( 入江 琴子 ( いりえ ことこ )) クリス が 揚げ物 の 油 を ?
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) クリス に 何 か あったら … わし …
( 入江 直樹 ( なおき )) 中等 度 熱傷 で 真皮 まで 火傷 が 及んで る
おう …
傷あと は …
どない や !
少し 残る かも しれ ない な
入江 君 !
入江 君 どうかした ? 変だ よ ?
( 入江 紀子 ( のりこ )) 琴子 ちゃん どうした の こんなに ?
今日 も 入江 君 の オペ 長引き そうだ から ―
栄養 の ある もの お 弁当 に 入れて 持って いこう かな ー って …
入江 君 !
オペ 終わった んでしょ ? お 疲れ 様 !
あの ね あの ね 実は 入江 君 に ね 食べて もらおう と 思って ―
特製 スタミナ 弁 …
( 琴子 ) 痛 った …
入江 君 …―
入江 君 ?―
入江 君 ?―
ねえ 入江 君 !
ねえ ! 入江 君 !
ねえ 入江 君 !!
いや あっ !
ねえ 入江 君 ! 入江 君 !―
ねえっ ! 入江 君 !
入江 君 ! ねえ 起きて よ !
( 足音 )
( 桔梗 幹 ( ききょう もとき )) 琴子 !―
琴子 どーした って いう の !?
( 琴子 ) モト ちゃん …
( 幹 ) 今 ナースステーション で 聞いて ビックリ して …
入江 さん どーした の ?
入江 君 が …
入江 君 が 階段 から … 私 を かばって … 私 の せい で …
どう しよう 入江 君 死ん じゃったら …
ちょっと ! 落ち着き なさい って
先生 は 何て ?
わかんない 西垣 ( にしがき ) 先生 は “ お前 は 邪魔 だ ” って 言って ―
入れて くんない し …
入江 君 意識 なく って きっと 頭 打って …
どう しよう ! 私 の せい で …
私 の せい で 入江 君 死ん じゃったら …
私 もう … 私 も …
琴子 !
落ち着き なさい って
あんた 仮にも 看護 師 でしょー が
あんた が そんな んで どーすんの !―
あんた 入江 さん の 奥さん な んだ から ―
あんた が しっかりしなくて どーすんの !
大丈夫 よ 西垣 先生 なら 実力 は ナンバーワン だ し
うん …
( 琴子 ) 神様 お 願い し ます !―
入江 君 を どうか …―
どうか … 助けて ください !
♪~
痛 って …
そう いえば …
琴子 と 弁当箱 が 降って きた ような …
足 やっちゃった か
ったく … しょうがねー な
入江 君 ! 目え覚めた ?―
ああ ~ よかった ! よかった ~
あの ね …
入江 君 昨日 骨 折っ ちゃった んだ よ … 足
見 りゃ わかる よ
それ で ね それ から ずーっと 眠って て …
検温 に 来た んだ ろ ?
あ … そう だった ―
えと じゃあ … これ 脇 に 入れて
よいしょ 手 貸して もらえ ます か
よいしょ …
えーと 今日 は 採血 と 点滴 が 2 本 あり ます それ から …
( 直樹 ) 俺 の 症状 は ?
えと … 右下 腿 部 の 単純 骨折 です
腫れ が ひどい ので 落ち着く まで しばらく ―
安静 目的 の 入院 を する こと に なり ます
それ から 極度 の 疲労 に よる ―
貧血 で 睡眠不足 … 栄養不足 …
( 西垣 ) 過労 だ ね
睡眠 不足 働きすぎ 栄養 不足 貧血
まっ 意識不明 って いう より 爆睡 してん じゃない の ? あれ
頭 に 異常 は 見られ なかった よ
全治 2 か月 って とこ だ ね
琴子 ?
入江 君 が 意識 不明 に なった の 頭 打った せい じゃなかった の
過労 な の
過労 ?
私 の せい な の ! 私 が 入江 君 疲れ させ ちゃった から !
琴子
入江 君 が 貧血 に なった の も 入江 君 が 足 折っ ちゃった の も
全部 私 の せい な の !
だから だ から だ から …
この 私 が 全責任 を 持って 入江 君 の 看病 を お 世話 する ―
私 入江 君 の 足 に なる から !
