Demi -chan wa Kataritai (Interviews With Monster Girls ) Episode 5 demi|||kataritai|interviews|with|monster|girls|episode Demi-chan wa Kataritai (Interviews With Monster Girls) Episode 5

（ 雪 ( ゆき ) ） あっ ゆき||

♪～

～♪

（ 雪 ） 高校 で は 自分 が 雪 女 で ある こと を 隠 そ う と 思って まし た ゆき|こうこう|||じぶん||ゆき|おんな|||||かく||||おもって||

（ シャッター 音 ） しゃったー|おと

（ 雪 ） デミ で ある こと を 周知 さ れ なけ れ ば ゆき||||||しゅうち|||||

物珍し さ で 近づ い て くる 人 も い ない だ ろ う と ものめずらし|||ちかづ||||じん|||||||

人 と 接触 し なけ れ ば 私 の 体質 で 危害 が 及ぶ こと も ない だ ろ う と じん||せっしょく|||||わたくし||たいしつ||きがい||およぶ|||||||

ですが …

（ 佐竹 ( さた け ) ） お っ ？ （ 太田 ( おお た ) ） ん ？ さたけ|||||おおた|||

（ 雪 ） 体育 の 授業 中 暑 さ に やら れ て 体調 を 崩し て ゆき|たいいく||じゅぎょう|なか|あつ||||||たいちょう||くずし|

体 に 触れ られ そう に なって 思わ ず … からだ||ふれ|||||おもわ|

私 雪 女 だ から ！ わたくし|ゆき|おんな||

（ 佐竹 ） えっ ？ さたけ|

冷やせ ば 大丈夫 だ から ひやせ||だいじょうぶ||

（ 雪 ） 結局 その あと 倒れ て しまって 担架 で 運ば れ て … ゆき|けっきょく|||たおれ|||たんか||はこば||

（ 高橋 ( たか は し ) ） お前 が 雪 女 で ある こと は ずっと 隠し て き た の か ？ たかはし||||おまえ||ゆき|おんな||||||かくし|||||

（ 雪 ） いえ これ まで は 全く ゆき|||||まったく

高校 に 上がる まで は 雪 の 多い 田舎 町 に 住 ん で い た ん です こうこう||あがる|||ゆき||おおい|いなか|まち||じゅう||||||

その とき は 全然 隠し て い ませ ん で し た |||ぜんぜん|かくし|||||||

体温 が 低い の と たいおん||ひくい||

たまに 体 から ちょっと 冷気 や 氷 の 涙 が 出る くらい で |からだ|||れいき||こおり||なみだ||でる||

人 に 影響 を 与える ほど で は ない 些細 ( ささい ) な もの だ と 思って た ん です じん||えいきょう||あたえる|||||ささい||||||おもって|||

だから 自分 の 雪 女 の 体質 に |じぶん||ゆき|おんな||たいしつ|

疑問 を 持った こと は あり ませ ん で し た ぎもん||もった||||||||

つまり こっち に 越し て から 高校 入学 まで に 何 か あった と |||こし|||こうこう|にゅうがく|||なん|||

そういう こと です

引っ越し て すぐ の こと だった の です が ひっこし||||||||

その とき の 私 は すごく 気 が 滅 入 ( めい ) って い まし た |||わたくし|||き||めつ|はい|||||

新しい 環境 で の 生活 を 思う と 不安 で いっぱい で あたらしい|かんきょう|||せいかつ||おもう||ふあん|||

中学校 まで の 友達 と は 離れ離れ に なって しまった し ちゅうがっこう|||ともだち|||はなればなれ||||

ずっと 田舎 暮らし だった ので |いなか|くらし|| I've lived in the country all my life.

