RDG : Red Data Girl Episode 7

おい

悪気 は ない の ごめん ね わるぎ|||||

悪気 が ない って これ が わるぎ|||||

今 見て いる もの は 現実 と 少し だけ 違う いま|みて||||げんじつ||すこし||ちがう

別 の 層 に 入って いる から べつ||そう||はいって||

この 中 に 真澄 が いる けど どれ だ か 分かる |なか||ますみ|||||||わかる

後 は 真澄 の 眷属 だ と 思って あと||ますみ||けんぞく|||おもって

大した こと は でき ない けど たいした|||||

攻撃 さ れる と やっぱり 痛い と 思う こうげき|||||いたい||おもう

どうして 攻撃 さ れ なきゃ いけない ん だ よ |こうげき|||||||

護身 し て おか ない と 結構 酷 い 目 に 遭う よ ごしん||||||けっこう|こく||め||あう|

鈴 原 に は 護身 は 無理 だ ぞ すず|はら|||ごしん||むり||

心配 し ない で 彼女 は 私 が 守る しんぱい||||かのじょ||わたくし||まもる

言った でしょ う いった||

酷 い 目 に 遭う って こく||め||あう|

相楽 が 修行 で 習って いる こと を 見せ て よ さがら||しゅぎょう||ならって||||みせ||

妖怪 退治 なんて 習って る もん か ようかい|たいじ||ならって|||

まだ 隠す の |かくす|

真澄 を 捕まえる か 真澄 の 結 界 を 破って 元 の 世界 に 戻す か ますみ||つかまえる||ますみ||けつ|かい||やぶって|もと||せかい||もどす|

二 つ に 一 つ だ と 思って ふた|||ひと||||おもって

やめよ う よ 真 響 さ ん こんな こと |||まこと|ひび||||

山伏 の 本業 は 調 伏 でしょ う やまぶし||ほんぎょう||ちょう|ふ||

調 伏 する なら 錫 杖 が 要る ちょう|ふ|||すず|つえ||いる

願え ば 出 て くる よ ねがえ||だ|||

真 響 さ ん もう やめ て 危ない よ まこと|ひび||||||あぶない|

怖がら なく て も 大丈夫 こわがら||||だいじょうぶ

そう じゃ なく て 相楽 くん が … ||||さがら||

泉 水子 ちゃん だって あいつ が どの 程度 か 見極め たい でしょ う いずみ|みずこ||||||ていど||みきわめ|||

今 まで 何も 知ら さ れ なかった って 言って た じゃ ない いま||なにも|しら|||||いって|||

泉 水子 ちゃん って 何一つ 知ら さ れ ず に 入学 し た の いずみ|みずこ|||なにひとつ|しら|||||にゅうがく|||

相楽 くん 全部 を 私 に 話す と は 限ら ない から さがら||ぜんぶ||わたくし||はなす|||かぎら||

相楽 の パートナー 枠 に なって いる こと 泉 水子 ちゃん も 不満 だった ん でしょ う さがら||ぱーとなー|わく|||||いずみ|みずこ|||ふまん||||

