Katanagatari Episode 6 (1) Katanagatari Episode 6 (1)

日本 列島 の 最 北端 に ある 寒冷 地帯 にっぽん|れっとう||さい|ほくたん|||かんれい|ちたい

かつて 蝦夷 の 国 と 呼ば れた この 土地 は |えぞ||くに||よば|||とち|

その 複雑な 地形 と 厳しい 自然 環境 故 に 人 を 寄せ付け ず |ふくざつな|ちけい||きびしい|しぜん|かんきょう|こ||じん||よせつけ|

いまだ 原始 の 自然 や 動植物 が 残って おり ます |げんし||しぜん||どうしょくぶつ||のこって||

生き と し 生ける もの の いき|||いける||

生死 を 懸けた 過酷な 闘い が せいし||かけた|かこくな|たたかい|

日々 繰り広げ られる 蝦夷 地 ひび|くりひろげ||えぞ|ち

寒い 寒い 寒い 寒い さむい|さむい|さむい|さむい

死ぬ 死ぬ 死ぬ 死んで しまう ー しぬ|しぬ|しぬ|しんで||-

そんな 厳しい 蝦夷 地 の 中 でも |きびしい|えぞ|ち||なか|

極度の 豪雪 地帯 と 恐れ られる きょくどの|ごうせつ|ちたい||おそれ|

壱 級 災害 指定 地域 絶対 凍 土 の 踊 山 に いち|きゅう|さいがい|してい|ちいき|ぜったい|こお|つち||おどり|やま|

奇 策 士 とがめ と 鑢 七 花 が 生死 を 懸けて 登って いた ので ございます き|さく|し|||やすり|なな|か||せいし||かけて|のぼって|||

勝手に 人 の 頭 の 上 に 積もって ゆく と は かってに|じん||あたま||うえ||つもって|||

いまいましい 雪 め |ゆき|

痛 っ 痛 えよ つう||つう|

そ なた が よけ ない の が いけない のだ

んな こと 言った って ||いった|

しかし すげ え な

これ が 蝦夷 の 雪 っ子 って やつ か ||えぞ||ゆき|っこ|||

雪 も すげ え けど ホントに すげ え の は 風 な んだ な ゆき|||||ほんとに|||||かぜ|||

風 が すごい から 膝 まで しか 積もら ない かぜ||||ひざ|||つもら|

常に 雪崩 が 起きて る みたいな もん だ とわに|なだれ||おきて||||

そんな 描写 など する な |びょうしゃ|||

心 まで 寒く なって ゆく で は ない か こころ||さむく||||||

だって よ まだ 山 の 中腹 まで も 来て ない んだ ぜ |||やま||ちゅうふく|||きて|||

頂上 なんて どんな こと に なって んだ か 想像 も つか ない よ ちょうじょう||||||||そうぞう||||

しかも そこ に 住んで んだ ろ |||すんで||

凍 空 一族 だ っけ こお|から|いちぞく||

いったい どんな や つら なんだ とがめ

う っ きっと 雪だるま みたいな や から で は ない か な |||ゆきだるま||||||||

いや 全身 毛 むくじゃ ら の 雪男 みたいな 種族 と か |ぜんしん|け||||ゆきお||しゅぞく||

まあ 寒 さ に 強い と いう こと だけ は 間違い ない ぞ |さむ|||つよい||||||まちがい||

「 間違い ない ぞ 」 って とがめ 知ら ねえ の か よ まちがい|||||しら||||

知ら ん まったく 知ら ん しら|||しら|

ついで を 言う なら 「 双 刀 · 鎚 」 の こと も 噂 一 つ 聞か ん ||いう||そう|かたな|つち||||うわさ|ひと||きか|

双 つ の 刀 と 書いて 「 双 刀 」 と いう 名 故 に そう|||かたな||かいて|そう|かたな|||な|こ|

二 本 一 組 かも しれ ぬ しな ふた|ほん|ひと|くみ||||

まあ 凍 空 一族 の 先祖 は 出雲 の だいだ ら 法師 らしい ぞ |こお|から|いちぞく||せんぞ||いずも||||ほうし||

そい つ は 使える 情報 だ な |||つかえる|じょうほう||

って とがめ そんなに 何も 知ら なくて |||なにも|しら|

どう やって 策 を 練る んだ よ ||さく||ねる||