都会 で うまく やって いける か 自信 も なく て 怖く て とかい||||||じしん||||こわく|

いっそ おとぎ話 の よう に |おとぎばなし|||

湯 に 溶け て 消え て しまえ たら 楽 な の に ゆ||とけ||きえ||||がく|||

そんな こと を 考え て い た とき ふと 違和感 を 覚え て … |||かんがえ||||||いわかん||おぼえ|

湯船 に 氷 が ？ ゆぶね||こおり|

ぞっと し まし た

氷 は すぐに 溶け まし た が こおり|||とけ|||

私 が お 湯 を 凍ら せる ほど の 冷気 を 発 し た の だ と し たら わたくし|||ゆ||こおら||||れいき||はつ|||||||

それ は とても 恐ろしい こと だ と |||おそろしい|||

冷気 の 矛先 が 人 に 向かった 場合 どう なって しまう の か と れいき||ほこさき||じん||むかった|ばあい||||||

あれこれ 悩 ん でる うち に 高校 生活 が 始まって |なや|||||こうこう|せいかつ||はじまって

人 と 接触 し なけ れ ば 大丈夫 だ ろ う と じん||せっしょく|||||だいじょうぶ||||

（ 高橋 ） それ で 避ける よう に なった って わけ か たかはし|||さける||||||

怖い ん です こわい||

結局 自分 が どれ くらい 危険 な の か 分から ない けっきょく|じぶん||||きけん||||わから|

それ が 分かって 人 に 伝え られ れ ば ||わかって|じん||つたえ|||

胸 を 張って 私 は 雪 女 だ と 言え る の に むね||はって|わたくし||ゆき|おんな|||いえ|||

う ～ ん 冷気 が 湯 を … ||れいき||ゆ|

日下部 ( くさ かべ ) は ふだん どう やって 風呂 に 入る ん だ ？ くさかべ|||||||ふろ||はいる||

えっ ？

（ 高橋 ） ああ いや 風呂 の 温度 と か 家族 と 一緒 な の か なって たかはし|||ふろ||おんど|||かぞく||いっしょ||||

（ 雪 ） 同じ です 40 度 くらい です か ね ゆき|おなじ||たび||||

ただ 私 は 入浴 時間 が 短い と は よく 言わ れ ます けど |わたくし||にゅうよく|じかん||みじかい||||いわ|||

それ で その とき は ？

いつも 以上 に 湯 が 冷め て いたり と か … |いじょう||ゆ||さめ||||

いえ そんな こと は なかった か と

そう か 氷 の 涙 が 出る と 言って い た が … ||こおり||なみだ||でる||いって|||

（ 雪 ） 別に 泣 い て い た わけ で は ゆき|べつに|なき|||||||

それ に 氷 の 粒 は いつの間にか 浮か ん で い て ||こおり||つぶ||いつのまにか|うか||||

（ 高橋 ） そう か たかはし||

ああ 汗 は どう だ ？ 入浴 時 に かい た 汗 が 凍った と か |あせ||||にゅうよく|じ||||あせ||こおった||

実は 私 汗 は ほとんど かか ない ん です じつは|わたくし|あせ||||||

と いう より も かけ ない と いう ほう が 正しい です ね ||||||||||ただしい||

人 より 汗 を かく の が 下手 で …\ N 汗腺 って いう ん です か ？ じん||あせ|||||へた||n|かんせん|||||

ああ 汗 を 分泌 する 器官 の こと だ な |あせ||ぶんぴつ||きかん||||

（ 雪 ） それ が すごく 少ない そう です ゆき||||すくない||

なるほど

全く かか ない と いう わけ で は ない の です が まったく|||||||||||

（ 高橋 ） その 汗 が 凍った と いう 可能 性 は ？ たかはし||あせ||こおった|||かのう|せい|

汗 が 凍った こと は 今 まで 一 度 も ない ん です あせ||こおった|||いま||ひと|たび||||

あの とき だけ 凍った と いう の は 変 か な って |||こおった|||||へん|||

そう だ な

涙 は いつ だって 凍る のに なみだ||||こおる|

（ チャイム ） あっ ちゃいむ|

すみません お 昼 休み を こんな 話 で ||ひる|やすみ|||はなし|

あ … 先生 ？ |せんせい

えっ ？ あっ ああ

呼びつけ て 悪かった な 教室 戻って いい ぞ よびつけ||わるかった||きょうしつ|もどって||

失礼 し まし た しつれい|||

（ 高橋 ） ああ 日下部 （ 雪 ） はい たかはし||くさかべ|ゆき|

もし よかったら な ん だ が また 放課後 来 て もらえ る か ？ |||||||ほうかご|らい||||

はい

（ 町 ( まち ) ） あっ 日下部 さん ！ まち|||くさかべ|

（ 雪 ） 小鳥 遊 ( たか なし ) さん 町 さん ゆき|ことり|あそ||||まち|

２ 人 で お 昼 ご飯 ？ じん|||ひる|ごはん