違う の ちがう|

私 強く 言い 過ぎ た わたくし|つよく|いい|すぎ|

本当 は 知って る の ほんとう||しって||

相楽 くん 私 の せい で 巻き込ま れ た だけ だって さがら||わたくし||||まきこま||||

迷惑 に 思う の は 当然 だって めいわく||おもう|||とうぜん|

深 行く ん ふか|いく|

もう 終わら せ て 隣 に いる の が 真澄 くん だ よ 真夏 くん じゃ ない |おわら|||となり|||||ますみ||||まなつ|||

やっぱり 真 響 さ ぁ やり すぎ だって |まこと|ひび|||||

そう かな

この くらい やって も 後 で 笑って 許し て も える と 思って る だ ろ う ||||あと||わらって|ゆるし|||||おもって||||

自分 が 女 だ から って じぶん||おんな|||

私 は 私 だ から と 思って いる だけ よ わたくし||わたくし||||おもって|||

災難 だった な シン コウ さいなん||||

なんか 痺れ が き た |しびれ|||

真澄 の 場 の 戻し 方 が 急 だった から ますみ||じょう||もどし|かた||きゅう||

鈴 原 さん に 言い当て られ て すず|はら|||いいあて||

錫 杖 を くれ た の 真澄 だった の か すず|つえ|||||ますみ|||

鈴 原 は すず|はら|

どう し た の 鈴 原 さん ||||すず|はら|

自分 に 落ち込 ん でる の じぶん||おちこ|||

どうして

私 何も 見え て い なかった から わたくし|なにも|みえ||||

俺 の こと は 見え た じゃ ない おれ||||みえ|||

真澄 くん が 見え て も 自分 の こと が 見え て い ない よ ますみ|||みえ|||じぶん||||みえ||||

怖かった こわかった

真 響 は シン コウ を 試し て い た だけ だった し まこと|ひび|||||ためし||||||

鈴 原 さん は ばっ ちり 安全 だった ろ う すず|はら|||||あんぜん|||

怖かった よ こわかった|

怖く ない はず ない じゃ ない こわく|||||

そりゃ 脅かす よう に 押し た から ね |おびやかす|||おし|||

けど 鈴 原 さん は もっと 平気 な 人 か と 思って た |すず|はら||||へいき||じん|||おもって|

私 が 相楽 くん を 巻き込 ん だ ん だ わたくし||さがら|||まきこ||||

思わず そう 言ったら それ が 真相 だった こと に 気 が つい た おもわず||いったら|||しんそう||||き|||

期待 し て いる と 思い たく なく て きたい|||||おもい|||

真 響 さん に は 相楽 くん を 貶 し 加減 に 言って い た こと も まこと|ひび||||さがら|||さげす||かげん||いって||||

何 それ 鈴 原 さん の 落ち込み って シン コウ の せい なん||すず|はら|||おちこみ|||||

私 って 普通 の 人 に なり たい と 思って も ちっとも そう なれ ない わたくし||ふつう||じん|||||おもって|||||

でも 相楽 くん は 私 さえ い なけ れ ば 全然 普通 の 人 な ん だ よ |さがら|||わたくし||||||ぜんぜん|ふつう||じん||||

真澄 くん も こういう こと し ちゃ だめ だ よ ますみ|||||||||

俺 の せい おれ||

少し 元気 に なった じゃ ん すこし|げんき||||

そろそろ 置いてきぼり に 気づ い たら |おいてきぼり||きづ||

あっ あれ

鈴 原 さん み たい に 普段 から 現実 に 鈍い 人 だ と すず|はら|||||ふだん||げんじつ||にぶい|じん||

ここ で は 迷子 に なり やすい よ |||まいご||||

どう しよ う …

大丈夫 戻し て あげる だいじょうぶ|もどし||

鈴 原 さん は 俺 を 見つけ られる 人 だ も の すず|はら|||おれ||みつけ||じん|||

大事 に し ない と だいじ||||

鈴 原 さん い ませ ん か すず|はら|||||

鈴 原 さん … すず|はら|

泉 水子 ちゃん どこ いずみ|みずこ||

大丈夫 です か 鈴 原 さん だいじょうぶ|||すず|はら|

や だ いつの間に 後ろ に い た の ||いつのまに|うしろ||||

ああ ええ と …

鈴 原 泉 水子 さん です ね すず|はら|いずみ|みずこ|||

はじめ まして こんにちは

と いう か こうして お 話 が でき て 嬉しい です |||||はなし||||うれしい|

えっ あの う …

えっ と 鈴 原 さん は 僕たち の 間 で は 有名 です が ||すず|はら|||ぼくたち||あいだ|||ゆうめい||

そちら に とって は 得 体 の 知れ ない やつ です よ ね ||||とく|からだ||しれ|||||

いやいや 改めて ご挨拶 し ます と |あらためて|ごあいさつ|||

日本 史 研究 会 代表 取締 役 両 国 瑞彦 です にっぽん|し|けんきゅう|かい|だいひょう|とりしまり|やく|りょう|くに|ずいひこ|

すでに ご存知 か と 思い ます が |ごぞんじ|||おもい||

僕ら 宗 田 真 響 さん の ファン クラブ で も ある わけ で し て ぼくら|はじめ|た|まこと|ひび|||ふぁん|くらぶ|||||||

鈴 原 さん の こと も 非常 に よく 存じ 上げ て おり ます すず|はら|||||ひじょう|||ぞんじ|あげ|||

今後 と も ぜひ 末 永く お付き合い を こんご||||すえ|ながく|おつきあい|

配下 の 者 と して 同行 し て いる わけ か はいか||もの|||どうこう|||||

ああ 鈴 原 です すみません |すず|はら||

この 人 たち は 真澄 の こと は 知ら ない |じん|||ますみ||||しら|

いや 結構 天狗 の 面 を 揃える の が 大変 だった ん です よ |けっこう|てんぐ||おもて||そろえる|||たいへん||||

真澄 が 利用 し た だけ ますみ||りよう|||

荒っぽい 手口 だった の は 認める あらっぽい|てぐち||||みとめる

でも こうして 鈴 原 さん に 印象 を 残せ た の なら ||すず|はら|||いんしょう||のこせ|||

ごめんなさい

その 甲斐 が あり まし た |かい||||

でも 相楽 に も 泉 水子 ちゃん に も 日本 史 研究 会 を 印象づけ た でしょ う |さがら|||いずみ|みずこ||||にっぽん|し|けんきゅう|かい||いんしょうづけ|||

実は 僕たち 学園 祭 で 忍者 を テーマ に 展示 発表 する つもり な ん です よ じつは|ぼくたち|がくえん|さい||にんじゃ||てーま||てんじ|はっぴょう||||||

