |せんじょう||はら|||おなじ|だいがく||めざす||

（ 阿 良 々 木 ） まだ あいつ に は 言う な よ 変 な 期待 持た せ たく ねえ し おもね|よ||き|||||いう|||へん||きたい|もた||||

ところで 阿 良 々 木 くん |おもね|よ||き|

（ 阿 良 々 木 ） 何 だ よ 改まって おもね|よ||き|なん|||あらたまって

（ 羽 川 ） 阿 良 々 木 くん 学校 で 昨日 はね|かわ|おもね|よ||き||がっこう||きのう

す さん だ 神社 跡 に 行った って 話 を し て くれ た じゃ ない |||じんじゃ|あと||おこなった||はなし|||||||

その 続き な ん だ けど … |つづき||||

神社 跡 で ５ 等分 に さ れ た 蛇 の 死体 を 見つけ て じんじゃ|あと||とうぶん|||||へび||したい||みつけ|

それ から どう し た の ？

（ 阿 良 々 木 ） え ？ ああ その 話 か おもね|よ||き||||はなし|

別に 一応 その 蛇 は 神原 と ２ 人 で 穴 掘 って 埋め て やった ん だ べつに|いちおう||へび||かみはら||じん||あな|ほ||うずめ||||

けど それ から さ その 辺 を 散策 し て たら |||||ほとり||さんさく|||

蛇 の 死体 だらけ で へび||したい||

（ 羽 川 ） 死体 だらけ ？ はね|かわ|したい|

（ 阿 良 々 木 ） うん ばらばら に 刻ま れ た 死体 だらけ おもね|よ||き||||きざま|||したい|

結局 すぐ に 山 を 下り て さ それ から 近く の 公園 で けっきょく|||やま||くだり|||||ちかく||こうえん|

神原 が 作って き た と いう お 弁当 を いただ い た かみはら||つくって||||||べんとう||||

（ 羽 川 ） へえ はね|かわ|

（ 阿 良 々 木 ） それ で その お 弁当 が やけに おいしく て びっくり し た ん だ が おもね|よ||き|||||べんとう||||||||||

聞い て み れ ば おばあ ちゃん に 手伝って もらった ん だって さ ききい||||||||てつだって||||

まあ 大変 だった ね 阿 良 々 木 くん |たいへん|||おもね|よ||き|

ああ 蛇 を あんな ふう に 殺す なんて |へび|||||ころす|

ど っか 儀式 めい て て さ 考え させ られ た ぜ ||ぎしき|||||かんがえ|さ せ|||

場所 が 神社 跡 って いう の も 何 か な ばしょ||じんじゃ|あと|||||なん||

ああ ひょっとして 羽 川 あそこ に 神社 が あった の 知って た ？ ||はね|かわ|||じんじゃ||||しって|

（ 羽 川 ） うん 北 白 蛇 ( きたし ら へび ) 神社 よ ね はね|かわ||きた|しろ|へび||||じんじゃ||

“ 蛇 ” か … て こと は へび||||

そう 蛇 神 ( へび が み ) 信仰 って 感じ な の か な |へび|かみ||||しんこう||かんじ||||

私 も そこ まで 詳しい わけ じゃ ない ん だ けれど わたくし||||くわしい||||||

（ 阿 良 々 木 ） 蛇 神 信仰 を し て た 場所 で 蛇 殺 しか や っぱ 儀式 めい てる な おもね|よ||き|へび|かみ|しんこう|||||ばしょ||へび|ころ||||ぎしき|||