おい …
( 琴子 ) それ が 妻 でもあり 看護 師 でも ある 私 の 役目 な んだ から !
はい あーん !
ほら あーん して あーん ほら !
だから 自分 で 食える って 言って る だろー が !
ダメダメ ! 昨日 骨折 した ばっかりな んだ よ 無理 は 禁物 !
俺 は 足 が 動か ない だけ だ
患者 は ナース の 言う こと を 聞く もの よ
はい あーん して ほら ! あーん …
はい あーん して ほら ! あーん …
( シャッター 音 )
( シャッター 音 )
( シャッター 音 )
( 紀子 ) ナイスショット ! 頂き ~
( 紀子 ) ナイスショット ! 頂き ~
( 琴子 ) お 義母 ( かあ ) さん
入院 準備 して きて あげた わ よ ~
( 琴子 ) 好美 ( このみ ) ちゃん
( 直樹 ) 来て くれた んだ
( 佐川 ( さがわ ) 好美 ) はい
( 入江 裕樹 ( ゆうき )) いや こいつ が どうしても ついてくる って いう から …
え ? “ よかったら お前 も 来い ” って 裕樹 君 が …
ばっ … 余計な こと 言う な よ
もう ~ 素直 じゃない んだ からあ
( 紀子 ) にしても …
まあったく お 兄ちゃん たら どん くさい わ よ ねえ
階段 から 落ちる なんて
あっ お 義母 さん 私 が 落ちて 入江 君 が 助けて …
愛する 妻 を キャッチ して 当たり前 !
一回転 して 着地 なさい な !
俺 は サーカス 団 か …
( 金之助 ) げ げ げ !
ホンマ に 入江 や ない け
( クリスティーヌ ・ ロビンス ) 今 ウワサ 聞 イテ 飛 ンデ 来 マシタンデ
( 琴子 ) クリス 金 ちゃん
オ ~ 琴子 助 ケテ 道連 レデッカ
災難 デシタネエ ~
カッコ悪 ~ 入江 ! ダサダサ 男 や ん け ~
さっ 入江 君 採血 と 点滴 し ます よ ~
( 金之助 ) うわ ~
ナース エンジェル 琴子 や
( 琴子 ) よい しょ
わし も 注射 打って ほしー わー
お ~ 待って ました 琴子 ちゃん
やり ます よ ~
はい 入江 君 腕 出して ~
他 に ナース い ない の か ?
私 が いる じゃ ない の ~―
ふっ !
よっと …
よし じゃあ 消毒 し ます よ ~―
はい ちょっと 冷たい です よ ~
さっ
チクッと し ます よ ~―
ふっ !―
ふっ !―
痛って
痛って
あれ ? 刺 さん ない おかしい な ごめんなさい
針 の 角度 が 違う だろー が 筋肉 注射 じゃねー んだ ぞ !
ごめん ごめん もう一回
次 は … よ っと いき ます よ ―
よっ !
よっ !
痛っ …
痛っ …
( 直樹 ) 針 で 探る な !
はい 無事 成功 し ました ~
( 直樹 ) どこ が 無事だ ! たかが 採血 に 何分 かけて んだ !
だって ~ 入江 君 に 注射 する の すごく 緊張 し ちゃう んだ もん
もし 失敗 し ちゃったら って …
心配 し なくて も 失敗 だらけ だ
( 琴子 ) えっと … 次 は 点滴 です ね ~
( 直樹 ) 点滴 の ルート は もう 入って る だ ろ !―
これ 以上 ブスブス 穴 を あけ ん な !
あ … そう だった っけ …―
つい …
( 琴子 ) それ から 入江 君 の 入院 生活 が 始まって …
入江 君 リンゴ むく ね
そのまま で いい よ
痛っ … 痛あ …
大丈夫 か ?
う~ん いい 天気 …
入江 君 お 外 気持ち いい でしょ ?
小鳥 さん が …
琴子 ! 前 !
( 琴子 ) ああ ~ ごめーん 入江 君 つい うっかり …
まま … そんな 怒ら ないで さっ ―
気持ち 切り替えて いき ましょう
( 琴子 ) 毎日 入江 君 の お 世話に 全力 投球 な んだ けど …
あー あ これ じゃあ ナース も 妻 も 失格 だあ …
よしっ
おはよう ございます !
