石 の いも
いし||
Stein
stone potato
石土豆
石材
石土豆
むかし むかし 、 ある 村 に 、 空海 と いう 名 の お 坊さん が やってき ました 。
|||むら||から うみ|||な|||ぼうさん|||
Once upon a time, in a village, there came a monk named Kukai.
お 坊さん は 、 朝 から 何も 食べ ず に 、 山 を こえて 谷 を 渡り 、 やっと この 村 に たどりついた のです 。
|ぼうさん||あさ||なにも|たべ|||やま|||たに||わたり|||むら|||
The monk had gone all morning without food, crossing the mountains and valleys to finally arrive in this village.
「 ああ 、 腹 が へった 。 目 が 回り そうじゃ 」
|はら|||め||まわり|そう じゃ
"Oh, I'm so hungry. I'm going to get dizzy."
“哦,我饿了。我的眼睛在旋转。”
すると 向こう から 、 一 人 の 女 の 人 が 歩いて き ました 。
|むこう||ひと|じん||おんな||じん||あるいて||
Then, from the other side, a woman walked up to me.
女 の 人 は 、 畑 から 帰って きた ところ でした 。
おんな||じん||はたけ||かえって|||
The woman had just returned from the fields.
那个女人刚从地里回来。
手 に ザル を かかえ 、 その 中 に は おいし そうな イモ が 、 いっぱい 入って い ました 。
て||ざる||||なか||||そう な|いも|||はいって||
He was holding a colander in his hand, which was filled with delicious looking potatoes.
我手里拿着一个漏勺,里面装满了看起来很美味的土豆。
それ を 見て 、 お 坊さん は 思わず 声 を かけ ました 。
||みて||ぼうさん||おもわず|こえ|||
Seeing this, the monk couldn't help but make a comment.
「 お 願い じゃ 、 その ザル の 中 の イモ を 一 つ で いい 、 わし に くださ れ 」
|ねがい|||ざる||なか||いも||ひと|||||||
"Please, just give me one potato in that colander."
女 の 人 は 、 ジロリ と お 坊さん を 見 ました 。
おんな||じん|||||ぼうさん||み|
The woman looked at the monk.
( ふん 。 なんて 汚い 坊主 だろう )
||きたない|ぼうず|
( Hmph. What a dirty boy.)
この 女 の 人 は 、 みすぼらしい お 坊さん に イモ を あげる の が いやだった ので 、 「 それ は 残念 。この お イモ は 、 食べ られ ませ ん よ 」 と 、 言い ました 。
|おんな||じん||||ぼうさん||いも|||||||||ざんねん|||いも||たべ||||||いい|
The woman did not want to give the potatoes to the miserable monk, so she said, "That's too bad. You can't eat these potatoes," she said.
「 えっ 、 どうして ?」
"What? Why?"
「 これ は 、 お イモ そっくり の 石 な んです 」
|||いも|||いし||
This is a stone that looks just like a potato.
「 石 です か 。 それ は 仕方 が ない 」
いし|||||しかた||
"A stone? That can't be helped.
お 坊さん は 頭 を 下げる と 、 また 、 トボトボ と 道 を 歩いて いき ました 。
|ぼうさん||あたま||さげる|||とぼとぼ||どう||あるいて||
The monk bowed his head and walked slowly down the street.
「 う ふ ふ 。 うまく いった わ 。
"Mmm-hmm. It went well.
だれ が 、 大事な お イモ を あげる もん です か 」
||だいじな||いも|||||
Who gives away your precious potatoes?
次の 年 の 秋 に なり ました 。
つぎの|とし||あき|||
The following fall, the next year, the first of the year was upon us.
「 今年 も 、 おいしい お イモ が たくさん 取れ ます ように 」 あの 女 の 人 は 大きな ザル を かかえて 、 自分 の 畑 に 行き ました 。
ことし||||いも|||とれ||よう に||おんな||じん||おおきな|ざる|||じぶん||はたけ||いき|
"I hope we will be able to harvest many delicious potatoes again this year." The woman went to her field carrying a large colander.
さっそく 畑 の 土 を ほり 返して み ます と 、 去年 より も 大きな イモ が どんどん と 出て き ます 。
|はたけ||つち|||かえして||||きょねん|||おおきな|いも||||でて||
We immediately start dusting the soil in the field, and we find that the potatoes are bigger and bigger than last year's.
「 今年 は 豊作 だ わ 。 それ に 、 ズッシリ と 重くて 、 よく 実 が つまって いる 。
ことし||ほうさく|||||ずっしり||おもくて||み|||
"Wir haben dieses Jahr eine gute Ernte. Und die Früchte sind schwer und gut verpackt.
This year we have a good harvest. And they are heavy and well packed.
・・・ しかし 、 本当に 重たい わ ね 。
|ほんとうに|おもたい||
... But it's really heavy.
まるで 石 みたい 。・・・ あれ 、 これ は !」
|いし||||
It's like a stone. That... That...!
イモ だ と 思って いた の は 、 イモ そっくり の 石 だった のです 。
いも|||おもって||||いも|||いし||の です
What I thought was a potato turned out to be a stone that looked just like a potato.
「 あら 、 これ も 、 これ も 、 これ も 、 ぜんぶ 石 だ わ !」
||||||||いし||
"Oh, these, these, these, these are all stones!
女 の 人 の 畑 の イモ は 、 全て イモ に そっくりな 石 だった のです 。
おんな||じん||はたけ||いも||すべて|いも|||いし||の です
All the potatoes in the woman's field were stones that looked just like potatoes.
その とき 、 女 の 人 は 去年 の 今ごろ 、 お 坊さん に うそ を ついた こと を 思い出し ました 。
||おんな||じん||きょねん||いまごろ||ぼうさん|||||||おもいだし|
Then the woman remembered that this time last year she had lied to the priest.
「 ああ 、 あの とき 、 わたし が うそ を ついた から 、 神さま が 天罰 を あたえた んだ わ 」
|||||||||かみさま||てんばつ||||
"Oh, God punished me because I lied that time.
女 の 人 は 反省 して 、 それ から は 貧しい 人 に ほどこし を する 、 心 やさしい 人 に なり ました 。
おんな||じん||はんせい|||||まずしい|じん|||||こころ||じん|||
The woman reflected on her actions, and from then on she became a kind-hearted person who provided for the poor.