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Fairy Tales, 和尚の失敗

和尚の失敗

和尚 の 失敗

むかし むかし 、 ある お 寺 に 、 和尚 ( おしょう ) さんと 二 人 の 小僧 が い ました 。 ある 冬 の 晩 の 事 。 和尚 さん が 『 でんがく どう ふ ( とうふ を 長方形 に 切って 串 に 刺し 、 味噌 を 塗って 火 に あぶった 料理 )』 を 二十 串 、 いろり に グルリ と 並べて 刺し ました 。 「 おおっ 、 良い 香り じゃ 。 さあ 、 焼けて きた ぞ 」 とうふ に 塗り つけた 味噌 が こんがり と 焼けて 、 たまら なく いい 匂い です 。 すると そこ へ 、 匂い を かぎつけた 二 人 の 小僧 が やって 来 ました 。 和尚 さん は 、『 でんがく どう ふ 』 を 一 人 で 全部 食べる つもりでした が 、 二 人 の 小僧 に しっかり と 見 られて しまった から に 、 今さら 隠す わけに は いきま せ ん 。 そこ で 和尚 さん は 、 こう 言い ました 。 「 ちょうど 、 良い ところ に 来た な 。 お前 たち に も 分けて やる が 、 ただ 分けて やった ので は つまら ん 。 そこ で 串 の 数 を よみ 込んだ 歌 を 作り 合って 、 その 数 だけ 食べる 事 に しよう 。 では 、 わし から 始める ぞ 。 『 小僧 二 人 、 にくし ( 二 串 )』」 和尚 さん は ニヤリ と 笑う と 、『 でんがく どう ふ 』 を ふた 串 取って 食べ ました 。 歌 の 意味 は 、『 小僧 が 来 なかったら 一 人 で 全部 食べ られた のに 、 二 人 の 小僧 が 憎い 』 と いう 意味 です 。 「 お前 たち に は 、 こんな 歌 は よ めまい 」 ところが 、 年下 の 小僧 が 、 「 それ は どう でしょう 。 『 お しゃか さま の 前 の 、 やくし ( 八 串 ) さま 』」 と 、 見事な 歌 を うたって 、『 でんがく どう ふ 』 を 八 串 も せ しめた のです 。 歌 の 意味 は 、 病気 を 治す 神さま の 薬師如来 ( やくし にょらい ) の やくし と 、 八 串 を ひっかけた のです 。 「 何と 、 なかなか やり おる わ 」 あて が はずれた 和尚 さん は 、 しぶい 顔 を し ました 。 でも 、 まだ 十 串 も 残って い ます 。 まさか 、 これ を 全部 取ら れる 事 は ある まい と 、 和尚 さん は 安心 して 年上 の 小僧 に 歌 を よま せ ました 。 すると 年上 の 小僧 は 、 「『 小僧 よければ 、 和尚 と くし ( 十 串 )』 で 、 十 串 いただき ます 」 と 、 残り の 十 串 を 全部 取って しまった のです 。 ちなみに 歌 の 意味 は 、『 出来 の 良い 小僧 が いれば 、 和尚 さん は 得 を する 』 と いう もの です 。 こうして ほとんど の 『 でんがく どう ふ 』 を 取ら れた 和尚 さん は 、 もう 二度と 歌 よ み 勝負 を し なかった そうです 。