おはよう
( 琴子 ) えっと 血圧 … 104 の 76…
昨日 は 寝て る ところ 起こし ちゃって ごめん ね
いい よ
慣れて る から
琴子 お前 昨日 夜勤 だった から もう 交替 だ ろ ?
うん
これ 帰る 前 に 俺 の 机 の 上 に 置 い と いて くれ ない か ?
うん 机 に 置いて おけば いい の ね
ああ 頼む
うん わかった !
( ノック )
( 琴子 ) 失礼 しま ー す
( 加藤 ( かとう )) おお 琴子 ちゃん
( 琴子 ) あっ
あの 入江 君 に 頼ま れて これ 置き に 来 ました
おお ここ ここ
どう ? 入江
おかげ さま で 順調に 回復 して る みたいで
いい なあ 入江 の 奴
こんな 健 気 で かわいい 奥さん に 看護 して もらって
や あだ もう ~ 本当の こと ばっかり !
( 加藤 ) わ っ …
ごめんなさい !
あら ら ら ら …―
あれ 拭く 物 どこ だ っけ ? あれ …―
あれ ?
一応 無事 … か なあ ?
まあ 読める っちゃ 読める し 乾けば 大丈夫でしょ ?
です よ ね ~
ええ
入江 先生 おはよう ございます 朝食 持ってき ました
( 直樹 ) ありがとう 珍しい な 桔梗 が 来る なんて
そりゃ もう 琴子 が 入江 先生 を
他の ナース から ガード して る から ―
誰 も 近寄れ や し ない んです よ ~
へえ ~
ところで ~
その 琴子 が 来て ないで すね あれ ? 珍しい ~
なら … あ ・ た ・ し ・ が 食べ させて あげ ます わ
( 琴子 ) その 食事 ちょっと 待って !
入江 君 の 専属 ナース は 私 な んだ から !
勝手な こと し ないで よね !
何 よ 朝っぱら から 騒々しい わ ね ~
今日 は あたし が お 世話 する から
はい 入江 先生 あ ~ ん !
だから 俺 は 手 は 使える んだ って …
これ ! 食べて もら お ー って 思って
じゃ ー ん !
うわ ニンニク くさ !
( 琴子 ) トンカツ に ニラ 入り の 卵焼き ―
から 揚げ に ニンニク たっぷり の カルビ 焼き ―
オクラサラダ
オクラ の ネバネバ は 精 が つく の よ ~
お前 朝 から こんなに …
あっ ほら この 間 ね
入江 君 に お 弁当 食べて もらえ なかった から ―
でも その お 弁当 の せい で ―
入江 君 こんな こと に なっちゃ った けど …
これ から 毎朝 作って くる から ね ー
毎朝 ?
うん ! だ から 楽しみに して て ね ~
( 清水 ( しみず )) 入江 さん ! まだ ここ に 入り浸って る の ?
( 琴子 ) 主任 …
いくら 奥さん だ から って ―
やる こと やって から に して ちょうだい !
申し送り に も 出 ないで !
った く ~ 今日 は 朝 一 番 に 坂本 ( さ かも と ) さん の シーツ 交換 でしょ !
( 琴子 ) あ … すいません …
ほら っ !
ほら っ !
( 琴子 ) は … は いっ
( 琴子 ) は … は いっ
じゃあ 入江 君 後 で ね ~
すごい パワー …
( 加藤 ) 入江 ちょっと いい かな ?
加藤 先生 どうした ん です か ?
( 加藤 ) あの さ 209 号 室 の 草壁 ( くさ かべ ) さん の
手術 方法 な んだ けど さ
草壁 さん の 場合 は 胸部 中部 食道 がん な ので ―
食道 切除 術 及び 食道 再建 術 が いい か と
おお なるほど … そ っか そ っか
すいません 俺 が ケガ して オペ が でき なく なった から …
いい んだ よ お前 も ちょっと 休んだ 方 が … な っ
あ …
ちょうど 俺 の 机 の 上 に まだ カルテ に は 書いて ない ―
手術 方針 の メモ が あり ます ので
お っ 助かる わ えー 机 の 上 な ?
( 直樹 ) はい 机 の 上 です
あれ ? 机 の 上 …
加藤 先生 ?
