Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 05
( キョン ) 女子 と 肩 を 並べて 下校 する なんて の は
実に 学生 青春 ドラマ 的で
俺 だって そういう 生活 を 夢 に 見 なかった か と いう と ウソ に なる
俺 は 現在 その 夢 を 実現 さ せて いる わけな のだ が
ちっとも 楽しく ない の は どうした こと だろう
( ハルヒ ) あっ ち ね 何 か 言った ?
( キョン ) いや 何も
は あ ~
( キョン ) そろそろ 長門 ( な が と ) の 住んで る マンション だ な
♪~
~♪
( ハルヒ ) 朝倉 ( あさく ら ) は ここ の ―
505 号 室 に 住んで た みたい
( キョン ) なるほど ね
何 が なるほど よ ?
いや なんでも
それ より どう やって 入る つもりだ ?
お前 あれの ナンバー 知っている の か ?
知ら ない こういう 時 は 持久 戦 ね あっ !
( ハルヒ ) あっ
( ハルヒ ) う お っ ! ( キョン ) なんと !
早く 来 なさい よ !
( ハルヒ ) とにかく 絶対 おかしい わ
いきなり カナダ へ 転校
その 上 誰 も 引っ越し 先 を 知ら ない なんて
それ は さっき 聞いた
おかしな こと が まだ ある の よ ね
朝倉 って この 市 内 の 中学 から
北 ( きた ) 高 に 来た んじゃ ない らしい の よ
( キョン ) そりゃ まあ そう だろう が
調べて みたら どこ か 市 外 の 中学 から 越境 入学 して きた わけ
絶対 おかしい でしょ !
別に 北 高 は 有名 進学 校 でも なんでもない
ただ の あり ふれた 県立 高 よ
なんで わざわざ そんな こと する わけ ?
知ら ん
でも 住居 は こんなに 学校 の 近く に ある
しかも 分譲 よ この マンション 賃貸 じゃ ない の よ
( エレベーター の 到着 音 ) 立地 も いい し 高い の よ ここ
市 外 の 中学 へ ここ から 通って た の ?
だから 知ら ん
( ハルヒ ) 朝倉 が いつ から ここ に 住んで た か 調べる 必要 が ある わ ね
もう 空き 部屋 なんだ 開く はず ないだ ろ
う ~ ん
( キョン ) 我ながら 時間 の ムダ な こと を して いる と 思う
管理人 室 に 行き ま しょ
鍵 貸して くれる と は 思え ない けど な
そう じゃ なくて
朝倉 が いつ から ここ に 住んで る の か 聞く ため よ
諦めて 帰ろう ぜ
そんな ん 分かった ところ で どう しよう も ないだ ろ
( ハルヒ ) ダメ !
あたし たち ここ に 住んで た 朝倉 涼子 ( りょう こ ) さん の 友達 な んです けど
彼女 ったら 急に 引っ越しちゃ って
連絡 先 と か 分か ん なくて 困って る んです
どこ に 引っ越す と か 聞いて ませ ん か ?
それ から いつ から 朝倉 さん が ここ に 入って た の か
教えて ほし し い ん です
( キョン ) こういう 常識 的な 口 の 利き 方 も できる の か
( 管理人 ) は あ ?
( ハルヒ ) 朝倉 涼子 さん の 引っ越し 先 と
いつ から ここ に 住んで た か 教えて ほしい んです !
あ ~ あ ~ 505 号 室 の 朝倉 さん ね
引っ越し 屋 が 来た 様子 も ない のに 部屋 が 空っぽに なって
どぎも 抜か れた わ ~ 抜か れちゃ った の
引っ越し 屋 が 来て ない ?
( 管理人 ) 転居 先 は 聞い とら ん な
後 から 荷物 や なんか 届いたら 送ら に ゃ なら ん のに
困 っと る んだ わ
いつ ぐらい から ここ に 住んで た んです か ?