一応 忍野 に 報告 し て おい た ほう が いい の か な いちおう|おしの||ほうこく||||||||||

（ 羽 川 ） 阿 良 々 木 くん はね|かわ|おもね|よ||き|

私 が 言って いる の は そう いう こと じゃ なく て わたくし||いって|||||||||

神原 さん の こと 大変 だった ね って かみはら||||たいへん|||

うん ？

か ん ば る さ ん の こ と

大変 だった ね って 言って る ん だ よ たいへん||||いって||||

（ 阿 良 々 木 ） 神原 の こと ？ おもね|よ||き|かみはら||

あ … ああ そう だ な 突然 体調 崩す から さ |||||とつぜん|たいちょう|くずす||

何 だった の か と 思った けど で も 大事 なく て よかった よ なん|||||おもった||||だいじ||||

そう いう こと じゃ なく

彼女 の 後輩 と 仲良し すぎる の って 問題 ない ？ かのじょ||こうはい||なかよし||||もんだい|

ある 程度 仲良し な の は いい と 思う ん だ けど |ていど|なかよし||||||おもう|||

腕 を 組む の は マズ い でしょ うで||くむ|||||

（ 阿 良 々 木 ） しょうが ねえ だ ろ 人 懐っこい ヤツ な ん だ よ おもね|よ||き|||||じん|なつっこい|やつ||||

そんな 言葉 が 言い訳 に なる と 思う ？ |ことば||いい わけ||||おもう

それ は …

でも な 僕 戦場 ヶ 原 から 言わ れ てる ん だ よ な ||ぼく|せんじょう||はら||いわ||||||

神原 の ほう も かみはら|||

僕 の 世話 に なる よう 言わ れ てる みたい だ し ぼく||せわ||||いわ|||||

そう ね

それ は こんな 感じ じゃ ない ？ |||かんじ||

（ 阿 良 々 木 ） え ？ おもね|よ||き|

えっ え …

はい どうぞ

え ？ え ？ え …

（ 心臓 の 鼓動 ） しんぞう||こどう

あ …

ハッ ！

て 感じ か な |かんじ||

あと １ 秒 って 感じ だった ？ 阿 良 々 木 くん |びょう||かんじ||おもね|よ||き|

いっ いや 何 言って ん だ よ ||なん|いって|||

阿 良 々 木 くん て 弱く て 薄い の よ ね おもね|よ||き|||よわく||うすい|||

阿 良 々 木 くん て 誰 に でも 優しい じゃ ない ？ おもね|よ||き|||だれ|||やさしい||

そう いう の って 戦場 ヶ 原 さん から 見 たら ||||せんじょう||はら|||み|

結構 不安 だ と 思う の よ ね けっこう|ふあん|||おもう|||

（ 阿 良 々 木 ） 不安 って おもね|よ||き|ふあん|

戦場 ヶ 原 さん と し て は あんまり 阿 良 々 木 くん に せんじょう||はら|||||||おもね|よ||き||

神原 さん と 仲良く し て ほしく ない ん じゃ ない か な かみはら|||なかよく|||||||||

違う か ちがう|

仲良く し て も いい むしろ 仲良く し て ほしい ん だ けど なかよく||||||なかよく||||||

けじめ は ちゃんと つけ て ほしい と いう か

戦場 ヶ 原 さん と 神原 さん と を 比べ た 上 で せんじょう||はら|||かみはら||||くらべ||うえ|

ちゃんと 自分 を 選び 取って ほしい って 感じ な の か な |じぶん||えらび|とって|||かんじ||||

何 だ そりゃ 訳 分か ん ねえ ぞ なん|||やく|わか|||

（ 羽 川 ） 戦場 ヶ 原 さん も ジレンマ じゃ ない の か な はね|かわ|せんじょう||はら|||じれんま|||||

阿 良 々 木 くん は 大事 な 彼 氏 だ し 神原 さん は 大事 な 後輩 だ し おもね|よ||き|||だいじ||かれ|うじ|||かみはら|||だいじ||こうはい||

