小槌(こづち)の 柄(え)
こづち|||え|
|small mallet|||
The handle of a small hammer
小槌 ( こづち ) の 柄 ( え )
こづち|||え|
Handle of a small hammer ( kozuchi )
むかし むかし 、 大分 の ある 田舎 に 、 仕事 も し ないで 遊んで ばかり いる 男 が い ました 。
||だいぶ|||いなか||しごと||||あそんで|||おとこ|||
|||||countryside||||||||||||
Once upon a time, in a rural area of Oita, there was a man who did nothing but play.
ある 日 の 事 、 男 が 木陰 で 寝て いる と 、 働き者 の アリ が やってきて 言い ました 。
|ひ||こと|おとこ||こかげ||ねて|||はたらきもの||あり|||いい|
||||||under the tree|||||||ant||||
One day, while the man was sleeping in the shade of a tree, a hardworking ant came by and said.
「 お前 、 そうして 寝て いて も 、 食べる 物 は 集まら ん じゃ ろう 。
おまえ||ねて|||たべる|ぶつ||あつまら|||
"Even if you sleep like that, food won't gather, you know."
早く 起きて 働け 」 すると 男 は 、 「 ばか 言え 、 こんなに 暑い のに 、 働く なんて ごめんじゃ 」 男 が そう 言う と 、 アリ は しばらく 考えて から 、 こう 言い ました 。
はやく|おきて|はたらけ||おとこ|||いえ||あつい||はたらく||ごめん じゃ|おとこ|||いう||あり|||かんがえて|||いい|
||work|||||||||||||||||ant||for a while|||||
"Wake up and work quickly," said the ant. The man replied, "Don't be ridiculous, it's so hot that I can't possibly work." After thinking for a while, the ant said this.
「 そん なら 、 ええ こと を 教えて やろう 。
|||||おしえて|
then||||||
Well then, let me tell you something good.
この 山奥 の お 宮 さん に 、 大黒 さん が いる 。
|やまおく|||みや|||おおくろ|||
|||||||Daikoku|||
In this mountain shrine, there is Daikoku.
その 大黒 さん は 、 振れば 何でも 欲しい 物 が 出る 打 出 ( うち で ) の 小槌 ( こづち ) と いう 物 を 持って おる から 、 それ を 借りて 来たら どう じゃ 。
|おおくろ|||ふれば|なんでも|ほしい|ぶつ||でる|だ|だ||||こづち||||ぶつ||もって|||||かりて|きたら||
||||if shaken|||||||||||||||||||||||||
That Daikoku possesses a mallet called 'uchide no kozuchi' which brings forth anything you desire when you shake it, so why not borrow that?
そう すれば 、 働か ん で 食える ぞ 」 「 おおっ 、 振る だけ で 何でも か !
||はたらか|||くえる||おお っ|ふる|||なんでも|
If you do that, you can live without working!" "Oh, just by shaking it, anything goes!"
そいつ は ありがたい 」 男 は 起き上がる と 、 喜んで 大黒 さん の ところ へ 行き ました 。
そい つ|||おとこ||おきあがる||よろこんで|おおくろ|||||いき|
That's very kind of you." The man got up and happily went to Daikoku-san.
そして 、 「 大黒 さん 、 大黒 さん 、 打出 の 小槌 と やら を わし に 貸して くれ ん か 。
|おおくろ||おおくろ||うちで||こづち||||||かして|||
|||||bamboo drum|||||||||||
And he said, "Daikoku-san, Daikoku-san, could you lend me that mallet called the 'Uchide no Kozuchi'?
それ で 食い物 を 出そう と 思う んじゃ 」 と 、 頼み ました 。
||くいもの||だそう||おもう|||たのみ|
||food||||||||
I thought I would try to offer food, so I asked.
する と 大黒 さん は 、 「 貸して やって も ええ が 、 あいにく 小槌 の 柄 が 折れ と って のう 。
||おおくろ|||かして||||||こづち||え||おれ|||
|||||||||||||||broken|||
Then, Mr. Daikoku said, 'I can lend it to you, but unfortunately the handle of the mallet is broken.'