（ ひかり ） うん そう

（ 町 ） 今度 日下部 さん も 一緒 に 食べよ まち|こんど|くさかべ|||いっしょ||たべよ

（ 町 ） 高橋 先生 の 所 って こと は 何 か 相談 し て た の ？ まち|たかはし|せんせい||しょ||||なん||そうだん||||

（ 雪 ） うん ゆき|

でも 変 な 話し て 余計 な 心配 かけ ちゃ った か な って |へん||はなし||よけい||しんぱい||||||

（ ひかり ） ああ それ は 大丈夫 ||||だいじょうぶ

先生 は いつ だって デミ ちゃん と 語り たい ん だ から ねっ ？ せんせい|||||||かたり|||||

うん

それ なら いい ん だ けど

あっ そうだ 今日 帰り アイス 食べ 行か ない ？ |そう だ|きょう|かえり|あいす|たべ|いか|

（ 雪 ） アイス ？ （ ひかり ） 突然 だ ね ゆき|あいす||とつぜん||

最近 いい お 店 見つけ た ん だ どう かな ？ さいきん|||てん|みつけ|||||

うん … 考え とく ね |かんがえ||

じゃあ

（ 高橋 ） 体 から 発 せ られる 冷気 で 湯 の 温度 は 下げ ず に 氷 だけ 生成 する たかはし|からだ||はつ|||れいき||ゆ||おんど||さげ|||こおり||せいせい|

そんな こと が 可能 だ ろ う か ？ |||かのう||||

“ 涙 は いつ だって ” か なみだ||||

とりあえず 伝承 から 当たって みる か |でんしょう||あたって||

（ 高橋 ） 不思議 と 雪 女 の 伝承 は どれ も 物悲しい 話 ばかり だ な たかはし|ふしぎ||ゆき|おんな||でんしょう||||ものがなしい|はなし|||

（ 高橋 ） 雪 女 に つい て 改めて 調べ て み た たかはし|ゆき|おんな||||あらためて|しらべ|||

まあ 大体 の 外見 は どの 伝承 でも 同じ だ な |だいたい||がいけん|||でんしょう||おなじ||

白 装束 で 長髪 の 美しい 女性 老婆 の パターン も ある な しろ|しょうぞく||ちょうはつ||うつくしい|じょせい|ろうば||ぱたーん|||

話 に も テンプレート が ある はなし|||||

雪 女 は 自分 が 雪 女 で ある こと を 隠し て 男 に 近づ い て ゆき|おんな||じぶん||ゆき|おんな|||||かくし||おとこ||ちかづ||

何 か を 要求 する が 断ら れる と 悪 さ を する なん|||ようきゅう|||ことわら|||あく|||

あるいは 親しく なる も |したしく||

何らか の アクシデント で 去って しまう なんらか||||さって|

地域 に よって 細かい 違い は ある が 大体 どちら か だ ちいき|||こまかい|ちがい||||だいたい|||

ああ … すま ん

（ 高橋 ） 日下部 （ 雪 ） はい たかはし|くさかべ|ゆき|

お前 緊張 する と 足 が 冷え た り は し ない か ？ おまえ|きんちょう|||あし||ひえ||||||

えっ ？ ええ 確かに 冷え性 な ん です か ね ||たしかに|ひえしょう|||||

そう か

あ …

え ？

（ 高橋 ） 俺 は 日下部 に たかはし|おれ||くさかべ|

とても 辛 ( つら ) い 申し訳ない こと を 強い よう と して いる |しん|||もうしわけない|||つよい||||

だが 乗り越え て ほしい そう すれ ば きっと … |のりこえ||||||

（ 高橋 ） 待た せ た な たかはし|また|||

はい あっ いえ …

（ 高橋 ） う ～ し しょ っと たかはし||||

（ 雪 ） それ は お 湯 ？ ゆき||||ゆ

（ 高橋 ） うん 足 湯 じゃあ … たかはし||あし|ゆ|

（ 雪 ） へ ？ ゆき|

（ 高橋 ） 湯 加減 は どう だ ？ たかはし|ゆ|かげん|||

大丈夫 です だいじょうぶ|

（ 高橋 ） で だ これ を 朗読 し て もらえ る か ？ たかはし|||||ろうどく|||||

雪 女 の 伝承 を まとめ た もの だ ゆき|おんな||でんしょう|||||

必要 な こと な ん でしょ う か ？ ひつよう|||||||

大事 な こと だ だいじ|||

非常に 心苦しい が 頭 に 残し ながら しっかり 読 ん で ほしい ひじょうに|こころぐるしい||あたま||のこし|||よ|||

分かり まし た わかり||

“ ある 吹雪 の 激しい 夜 ” |ふぶき||はげしい|よ

“ 男 の 所 に 白 ずくめ に 長い 髪 の 美しい 女 が 訪ね て き た ” おとこ||しょ||しろ|||ながい|かみ||うつくしい|おんな||たずね|||

“ 女 の 体 は 氷 の よう に 冷たかった ため ” おんな||からだ||こおり||||つめたかった|

“ 男 は 女 を 風呂 に 入れよ う と する が 女 は かたくな に それ を 拒 ん だ ” おとこ||おんな||ふろ||いれよ|||||おんな||||||こば||

