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江戸小話, 水、お望み次第

水 、お 望み 次第

水 、 お 望み 次第

江戸 時代 に は 、 色々 と 変わった 商売 が あり ました が 、 そんな 江戸 の 人 たち も 首 を 傾げる 様 な 看板 が 、 ある 店 に かけて あり ました 。 《 水 、 お 望み 次第 》 それ を 見た 一 人 の 男 が 、 店 の 中 に 入って いき ました 。 「 ご 亭主 、『 水 お 望み 次第 』 と ある が 、 それ は どう 言う 意味 だ ? 」 「 はい 。 甘い 水 でも 、 辛い 水 でも 、 お 客 さま の ご 注文 の 水 を 、 何でも ご 用意 いたし ます 」 「 何でも ? 本当に 何でも 出来る の か ? 」 「 はい 。 さ ようで 」 する と 男 は 、 意地悪 そうに 言い ました 。 「 では 、 丸い 水 が 欲しい 。 丸い 水 を 持ってきて くれ 」 「 はい 、 すぐに 」 やがて 亭主 は 、 きれいな 茶わん に 、 水 を いっぱい くん で 持って 来 ました 。 「 これ 亭主 、 これ が 丸い 水 か ? 」 「 はい 」 「 これ の どこ が 、 丸い のだ ? 」 「 はい 、 澄 ( す ) みきって おり ます 」 「 何 、 何 じゃ と ? 」 「 澄みきった 水 。 すなわち 、 すみ を 切った 、 丸い 水 で ございます 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


水 、お 望み 次第 すい||のぞみ|しだい

水 、 お 望み 次第 すい||のぞみ|しだい

江戸 時代 に は 、 色々 と 変わった 商売 が あり ました が 、 そんな 江戸 の 人 たち も 首 を 傾げる 様 な 看板 が 、 ある 店 に かけて あり ました 。 えど|じだい|||いろいろ||かわった|しょうばい||||||えど||じん|||くび||かしげる|さま||かんばん|||てん|||| 《 水 、 お 望み 次第 》   それ を 見た 一 人 の 男 が 、 店 の 中 に 入って いき ました 。 すい||のぞみ|しだい|||みた|ひと|じん||おとこ||てん||なか||はいって|| 「 ご 亭主 、『 水 お 望み 次第 』 と ある が 、 それ は どう 言う 意味 だ ? |ていしゅ|すい||のぞみ|しだい|||||||いう|いみ| 」 「 はい 。 甘い 水 でも 、 辛い 水 でも 、 お 客 さま の ご 注文 の 水 を 、 何でも ご 用意 いたし ます 」 「 何でも ? あまい|すい||からい|すい|||きゃく||||ちゅうもん||すい||なんでも||ようい|||なんでも 本当に 何でも 出来る の か ? ほんとうに|なんでも|できる|| 」 「 はい 。 さ ようで 」   する と 男 は 、 意地悪 そうに 言い ました 。 ||||おとこ||いじわる|そう に|いい| 「 では 、 丸い 水 が 欲しい 。 |まるい|すい||ほしい 丸い 水 を 持ってきて くれ 」 「 はい 、 すぐに 」   やがて 亭主 は 、 きれいな 茶わん に 、 水 を いっぱい くん で 持って 来 ました 。 まるい|すい||もってきて|||||ていしゅ|||ちゃわん||すい|||||もって|らい| 「 これ 亭主 、 これ が 丸い 水 か ? |ていしゅ|||まるい|すい| 」 「 はい 」 「 これ の どこ が 、 丸い のだ ? |||||まるい| 」 「 はい 、 澄 ( す ) みきって おり ます 」 「 何 、 何 じゃ と ? |きよし|||||なん|なん|| 」 「 澄みきった 水 。 すみきった|すい すなわち 、 すみ を 切った 、 丸い 水 で ございます 」 |||きった|まるい|すい||

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )