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巨男の話 (新美南吉) The Story of a Big Man, 巨男の話 (新美南吉) 第三夜

巨男 の 話 (新美 南 吉 ) 第 三 夜

苦しい 長い 旅 の ため に 、 おお おとこ は やつれ はてて 枯木 の ように なり ました 。 しかし それ でも ゆるさ れ なかった んです 。 すぐ その 日 から 、 宮 庭 の 泉 の ほとり に 、 大理石 で 塔 を たてる こと を おおせつかり ました 。 けれど 、 心 の 美しい おお おとこ は 、 けっして なげいたり 、 悲しんだり し なかった のです よ 。 命ぜ られた 通り 、 毎日 毎夜 、 ツチ と ノミ を 持って 、 大理石 を 切り 、 それ を だんだん 積み重ねて いき ました 。 おお おとこ は 、 仕事 を して いる とき でも あの 白鳥 を 背 に とまら して い ました 。 白鳥 も おとなしく とまって い ました 。 おお おとこ は 、 ツチ を ふり ながら ちょうど 人間 に 言う ように 白鳥 に 言い ました 。

「 お前 は 、 いったい どう したら 涙 を 流す の か ? お前 は いつ 涙 を 流す の か ? お前 は 涙 を 流さ なくて は 、 いつまで たって も 、 お姫さま に は なれ ない のだ よ 、 私 は お前 が かわいそうだ 。 だから 早く 美しい 元 の お姫様 に かえって くれ 。」

そんな とき に は 、 白鳥 は 首 を たれて おお おとこ の 話 を 聞いて い ました が 、 涙 を 流した こと は あり ませ ん でした 。 おお おとこ の 仕事 は 、 どんどん 進んで いき ました 。 夜更け でも 、 積み 上げ られた 塔 の 上 から 、 ツチ の 音 が 都 の 空 に 響き ました 。 都 の 人びと は 、 寝る 前 に 、 きっと 窓 を 開けて おお おとこ の 働いて いる 塔 の 上 を 見 ました 。 そこ に は 、 星 と 同じ ような 灯 の 光 が 、 またたいて いた んです 。

三 月 も たつ と 、 おお おとこ が とって きた 大理石 は つきて しまい ました 。 塔 の 高 さ は 宮殿 の どの 建物 より も 高く なり ました 。 それ でも 、 王様 は 、 それ で 良い と は おっしゃい ませ ん でした 。 そこ で 、 おお おとこ は ふたたび 南方 へ 旅立ち ました 。 長い 鎖 を ひきずって 、 白鳥 を 連れ 、 おお おとこ は 広い 広い 砂漠 を くる 日 も くる 日 も 歩いて 行き ました 。 おお おとこ は 、 また 大きな 大理石 を 三 つ もらって 都 に 帰り ました 。 すぐ その 日 から ツチ と ノミ を とって それ を 切り はじめ ました 。

塔 は ますます 高く なり ました よ 。 空 が くもって 星 が み られ ない 夜 でも 、 おお おとこ の 灯 は たった 一 つ の 星 の ように ポツン と うかび 出て い ました 。

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巨男 の 話 (新美 南 吉 ) 第 三 夜 きょおとこ||はなし|にいみ|なん|きち|だい|みっ|よ The story of the giant (Nikichi Niimi) Third night La historia del hombre gigante (Nankichi Niimi), Noche 3 L'histoire de l'homme géant (Nankichi Niimi), Nuit 3 Het verhaal van de reusachtige man (Nankichi Niimi), nacht 3 Dev Adamın Hikayesi (Nankichi Niimi), Gece 3 巨人的故事(新见南吉)第三夜 巨人的故事(新見南吉)第三夜