その 柄 は 普通の 物 で は 役 に 立た ん 。
|え||ふつうの|ぶつ|||やく||たた|
That handle isn't useful for ordinary things.
握る ところ が くぼんで 黒 光 りする ような 、 使い 込んだ クワ の 柄 で なければ なら ん のじゃ 」 と 、 言う のです 。
にぎる||||くろ|ひかり|||つかい|こんだ|くわ||え|||||||いう|
||||||shining||||||||||||||
He says, "It should have a hollowed-out, shiny black handle.
男 は それ を 聞く と 、 その 日 から 毎日 毎日 クワ を 握って 、 「 まだ 、 くぼま ん か 。
おとこ||||きく|||ひ||まいにち|まいにち|くわ||にぎって||||
|||||||||||hoe||held||||
When the man heard this, he gripped the pickaxe every day from that day onward and said, "Still a kuboman?
まだ 、 くぼま ん か 」 と 、 言い ながら 、 畑 仕事 を 始めた のです 。
|||||いい||はたけ|しごと||はじめた|
|not yet||||||||||
Still, Kuboman? He began to work in the fields, saying, "I'm not a farmer, I'm a farmer.
こうして 一 年 たち 、 二 年 たち と 、 何 年 も まじめに 働いて いる うち に 、 食べ物 が だんだん と 家 に たまって きた のです 。
|ひと|とし||ふた|とし|||なん|とし|||はたらいて||||たべもの||||いえ||||
Thus, after one year, two years, and many years of working seriously, food gradually accumulated in the house.
ある 日 の こと 、 大黒 さん が 山 から おりて きて 、 「 くぼんで 黒 光 りする 柄 は 、 まだ 出来 ん の か ?
|ひ|||おおくろ|||やま|||||くろ|ひかり||え|||でき|||
One day, Daikoku came down from the mountain and said, "Is the concave black gleaming handle not ready yet?"
出来たら すぐ に 、 打ち出 の 小槌 を 貸して やる ぞ 」 と 、 言い ました 。
できたら|||うちだ||こづち||かして||||いい|
|||||||||||said|
He said, "As soon as it is ready, I will lend you the hammer of fortune."
すると 男 は 、 「 ああ 、 大黒 さん 。
|おとこ|||おおくろ|
Then the man said, 'Ah, Daikoku-san.'
柄 は まだ 出来 ん が 、 まじめに 働いた おかげ で 、 家 に は こんなに 食べ物 が たまった 。
え|||でき||||はたらいた|||いえ||||たべもの||
Although I still haven't finished my work, thanks to working seriously, we have accumulated this much food at home.
それ に 、 働く の が 楽しく なった 。
||はたらく|||たのしく|
Moreover, I have started to enjoy working.
だから もう 、 小槌 は いら ん ように なった 」 と 、 言い ました 。
||こづち|||||||いい|
"So, I said, 'I no longer need the mallet.'"
すると それ を 聞いた 大黒 さん は 、 にっこり 笑って 、 「 そう か 。
|||きいた|おおくろ||||わらって||
|||||||smiled brightly|||
Then, when Mr. Daikoku heard that, he smiled brightly and said, 'I see.'
それ は めでたい 。
That's quite a happy occasion.
どうやら お前 の 心 に 、 立派な 打ち出 の 小槌 が 出来た ようだ な 。
|おまえ||こころ||りっぱな|うちだ||こづち||できた||
It seems that a splendid mallet has been created in your heart.
これ から も まじめに クワ を 振れば 、 欲しい 物 は 何でも 出て くる ように なる ぞ 」 と 、 言って 、 山 に 帰って 行った そうです 。
||||くわ||ふれば|ほしい|ぶつ||なんでも|でて||||||いって|やま||かえって|おこなった|そう です
If you keep swinging the hoe diligently from now on, anything you want will come out," it is said he said, and then he returned to the mountain.
おしまい
The end.