( ま ゆり ) オカリン
( 紅 莉栖 ( くり す )) 岡部 ( お かべ )
( ダル ) オカリン
( る か ) 岡部 さん
( フェイリス ) 凶 真 ( きょう ま )
( 萌郁 ( もえ か )) 岡部 君
( 鈴 羽 ( すず は )) オカリン おじさん
( 岡部 ) よ ー し 全員 いる な
では これ より 6万5,536 回 円卓 会議 を …
( 岡部 ) ああ … みんな が いる
なのに 冷たくて …
暗くて … 寒くて …
まるで 骨 と いう 骨 が 鉄 で できて いる か の ように …
( 秒針 の 音 )
( 紅 莉栖 ) 岡部
( 岡部 ) なぜ お前 が …
( 紅 莉栖 ) 私 だけ じゃ ない
まゆ り も 橋田 ( は し だ ) も いる わ
えっ ?
( 岡部 ) それでは 6万5,536 回 ―
円卓 会議 を 始め …
( 秒針 の 音 )
( 岡部 の うめき声 )
( 岡部 ) こ … ここ は ?
( 岡部 ) 体 が … 重い
( 岡部 ) これ は …
( うめき声 )
( せき込み )
( 岡部 ) あっ …
ハァ ハァ ハァ …
( 岡部 ) 俺 は 一体 …
( 岡部 ) ん ? あっ
ああ …
あっ …
ここ は …
これ は 俺 な の か ?
( コール 音 )
( キーボード を 打つ 音 )
( 男性 ) こちら バレル ・ タイター
( 岡部 ) ハァ ハァ ハァ …
あっ … ハァ ハァ …
( 岡部 ) 一体 ここ は …
俺 は タイムリープ を した はず
あっ …
何 だ よ
これ …
う っ …
( せき込み )
( バイク の 走行 音 )
( 犬 の うなり 声 )
( 岡部 ) うわ あ ! ああ っ …
( 荒い 息 )
あっ …
ここ は …
まさか …
アキバ ?
そう だ ラボ は …
みんな は どう なって … ( 足音 )
( 管理 局 兵士 ) 貴 様 ! そこ で 何 を して いる
答えろ !
ここ は 民間 人 の 立ち入り は 禁止 さ れて いる
( 管理 局 兵士 ) 両手 を 上げて 名前 と 国民 番号 を 答えろ
えっ ? ( 銃声 )
( 管理 局 兵士 ) 名前 と 国民 番号 は !?
あ …
( 管理 局 兵士 ) 貴 様 !
( 銃声 )
( 管理 局 兵士 ) な っ …
( 銃声 )
( 倒れる 音 )
( ブレーキ 音 )
す … 鈴 羽 ?
( 鈴 羽 ) あっ …
う っ …
( 鈴 羽 ) 何者 だ ?
どうして 私 の 名前 を 知って る ?
( 岡部 ) 待て どういう こと だ ?
俺 を 忘れた の か !?
何 を 言って いる !
岡部 … 岡部 倫太郎 ( りん たろう ) だ
あっ …
岡部 …
倫太郎 ?
そんな バカな !
( 男性 ) 君 に 萌 ( も ) え 萌 え
バッキュンキュン
( 岡部 ) う っ … ( 鈴 羽 ) こっち だ
( 男性 ) ようやく 目 を 覚ました んだ な
オカリン
( 足音 )
( 男性 ) 分から ない か ?
なら 口調 を 昔 に 戻そう か
( ダル ) 久しぶりだ お オカリン
あ …
ダル … な の か ?
嫌だ な
こんな ナイスガイ 僕 以外 に いる わけ ないだ ろ 常 考 ( じょうこう )
な っ 鈴 羽
せめて もう 少し 痩せて れ ばね
これ でも 昔 に 比べれば 痩せた んだ ぜ
( 鈴 羽 ) 大切な の は 今 だ ろ
ダル 教えて くれ
今 は 西暦 何 年 だ ?