“ 無理 に 風呂 に 入れる と 女 の 体 は 溶け て 消え て しまい ” むり||ふろ||いれる||おんな||からだ||とけ||きえ||

“ あと に は つらら の かけら だけ が 残って い た ” ||||||||のこって||

（ 高橋 ） 続け て たかはし|つづけ|

はい

“ ある 村 に きこり を 生 業 ( なり わ い ) と して いる ２ 人 の 男 が い た ” |むら||||せい|ぎょう|||||||じん||おとこ|||

“ ある 冬 の 日 小屋 で ２ 人 が 寒 さ を し の い で いる と ” |ふゆ||ひ|こや||じん||さむ||||||||

“ 白 装束 に 身 を 包 ん だ 冷たい 目 を し た 女 が やって 来 た ” しろ|しょうぞく||み||つつ|||つめたい|め||||おんな|||らい|

“ 女 は 老い た ほう の 男 に 白い 息 を 吹きかけ た ” おんな||おい||||おとこ||しろい|いき||ふきかけ|

“ する と 男 は たちまち 氷 漬け に なって … ” ||おとこ|||こおり|つけ||

“ 目の前 で 起こった こと に ” めのまえ||おこった||

“ 若い 男 は ただ 見て いる こと しか でき なかった ” わかい|おとこ|||みて|||||

“ 女 は 若い 男 に 覆いかぶさる が ” おんな||わかい|おとこ||おおいかぶさる|

“ 笑み を 浮かべ た だけ で 男 の 命 を … 取ら ず … ” えみ||うかべ||||おとこ||いのち||とら|

もう いい くさ か …\ N あっ 日下部 ！ ||||n||くさかべ

はい ！

（ 高橋 ） 湯 を 見ろ たかはし|ゆ||みろ

あっ ！ こ っ 氷 … |||こおり

（ 高橋 ） うん 間違い なく 氷 だ な たかはし||まちがい||こおり||

（ 高橋 ） やはり （ 雪 ） やはり ？ たかはし||ゆき|

ああ この 氷 は 汗 だ ||こおり||あせ|

汗 ？ でも 私 は 汗 は … あせ||わたくし||あせ|

（ 高橋 ） これ は 精神 的 負荷 に よって かい た いわゆる 冷や汗 だ たかはし|||せいしん|てき|ふか||||||ひやあせ|

冷や汗 ひやあせ

（ 高橋 ） さっき 緊張 する と 足 が 冷え たり し ない か 尋ね た ろ う ？ たかはし||きんちょう|||あし||ひえ|||||たずね|||

ええ

冷や汗 は 額 手のひら 足 の 裏 と いった 場所 に よく かく ひやあせ||がく|てのひら|あし||うら|||ばしょ|||

あっ

そう だ お前 は 足 の 裏 に 冷や汗 を かく ん だ ||おまえ||あし||うら||ひやあせ||||

すごい です なぜ 分かった ん です か ？ |||わかった|||

（ 高橋 ） 根拠 は 伝承 だ たかはし|こんきょ||でんしょう|

雪 女 の 伝承 は 実ら ぬ 恋 孤立 無 援 溶け て 露 と 消え て しまう … ゆき|おんな||でんしょう||みのら||こい|こりつ|む|えん|とけ||ろ||きえ||