奇 策 士 って の は 策 を 練ら ねえ やつ の こと な の か き|さく|し||||さく||ねら|||||||

ほ ざ け

わたし は 策 など 練ら ん わたし が 練る の は 奇 策 だ ||さく||ねら||||ねる|||き|さく|

奇 策 って の は 行き当たり ばったり って こと な の か き|さく||||ゆきあたり||||||

な っ 何 この ち ぇっ ち ぇる れ お ||なん|||||||

寒い と 巻き 舌 に なる んだ な と が め は さむい||まき|した||||||||

無駄 口 を たたく 暇 が あったら さっさと 登る ぞ むだ|くち|||いとま||||のぼる|

早く し ない と こちら が 雪だるま に なって しまう わ はやく||||||ゆきだるま||||

それにしても

薩摩 から 蝦夷 に 一 っ 飛び と は さつま||えぞ||ひと||とび||

相変わらず 読め ない 女 だ わ ね あいかわらず|よめ||おんな|||

そろそろ わたし が 尾張 で 復権 した と 聞いて も |||おわり||ふっけん|||きいて|

おかしく ない はずな のに 余裕 の つもり かしら ||||よゆう|||

あんた は どう 思う 右 衛 門 左 衛 門 |||おもう|みぎ|まもる|もん|ひだり|まもる|もん

何とも 言え ませ ん なんとも|いえ||

つまらない

と に 面白く ない 男 ね ||おもしろく||おとこ|

闇 より 暗い あんた の 暗黒 顔 に 仮面 を 着け やみ||くらい|||あんこく|かお||かめん||つけ

わざわざ 「 不 忍 」 の ２ 文字 を あげた の は 誰 か 忘れた の |ふ|おし||もじ|||||だれ||わすれた|

それ は 姫 さま が ||ひめ||

ああ う ざ っ

答え なんて 聞いて ない わ よ 答え なんて こたえ||きいて||||こたえ|

否定 する ひてい|

あんた を 雇った 日 を わたし は 否定 する わ ||やとった|ひ||||ひてい||

蝦夷 と いえば 絶対 凍 土 えぞ|||ぜったい|こお|つち

壱 級 災害 指定 地域 の 踊 山 いち|きゅう|さいがい|してい|ちいき||おどり|やま

あそこ に は 凍 空 一族 が 持つ 「 双 刀 · 鎚 」 が ある はず |||こお|から|いちぞく||もつ|そう|かたな|つち|||

２ 人 は その 鎚 の 収集 の ため に 向かった か と じん|||つち||しゅうしゅう||||むかった||

そんな こと だろう と 思った の よ ||||おもった||

それにしても あの 女 簡単に いく と 思って いる の かしら ||おんな|かんたんに|||おもって|||

と 言い ます と |いい||

踊 山 が 災害 地域 に 指定 さ れた 本当の 理由 知って る おどり|やま||さいがい|ちいき||してい|||ほんとうの|りゆう|しって|

日本 最大 の 豪雪 地帯 だ から で は ない のです か にっぽん|さいだい||ごうせつ|ちたい||||||の です|

きっと あの 不愉快な 女 も そう 思って いる わ よ ね ||ふゆかいな|おんな|||おもって||||

災害 指定 は ね 踊 山 に で は なく さいがい|してい|||おどり|やま||||

古来 より 踊 山 に 住まう 者 ども こらい||おどり|やま||すまう|もの|

鎚 の 所有 者 凍 空 一族 に 対して 発せ られた もの な の よ つち||しょゆう|もの|こお|から|いちぞく||たいして|はっせ|||||

面白く なり そう ね おもしろく|||

事情 が 分かる まで せいぜい あの 虚 刀 流 と いちゃ ついて いれば いい わ じじょう||わかる||||きょ|かたな|りゅう||||||

し 七 花 |なな|か

わたし が 死んだら あ ||しんだら|

わたし が 死んだら ||しんだら

そ なた 一 人 で ||ひと|じん|

「 ち ぇり お 」 を 気合 を 入れる ため の 掛け声 と して 日本 中 に はやら せて くれ ||||きあい||いれる|||かけごえ|||にっぽん|なか||||