( 琴子 ) ハア ~ もう 12 時 か あ
入江 君 寝て る だろう なあ
ちょこっと 寝顔 見て こよう っと
よく 寝て る … かわいい 寝顔
お やすみ 入江 君
は あっ は ー っ ! はっ …
はっ は あ …
び … ビックリ した 入江 君 起きて た の ?
お前 に 一 つ 聞き たい こと が あって ね
え ?
これ は いったい 何 だ ?
( 琴子 ) ほっ ―
ほっ !―
よし … これ で 乾き も 早い はず
そんな こと し なくて も 放っとけば 乾く って
( 琴子 ) でも なるべく きれいに 乾かして あげた くって
そ っか
ふ っ … ふ っ !
よい しょ … ふ っ !
こ … こんな …
何 が し たかった んだ お前 は
何 が って … 入江 君 の 役 に 立ち たく って
頼む から 余計な こと は し ないで くれよ !
覚えて た から よかった もの の …
医者 の 机 に 無断 で 触る な !
患者 の 命 に だって かかわって くんだ ぞ !
( 琴子 ) ごめんなさい !
こんな こと に なる と は 思って なくて …
ちょっと でも 入江 君 の 仕事 減らし たい なって …
なのに コーヒー こぼしちゃ って 加藤 先生 に も 迷惑 かけちゃ って …
入江 君 の 仕事 増やしちゃ った だけ だ よね 私 …
好きな のに …
入江 君 の こと 大好きな のに …
疲れ させたり ケガ さ せたり …
相変わらず 疫病 神 しちゃ って …
いつまで たって も …
私 …
入江 君 の 妻 失格 だ よ ね
それ だったら 俺 だって そう だ ろ ?
お前 一 人 受け止め きれ なくて ―
こんな ザマ に なって る んだ から な
そんな …
夫 … 失格 だ よ
入江 君 …
愛する 妻 を キャッチ して ―
一 回転 して 着地 して ね ー もん な
入院 して わかった の は ―
他の 患者 の 気持ち と …
お前 の ハードな 看護 ぶり
ナース と 患者 か
なんか この シチュエーション って …
イヤ らしく って いい なあ
( 琴子 ) 入江 君 の ケガ も どうやら 私 の 愛 の 力 で …―
全快 も 間近な ようです
プロポーズ ?
シー ! あん ま 大声 で 言う なや !
( 直樹 ) 大声 で なんて 言って ね ー よ
つうか 入江 …
お前 ちなみに …
琴子 に は なん ち ゅ ー て プロポーズ した ん か なあ 思って な
そんな 聞き た ない けど ―
ちょびっと 聞いて やって も ええ かなって
ああ … 確か お前 が 琴子 に フラ れた 日 だった な
ああ !?
フッと 思い立って 家族 の 前 で ―
“ こいつ と 結婚 する ” って 言った んだ よ
( 直樹 ) おじさん お 話 が あり ます
( 相原 重雄 ( あい は らし げ お )) いや その 前 に 着替えた 方 が …
琴子 さん と …
お嬢さん と 結婚 さ せて ください
入江 君 !
お前 … 琴子 の 了解 なし に フッと 思い立って 宣言 した ん か !
別に ―
あいつ の 了解 得 なく たって 答え は わかって たし
なんちゅう 嫌な 奴 や お前 …
参考 に なった ?
なる かい !
もう ええ わ !
( 琴子 ) 金 ちゃん !
金 ちゃん どうした の ?
プロポーズ する んだ ろ ? クリス に
へえ ~
え ? ええ !?
そそ そ … そう な の !?
そ ~ か ~ 金 ちゃん ついに … クリス に プロポーズ する んだ !
ああ クリス 喜ぶ だろう なあ ~
きっと 幸せな 夫婦 だろう ね ~ 私 達 みたいに !
え ?
こう しちゃ い られ ない !
( 琴子 ) やっぱり ここ だった
どう な ん や ? クリス
アタシ …
金之助 ト 結婚 セエヘン
え ?
今 … “ せ え へん ” って 言う た ?
ウン
わ … わし と 結婚 せ え へん って …
ゴメン 金之助 …
アタシノコト …
忘 レテ
クリス !
ど ー して 断った の ? 金 ちゃん から の プロポーズ
琴子 …
あんなに … あんなに 好きだった のに !
待って た のに !
琴子 モノハ 相談 ヤネンケド …
は ? 何 よ !