3 年 ほど 前 だった かな
フフッ めん こい お嬢さん が わし ん とこ に ―
和菓子 の 折 詰 持ってきた から 覚え とる
( ハルヒ ) ご 両親 は ? お 父さん と お 母さん は ―
どんな 仕事 を して た か 分かり ます か ?
さ あて …
そう いえば お嬢さん の ほう は たびたび 目 に した が
両親 さん と は ついぞ 挨拶 した こと ない のう
でも この マンション って 高い でしょ ?
子供 を 1 人 暮らし させる ため に
わざわざ ローン を 組んで 買う と は 思え ない んです けど
いやいや ローン で なくて 一括 ニコニコ 現金 払い じゃ った
え れ え 金持ち じゃ と …
( キョン ) うまく 聞き出す もん だ 探偵 に でも なれば いい
せめて ひと言 別れ 言い たかった のに
残念な こと だ
ところで あんた も なかなか めん こい 顔 し とる のう
( ハルヒ ) ご 丁寧に ありがとう ございました
( 管理人 ) 少年
その 娘 さん は 今に きっと 美人 に なる べ
取り逃がす んで ない よ
( ハルヒ ) あら ? ( キョン ) うん ?
( キョン ) こいつ も 飯 は 食う んだ な
ひょっとして あんた も この マンション な の ? 奇 遇 ね
( キョン ) どう 考えて も 奇 遇 じゃ ないだ ろ
だったら 朝倉 の こと 何 か 聞いて ない ?
転校 した の 知って る でしょ ?
そう もし 何 か 分かったら 教えて よ ね いい ?
眼鏡 どうした の ?
( キョン ) 俺 を 見 られて も 困る んだ が
( 長門 ) 気 を つけて
( キョン ) 今度 は 何 に 気 を つけりゃ いい んだ
( ハルヒ ) 行 くわ よ !
は あ …
これ から どこ に 行く つもりな んだ ?
( ハルヒ ) 別に ( キョン ) ノープラン
俺 もう 帰って いい か ?
あんた さ 自分 が この 地球 で どれほど ちっぽけな 存在 な の か
自覚 した こと ある ?
( キョン ) 何 を 言いだす んだ ?
あたし は ある
忘れ も し ない
( ハルヒ ) 小学生 の 6 年生 の 時
家族 みんな で 野球 を 見 に 行った の よ 球場 まで
あたし は 野球 なんか 興味 なかった けど
着いて 驚いた
見渡す かぎり 人 だらけ な の よ
野球 場 の 向こう に いる 米粒 みたいな 人間 が ―
びっしり うごめいて る の
日本 の 人間 が 残らず この 空間 に 集まって いる んじゃ ない か と 思った
で ね オヤジ に 聞いて みた の よ
ここ は 一体 どれ だけ の 人 が いる んだ って
満員 だ から 5万 人 くらい だろう って オヤジ は 答えた
試合 が 終わって 駅 まで 行く 道 に も 人 が あふれて いた わ
それ を 見て 私 は がく然と した の
こんなに いっぱいの 人間 が いる ように 見えて
実は こんな の 日本 全体 で いえば ほんの 一部 に すぎ ない んだ って
家 に 帰って 電卓 で 計算 して みた の
日本 の 人口 が 1億 数 千万 って の は 社会 の 時間 に 習って いた から
それ を 5万 で 割って みる と
たった 2千 分 の 1
あたし は また がく然と した
あたし なんて あの 球場 に いた 人 混 みの 中 の
たった 1 人 で しか なくて
あれ だけ たくさんに 思えた 球場 の 人 たち も
実は ひと つかみ で しか ない んだ って ね
それ まで あたし は
自分 が どこ か 特別な 人間 の ように 思って た
家族 と いる の も 楽しかった し
何より も 自分 の 通う 学校 の 自分 の クラス は
世界 の どこ より も 面白い 人間 が 集まって る と 思って た の よ
でも そう じゃ ない んだ って その 時 気付いた
あたし が 世界 で 一 番 楽しい と 思って いる クラス の 出来事 も
こんな の 日本 の どの 学校 で も あり ふれた もの で しか ない んだ
日本 全国 の 全て の 人間 から 見たら 普通の 出来事 で しか ない
そう 気付いた 時 あたし は 急に
あたし の 周り の 世界 が 色あせた みたいに 感じた
夜 歯 を 磨いて 寝る の も 朝 起きて 朝 ごはん を 食べる の も
どこ に でも ある ―
みんな が みんな やって る 普通の 日常 な んだ と 思う と
途端 に 何もかも が つまらなく なった
そして 世の中 に これ だけ の 人 が いたら
その 中 に は ちっとも 普通じゃ なく 面白い 人生 を 送って る 人 も いる んだ
そう に 違いない と 思った の
それ が あたし じゃ ない の は なぜ ?