悲しい 話 が 多 すぎる かなしい|はなし||おお|

だから 思った ん だ |おもった||

ネガティブ な 感情 精神 的 負荷 自体 が ねがてぃぶ||かんじょう|せいしん|てき|ふか|じたい|

雪 女 の 性質 に 大きく 関わって いる と ゆき|おんな||せいしつ||おおきく|かかわって||

ならば ストレス で 発生 する 汗 も 凍る ん じゃ ない か と |すとれす||はっせい||あせ||こおる|||||

いろいろ と お前 に 負担 を かけ て 悪かった ||おまえ||ふたん||||わるかった

えっ

（ 高橋 ） これ を 実証 する に は たかはし|||じっしょう|||

できる だけ お前 に 緊張 し て ほしく て な ||おまえ||きんちょう|||||

すま なかった

あっ い … いえ ！

私 の 悩み を 解決 する ため の こと です し わたくし||なやみ||かいけつ||||||

解決 で い い ん です よ ね ？ かいけつ|||||||

ああ そうだ 湯船 の 氷 は お前 の 冷や汗 だった |そう だ|ゆぶね||こおり||おまえ||ひやあせ|

考え 事 に よって 気持ち が こわばった こと が 原因 だ かんがえ|こと|||きもち|||||げんいん|

加え て 体 から 発 せ られる 冷気 も 気 に する こと は ない くわえ||からだ||はつ|||れいき||き|||||

湯 が ほとんど 冷め ない 程度 の 影響 力 だ から だ ゆ|||さめ||ていど||えいきょう|ちから|||

雪 女 の 性質 は 些細 な もの ゆき|おんな||せいしつ||ささい||

中学 まで の お前 の 考え は 間違って は い なかった ちゅうがく|||おまえ||かんがえ||まちがって|||

悩む 必要 も 気 に 病む こと も ない なやむ|ひつよう||き||やむ|||

日下部 くさかべ

お前 は 人 を 傷つける よう な そういう デミ じゃ ない よ おまえ||じん||きずつける|||||||

安心 しろ あんしん|

（ 雪 ） う っ … よかった ゆき|||

本当 に よかった ほんとう||

（ 高橋 ） 雪 女 の 性質 が ネガティブ な 感情 に 起因 し て 起こる の なら たかはし|ゆき|おんな||せいしつ||ねがてぃぶ||かんじょう||きいん|||おこる||