まあ 戦場 ヶ 原 さん ツンデレ だ から |せんじょう||はら||||

その 行動 原理 は |こうどう|げんり|

一辺倒 で 理解 しよ う と し ちゃ いっぺんとう||りかい|||||

いけ ない と 思う よ |||おもう|

常に 裏 を 読ま なく ちゃ とわに|うら||よま||

阿 良 々 木 くん も 戦場 ヶ 原 さん が 大事 なら おもね|よ||き|||せんじょう||はら|||だいじ|

ちょっと し た 誘惑 で 揺ら い じゃ ダメ だ と 思う な |||ゆうわく||ゆら|||だめ|||おもう|

誰 に でも 優しい って やっぱり 無責任 だ から ね だれ|||やさしい|||むせきにん|||

ああ 身 に 染み て 分かった よ |み||しみ||わかった|

そう いえ ば 羽 川 は どこ に 進学 する ん だ ？ |||はね|かわ||||しんがく|||

や っぱ 東京 か ？ それとも 海外 の 大学 と か 行く の か ？ ||とうきょう|||かいがい||だいがく|||いく||

え ？ 私 進学 し ない よ ？ |わたくし|しんがく|||

は ？

進学 し ない の ？ しんがく|||

（ 羽 川 ） うん 私 卒業 し たら 旅 に 出る の はね|かわ||わたくし|そつぎょう|||たび||でる|

たっ 旅 ？ |たび

２ 年 くらい かけ て 世界 中 を 見 て こよ う かな って とし||||せかい|なか||み|||||

私 知識 ばかり に 依 ( よ ) って る ところ が ある から ね わたくし|ちしき|||よ||||||||

いろんな 経験 積 ん だ ほう が いい と 思って さ |けいけん|せき|||||||おもって|

学校 の 先生 と か に は まだ 秘密 に し て おい て ね がっこう||せんせい||||||ひみつ||||||

言ったら きっと びっくり し ちゃ う ん じゃ ない か と 思う から いったら|||||||||||おもう|

びっくり する どころ の 騒ぎ じゃ 済ま ない と 思う ぜ ||||さわぎ||すま|||おもう|

（ 羽 川 ） 痛 ( い た ) … はね|かわ|つう||

（ 阿 良 々 木 ） うん ？ どう し た おもね|よ||き||||

（ 羽 川 ） いや ちょっと 頭痛 が はね|かわ|||ずつう|

（ 阿 良 々 木 ） 頭痛 ？ おもね|よ||き|ずつう

（ 羽 川 ） ああ 大丈夫 大丈夫 はね|かわ||だいじょうぶ|だいじょうぶ

ちょっと 前 から たま に ある ん だ 急に 頭 が 痛む の |ぜん|||||||きゅうに|あたま||いたむ|

おいおい 大丈夫 じゃ ねえ だ ろ それ |だいじょうぶ|||||

何なら 家 まで 送 ろ う か ？ なんなら|いえ||おく|||

いや いい 家 は … ||いえ|

ああ そう だった な

う うん でも ちょっと ごめん 先 に 帰る ね |||||さき||かえる|

（ 阿 良 々 木 ） ああ じゃ おもね|よ||き||

（ 羽 川 ） うん はね|かわ|

うん ？

（ 阿 良 々 木 ） 千 石 ？ おもね|よ||き|せん|いし

これ は …

（ 息切れ ） いきぎれ

神原 か かみはら|

ちょっと 手伝って ほしい こと が ある ん だ けど |てつだって|||||||

あ …

で 一体 何 の 用 な の だ ？ |いったい|なん||よう|||

（ 阿 良 々 木 ） 昨日 この 階段 を 登る 途中 で すれ違った 女の子 覚え てる か ？ おもね|よ||き|きのう||かいだん||のぼる|とちゅう||すれちがった|おんなのこ|おぼえ||