小学校 を 卒業 する まで
あたし は ずっと そんな こと を 考えて た
考えて たら 思いついた わ
面白 こと は 待って て も やって 来 ない んだ って ね
中学 に 入ったら あたし は 自分 を 変えて やろう と 思った
待って る だけ の 女 じゃ ない こと を 世界 に 訴えよう と 思った の
実際 あたし なり に そうした つもり
でも 結局 は 何も なし
そう やって あたし は いつの間にか 高校 生 に なって た
少し は 何 か が 変わる と 思って た
( キョン ) 電車 の おかげ で 俺 は ここ で ツッコ む べきな の か
何 か 哲学 的な 引用 でも して ごまかした ほう が いい の か
考える 時間 を 得た
( キョン ) そう か
( キョン ) こんな こと くらい しか 言え ない 自分 が ちょっと 憂鬱だ
( ハルヒ ) 帰る
( キョン ) 俺 も どっち か と いえば
そっち から 帰った ほう が 早く 帰れる んだ が
しかし ハルヒ の 背中 は
無言 で “ ついて くん な ” と 言って る ような 気 が して
俺 は ただ ひたすら に
ハルヒ の 背中 が 見え なく なる まで その 場 に 立ち尽くして いた
何 を やって る んだろう ね
( 古泉 ( こい ずみ )) こんにちは
いつぞや の 約束 を 果たそう と 思い まして
帰り を 待た せて もらい ました
俺 が どこ に 行って た の か 知って る みたいな 話し 方 だ な
少し ばかり お 時間 を 頂いて も よろしい でしょう か ?
涼 宮 ( すずみ や ) がらみ で ?
涼 宮 さん がらみ で
( キョン ) えらく いい タイミング で タクシー が 来た もん だ な
この 間 超 能力 者 なら その 証拠 を 見せろ と おっしゃった でしょ
ちょうど いい 機会 が 到来 した もん です から
おつきあい 願おう と 思い まして
わざわざ 遠出 する 必要 が ある の か ?
僕 が 超 能力 者 的な 力 を 発揮 する に は
とある 場所 と ある 条件 下 で ない と
今日 これ から 向かう 場所 が
いい 具合 に 条件 を 満たして いる と いう わけです
まだ ハルヒ が 神様 だ と か 思って ん の か ?
“ 人間 原理 ” と いう 言葉 を ご存じ です か ?