うれし さ や 安堵 ( あんど ) と いった 感情 で は 発現 し ない |||あんど||||かんじょう|||はつげん||

温かい 涙 は 凍ら ない あたたかい|なみだ||こおら|

これ から は そんな 涙 が たくさん 流せ る と いい な ||||なみだ|||ながせ||||

（ 雪 ） 私 の この 性質 言葉 に する と どういう 感じ なん でしょう か ？ ゆき|わたくし|||せいしつ|ことば|||||かんじ|||

う ～ ん

ストレス 下 に おける すとれす|した||

排出 さ れ た 体液 の 結晶 化 と いった ところ かな はいしゅつ||||たいえき||けっしょう|か||||

まさに 汗 と 涙 の 結晶 だ な |あせ||なみだ||けっしょう||

う …

（ 雪 ） えっ と … ゆき||

うまく リアクション でき なく て すみません

（ 高橋 ） いや い い ん だ すま ん たかはし|||||||

あの …\ N その 氷 の 汗 どう する ん です か ？ |n||こおり||あせ|||||

え ？

せっかく だ から 大学 で 成分 分析 し て みよ うか と |||だいがく||せいぶん|ぶんせき|||||

成分 分析 ？ やめ て ください ！ それ は さすが に セクハラ です せいぶん|ぶんせき||||||||せくはら|

（ 高橋 ） ええ ？ ダメ か ？ たかはし||だめ|

絶対 ダメ です ！ ぜったい|だめ|

別に いい じゃ ない か 冷たい ヤツ だ な べつに|||||つめたい|やつ||

私 雪 女 です から わたくし|ゆき|おんな||

（ ひかり ） う ～ ん ユッキー い ない みたい

（ 町 ） 先 に 帰っちゃ っ た の かな ？ まち|さき||かえっちゃ||||

（ 雪 ） 小鳥 遊 さ ん ！ 町 さん ！ ゆき|ことり|あそ|||まち|

（ ひかり ） ユッキー ？

ああ … よかった まだ い た

どう し た の ？ そんなに 慌て て |||||あわて|

（ 雪 ） うん あの ね … ゆき|||

アイス 食べ 行 こ ！ あいす|たべ|ぎょう|

（ 店員 ） マンゴー で ござい ます てんいん||||

（ 女子 ） ありがとう ござい ます じょし|||

（ 店員 ） また 来 て ね （ 女子 ） は ～ い てんいん||らい|||じょし||

（ ひかり ） わ っ （ 雪 ） ア … アイス おいしい ね |||ゆき||あいす||

そ っ そう だ ね

（ 町 ） うん まち|

（ ひかり ） う …

（ ひかり ） ユッキー と 出会った ばかり は よく くっつ い たり し て た |||であった|||||||||

でも そういう の 好き じゃ ない 感じ だ から |||すき|||かんじ||

少し 距離 を 置 い ちゃ って すこし|きょり||お|||

あんな こと も あった し

確かに ユッキー は デミ だ けど ！ たしかに|||||

マッチー 大丈夫 ？ 食べ にくく ない ？ |だいじょうぶ|たべ||

カップ の アイス に し た から かっぷ||あいす||||

あり が と ね

小鳥 遊 さ ん ことり|あそ||

（ ひかり ） は いっ （ 雪 ） よ … |||ゆき|

よかったら 私 の 食べ て みる ？ |わたくし||たべ||

（ ひかり ） えっ いい の ？

ど … どうぞ

わ っ わ ～… いっ ！

（ ひかり ） わ は っ （ 雪 ） ん ？ ||||ゆき|

あ …

も … もらい ま ～ す

（ 雪 ） あっ は ～ い ゆき|||

（ ひかり ） ユッキー の ほう から 誘わ れ た の は うれしい けど |||||さそわ||||||

ユッキー は 私 の こと どう 思って る の か な ？ ||わたくし||||おもって||||

（ ひかり ） あ …

ごご … ごめん ユッキー 食べ 過ぎ ちゃ った ！ |||たべ|すぎ||

いい よ 大丈夫 ||だいじょうぶ

小鳥 遊 さ ん ことり|あそ||

うん ？

（ 雪 ） その … ゆき|

私 小鳥 遊 さん に 謝り たい こと が あって わたくし|ことり|あそ|||あやまり||||

（ ひかり ） えっ ？

小鳥 遊 さ ん ことり|あそ||

私 が 人 と 触れ合う の を 避け て た こと 気付 い て た でしょ ？ わたくし||じん||ふれあう|||さけ||||きづ||||

う っ

だから 出会った ころ み たい な 抱きつき も やめ て くれ て |であった|||||だきつき|||||

距離 を 取って くれ て きょり||とって||

小鳥 遊 さん の 心遣い は 本当 に うれしかった ことり|あそ|||こころづかい||ほんとう||

でも それ で 小鳥 遊 さん が 嫌 な 思い を し て い た の なら |||ことり|あそ|||いや||おもい|||||||

あ …

本当 に ごめんなさい ほんとう||

（ ひかり ） そんな 嫌 な 思い なんて し て ない し … ||いや||おもい|||||

（ 雪 ） でも もう 大丈夫 だ から ゆき|||だいじょうぶ||

あっ ？

なんて いう か 人 と 触れ合う こと に つい て その … |||じん||ふれあう|||||

自分 の 中 で 折り合い が つい た の じぶん||なか||おりあい||||

だから ね

これ から は どんどん 触って き て くれ て いい から ||||さわって||||||

くっつ い て き て くれ て 大丈夫 だ から |||||||だいじょうぶ||

う う ～ ユッキー ！

もう また 急に ||きゅうに

（ ひかり ） エヘ へ

よかった

私 ユッキー に 嫌わ れ ちゃ った の か なって さ わたくし|||きらわ|||||||

そんな こと ない よ

でも ね ユッキー に 誘って もらえ た の が ||||さそって||||

やっぱり すごく うれしく て それ で …

あ ？

（ ひかり ） ごめん ユッキー ちょっと 噛 ( か ) んで いい ？ ||||か|||

えっ ？

ち … 血 を 吸う の ？ |ち||すう|

（ ひかり ） 違う 違う たまに 歯 が 痒 ( かゆ ) く なる って いう か |ちがう|ちがう||は||よう||||||

うずうず し て カジ カジ し たく なっちゃ っ た |||かじ|かじ|||||

カジ カジ ？ かじ|かじ

（ ひかり ） 服 の 上 から 軽く だ から |ふく||うえ||かるく||

うん いい よ

（ ひかり ） 本当 ？ |ほんとう

（ ひかり ） じゃあ 失礼 し ま ～ …\ N （ 雪 ） ひ ゃっ ||しつれい|||n|ゆき||

（ ひかり ） カジ カジ カジ カジ …\ N （ 雪 ） ちょっと くすぐったい |かじ|かじ|かじ|かじ|n|ゆき||

（ 雪 ） ちょっと ち ょ … 小鳥 遊 さ ん ち ょ … ちょっと タイム ゆき||||ことり|あそ||||||たいむ

町 さん ？ まち|

（ 町 ） 私 も ずっと 日下部 さん と 仲良く なり たい と 思って て まち|わたくし|||くさかべ|||なかよく||||おもって|

だから うれしい

町 さん まち|

じゃあ 改めて |あらためて

カジ カジ カジ カジ … かじ|かじ|かじ|かじ

（ 雪 ） ちょっと まだ やる の ？ ゆき||||

（ 町 ） 日下部 さん の 手 冷たく て 気持ち いい まち|くさかべ|||て|つめたく||きもち|

（ 雪 ） え ～ ？ 町 さん まで ゆき||まち||

（ 高橋 ） デミ の 伝承 は まだ 差別 や 対立 構造 の あった 時代 たかはし|||でんしょう|||さべつ||たいりつ|こうぞう|||じだい

デミ に 対 する 畏怖 と も 取れる 感情 を 礎 に し て ||たい||いふ|||とれる|かんじょう||いしずえ|||

形 を 成し た かた||なし|

故に デミ の 伝承 に 明るく 愉快 な 話 は 少ない ゆえに|||でんしょう||あかるく|ゆかい||はなし||すくない

雪 女 も その 性質 と 相まって 悲劇 的 な 結末 を 迎える 話 が 多かった ゆき|おんな|||せいしつ||あいまって|ひげき|てき||けつまつ||むかえる|はなし||おおかった