琴子 入江 ト 別 レル 予定 ナイ ?
はっ !?
ない わ よ ない に 決まって る じゃ ない ! 縁起 で も ない …
入江 ト 別 レテ 金之助 ト 結婚 シイヒンカ ?
え ?
金之助 ハ 入江 ヨリ 料理 ウマイシ ヤサシーシ
OH ナンテッタッテ 美男 子 ヤシ
ヤハリ 琴子 ハ 金之助 ト 再婚 スベキデッセ
ちょっと …
金之助 モ 昔 カラ 琴子 好 キヤシ ナッ !
クリス !
アキマヘンカ ?
金之助 ガ 他 ノ 知 ラヘン 女 ト 結婚 スルナンテ ―
耐 エラレヘンモン
ソンナラ 大 好 キナ 琴子 ノ 方 ガ エエナート 思 ッテ …
クリス …
意外な 展開 だ な
うん そう な の
結局 クリス は 結婚 断った 理由 教えて くん ないし
納得 いか ない よ ねえ
納得 いか ない の は あいつ だ ろ 気の毒に
なんか 隠して んだ よ ねえ クリス
( 重雄 ) おい 金之助 下ごしらえ …
お前 まだ やって ん の か
( 小田原 ( お だ わら )) ダメです よ 大将 ―
こいつ 昨日 クリス ちゃん とこ お 見舞い に 行って から ―
全然 使え ない ん ス よ
え ?
ね ?
ええ ? いったい どう しち まったん だ 金之助 ~
( 小田原 ) おおかた クリス ちゃん に フラ れ でも した んじゃ ない ス か ?
( 重雄 ) フラ れちゃ った の クリス ちゃん に !?
( 小田原 ) いや わかん ない ス けど
あっ …
図星 の ようで っせ …
ええ ~?
クリス ちゃん あんなに こいつ に ベタ ぼ れ だった のに …
まあ クリス ちゃん の 気持ち も わかる なあ
だいたい あんな かわいい 子 が こいつ に 夢中 って こと 自体 ―
不思議 っ つうか なん つうか …
うん … それ も そう だ なあ
しかも 金之助 と きたら 冷たい っ つうか なん つうか …
クリス ちゃん の 気持ち の 上 に あぐら を かいて いやがった
うん 確かに
そんな 時 に ―
ちょっと でも 優しく して くれる 男 が
いて ごらん なさい って
や … 優しく して くれる 男 と な ?
心 の ポカッ と 空いた 隙間 を 埋めて くれる ―
優しい 男 が 現れたら …
そりゃ クリス ちゃん だって 心変わり しちゃ うって 話 です よ ~
えー 心変わり ~? クリス ちゃん が ?
シー ! 大将 !
あ … 気 に する な 金之助 ―
あの こいつ は ちょっと 話 を 大きく する 癖 が あって な
( 小田原 ) そう な んだ よ 金之助 クリス ちゃん に 限って そ …―
金之助 ?―
金之助 …―
金之助 …―
( 重雄 ) お ー い 金之助 お ー い
( 重雄 ) お ー い 金之助 お ー い
( 重雄 ) お ー い 金之助 お ー い
金之助 !
ちょっと もう 大将 ~!
え … 俺 ?
は ぁ …
( 阿部 晴子 ( あ べ はるこ )) もみじ 饅頭 食べる ?
阿部 サン アリガトウ ゴザイマス デモ …
今 アマリ 腹 減 ッテヘンデスヨッテ
( 晴子 ) まあ そう 言わ ないで 付き合って よ
私 一 人 じゃ 食べ きれ ない し
ジャア ヒトツダケ …
ウン オイシイ
でしょ ? 元 気 ない 時 は 甘い もの が 一 番 よ
阿部 サン …
( 阿部 雄一 ( ゆう いち )) お 母さん
ああ 雄一 !
ちょっと 近く まで 来た から
近く まで って あんた 仕事 中 でしょ ?
そう そう
だから 顔 見たら 帰ろう と 思って …
( 晴子 ) ちょっと 雄一 ! 何 ボー っと して ん の よ
あっ いや 別に ボー っと なんて
かわいい でしょ ? クリス ちゃん イギリス から 来た ん だって ね ~
ア … ドウモ クリスティーヌ ・ ロビンスト 申 シマス
オ 母 サンニハ 大変 オ 世話 ニ ナラハッテマス
あ … えっ と …
( 晴子 ) あっ そうだ 雄一 すぐ 帰る んだったら さ ―
売店 で アメ ちゃん 買って きて もらえ ない ?