おしまい


和尚の失敗 おしょう の しっぱい

和尚 の 失敗 おしょう||しっぱい

むかし むかし 、 ある お 寺 に 、 和尚 ( おしょう ) さんと 二 人 の 小僧 が い ました 。 ||||てら||おしょう|||ふた|じん||こぞう||| ある 冬 の 晩 の 事 。 |ふゆ||ばん||こと 和尚 さん が 『 でんがく どう ふ ( とうふ を 長方形 に 切って 串 に 刺し 、 味噌 を 塗って 火 に あぶった 料理 )』 を 二十 串 、 いろり に グルリ と 並べて 刺し ました 。 おしょう||||||||ちょうほうけい||きって|くし||さし|みそ||ぬって|ひ|||りょうり||にじゅう|くし|||ぐるり||ならべて|さし| 「 おおっ 、 良い 香り じゃ 。 おお っ|よい|かおり| さあ 、 焼けて きた ぞ 」   とうふ に 塗り つけた 味噌 が こんがり と 焼けて 、 たまら なく いい 匂い です 。 |やけて|||||ぬり||みそ||||やけて||||におい| すると そこ へ 、 匂い を かぎつけた 二 人 の 小僧 が やって 来 ました 。 |||におい|||ふた|じん||こぞう|||らい| 和尚 さん は 、『 でんがく どう ふ 』 を 一 人 で 全部 食べる つもりでした が 、 二 人 の 小僧 に しっかり と 見 られて しまった から に 、 今さら 隠す わけに は いきま せ ん 。 おしょう|||||||ひと|じん||ぜんぶ|たべる|||ふた|じん||こぞう||||み|||||いまさら|かくす||||| そこ で 和尚 さん は 、 こう 言い ました 。 ||おしょう||||いい| 「 ちょうど 、 良い ところ に 来た な 。 |よい|||きた| お前 たち に も 分けて やる が 、 ただ 分けて やった ので は つまら ん 。 おまえ||||わけて||||わけて||||| そこ で 串 の 数 を よみ 込んだ 歌 を 作り 合って 、 その 数 だけ 食べる 事 に しよう 。 ||くし||すう|||こんだ|うた||つくり|あって||すう||たべる|こと|| では 、 わし から 始める ぞ 。 |||はじめる| 『 小僧 二 人 、 にくし ( 二 串 )』」   和尚 さん は ニヤリ と 笑う と 、『 でんがく どう ふ 』 を ふた 串 取って 食べ ました 。 こぞう|ふた|じん||ふた|くし|おしょう|||||わらう|||||||くし|とって|たべ| 歌 の 意味 は 、『 小僧 が 来 なかったら 一 人 で 全部 食べ られた のに 、 二 人 の 小僧 が 憎い 』 と いう 意味 です 。 うた||いみ||こぞう||らい||ひと|じん||ぜんぶ|たべ|||ふた|じん||こぞう||にくい|||いみ| 「 お前 たち に は 、 こんな 歌 は よ めまい 」   ところが 、 年下 の 小僧 が 、 「 それ は どう でしょう 。 おまえ|||||うた|||||としした||こぞう||||| 『 お しゃか さま の 前 の 、 やくし ( 八 串 ) さま 』」 と 、 見事な 歌 を うたって 、『 でんがく どう ふ 』 を 八 串 も せ しめた のです 。 ||||ぜん|||やっ|くし|||みごとな|うた|||||||やっ|くし|||| 歌 の 意味 は 、 病気 を 治す 神さま の 薬師如来 ( やくし にょらい ) の やくし と 、 八 串 を ひっかけた のです 。 うた||いみ||びょうき||なおす|かみさま||やくしにょらい||||||やっ|くし||| 「 何と 、 なかなか やり おる わ 」   あて が はずれた 和尚 さん は 、 しぶい 顔 を し ました 。 なんと||||||||おしょう||||かお||| でも 、 まだ 十 串 も 残って い ます 。 ||じゅう|くし||のこって|| まさか 、 これ を 全部 取ら れる 事 は ある まい と 、 和尚 さん は 安心 して 年上 の 小僧 に 歌 を よま せ ました 。 |||ぜんぶ|とら||こと|||||おしょう|||あんしん||としうえ||こぞう||うた|||| すると 年上 の 小僧 は 、 「『 小僧 よければ 、 和尚 と くし ( 十 串 )』 で 、 十 串 いただき ます 」 と 、 残り の 十 串 を 全部 取って しまった のです 。 |としうえ||こぞう||こぞう||おしょう|||じゅう|くし||じゅう|くし||||のこり||じゅう|くし||ぜんぶ|とって|| ちなみに 歌 の 意味 は 、『 出来 の 良い 小僧 が いれば 、 和尚 さん は 得 を する 』 と いう もの です 。 |うた||いみ||でき||よい|こぞう|||おしょう|||とく|||||| こうして ほとんど の 『 でんがく どう ふ 』 を 取ら れた 和尚 さん は 、 もう 二度と 歌 よ み 勝負 を し なかった そうです 。 |||||||とら||おしょう||||にどと|うた|||しょうぶ||||そう です

おしまい