( ダル )2036 年
世界 は いまだ 混乱 の 真っただ中 だ
( 岡部 )2036 年 …
( ダル ) 信じ られ ん ? ( 岡部 ) いや
信じる しか ないだ ろ
( ダル ) あの 日 から 25 年 … お互い 年 取った よ な
疑念 は ある
俺 は 確か 2025 年 に …
私 も 聞き たい
なぜ オカリン おじさん が 生きて る んだ ?
私 に は ずっと 以前 に 死んだ って
ウソ は ついて ない 死んだ よ オカリン は
えっ ?
( ダル ) オカリン は どこ まで 覚えて る ?
自分 の こと を
俺 は …
タイムリープマシン で 過去 に 飛ぼう と した
ま ゆり を 助けよう と
だけど 気 が ついた とき …
あの 日 タイムリープマシン は 動か なかった
えっ ?
( ダル ) 何 が 原因 だった か は 分から ない
タイムリープマシン は 作動 し なかった んだ
そして あの 時間 に 戻る ため の 48 時間 の リミット を 超えた
世界 は タイム マシン 理論 を 巡る 騒乱 の 時代 へ と 突入 して しまった
それ じゃあ ま ゆり は …
ま ゆり …
( ダル ) まゆ 氏 が 消えて しまって 数 年 後 ―
僕たち は 自分 たち で タイム マシン を 作る こと を 決意 した
それ が この “ ワルキューレ ” だ
( 岡部 ) ワルキューレ …
( ダル ) けれど それ は 世界 と の 戦い の 始まり で も あった
( 岡部 ) 世界 ?
( 鈴 羽 ) 世界中 の 国 が タイム マシン の 理論 を 欲しがった から
そして それ に 一 番 近い の が ―
牧 瀬 ( まき せ ) 紅 莉栖 の 理論 を 受け継いだ … と さ れた ―
岡部 倫太郎 と その 組織 ワルキューレ
( 鈴 羽 ) そして 父さん たち は 世界中 から 狙わ れる 立場 に なった
2025 年 の あの 日 …
( 岡部 ) ダル まずい こと に なった
( ダル ) な 何 が あった ん ?
( 岡部 ) ストラトフォー の 連中 に 捕 捉 さ れた
( ダル ) マジ ? や ばい じゃ ん すぐ こっち へ
( 岡部 ) ダメだ
メンバー の みんな を 危険に さらす わけに は いか ない
なあ ダル
あの とき 折れ そうに なった 俺 を 励まして くれて 感謝 する
必ず … 完成 さ せて くれ タイム マシン を
オカリン ?
( 岡部 ) あと は 任せる
ちょ っ オカリン !
( 鈴 羽 ) そして おじさん は ストラトフォー の 手 に 落ちて ―
ひどい 拷問 を 受けて
父さん たち が 助け出し に 行った とき に は もう … って
( ダル ) そう 僕ら が 見つけた とき に は ―
度重なる 拷問 と 実験 に よって オカリン の 脳 は 既に ―
死んだ も 同然の 状態 だった
( 鈴 羽 ) それ って … ( ダル ) うん
( ダル ) 心 が 死んで いたって いう ん かな
体 が 治って も オカリン の 意識 は 全く 戻ら なかった
でも 体 は 生きて いた んだ
( 鈴 羽 ) だったら 何で 死んだ なんて …
( ダル ) そう する しか なかった んだ よ
連中 は そんな 状態 に なった オカリン を ―
まだ 利用 しよう と 争って た のだ ぜ
私 くらい に は 教えて くれた って いい じゃ ない か
( 岡部 ) それ じゃあ 俺 は 11 年間 あそこ に ?
( ダル ) そう 事実 を 知る 一部 の 人 間の手 で ずっと ね
待って よ
でも どうして 今 に なって オカリン おじさん は …
タイムリープマシン か
( ダル ) 正解
( 鈴 羽 ) どういう こと ?
( 岡部 ) タイムリープマシン を 使って ―
2011 年 の 俺 の 記憶 の データ を 脳 に 上書き した んだ
そう だ な ?
( ダル ) 古い PC の 中 に あった の を 最近 に なって サルベージ して ね
もちろん うまく いく か は 賭け だった けど
( 鈴 羽 ) や っぱ 納得 いか ない
世界 だけ じゃ なくて 私 まで だまして た なんて
世界 を だます ?