ああ いい けど … 1 階 だ っけ ?
アッ ヨケレバ アタシ 一緒 ニ 行 カハリマス
えー ?
チョウド ティッシュボックス 買 イニ 行 コウト 思 ッテタンデ
いや あ さっき は ビックリ し ました
母 の 所 に 行ったら こんな …
コンナ パツキン 娘 ガイテ ビックリシタンデスカ ?
あっ い やっ それ も ある けど …―
こんな … かわいい 子 に 会える なんて
( クリスティーヌ ) アリガトウゴザイマシタ ―
日本 ノ 男 ニ ソウ 言 ッテモラエテ 嬉 シイデスワ
( 雄一 ) 彼 氏 と か … いる んです か ?
彼 氏 ?
あ … や っぱ い ます よ ね そりゃ そう だ よ な
彼 氏 …
え … どうした ん です か ?
アノ ゴメンナサイ 急 ニ 寂 シクナッテ …
えっ と えっ と … 大丈夫 ?
お前 ~ わし の クリス を !
よくも わし の クリス 泣か せよ って …
ちょっと 誰 です か ? ちょっと …
こんな こ じゃれた 顔 して …
わし の クリス を 奪い よって からに !
泣か せよ って !
金之助 !
クリス …
( 琴子 ) ちょ っ ごめんなさい …
金 ちゃん !
( 金之助 ) わし …
ホンマ に す ん ませ ん でした
ホントに ごめんなさい !
もう 何 やって ん の 金 ちゃん たら ~
いい んです よ ~ ウチ の バカ 息子 なんて
バカ 息子 って …
金 さん が クリス ちゃん の こと 思って る の ―
私ら みんな よく わかって る から
( 女性 ) そう よ ! 毎日 お 見舞い に 来て ね ~
( 晴子 ) 忙しい だろう に なかなか できる もん じゃ ない わ よ
ウチ の バカ 息子 と は 大 違い
痛 って …
あっ じゃ お 母さん そろそろ 戻ら ない と ヤバ いから
( 晴子 ) ちゃん と 働く んだ よ !
( 金之助 ) ホンマ す ん ませ ん !
わし すっかり 勘違い して しまって
てっきり 息子 さん が …
クリス の 新しい 男 と ばかり …―
クリス に 他 に 好きな 奴 が できた ん なら
わし も 諦め な あ かん
クリス の 幸せ を 見守ろう って ―
でも どうしても どんな 奴 なんか 気 に なって …
ホ … 他 ニ 好 キナ 奴 ナンテ …
そや かて お前 …
他 に 好きな 奴 が できて し も ー たから
わし の プロポーズ 断った ん やろ ?
プロポーズ !?
違 ウ ! 他 ニ 好 キナ 奴 ナンテ オラン !
ほ な なんで や ねん ? わし の 何 が 気 に 入ら ん ねん ?
アタシ 金之助 ガ 好 キデ ―
金之助 カラノ プロポーズ ズット 夢 ミテタヨ ―
火傷 シタ 時 モ 金之助 ガ モノゴッツウ 面倒 見 テクレテ
そんな こと 当たり前 や ない か !
コノ 身体 ニ 傷 残 シテシモウタ 私 ニ
プロポーズシテクレテ ムチャクチャ 嬉 シカッタ
ほ な なんで や !
そう よ ! なんで 断った の よ 金 ちゃん から の プロポーズ
ダッテ … ダッテ 金之助 ガ 私 ニ 同情 シテタカラ …
同情 ?
( クリスティーヌ ) 金之助 ハ 優 シイ カラ
コンナ 身体 … 身体 ジャ 嫁 ノモライ 手 ガ ナイカラ ―
ワシガ 面倒 見 ナアカンッテ …
わし そんな …
ホンマニ 私 ノコト 好 キチャウノニ ソンナ ―
同情 デ 結婚 シテモラウンジャ …
( 金之助 ) アホ か !
誰 が 同情 や て !?
お前 の 火傷 なんか な あん も 思 お とら へん わ !
どん だけ すごい 傷 でも … 関係 ある か !