な っ 何 言って んだ よ しっかり しろ よ とがめ ||なん|いって||||||

わたし は もう 無理だ |||むりだ

お っ おい

どうやら ここ まで の ようだ

だから 七 花 |なな|か

「 ち ぇり お 」 の こと だけ は どう か

無 茶 言う な よ む|ちゃ|いう||

「 ち ぇり お 」 を 間違った 意味 で は やら せる なんて ||||まちがった|いみ|||||

そんな の 俺 一 人 じゃ でき ない よ ||おれ|ひと|じん||||

そ なた なら できる そ なた は わたし が 選んだ 刀 だ |||||||||えらんだ|かたな|

無理だ と が め が いて くれ なきゃ むりだ|||||||

俺 なんか 何にも でき ない よ おれ||なんにも|||

何 を 言う なん||いう

この 半年 で わたし は そな たに 教え られる かぎり の こと は 教えた |はんとし||||||おしえ||||||おしえた

もう わたし の 奇 策 なぞ 必要な い さ |||き|さく||ひつような||

な っと が めに は まだ やら なくちゃ いけない こと が ある だろう

そ なた と 旅 を して |||たび||

わたし は 初めて 気付か さ れた ||はじめて|きづか||

わたし の やってきた こと は 本当 は 何の 意味 も ない ので は ない か と |||||ほんとう||なんの|いみ|||||||

本当の 幸せ と は ほんとうの|しあわせ||

誰 か と 共に 新たな 命 を はぐくむ こと だれ|||ともに|あらたな|いのち|||

前 に 向かって 共に 歩む こと だ と ぜん||むかって|ともに|あゆむ|||

そんな こと に さえ わたし は これ まで 気付か なかった のだ ||||||||きづか||

とがめ それ に 気付く の は ちょっと まだ 早い んじゃ |||きづく|||||はやい|

２０ 年間 孤独に この 道 を 歩んで きた わたし だ が ねんかん|こどくに||どう||あゆんで||||

出会って たかが 半年 の そ なた に 教え られた であって||はんとし|||||おしえ|

人 は どう 生きる べきな の か と じん|||いきる||||

いや 俺 は まだ あんた の 人生 観 を 変える ような こと は して ねえ よ |おれ|||||じんせい|かん||かえる||||||

何 か 俺 の 体 変だ なん||おれ||からだ|へんだ

何 すんじゃ なん|

七 花 なな|か

しちりん

七 花 おい ああ っ なな|か|||

七 花 ああ っ なな|か||

死んだ か と 思った ぞ どうした の だ しんだ|||おもった||||

てっ 手足 が 思う ように 動か ない |てあし||おもう|よう に|うごか|

凍傷 だ た わけ が とうしょう||||

寒い なら 寒い と 言わ ん か さむい||さむい||いわ||

やせ我慢 して おった と は 思わ ん かった わ やせがまん|||||おもわ|||

いや 寒く は ない んだ けど |さむく||||

体 が だんだん 言う こと を 聞か なく なって からだ|||いう|||きか||

この バカ 鈍い に も 程 が ある わ |ばか|にぶい|||ほど|||

ああ これ が 寒い って 感覚 な の か |||さむい||かんかく|||

駄目だ 寝る な だめだ|ねる|

寝たら 死ぬ ぞ ねたら|しぬ|

七 花 なな|か

目 を 開けろ 開けて くれ ああ っ め||あけろ|あけて|||

起きろ おきろ

目 を 開けて くれ 頼む め||あけて||たのむ

七 花 なな|か

どう しよう

どう すれば

どう すれば

あの

大丈夫です か だいじょうぶ です|

行き ます よ いき||

奇 策 士 とがめ と 七 花 が き|さく|し|||なな|か|

凍 空 こなゆき に 助け られ ました まさに その とき こお|から|||たすけ|||||

暗殺 専門 の 真庭 忍 軍 十二 頭領 全員 が あんさつ|せんもん||まにわ|おし|ぐん|じゅうに|とうりょう|ぜんいん|

真庭 の 里 に 集まって おり ました まにわ||さと||あつまって||

