Kazari to Youko Chapter 2.1
カザリ と ヨーコ 第二章
掃除 の 時間 、 クラスメイト に 話しかけられた 。
クラスメイト と 会話 を する の は 実 に 三日 と 六時間 ぶり だった 。
ちなみ に 三日 前 に かわした 会話 は 、 『 エンドウサン 、 消し ゴム かして 』『。。。あ 、 ごめん 、 持って ない の 』『 ちっ 』 と いう たった それ だけ だった 。
しかし 今日 の 会話 は もっと 長かった 。
『 エンド ウヨコさん 、 あなたって 一組 の エンドウ カザリさん の 偽者 の 方 よね ?
どうしても 姉妹 に は 見えない わ よ 』
ほうき を 持った その クラスメイト の 女子 は そう 話しかけて きた 。
まわり に いた 他 の 女の子 が 一斉 に 笑った 。
彼女 の 言った こと に は 自覚 が あった ので 不思議 と 怒り を 感じ なかった が まわり の 子 が 笑った こと に ついて は 嫌な 感じ が した 。
『 だめ よ 、 エンドウさん が 傷つく じゃない よ 』
『 ごめんなさい 悪 気 は ない の よ 』
『 うん 、 分かってる 。』
私 は そう 言った が ひさびさに 声 を 出した ため 声 が 裏返って しまった 。
ほうき で 床 を 掃きながら 早く みんな どこ か へ 行って くれない かなあ と 思って いた 。
みんな 教室 の 掃除 当番 だった が 掃除 する の は いつも 私 だけ だった 。
『 ね エンドウさん 、 あなた 今日 、 保健室 へ 行った でしょう 。
また あざ を 作った の ? あなた 体中 あざ だらけ なん でしょう ?私 、 知って いる よ 。
体育 の 水泳 で 水着 に 着替える 時 に 見た もの 。
でも みんな 信じて くれない の 。
だから ここ で 福 脱いで 見せて 。 』
私 が 黙って 困って いる と 教室 の 扉 が 開いて 担任 の 先生 が 入って きた 。
私 に 話し かけて いた クラスメイト は さっと 散らばって 掃除 する ふり を 始めた 。
助かった と 思い 私 は 安堵 した 。
学校 の 帰り道 、 公園 の ベンチ に 座って クラスメイト達 の 笑い声 を 思い出して いた 。
人 の こと を 勝手に 傷つく だ と か 言う なっ 、 と 後 から 考える と 何と はなし に むかついた 。
私 は みんな に 馬鹿に されて いる んだ と あらためて 感じ だ 。
どう したら カザリ の ように みんな と 話 が できる のだろう 。
私 も みんな と 同じ ように 掃除 を さ ぼ って 丸めた プリント ほうき で アイスホッケー の 真似事 を し たかった 。
気付く と そば に 犬 が いた 。
首輪 が して あった ので 、 公園 の どこ か に 飼い主 が いて しっかり 犬 の こと を 見て いる のだろう と 最初 の うち は 思って いた 。
さては そう で ない と 感じた の は 五分 ほど 経って から だった 。
その 犬 が 私 の クツ の に おい を クンクン 嗅ぎ 始めた ので ためしに 一回背中 を なでて みた 。
犬 は 怖がらず 人 に なれて いる よう だった 。
メス の テリア である こと に 気づき 、 ひょっとすると この 犬 の 名前 は アソ かも しれ ない と 今朝 の チラシ を 思い出した 。
犬 を 抱いて チラシ に あった スズキさん の 住所 へ 行って みる と そこ は 小さな 一戸建て だった 。
七 時 を 回って いて 外 は 夕焼け で 赤かった 。