苦しい 長い 旅 の ため に 、 おお おとこ は やつれ はてて 枯木 の ように なり ました 。 くるしい|ながい|たび|||||||||かれき|||| |||||||||worn out|worn out|dead tree|||| Because of the painful and long journey, the man became like a dead tree. El largo y penoso viaje había reducido al hombre a un árbol marchito. 由于长途跋涉,男子变得瘦弱如枯树。 しかし それ でも ゆるさ れ なかった んです 。 |||ゆる さ||| |||forgiveness||| But even that was not forgiven. Pero ni siquiera entonces fueron perdonados. 但即使这样也没有放弃。 すぐ その 日 から 、 宮 庭 の 泉 の ほとり に 、 大理石 で 塔 を たてる こと を おおせつかり ました 。 ||ひ||みや|にわ||いずみ||||だいりせき||とう|||||| ||||palace|||spring||by the fountain||marble||tower||build|||ordered| Immediately from that day, I was urged to build a marble tower on the banks of the fountain in the palace garden. A partir de ese día, recibió el encargo de construir una torre de mármol junto a la fuente del jardín del palacio. 从那天起,他下令在宫殿花园的喷泉旁建造一座大理石塔。 けれど 、 心 の 美しい おお おとこ は 、 けっして なげいたり 、 悲しんだり し なかった のです よ 。 |こころ||うつくしい||||||かなしんだり|||| |||||||never|did not lament|saddened or we|||| However, the man with a beautiful heart never screamed or saddened. Pero el gran hombre de hermoso corazón no estaba avergonzado ni triste. 然而,这个拥有美好心灵的男人却从未放弃,也从未感到悲伤。 命ぜ られた 通り 、 毎日 毎夜 、 ツチ と ノミ を 持って 、 大理石 を 切り 、 それ を だんだん 積み重ねて いき ました 。 めいぜ||とおり|まいにち|まいよ|つち||のみ||もって|だいりせき||きり||||つみかさねて|| |was commanded|||every night|earth||chisel|||marble||||||stacked up|| As ordered, every night, every day, with Tutsi and fleas, I cut the marble and piled it up. Tal y como se le ordenó, día tras día, noche tras noche, cortó el mármol con hacha y cincel y lo fue construyendo poco a poco. おお おとこ は 、 仕事 を して いる とき でも あの 白鳥 を 背 に とまら して い ました 。 |||しごと|||||||はくちょう||せ||||| ||||||||||||back||||| My husband had the swan on his back even when he was working. El grandullón incluso se encaramó a ese cisne a la espalda cuando estaba trabajando. 即使这个人在工作时,他也让天鹅栖息在他的背上。 白鳥 も おとなしく とまって い ました 。 はくちょう||||| ||quietly|stopped|| Incluso los cisnes se posaron tranquilamente. おお おとこ は 、 ツチ を ふり ながら ちょうど 人間 に 言う ように 白鳥 に 言い ました 。 |||つち|||||にんげん||いう||はくちょう||いい| |||earth|||||||||||| The man said to the swan, pretending to be a Tutsi, just as he said to a human. El macho gigante se hizo pasar por un oso hormiguero y se lo contó a los cisnes como se lo contaría a un humano.

「 お前 は 、 いったい どう したら 涙 を 流す の か ? おまえ|||||なみだ||ながす|| ||what on earth||||||| ¿Cómo puedes derramar lágrimas? お前 は いつ 涙 を 流す の か ? おまえ|||なみだ||ながす|| When will you shed a tear? ¿Cuándo derramarás una lágrima? 你什么时候才能流泪呢? お前 は 涙 を 流さ なくて は 、 いつまで たって も 、 お姫さま に は なれ ない のだ よ 、 私 は お前 が かわいそうだ 。 おまえ||なみだ||ながさ||||||おひめさま|||||||わたくし||おまえ|| Nunca serás una princesa sin lágrimas, lo siento por ti. だから 早く 美しい 元 の お姫様 に かえって くれ 。」 |はやく|うつくしい|もと||おひめさま||| So please return to the beautiful original princess as soon as possible. " Así que date prisa y vuelve con tu bella princesa".