ただ 現代 を 生きる 雪 女 が 伝承 と 同じ 道 を 歩む か と なる と |げんだい||いきる|ゆき|おんな||でんしょう||おなじ|どう||あゆむ||||

それ は ない だ ろ う

（ ひかり たち の 笑い声 ） |||わらいごえ

（ 高橋 ） なぜなら 少なくとも … たかはし||すくなくとも

（ 笑い声 ） わらいごえ

（ 雪 ） もう めちゃくちゃ だ よ ～ ゆき||||

（ 高橋 ） 雪 女 は バンパイア や デュラ ハン と 仲良し たかはし|ゆき|おんな|||||||なかよし

そんな 伝承 は どこ に も 存在 し ない から だ |でんしょう|||||そんざい||||

ふだん 噛みつき たい とき は どう し てる の ？ |かみつき|||||||

ひま り に お 願い し てる ||||ねがい||

ひま り ～\ N カジ カジ カジ カジ ||n|かじ|かじ|かじ|かじ

（ ひま り ） ん っ

（ ひかり ） カジ カジ カジ カジ … |かじ|かじ|かじ|かじ

次 の ページ つぎ||ぺーじ

（ ひかり ） ん ～ カジ カジ カジ カジ … ||かじ|かじ|かじ|かじ

（ 雪 ） へ ～\ N ひま り ちゃん 優しい ん だ ね ゆき||n||||やさしい|||

エヘ へ

（ 高橋 ） よう （ ３ 人 ） ん ？ たかはし||じん|

一緒 に 昼 メシ か ？ いっしょ||ひる|めし|

（ ひかり ） 先生 |せんせい

（ ２ 人 ） こんにちは じん|

（ 高橋 ） みんな 仲良し こ よし で 何より だ たかはし||なかよし||||なにより|

本当 に ひかり と 京子 ( きょう こ ) に は よく し て もらって ます ほんとう||||きょうこ|||||||||

ひかり ？ 京子 ？ |きょうこ

いっ いい じゃ ない です か 別に 名前 で 呼 ん だ って ||||||べつに|なまえ||よ|||

仲 が いい の は 結構 だ が あまり ハメ を 外し 過ぎ ん よう に な なか|||||けっこう||||||はずし|すぎ||||

日下部 と 町 は 大丈夫 そう だ が … くさかべ||まち||だいじょうぶ|||

ひかり お前 は ちょっと 注意 だ な |おまえ|||ちゅうい||

え ～ 何 それ ？ 心外 |なん||しんがい

どうして ひかり だけ 名前 呼び なん です か ？ |||なまえ|よび|||

ああ ひま り ちゃん が いる から

うん うん

ひま り ちゃん は ちゃん 付け な ん です が … |||||つけ||||

ゴホン

えっ と … おはよう 小鳥 遊 |||ことり|あそ

あ … おはよう ございます 先生 |||せんせい

ぎこちない

ひかり ちゃ ～ ん

は ～ い

リアクション めん どくさ そう

ひかり ？

なに なに ？

（ 雪 ） な … なんとなく 分かり まし た ゆき|||わかり||

じゃあ 別に |べつに

京子 の こと も 名前 で 呼んで あげ て も いい ん じゃ ない でしょう か ？ きょうこ||||なまえ||よんで|||||||||

へ ？

（ 高橋 ） ん ？ まあ 別に 俺 は かまわ ん が たかはし|||べつに|おれ||||

京子 きょうこ

（ 高橋 ） 京子 京子 … たかはし|きょうこ|きょうこ

（ 町 ） あっ やっぱり 町 で 大丈夫 です まち|||まち||だいじょうぶ|

（ 高橋 ） あ … そう か ？ たかはし|||

（ ひかり ） や ～ い フラ れ て や ん の ～ ！

（ 高橋 ） なに ？ こら ひかり ！ （ ひかり ） や ～ い や ～ い ！ たかはし||||||||

いい の ？

うん ちょっと 恥ずかしい し ||はずかしい|

それ に 町 って 名字 も \ N 響 き が 名前 みたい で ||まち||みょうじ||n|ひび|||なまえ||

呼ば れ て て うれしい の よば|||||

（ 高橋 ） そもそも だ たかはし||

（ ２ 人 ） ん ？ じん|

名前 の 呼び 方 で 審議 す べき は まず こいつ だ ろ なまえ||よび|かた||しんぎ|||||||

“ ユッキー ” “ マッチー ” 大いに 結構 ||おおいに|けっこう