( キョン ) ご存じ で ない な
煎じ詰めて 言えば 宇宙 が あるべき 姿 を して いる の は
人間 が 観測 する こと に よって
初めて そう である こと を 知った から だ
… と いう 理論 です
ちっとも 分から ん
我 観測 す 故 に 宇宙 あり と でも 言いかえ ましょう か
要するに この世 に 人間 なる 知的 生命 体 が いて
物理 法則 や 定数 を 発見 し
宇宙 は このように して なって いる と 観測 できて 初めて
宇宙 そのもの の 存在 が 知ら れた わけです
ならば 宇宙 を 観測 する 人類 が
もし 地球 で ここ まで 進化 する こと が なかったら
観測 する 者 が ない 以上
宇宙 は その 存在 を 誰 に も 知ら れる こと が ない
つまり あって も なくて も 同じ こと に なって しまう
人類 が いる から こそ 宇宙 は 存在 を 知ら れて いる と いう
人間 本位 な 理屈 の こと です
( キョン ) そんな バカな 話 が ある か
人類 が いよう がいまい が 宇宙 は 宇宙 だ ろ
その とおり です
だから 人間 原理 と は 試作 的な 理論 に すぎ ない
しかし 面白い 事実 が ここ から 浮上 し ます
なぜ 宇宙 は こう も
人類 の 生存 に 適した 形 で 創造 さ れた の か
重力 定数 が あるいは 粒子 の 質量 比 が
わずか でも 違って いた なら
宇宙 が このような 世界 に なる こと は なかった でしょう
何 か 科学 かぶれ した 変な 宗教 の パンフレット に あり そうな 文句 だ な
何も 僕 は 全知全能 たる 絶対 神 が 人間 の 造 物 主である ―
など と 信仰 して いる わけで は あり ませ ん
ただし 疑って は い ます
何 を だ ?
僕たち は 崖っぷち で つま先 立ち して いる ―
道化 師 の ごとき 存在 な ので は ない か と ね
冗談 です
( キョン ) お前 の 言って る こと は 何一つ と して 理解 でき ん
人間 原理 を 引き合い に 出した の は もの の 例え です よ
涼 宮 さん の 話 が まだ です
だから どうして お前 も 長門 も 朝比奈 ( あさひ な ) さん も
ハルヒ が そんなに 好きな んだ ?
魅力 的な 人 だ と は 思え ます が それ は 置 い とき ま しょ
覚えて い ます か ?
世界 は 涼 宮 さん に よって 作ら れた の かも しれ ない と ―
僕 が 言った こと
いまいましい こと に 記憶 に は 残って る ようだ な
彼女 に は 願望 を 実現 する 能力 が ある
そんな こと を 大真面目に 断言 する な
涼 宮 さん は 宇宙 人 が いる に 違いない ―
そう であって ほしい と 願った
だから 長門 有希 ( ゆき ) が いる
同様に 未来 人 も いて ほしい と 思った
だから 朝比奈 み くる が ここ に いる
そして 僕 も 彼女 に 願わ れた から と いう
ただ それ だけ の 理由 で ここ に いる んです よ
だ ~ か ~ ら なんで 分かる んだ よ !
( 古泉 ) 3 年 前 の こと です
( キョン ) 3 年 前 の こと は もう いい 聞き 飽きた
ある 日 突然 僕 は 自分 に ある 能力 と
どう 使う べき か を なぜ か 知っていた
僕 と 同じ 力 を 持つ 人間 が 僕 と 同様に 力 に 目覚めた こと も ね
ついでに それ が 涼 宮 ハルヒ に よって も たらさ れた こと も
なぜ か は 説明 でき ませ ん
分かって しまう んだ から しかたがない と しか
1億万 歩 譲った と して
ハルヒ に そんな こと が できる と は 思え ん
( 古泉 ) 我々 だって 信じ られ なかった
1 人 の 少女 に よって 世界 が 変化
いや ひょっとしたら
創造 さ れた の かも しれ ない なんて こと を ね
しかも その 少女 は この 世界 を 自分 に とって
面白く ない もの だ と 思い込んで いる
これ は ちょっと した 恐怖 です よ
( キョン ) なぜ だ ? ( 古泉 ) 言った でしょ
世界 を 自由に 創造 できる なら
今 まで の 世界 を なかった こと に して 望む 世界 を 一 から 作り 直せば いい
そう なる と 文字どおり 世界 の 終わり が 訪れ ます
もっとも 僕たち が それ を 知る すべ は ない でしょう が
むしろ 我々 が 唯一無二 だ と 思って いる この 世界 も
実は 何度 も 作り 直さ れた 結果 な の かも しれ ませ ん
( キョン ) だったら ハルヒ に 自分 の 正体 を 明かしたら いい
超 能力 者 が 実在 する と 知ったら 喜ぶ ぞ あいつ
世界 を どうにか しよう と は 思わ ない かも しれ ん
( 古泉 ) それ は それ で 困る んです よ
涼 宮 さん が
超 能力 なんて 日常 に 存在 する の が 当たり前だ と 思った なら
世界 は 本当に そのように なり ます
物理 法則 が 全て ねじ曲がって しまい ます
宇宙 全体 が めちゃめちゃに なり ます よ
( キョン ) ハルヒ が 望んで お前たち が いる なら
なぜ ハルヒ 自身 は それ に 気付いて い ない んだ ?