十二 頭領 と いい まして も じゅうに|とうりょう||||

集まって いる の は ６ 人 のみ あつまって||||じん|

「 神 の 鳳凰 」 こと 真庭 鳳凰 かみ||ほうおう||まにわ|ほうおう

「 長寿 の 海亀 」 こと 真庭 海亀 ちょうじゅ||うみがめ||まにわ|うみがめ

「 巻き戻し の 鴛鴦 」 こと 真庭 鴛鴦 まきもどし||おしどり||まにわ|おしどり

「 読み 調べ の 川 獺 」 こと 真庭 川 獺 よみ|しらべ||かわ|だつ||まにわ|かわ|だつ

「 増殖 の 人 鳥 」 こと 真庭 人 鳥 ぞうしょく||じん|ちょう||まにわ|じん|ちょう

そして 姿 なき 「 伝染 の 狂 犬 」 こと 真庭 狂 犬 |すがた||でんせん||くる|いぬ||まにわ|くる|いぬ

そう

真庭 忍 軍 は ここ 半年 ほど で まにわ|おし|ぐん|||はんとし||

その 数 を 半数 に まで 減らさ れて いた ので ございます |すう||はんすう|||へらさ||||

その 危機 的 状況 を 受け |きき|てき|じょうきょう||うけ

真庭 忍 軍 の 実質 的な 頭 真庭 鳳凰 は まにわ|おし|ぐん||じっしつ|てきな|あたま|まにわ|ほうおう|

先月 薩摩 にて せんげつ|さつま|

奇 策 士 とがめ と 同盟 を 締結 した こと を き|さく|し|||どうめい||ていけつ|||

５ 人 の 頭領 たち に 報告 して いた ので ございます じん||とうりょう|||ほうこく||||

故に ここ から 先 は 皆 が 一丸 と なって 動く 必要 が ある ゆえに|||さき||みな||いちがん|||うごく|ひつよう||

あの 虫 組 ３ 人 が 全滅 した と なれば それ も 致し方 ある まい |ちゅう|くみ|じん||ぜんめつ||||||いたしかた||

お 主 と 虫 組 の 蝶 々 は いい 仲 だった のだろう |おも||ちゅう|くみ||ちょう||||なか||

ならば こ たび の 同盟 は お 主 に とって は 不本意な もの と なろう な ||||どうめい|||おも||||ふほんいな||||

いいえ わたし も 蝶 々 も 真庭 忍 軍 の 末席 を 汚す 者 |||ちょう|||まにわ|おし|ぐん||まっせき||けがす|もの

あだ討ち や 報復 の ため に 動こう と は 思い ませ ん あだうち||ほうふく||||うごこう|||おもい||

だ な

あだ討ち っつ ー なら あだうち||-|

俺 は 蝙蝠 の バカ の あだ討ち を し たくて し たくて しょうが ねえ よ おれ||こうもり||ばか||あだうち||||||||

あいつ は 俺 の 親友 だった んだ ||おれ||しんゆう||

けど よ そこ は ぐっと こらえる の が 忍び の 心意気 って もんだ ろ ||||||||しのび||こころいき|||

最終 的に われら が 目的 を 達成 すれば 少し は 報われる だろう さいしゅう|てきに|||もくてき||たっせい||すこし||むくわれる|

それ に は わし ら が 一刻 も 早く 刀 を 集める こと だ ||||||いっこく||はやく|かたな||あつめる||

だ な しか も とがめ ちゃん たち と 衝突 せ ず に だ ろ ||||||||しょうとつ|||||

われ が 奇 策 士 に 教えた ３ 本 の 刀 の 所在 は それぞれ ||き|さく|し||おしえた|ほん||かたな||しょざい||

死霊 山 天童 江戸 である が しりょう|やま|てんどう|えど||

奇 策 士 ら は なぜ か 蝦夷 に 向かった き|さく|し|||||えぞ||むかった

あっ あの えっ 蝦夷 なら そ っ 「 双 刀 · 鎚 」 が ある はずです |||えぞ||||そう|かたな|つち|||はず です

相変わらず お 主 の 情報 収集 力 は さすが だ な あいかわらず||おも||じょうほう|しゅうしゅう|ちから||||

蝙蝠 亡き 今 刀 集 め の 成否 は お 主 と 川 獺 に かかって いる と いって も よ さ そうだ こうもり|なき|いま|かたな|しゅう|||せいひ|||おも||かわ|だつ|||||||||そう だ