（ 高橋 ） だ が な ひかり （ ひかり ） ん ？ たかはし||||||

（ 高橋 ） 現 国 の 加藤 ( かとう ) 先生 は ？ たかはし|げん|くに||かとう||せんせい|

（ ひかり ） 加藤 先生 |かとう|せんせい

（ 高橋 ） 保健 の 八千 草 ( や ちぐさ ) 先生 は ？ たかはし|ほけん||はっせん|くさ|||せんせい|

（ ひかり ） 八千 草 先生 |はっせん|くさ|せんせい

な ？ ほか の 先生 は ちゃんと 名前 で 呼ば れ てる のに |||せんせい|||なまえ||よば|||

なぜ 俺 は “ 先生 ” なん だ ？ |おれ||せんせい||

普通 に “ 高橋 先生 ” じゃ いけない の か ？ ふつう||たかはし|せんせい||||

え ～ ？ だって 先生 は “ 先生 ” って 感じ だ から ||せんせい||せんせい||かんじ||

（ 高橋 ） 何 だ そりゃ ？ たかはし|なん||

（ 町 ） 分かる （ 雪 ） それ は 分かる まち|わかる|ゆき|||わかる

あっ そう いえ ば お前 佐藤 先生 は 何て 呼 ん でる ん だ ？ ||||おまえ|さとう|せんせい||なんて|よ||||

サッキー

（ 高橋 ） サッキー ？ 友達 な の ？ たかはし||ともだち||

（ ２ 人 の 笑い声 ） じん||わらいごえ

（ 佐竹 ） 日下部 って あんなに 明るかった っけ ？ さたけ|くさかべ|||あかるかった|

（ 太田 ） さあ おおた|

（ 町 ） あっ ひかり ちゃん ５ 時間 目 体育 だ よ まち||||じかん|め|たいいく||

そう だった ！ 着替え ない と ||きがえ||

雪 ちゃん また ね ゆき|||

（ 雪 ） うん （ ひかり ） バ ～ イ ゆき||||

まったく 騒々しい な |そうぞうしい|

そう です ね

（ 高橋 ） じゃ 俺 も 行く な （ 雪 ） あっ たかはし||おれ||いく||ゆき|

ん ？ どうか し た か ？

いや その … えっ と …\ N 何でもない です ||||n|なんでもない|

そう か ？

じゃあ また な 雪 |||ゆき

あっ

いや …\ N そう 呼 ん で ほしかった の か な ～ って |n||よ|||||||

えっ と その …

名前 の 呼び 方 なんて どうでも よく ない です か ね ？ なまえ||よび|かた|||||||

ええ ～

（ ひかり ） いや ～ うっかり し て た

先生 の 乱入 で コロッ と 忘れ て た せんせい||らんにゅう||||わすれ||

（ 町 ） そうだ ね まち|そう だ|

なあ 小鳥 遊 |ことり|あそ

（ ひかり ） ん っ 何 ？ 急 い でる ん だ けど |||なん|きゅう|||||

俺 に も あだ名 付け て くれよ おれ|||あだな|つけ||

えっ ？ え ～ と ちょっと それ は …

いい じゃ ねえ か 大丈夫 だ どんな の だって いい から さ ||||だいじょうぶ|||||||

遠慮 せ ず 言って くれ えんりょ|||いって|

ごめん 名前 何 だ っけ ？ |なまえ|なん||

（ 太田 ） クラス も 違う ん だ し しかたない よ おおた|くらす||ちがう|||||

（ 雪 ） 佐竹 君 （ 佐竹 ） ん ？ ゆき|さたけ|きみ|さたけ|

その … 前 に 倒れ た とき |ぜん||たおれ||

すぐに 声 かけ てき て くれ て ありがとう |こえ||||||

お 礼 を 言う の が 遅れ て ごめんなさい |れい||いう|||おくれ||

あと せっかく 遊び に 誘って くれ た のに ||あそび||さそって|||

邪 けん に し て しまって じゃ|||||

それ で ね 放課後 遊び に 行か ない ？ カラオケ と か どう かな ？ |||ほうかご|あそび||いか||からおけ||||

うん いい ね

よかった じゃあ

し ゃ ～ ！

ハハハッ ハハハハハ ！

（ 雪 ） あれ ？ 男子 は 佐竹 君 １ 人 ？ ゆき||だんし||さたけ|きみ|じん

佐竹 君 どうか し た ？ さたけ|きみ|||

♪～

～♪

（ ひま り ） 次回 「 亜人 ちゃん は 語り たい 」 ||じかい|あにん|||かたり|

「 小鳥 遊 姉妹 は 争え ない 」 ことり|あそ|しまい||あらそえ|