おかしい だ ろ
( 古泉 ) 宇宙 人 や 未来 人 や 超 能力 者 が 存在 して ほしい と いう 願望 と
そんな もの が いる はず が ない と いう 常識 論 が
涼 宮 さん の 中 で は せめぎ合って いる のです よ
彼女 の 言動 は 確かに エキセントリックです
しかし その実 涼 宮 さん は まともな 思考 形態 を 持つ ―
一般 的な 人種 な んです
中学 時代 は 砂 嵐 の ようだった 精神 も
ここ 数 か月 は 割に 落ち着いて
僕 と して は このまま 落ち着いて ほしかった んです けど ね
ここ に きて また トルネード を 発生 さ せて いる
( キョン ) どういう わけ だ ? ( 古泉 ) あなた の せい です よ
俺 が どうした って ?
怪しげな クラブ を 作る ように 吹き込んだ の は あなた です
あなた と の 会話 に よって
彼女 は 奇妙な 人間 ばかり を 集めた クラブ を 作る 気 に なった のだ から
責任 は あなた に 帰結 し ます
その 結果 涼 宮 ハルヒ に 関心 を 抱く 3 つ の 勢力 の 末端 が
一堂 に 会する こと に なって しまった
( キョン ) ぬれぎぬ だ
( 古泉 ) まあ それ だけ が 理由 で は ない のです が
( 古泉 ) ここ まで お 連れ して 言う の も なん です が
今 なら まだ 引き返せ ますよ
( キョン ) 今更 だ な
しばし 目 を 閉じて いただけ ませ ん か ?
ほんの 数 秒 で 済み ます
うん ?
ん ~
( キョン ) あっ なんの マネ だ ? 気持ち 悪い
( 古泉 ) もう 結構です
( 古泉 ) 次元 断層 の 隙間
我々 の 世界 と は 隔絶 さ れた 閉鎖 空間 です
ちょうど この 横断 歩道 の 真ん中 が この 閉鎖 空間 の 壁 でして ね
半径 は およそ 5 キロ メートル
通常 物理 的な 手段 で は 出入り でき ませ ん
僕 の 持つ 力 の 一 つ が この 空間 に 侵入 する こと な んです よ
地上 に 発生 した ドーム 状 の 空間 を 想像 して ください
ここ は その 内部 です
今 この 時 でも
外部 で は なんら 変わら ない 日常 が 広がって い ます よ
普通の 人 が ここ に 迷い 込む こと は … まあ めったに あり ませ ん
閉鎖 空間 は まったく の ラン ダム に 発生 し ます
1 日 おき に 現れる こと も あれば 何 か月 も 音沙汰 なし の こと も ある
ただ 一 つ 明らかな の は 涼 宮 さん の 精神 が 不安定に なる と
この 空間 が 生まれる って こと です
閉鎖 空間 の 現出 を 僕 は 探知 する こと が でき
そこ に 入る こと も できる
更に 僕 の 能力 は それ だけ で は あり ませ ん
言う なれば 僕 に は 涼 宮 さん の 理性 を 反映 した 能力 が
与え られて いる のです
この 世界 が 涼 宮 さん の 精神 に 生まれた ニキビ だ と したら
僕 は ニキビ 治療 薬 な んです よ
お前 の 例え は 分かり にくい
( 古泉 ) よく 言わ れ ます しか し あなた も 大した もの だ
この 状況 を 見て ほとんど 驚いて い ませ ん ね
すでに いろいろ あった から な
始まった ようです 後ろ を 見て ください
あっ !