うん ちっちゃ く て かわいらしい 女の子 だった |||||おんなのこ|

（ 阿 良 々 木 ） あいつ どこ か で 見 た こ と ある と 思った ん だ けど さ おもね|よ||き|||||み||||||おもった||||

さっき 本屋 で 見かけ て はっきり し た |ほんや||みかけ||||

下 の 妹 の 旧友 みたい な ん だ した||いもうと||きゅうゆう||||

なんと ！

で その 子 が 今日 も ここ の 神社 に 来 て いる と ？ ||こ||きょう||||じんじゃ||らい|||

そう いう こと だ 多分 な ||||たぶん|

お前 に 頼み って いう の は その … おまえ||たのみ|||||

昔 の 知り合い と は いえ 声 掛け づらく て な むかし||しりあい||||こえ|かけ|||

向こう は 僕 の こと なんか 覚え て ない だ ろ う から むこう||ぼく||||おぼえ||||||

変 な ナンパ み たい に な っち まい そう だ し へん|||||||||||

思春期 入り たて の 女の子 の 防衛 本能 って 割と 怖い し ししゅんき|はいり|||おんなのこ||ぼうえい|ほんのう||わりと|こわい|

経験 が あり そう な 物言い だ な けいけん|||||ものいい||

まあ なく は ない

そこ へ いく と 神原 お前 は 年下 の 女の子 に 強 そう だ から な ||||かみはら|おまえ||としした||おんなのこ||つよ||||

なにせ 学校 一 の スター な ん だ から |がっこう|ひと||すたー||||

なるほど 阿 良 々 木 先輩 の 言い たい こと は 分かった |おもね|よ||き|せんぱい||いい||||わかった

確か に 私 は 年下 の 女の子 に は 強い ぞ たしか||わたくし||としした||おんなのこ|||つよい|

だ ろ う な お前 を 呼 ん で 正解 だった よ ||||おまえ||よ|||せいかい||

阿 良 々 木 先輩 が そう 言う 以上 おもね|よ||き|せんぱい|||いう|いじょう

もちろん 手伝う に やぶさか で は ない が |てつだう||||||

この 件 に は 当然 昨日 の あれ を 含 ん で いる の だ ろ う ？ |けん|||とうぜん|きのう||||ふく|||||||

（ 阿 良 々 木 ） まあ そう だ おもね|よ||き|||

（ 神原 ） じゃあ そう いう こと な ん だ な かみはら||||||||

うん

（ 神原 ） やれやれ かみはら|

（ 荒い 息 ） あらい|いき

（ 阿 良 々 木 ） 千 石 ！ （ 千 石 ） ハッ おもね|よ||き|せん|いし|せん|いし|

（ 阿 良 々 木 ） やめろ 千 石 ！ おもね|よ||き||せん|いし

暦 ( こよみ ) お にいちゃん … こよみ|||

（ 千 石 ） “ 「 ともだち 」 ２ 年 １ 組 千 石 撫子 ” せん|いし||とし|くみ|せん|いし|なでしこ

“ 私 は あまり お 友達 が い ませ ん ” わたくし||||ともだち||||

“ でも ら ら ちゃん は 私 と 遊 ん で くれ ます ” |||||わたくし||あそ||||

“ ら ら ちゃん が 遊 ぼ う と 言って くれ た とき は ” ||||あそ||||いって||||

“ とても うれしい です ”