( ダル ) 今 は まだ 頭 の 整理 が つか ない だろう し ―
ゆっくり 休んだら いい
僕 は みんな に オカリン が 目覚めた こと を 伝えて くる さ
伝える ?
( ダル ) ああ オカリン が 倒れて 11 年間 ―
待ち 続けて くれて いた ラボメン たち に ね
( フェイリス ) こちら は 異状 なし ニャ
( る か ) 大丈夫です
ここ で 間違い ない んです よ ね ?
( フェイリス ) その はず ニャ
あと は いつも の ように 受け取って …
( ダル ) こちら バレル ・ タイター 応答 せよ
( フェイリス ) こちら チェシャ 猫 どうかした ニャン ?
( ダル ) そっち は 防人 ( さきもり ) 氏 も 一緒 ?
( フェイリス ) そう ニャ
2 人 と も 心して 聞いて くれ
( フェイリス ) ん ?
( る か ) あっ …
オカリン が 目 を 覚ました
( る か ) あ … ( フェイリス ) えっ ?
それ 本当 ?
( 岡部 ) 今 の は ?
る か 氏 と フェイリス たん だ よ
2 人 と も オカリン を ずっと 世話 して くれて いた のだ ぜ
そう だった の か
( 鈴 羽 ) ちょっと 待って
何で ルミ 姉さん たち が 食料 調達 に 出て る んだ ?
今日 そんな 予定 は なかった はずだ ( ダル ) えっ ?
ニャ ? そんな はず は …
確かに 今日 だって ゆうべ 遅く に 連絡 が …
( る か ) ワナ だ ( フェイリス ) ハッ !
( 鈴 羽 ) る か 兄さん ! ルミ 姉さん !
( 銃声 )
( 鈴 羽 ) 父さん ! ( ダル ) オーキードーキー
待って くれ 俺 も 行く
( ダル ) でも その 体 じゃ …
頼む
あっ …
すまない
まずい ニャ このまま じゃ 全滅 ニャ
( る か ) くっ …
ここ は 僕 が 防ぎ ます
フェイリス さん たち は 戻って 応援 を 連れて きて ください
( ワルキューレ 隊員 ) えっ ? ( フェイリス ) 何 言って る ニャ
そんな こと したら る か ニャン が !
僕 なら 大丈夫
岡部 さん に 会う まで 死ぬ わけに は いきま せ ん から
る か ニャン …
( る か ) う おお おお っ !
( フェイリス ) 行こう ( ワルキューレ 隊員 ) です が …
( フェイリス ) 待って て る か ニャン !
( ガラス が 割れる 音 )
( 管理 局 兵士 たち ) うわ っ ! う っ …
あっ
( ダル ) 鈴 羽 前 !
( ワルキューレ 隊員 ) あっ フェイリス さん !
( フェイリス ) 鈴 ( すず ) ニャン ! ダルニャン !
( 岡部 ) フェイリス !
( フェイリス ) 凶 … 真 ?
凶 真 …
凶 真 !
凶 真 凶 真 ! 目 が 覚めて …
( 岡部 ) 心配 かけた な
( 鈴 羽 ) る か 兄さん は ?
そう ニャ ! る か ニャン が 大変な の ニャ !
みんな を 逃がす ため に 1 人 で …
(2 人 ) えっ ?
戦闘 音 が 聞こえ ない
( がれき が 崩れる 音 )
( 足音 )
( ワルキューレ 隊員 ) こっち だ ! いた !
( 鈴 羽 ) る か 兄さん ! ( フェイリス ) る か ニャン !
( 荒い 息 )
( 岡部 ) ルカ 子 ( こ )…
ルカ 子 …
フッ …
( 岡部 ) ルカ 子 !