ああ っ
( 古泉 ) 涼 宮 さん の イライラ が 限界 に 達する と
あの 巨人 が 出て くる のです
ああ やって 周り を ぶち壊す こと で
ストレス を 発散 さ せて いる んでしょう
現実 世界 で 暴れ させる わけに も いか ない から
こうして 閉鎖 空間 を 生み出し
その 内部 のみ で 破壊 行動 を する
なかなか 理性 的じゃ ないで す か
物理 的に は 自分 の 重 さ で
立つ こと も でき ない はずな んです が ね
いかなる 理屈 も あれ に は 通用 し ませ ん
たとえ 軍隊 を 動員 して も あれ を 止める こと は 不可能でしょう
じゃあ あれ は 暴れ っぱなし な の か ?
見て ください
僕 の 同志 です よ
僕 と 同じ ように 涼 宮 さん に 力 を 与え られた ―
巨人 を 狩る 者 です
さて 僕 も 参加 し なければ
( キョン ) うわ っ う う っ
あっ
あっ !
( キョン ) デタラメ だ な ~ もう !
お 待た せ し ました
最後に もう 一 つ 面白い もの が 見 れ ます よ
これ 以上 何 が ある んだ ?
あの 怪物 の 消滅 に 伴い 閉鎖 空間 も 消滅 し ます
ちょっと した スペクタクル です よ
( 古泉 ) 分かって いただけ ました か ?
( キョン ) いい や
あの 青い 怪物 を 我々 は 神 の 人 “ 神 人 ( しんじん )” と 呼んで い ます
神 人 は 涼 宮 さん の 精神 活動 と 連動 して いる
そして 我々 も そう な んです
閉鎖 空間 が 生まれ
神 人 が 生まれる 時 に 限り 僕 は 異 能 の 力 を 発揮 できる
それ も 閉鎖 空間 の 中 で しか 使え ない 力 です
例えば 今 僕 に は なんの 力 も あり ませ ん
なぜ 我々 に だけ こんな 力 が 備わった の か ?
多分 誰 でも よかった のです よ たまたま 選ば れた だけ な んです
神 人 の 活動 を 放置 して おく わけに は いきま せ ん
なぜなら 神 人 が 破壊 すれば する ほど
閉鎖 空間 も 拡大 して いく から です
さっき の 空間 は あれ でも まだ 小規模な もの な のです
放っておけば どんどん 広がって いって
その うち 全 世界 を 覆い 尽くす でしょう
そう なれば 最後 あちら の 灰色 の 空間 が ―
我々 の この 世界 と 入れ 代わって しまう のです よ
なぜ そんな こと が 分かる ?
分かって しまう のだ から しょう が あり ませ ん
僕たち 機関 に 所属 して いる 人間 は 全て そう です
僕たち が なんとか し なければ 確実に 世界 は 崩壊 する のです
困った もの です
( 古泉 ) 涼 宮 さん の 動向 に は 注意 して おいて ください
ここ しばらく 安定 して いた 彼女 の 精神 が
活性 化 の 兆し を 見せて い ます
今日 の あれ も 久しぶりの こと な んです よ
俺 が 注意 して て も
どうこう なる もん で も ない んじゃ ない の か ?
さあ それ は どう でしょう か
僕 と して は あなた に 全て の ゲタ を
預けて しまって も いい と 思って る んです が ね
我々 の 中 でも いろいろ と 思惑 が 錯そう して おり まして
( キョン ) 古泉 は ハルヒ の 動向 に 注意 しろ と 言う
長門 も なんだか 知ら ない が 気 を つけろ と 言って いた
それ でも 俺 は
今 すぐ 何 か が 起きる のだろう と は 思って い なかった
もし 俺 に 予知 能力 が あって
翌日 あんな 途方 も ない 事態 が 到来 する こと が
分かって いた と したら
とても のんきに して は い られ なかった だろう が
♪~
~♪