セヤカテ 急 ニ プロポーズナンカ アタシ …
( 金之助 ) ほ ー か わかった
ほん だ ら ―
わし が お前 と 同じ ように なったら 信用 できる か ?
( 琴子 ) 金 ちゃん !
( クリスティーヌ ) 金 チャン …
琴子 の いない 隙 に 入江 先生 に お茶 持って っちゃ おう ~
( 金之助 ) 給湯 室 は どこ や ~!
何 あれ は !
( 金之助 ) それ 貸せ !
( 幹 ) ちょっと ! ダ … ダメ よ それ …
( 琴子 ) いた っ 金 ちゃん !
( 幹 ) 琴子 !
( 琴子 ) 何 やって ん の 金 ちゃん !
足 に かける ん や !
( 琴子 ) は ー !? ダメだ よ 火傷 する って !
( 女性 ) ダメ ~
( 女性 ) ダメ ~
( 晴子 ) 熱い よ それ
( 晴子 ) 熱い よ それ
( 晴子 ) 熱い よ それ
( 金之助 ) 口 出さん とって くれ 琴子 !
( 金之助 ) 口 出さん とって くれ 琴子 !
わし は ! クリス と 同じに する ん や !
( クリスティーヌ ) ゴメン 金之助 !―
アタシ ズットズット ツラカッタンデスワ
ヤット 金之助 ガ プロポーズ シテクレタノニ ソレヲ …
ソレヲ 断 ルナンテ … ゴメン ゴメン …
クリス …
同情 なんか で 一生 一緒に おれる か いな
( 琴子 ) 金 ちゃん が クリス の こと 好き って こと なんて ―
クリス 以外 みんな わかって た けど ね
ネエ 金之助 …
なん や
モウ 一 回 プロポーズシテ
( 金之助 ) え ?
えっ ?
セヤカテ チャント 返事 シタイモン
あら あら
( 女性 ) や だ ~ プロポーズ だって !
( 女性 ) そうだ ちゃん と 言った げ なさい よ ~
( 金之助 ) ちょっと 何 言って …
こんな オバハン が ぎょ ー さん おる 中 で できる かい な !
オバハン ?
( 晴子 ) 何 照れて ん の よ 金 さん !
男 なら 決め なさい よ !
言って おや ん なさい よ !
金之助 …
しゃ ー ない なあ …
( 金之助 ) 結婚 すんで え ! クリス !!
ハイ 金之助 …
モノゴッツウ 愛 シテマス !
ムッチャ 幸 セデッセ
( 一同 ) き ゃ ~!!
( 女性 ) チュー よ チュー !
( 琴子 ) 金 ちゃん ナイスプロポーズ !
( 女性 ) 血圧 上がっちゃ う
大阪 弁 の プロポーズ も 激しく って い ー わ ねえ ~
わ あ ~!
金 ちゃん クリス おめでとう ~!
おめでとう !
おめでとう ~!!
おおき に !
( 琴子 ) あと で 入江 君 に 聞いた ところ に よる と ―
火傷 の あと が 残る と いう の は クリス の 誤解 で ―
もう すぐ すっかり よく なる そうです ―
こうして 金 ちゃん と クリス は 結婚 を 誓い合った のでした ―
そして 待ちに待った 日 …
入江 君 退院 おめでとう !
( 幹 たち ) おめでとう ござ いま ー す !
何の 真似 だ
一 度 やって み たかった の なんだか 芸能 人 っぽい でしょ ?
よかった わ ね 琴子
( 品川 真里 菜 ( しな がわ まり な )) これ で ひと 安心 ね
( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) 琴子 さん の 愛 の 力 ね
そんなあ ~
( 琴子 ) これ で 入院 生活 で ますます 深まった 夫婦 の 絆 …―
入江 君 も 元気に なった こと だ し ―
温泉 に でも 行って ―
二 人 っきり の 甘 ~ い 時間 を 過ごし …
琴子 ! 入江 さん
( 琴子 ) 入江 君 待って !
仕事 たまって る から
午後 に は 戻って 検診 だ から 急ぐ わ ―
わざわざ 悪かった な 付き合わ せて
は ー い
あ … 入江 君 …
( 琴子 ) いつも 通り の 慌ただしい 毎日 に なり そうです
♪~
♪~