“ それ と ら ら ちゃん に は ６ 年生 の お 兄さん が い ます ” |||||||ねんせい|||にいさん|||

“ お 兄さん の 名前 は 暦 と いって … ” |にいさん||なまえ||こよみ||

（ 阿 良 々 木 ） さっ 入って おもね|よ||き||はいって

（ 千 石 ） 部屋 変わった ん だ ね せん|いし|へや|かわった|||

ああ １ 人 部屋 に なった |じん|へや||

妹 たち は ２ 人 と も 前 と 同じ 部屋 だ よ いもうと|||じん|||ぜん||おなじ|へや||

しばらく し たら 帰って くる と 思う けど 会って いく か ？ |||かえって|||おもう||あって||

（ ドア が 閉まる 音 ） どあ||しまる|おと

ふむ ここ が 阿 良 々 木 先輩 の 部屋 か |||おもね|よ||き|せんぱい||へや|

ハハッ 男の子 の 部屋 に 入る の は 初めて だ |おとこのこ||へや||はいる|||はじめて|

さて それ で は エロ 本 でも 探す か |||||ほん||さがす|

それ は 男 友達 が 男 友達 の 部屋 に 遊び に 来 た とき に ||おとこ|ともだち||おとこ|ともだち||へや||あそび||らい|||

発生 する イベント だ ろ う が はっせい||いべんと||||

いい から お前 は その 辺 に 座って ろ ！ ||おまえ|||ほとり||すわって|

（ 神原 ） しかし 阿 良 々 木 先輩 の 好み を 把握 し て おく こと は かみはら||おもね|よ||き|せんぱい||よしみ||はあく|||||

私 に とって 無益 だ と は 思わ ない わたくし|||むえき||||おもわ|

僕 に とって は 無益 どころ か 有害 だ ぼく||||むえき|||ゆうがい|

（ 神原 ） そう つまり 有害 図書 を かみはら|||ゆうがい|としょ|

お前 が 生き た 有害 図書 だ おまえ||いき||ゆうがい|としょ|

そこ に 座る か 窓 から 飛び降りる か ２ つ に １ つ だ 神原 ||すわる||まど||とびおりる||||||かみはら

フフッ 阿 良 々 木 先輩 の 好み など |おもね|よ||き|せんぱい||よしみ|

以前 阿 良 々 木 先輩 を ストーキング し て い た 際 に いぜん|おもね|よ||き|せんぱい|||||||さい|

きちんと 洗って ある |あらって|

ここ 最近 阿 良 々 木 先輩 が どんな エロ 本 を 購入 し た か は |さいきん|おもね|よ||き|せんぱい||||ほん||こうにゅう||||

完全 に つか ん で いる の だ かんぜん|||||||

何 ！ そんな まさか なん||

あの とき 店 内 に は 誰 も い なかった はず だ ||てん|うち|||だれ|||||

僕 は ちゃんと 確認 し た ぞ ぼく|||かくにん|||

（ 神原 ） なかなか マニアック な 好み を お 持ち で かみはら||まにあっく||よしみ|||もち|

（ 阿 良 々 木 ） 選択肢 は １ つ だ 窓 から 飛び降りろ ！ おもね|よ||き|せんたくし||||まど||とびおりろ

（ 神原 ） あんな プレイ を 迫ら れ れ ば 大抵 の 女の子 は かみはら||||せまら||||たいてい||おんなのこ|

窓 から 飛び降り て でも 逃げる だ ろ う まど||とびおり|||にげる|||

ハハハッ しか し 無論 私 なら ば |||むろん|わたくし||

余裕 で こな せる よう な 造作 も ない プレイ だ が な よゆう||||||ぞうさく||||||

（ 阿 良 々 木 ） 誇らし げ だ ！ おもね|よ||き|ほこらし||

（ 千 石 ） フフ フッ せん|いし||

（ ２ 人 ） うん ？ じん|

フッ

暦 お にいちゃん それ に 神原 さん こよみ|||||かみはら|

少し 後ろ を 向 い て い て もら え ます か ？ すこし|うしろ||むかい||||||||

もう いい です こっち を 向 い て ください |||||むかい|||

（ ２ 人 ） う っ じん||

（ 阿 良 々 木 ） あっ ああ … おもね|よ||き||

あっ ！

（ 阿 良 々 木 ） ブルマー ？ おもね|よ||き|

（ 神原 ） ああ 阿 良 々 木 先輩 かみはら||おもね|よ||き|せんぱい

あれ は “ たまたま ” 私 が 持って い た もの を 貸し た の だ |||わたくし||もって|||||かし|||

（ 阿 良 々 木 ） ほう 神原 後輩 おもね|よ||き||かみはら|こうはい

お前 は “ たまたま ” ブルマー を 所持 し て いる こと が ある の か おまえ|||||しょじ||||||||

レディ と し て 当然 の たし なみだ ||||とうぜん|||

いや 変態 も 同然 の たくらみ だ |へんたい||どうぜん|||

下着 を 見せ たく ない って いう したぎ||みせ||||

千 石 の 気持ち は 分から なく は ない けど せん|いし||きもち||わから||||

それ に し た って ブルマー と は …

ん ？ 何 だ それ |なん||

（ 神原 ） う ～ ん … かみはら||