( 岡部 の 荒い 息 )
凶 真 … さん
ああ 俺 だ ルカ 子
( る か ) その 呼び 方 …
本物 の 凶 真 さん だ
( せき込み ) ( 岡部 ) ルカ 子
よかった
凶 真 さん が いて くれる なら もう 安心 … で すね
何 を … あっ
( る か ) ねえ 凶 真 さん
僕 やり ました よ
凶 真 さん から 教えて もらった ―
清 心 斬 魔 ( せい しんざん ま ) 流 の 心得 の おかげ で ―
みんな を 守って
これ で ラボメン に なれ ました よ ね ?
僕 …
皆さん の 本当の 仲間 に なれ ました … よね ?
バカ
お前 は 最初 から ずっと ―
俺 たち の 仲間 だ
ラボメンナンバー 006 だ !
そ っ か ああ …
うれしい な
これ で まゆ り ちゃん に 胸 を 張って …
( 岡部 ) ルカ 子 !
( ダル ) よかった
る か 氏 は ずっと オカリン に 会い た がって た
目 を 覚ます 日 を ずっと 待って た
最期 に その 願い は かなった んだ
( 岡部 ) うわ ああ ああ っ …
( ドア の 開閉 音 )
( 真 帆 ( ま ほ )) 久しぶり ね 岡部 さん
( 岡部 ) 比 屋 定 ( ひや じょう ) さん
( 真 帆 ) 薄い の は 我慢 して 何もかも 不足 して いる の
ああ
それにしても フェイリス と 君 に は 驚いた
( 真 帆 ) いつまで たって も 子供 みたい って 言い たい んでしょ ?
まっ それ も この 年 に なれば 褒め 言葉 かも ね
みんな 冷たい って 思って る ? ( 岡部 ) えっ ?
漆原 ( うるし ばら ) さん が 死んだ の に みんな 平然と して いて 冷たい って
そう 思って る ?
( 岡部 ) いや
( 真 帆 ) あの 日 …
2011 年 の 7 月 7 日 から 今 まで たくさんの 人 が 死んだ わ
( 岡部 ) あっ …
家族 も 親戚 も 友達 も
大人 も 子供 も
みんな 悲しんで る だけ じゃ い られ ない
それ が 今 の 現実 な の よ
( 岡部 ) 分かって た
鈴 羽 から 何度 も 聞か さ れて いた
俺 の 選んだ 世界 線 の 先 に は こんな 未来 が 待って いる こと は …
分かって いた はずだった んだ
だけど …
( 机 を たたく 音 )
( 机 を たたく 音 )
( 岡部 ) 分かって いた つもり に なって いた だけ だ !
( 岡部 ) 分かって いた つもり に なって いた だけ だ !
分かった つもりで ―
現実 から 逃げて いた だけ だった !
紅 莉栖 を 見殺し に した あげく ま ゆり や 鈴 羽 も い なく なって
かがり も 由季 ( ゆき ) さん も
ルカ 子 も !
俺 は 何 1 つ 分かって は い なかった んだ !
( ダル )11 年 前 の …
11 年 前 の オカリン も ずっと そう 言って たよ
( 岡部 ) ダル …
“ 何も 自分 は 分かって い なかった ” って
でも こう も 言って いた
“ 無意味な こと なんて ない んじゃ ない か ” って
( 岡部 ) えっ ?
( 真 帆 ) “ いく つ も の 失敗 した 未来 ”
“ 取り戻せ なかった 過去 ”
“ でも きっと 全て の その先 に ―”
“ シュタインズ ・ ゲート に つながる 道 が ある んじゃ ない か ” って
シュタインズ ・ ゲート …
いく つ も の 失敗 した 未来 …
過去 …
未来 …
世界 …
比 屋 定 さん ダル
俺 は 2011 年 の 記憶 を タイムリープマシン を 使って ―
2036 年 の “ 今 ” に 書き 戻す こと に 成功 した 俺 …
そういう こと だ よ な ?
ああ
定義づける なら そういう こと に なる わ ね
( 岡部 ) つまり ―
タイムリープマシン は ある んだ な ?
(2 人 ) あっ …
( 岡部 ) 用意 して くれ
タイムリープマシン を
オカリン …
あなた …
( 岡部 ) もう 一 度 ―
シュタインズ ・ ゲート を 目指す ため に !
♪~
~♪