では わたし たち は その ４ 本 を 除いた 刀 を 探せば よい と いう こと です ね |||||ほん||のぞいた|かたな||さがせば||||||

そういう こと だ

あっ あの あの あの

どうした 人 鳥 |じん|ちょう

さっ 先ほど の 話 の 続き と いい ます か |さきほど||はなし||つづき||||

刀 の 所在 な んです が 死霊 山 かたな||しょざい||ん です||しりょう|やま

死霊 山 しりょう|やま

死霊 山 に は もう 刀 は ないで す しりょう|やま||||かたな|||

と いう か 死 霊山 自体 が |||し|りょうぜん|じたい|

だっ 誰 の 仕業 か まだ 分かって い ませ ん が |だれ||しわざ|||わかって||||

その者 は 死霊 山 を わずか 半時 で 壊滅 に 追い込み そのもの||しりょう|やま|||はんとき||かいめつ||おいこみ

刀 を 奪って いった らしい です かたな||うばって|||

何と そんな 化け物 が 存在 する と なる と なんと||ばけもの||そんざい||||

お 主に 動いて もらう しか な さ そうだ な 狂 犬 |おもに|うごいて|||||そう だ||くる|いぬ

狂 犬 くる|いぬ

川 獺 狂 犬 は いつまで ここ に いた かわ|だつ|くる|いぬ|||||

勘弁 して くれよ かんべん||

今 の あいつ が 本気で 動いたら いま||||ほんきで|うごいたら

同じ 獣 組 の 俺 に だって 捕らえ きれ ねえ よ おなじ|けだもの|くみ||おれ|||とらえ|||

鳳凰 さん が 蝦夷 うんぬん 言って た とき は まだ いた ように 思う が ね ほうおう|||えぞ||いって||||||よう に|おもう||

まず いな

と いう こと は 奇 策 士 を 追った か ||||き|さく|し||おった|

狂 犬 の やつ は 人一倍 情 に 厚い から な くる|いぬ||||ひといちばい|じょう||あつい||

わし ら に 止める こと は でき ぬだろう |||とどめる||||

だ な

狂 犬 が 動いた って こと は くる|いぬ||うごいた|||

同盟 は 締結 して から １ カ月 持た ず に 崩壊 する どうめい||ていけつ|||かげつ|もた|||ほうかい|

こう なったら しかたがない ||しかたが ない

ゆく ぞ 川 獺 ||かわ|だつ

望む ところ よ のぞむ||

奇 策 士 ちゃん 虚 刀 流 ちゃん き|さく|し||きょ|かたな|りゅう|

わたし を これ だけ 怒ら せた の は あんた たち が 初めて よ ||||いから|||||||はじめて|

許さ ない わ ゆるさ||

仲間 の 敵 は わたし が 討つ なかま||てき||||うつ

いい こと わたし が 踊 山 に 着く まで 凍死 する んじゃ ない わ よ ||||おどり|やま||つく||とうし|||||

お前 すげ え 力持ち な んだ な おまえ|||ちからもち|||

この 猛 吹雪 の 中 |もう|ふぶき||なか

俺 と とがめ 担いで きた んだ ろ おれ|||かついで|||

そんな ち み っちゃ い 体 で よ |||||からだ||

そう で ない と こんな 山 で 暮らして られ ないで す から ね |||||やま||くらして|||||

お 兄ちゃん こそ すごい で すよ |にいちゃん||||

人間 １ 人 背負って この 山 の 半分 まで 登って くる なんて にんげん|じん|せおって||やま||はんぶん||のぼって||

地表 人 と して は なかなか の 根性 です ちひょう|じん||||||こんじょう|

地表 人 ちひょう|じん

お 兄ちゃん お 姉ちゃん お 名前 教えて もらって いい です か |にいちゃん||ねえちゃん||なまえ|おしえて||||

これ は 失礼 した ||しつれい|

わたし は 尾張 幕府 直轄 預奉 所 軍 所 総 監督 ||おわり|ばくふ|ちょっかつ|よほう|しょ|ぐん|しょ|そう|かんとく

奇 策 士 と が めだ き|さく|し|||

俺 は 虚 刀 流 七 代 目 当主 鑢 七 花 おれ||きょ|かたな|りゅう|なな|だい|め|とうしゅ|やすり|なな|か

とがめ お 姉ちゃん と 七 花 お 兄ちゃん です ね ||ねえちゃん||なな|か||にいちゃん||

うち っち は 凍 空 こなゆき １１ 歳 です |||こお|から||さい|

よろしく です

凍 空 なるほど こお|から|

ここ で そ なた と 会った の も 何 か の 縁 だ なう ん |||||あった|||なん|||えん|||

わたし たち は そな たら 一族 に 用 が あって ここ まで 来た のだ |||||いちぞく||よう|||||きた|

そう な んです か ||ん です|

うち っち びっくり

助けて もらって おいて すまない が たすけて||||

明朝 に なったら 凍 空 一族 の 村 まで 案内 して くれ まい か みょうちょう|||こお|から|いちぞく||むら||あんない||||

ええ と で すね 非常に 言い づらい んです が ||||ひじょうに|いい||ん です|

凍 空 の 村 は つい 先日 起きた 雪崩 で 全滅 しちゃ った んです よ こお|から||むら|||せんじつ|おきた|なだれ||ぜんめつ|||ん です|

全滅 ぜんめつ

はい

生き残った の は うち っち １ 人 だけ です いきのこった|||||じん||

じゃ どう すんだ よ 刀 集め ||||かたな|あつめ

刀 集め それ って 何 です か かたな|あつめ|||なん||