そんな とき に は 、 白鳥 は 首 を たれて おお おとこ の 話 を 聞いて い ました が 、 涙 を 流した こと は あり ませ ん でした 。 ||||はくちょう||くび||||||はなし||きいて||||なみだ||ながした|||||| ||||||||lowered||||||||||||shed|||||| En esas ocasiones, el cisne agachaba la cabeza y escuchaba la historia del gran hombre, pero nunca derramaba una lágrima. おお おとこ の 仕事 は 、 どんどん 進んで いき ました 。 |||しごと|||すすんで|| Male and female work went on and on. El trabajo masculino y femenino no cesaba. 夜更け でも 、 積み 上げ られた 塔 の 上 から 、 ツチ の 音 が 都 の 空 に 響き ました 。 よふけ||つみ|あげ||とう||うえ||つち||おと||と||から||ひびき| late at night||stacked|||tower||||earth||||||||| Even late at night, the sound of tutis echoed in the city sky from the top of the stacked towers. Incluso a altas horas de la noche, el sonido de los tsutsis resonaba en el cielo de la ciudad desde lo alto de las torres apiladas. 都 の 人びと は 、 寝る 前 に 、 きっと 窓 を 開けて おお おとこ の 働いて いる 塔 の 上 を 見 ました 。 と||ひとびと||ねる|ぜん|||まど||あけて||||はたらいて||とう||うえ||み| Before going to bed, the people of the city must have opened their windows to see the tops of the towers where the males worked. Antes de acostarse, los habitantes de la ciudad debían de abrir las ventanas para ver la cima de las torres donde trabajaban los machos. そこ に は 、 星 と 同じ ような 灯 の 光 が 、 またたいて いた んです 。 |||ほし||おなじ||とう||ひかり|||| |||||||light||||twinkling|| There, the light of a lamp, like a star, was shining. Allí, las luces brillaban como estrellas.

三 月 も たつ と 、 おお おとこ が とって きた 大理石 は つきて しまい ました 。 みっ|つき|||||||||だいりせき|||| ||||||||||||used up|| In March, the marble that the man had taken was attached. Al cabo de tres meses, el mármol que había recogido el gran hombre se había secado. 塔 の 高 さ は 宮殿 の どの 建物 より も 高く なり ました 。 とう||たか|||きゅうでん|||たてもの|||たかく|| The height of the tower is higher than any other building in the palace. La torre llegó a ser más alta que cualquier otro edificio del palacio. それ でも 、 王様 は 、 それ で 良い と は おっしゃい ませ ん でした 。 ||おうさま||||よい|||||| |||||||||did not say||| But the king did not think it was a good idea. Pero al rey no le pareció una buena idea. そこ で 、 おお おとこ は ふたたび 南方 へ 旅立ち ました 。 ||||||なんぽう||たびだち| |||||once again|south||departure| There, the man left for the south again. Así que el gran hombre partió de nuevo hacia el sur. 長い 鎖 を ひきずって 、 白鳥 を 連れ 、 おお おとこ は 広い 広い 砂漠 を くる 日 も くる 日 も 歩いて 行き ました 。 ながい|くさり|||はくちょう||つれ||||ひろい|ひろい|さばく|||ひ|||ひ||あるいて|いき| |||dragging|||||||||desert|||||||||| Taking a long chain, with the swan, the man walked on a day and a day on a large and wide desert. Arrastrando una larga cadena, el lobo caminaba por el ancho desierto, día tras día, con su cisne a cuestas. おお おとこ は 、 また 大きな 大理石 を 三 つ もらって 都 に 帰り ました 。 ||||おおきな|だいりせき||みっ|||と||かえり| |||||marble|||||||| El gran hombre regresó a la capital con otras tres grandes canicas. すぐ その 日 から ツチ と ノミ を とって それ を 切り はじめ ました 。 ||ひ||つち||のみ|||||きり||

塔 は ますます 高く なり ました よ 。 とう|||たかく||| ||more and more|||| Las torres son cada vez más altas. 空 が くもって 星 が み られ ない 夜 でも 、 おお おとこ の 灯 は たった 一 つ の 星 の ように ポツン と うかび 出て い ました 。 から|||ほし|||||よ|||||あかり|||ひと|||ほし|||ぽつん|||でて|| ||cloudy||||||||||||||||||||lonely||glowing||| Even at night when the sky was cloudy and no stars could be seen, the light of the man was popping out like a single star. Incluso en las noches en que el cielo estaba oscuro y no se veían estrellas, la luz del lobo brillaba como una única estrella.