緊縛 ( きん ば く ) の 痕 に 似 て いる な きんばく|||||あと||に|||

うん ？

（ 阿 良 々 木 ） これ は … うろこ の 跡 ？ おもね|よ||き|||||あと

魚 か ？ いや この 場合 魚 じゃ なく て は虫類 ぎょ||||ばあい|ぎょ||||はちゅうるい

蛇 か ？ へび|

（ 千 石 ） 暦 お にいちゃん せん|いし|こよみ||

暦 お にいちゃん は もう 大人 だ から 撫子 の 裸 を 見 て こよみ|||||おとな|||なでしこ||はだか||み|

いやらしい 気持ち に なったり は し ない ん だ よ ね ？ |きもち|||||||||

（ 阿 良 々 木 ） え ？ おもね|よ||き|

あ … ああ ！

そんな の 当たり 前 じゃ ない か なあ 神原 ||あたり|ぜん|||||かみはら

（ 神原 ） しかし どう だ ろ う 阿 良 々 木 先輩 かみはら||||||おもね|よ||き|せんぱい

この 場合 少女 の 裸 に 全く 興味 が ない と 言う ほう が |ばあい|しょうじょ||はだか||まったく|きょうみ||||いう||

女の子 に 対し て は 失礼 な 気 が する の だ が おんなのこ||たいし|||しつれい||き|||||

なるほど

訂正 し よ う 千 石 の 裸 に 少し は いやらしい 気持ち に なったり は する ていせい||||せん|いし||はだか||すこし|||きもち||||

（ 千 石 ） う … せん|いし|

（ 千 石 の 泣き声 ） せん|いし||なきごえ

こら 神原 ！ お前 の 言う とおり に し たら |かみはら|おまえ||いう||||

女子 中学生 を 泣か し ち まった じゃ ねえ か よ じょし|ちゅうがくせい||なか|||||||

（ 神原 ） あんな ストレート に 言う と 誰 が 思う かみはら||すとれーと||いう||だれ||おもう

（ 阿 良 々 木 ） なあ 千 石 おもね|よ||き||せん|いし

撫子 撫子 こんな 体 嫌 だ なでしこ|なでしこ||からだ|いや|

あっ 千 石 … |せん|いし

嫌 だ よ 助け て よ 暦 お にいちゃん いや|||たすけ|||こよみ||

♪ ～

～ ♪

（ 火 憐 ( かれん ) ） 火 憐 だ ぜ （ 月 火 ( つき ひ ) ） 月 火 だ よ ひ|れん||ひ|れん|||つき|ひ|||つき|ひ||

（ 火 憐 ） て こんなに 言って る に も 関わら ず ！ ひ|れん|||いって||||かかわら|

（ 月 火 ） 言って る に も 関わら ず つき|ひ|いって||||かかわら|

（ 火 憐 ） 私 の 名前 を 純情 可憐 の 可憐 だ と 思って る ヤツ の なんて 多い こと ひ|れん|わたくし||なまえ||じゅんじょう|かれん||かれん|||おもって||やつ|||おおい|

（ 月 火 ） 多い こと ！ つき|ひ|おおい|

（ 火 憐 ） 私 の 名前 は 火 憐 で あって 可憐 じゃ なく て 火 憐 だ ！ ひ|れん|わたくし||なまえ||ひ|れん|||かれん||||ひ|れん|

火 憐 の 火 は 可 じゃ なく て 火 な ん だ ！ ひ|れん||ひ||か||||ひ|||

（ 月 火 ） 全く 伝わって こ ない な ～ つき|ひ|まったく|つたわって|||

（ 火 憐 ） 月 火 ちゃん は そう いう の ねえ の ？ ひ|れん|つき|ひ|||||||

（ 月 火 ） ある か ない か と 言え ば ある ね つき|ひ||||||いえ|||

（ 火 憐 ） ある なら 言っちゃ え ！ ひ|れん|||いっちゃ|

（ 月 火 ） 私 の 名前 を つき|ひ|わたくし||なまえ|

松尾 芭蕉 ( まつ お ばしょう ) の 句 だ と 思って いる 人 の なんて 多い こと ！ まつお|ばしょう|||||く|||おもって||じん|||おおい|

（ 火 憐 ） 多い こと ？ ひ|れん|おおい|

（ 月 火 ） “ 暑き 日 を 海 に 入れ た り 最上 川 ( もが み が わ ) ” つき|ひ|あつき|ひ||うみ||いれ|||さいじょう|かわ||||

私 を 海 に 入れ ない で ！ わたくし||うみ||いれ||

（ 火 憐 ） その 句 を 知ら ない ひ|れん||く||しら|

（ 月 火 ） この 句 を 知ら ない ？ つき|ひ||く||しら|

（ 火 憐 ） 現代 編 クイズ ！ ひ|れん|げんだい|へん|くいず

（ 月 火 ） 現代 編 ？ つき|ひ|げんだい|へん

（ 火 憐 ） 現代 は 100 年 に １ 度 の 大 不況 ひ|れん|げんだい||とし||たび||だい|ふきょう

（ 月 火 ） 真面目 な 話 だ ！ つき|ひ|まじめ||はなし|

（ 火 憐 ） だったら 100 年 に 99 度 は 大 盛況 ！ ひ|れん||とし||たび||だい|せいきょう

（ 月 火 ） 前向き だ ね つき|ひ|まえむき||

（ 火 憐 ･ 月 火 ） 次回 「 な で こ スネイク 其 ノ 貳 ( その に ) 」 ひ|れん|つき|ひ|じかい|||||その||に||

（ 火 憐 ） まっ １ 年 １ 度 と は 限ら ねえ けど ひ|れん||とし|たび|||かぎら||

（ 月 火 ） １ 度 が 100 年 続く かも ね つき|ひ|たび||とし|つづく||