皆さん に も 参加 し て もらえ る と 嬉しい ん です けど ねえ みなさん|||さんか||||||うれしい||||

それ って SMF に 入る って こと です か ||||はいる||||

俺 は 傍観 者 の 立場 で おれ||ぼうかん|もの||たちば|

如月 会長 の 元 に いる の が 一 番 ありがたい です きさらぎ|かいちょう||もと|||||ひと|ばん||

それ は 泉 水子 ちゃん に も それ が 一 番 って 意味 ？ ||いずみ|みずこ||||||ひと|ばん||いみ

俺 は 指図 する 立場 じゃ ない おれ||さしず||たちば||

本人 が 選べ ば ほんにん||えらべ|

じゃあ 九 月 から 改めて よろしく お 願い し ます |ここの|つき||あらためて|||ねがい||

では

結局 シン コウ って 正真正銘 の 初心 者 だった って わけ か けっきょく||||しょうしんしょうめい||しょしん|もの||||

親父 の 見立て 違い が はっきり し た な おやじ||みたて|ちがい|||||

「 本人 の 言う こと に ちゃんと 耳 を 貸せ 」 と 言い たい ね ほんにん||いう||||みみ||かせ||いい||

そう な ん だ けど さ

真 響 が 怪しむ 気持ち も 分かる ん だ よ まこと|ひび||あやしむ|きもち||わかる|||

真澄 が いる こと や この 手 の 物事 に シンコウ は ビビ ら ぬ すぎる ますみ||||||て||ものごと|||||||

まとも な 神経 を 持た ない よう に 言う の は やめ て くれ ||しんけい||もた||||いう|||||

シン コウ なら 自力 で なんとか し て しまい そう に 見える ん だ よ |||じりき||||||||みえる|||

実際 は 鈴 原 さん が 終わら せ ちゃ った けど じっさい||すず|はら|||おわら||||

鈴 原 さん って どうして あんなに 自覚 し ない で い られる の か な すず|はら|||||じかく||||||||

みんな に 利用 さ れる ばかり な のに ||りよう|||||

三 村 さん から だ みっ|むら|||

どう し た の

タビ 具合 が よく ない らしい |ぐあい||||

戸隠 に いる なら すぐ 来 て くれ って とがくし|||||らい|||

タビ が

俺 行か なきゃ おれ|いか|

待って よ それ なら 私 も 行く まって||||わたくし||いく

私 も タビ に 合わせ て もらう はず だった もの わたくし||||あわせ|||||

いや 病気 だったら 俺 だけ の ほう が いい |びょうき||おれ|||||

真 響 は 来る な 合宿 を 仕切ら ない と まこと|ひび||くる||がっしゅく||しきら||

ごめん 鈴 原 さん タビ が 元気 を 取り戻し たら 会って やって |すず|はら||||げんき||とりもどし||あって|

病気 の 生き物 に は 周り が 騒がしい と ダメ な ん だ びょうき||いきもの|||まわり||さわがしい||だめ|||

自分 は 合宿 を 放棄 する つもり じぶん||がっしゅく||ほうき||

タビ の ため に

タビ の ほう が 大事 だ ||||だいじ|

一 人 で なんか 行か せ られ ない ひと|じん|||いか|||

明日 に なったら 私 たち と 行 こ う あした|||わたくし|||ぎょう||

ダメ だ 俺 と タビ と の 約束 な ん だ だめ||おれ|||||やくそく|||

俺 一 人 が 抜ける だけ なら 影響 は ない はず だ おれ|ひと|じん||ぬける|||えいきょう||||

真澄 が いる から ますみ|||

まさか 真澄 に 身代わり を さ せる つもり |ますみ||みがわり||||

真澄 は 学校 生活 を し た がって い た ますみ||がっこう|せいかつ||||||

合宿 で あって も 少し は 味わえ る はず だ がっしゅく||||すこし||あじわえ|||

何 言って る の なん|いって||

ここ は 戸隠 な ん だ ||とがくし|||

真澄 に は できる ますみ|||

真夏 あなた 何 考え てる の まなつ||なん|かんがえ||

真澄 ますみ

学生 に なり に 来 まし た がくせい||||らい||

先 は どうも さき||

あれ ぐらい の こと で 怒っちゃ いや だ よ |||||いかっちゃ|||

俺 友達 少ない から 結構 気 に し てる ん だ よ おれ|ともだち|すくない||けっこう|き||||||

ここ でも 幻 を 出し たり 消し た り する わけ ||まぼろし||だし||けし||||

し ない し ない 真夏 に なり に 来 た ん だ から ||||まなつ||||らい||||

仲良く しよ う よ なかよく|||

相 部屋 な ん だ し シン コウ に は 真夏 と 泊まった 記憶 が ある だ ろ そう|へや|||||||||まなつ||とまった|きおく||||

俺 そういう の も 参考 に できる ん だ よ おれ||||さんこう|||||

真澄 の 面倒 を お 願い し て いい かな ますみ||めんどう|||ねがい||||

頼め る 立場 じゃ ない けど たのめ||たちば|||

しおらしい 宗 田 と いう の は 初めて 見る な |はじめ|た|||||はじめて|みる|

茶化さ ない で よ ちゃかさ|||

真澄 を 喜ば せる こと も 大事 だって 真夏 は いつも 言って る の ますみ||よろこば||||だいじ||まなつ|||いって||

タビ の こと で 真澄 まで 一緒 に 悲しく さ せる なって こと な ん だ と 思う ||||ますみ||いっしょ||かなしく|||||||||おもう

何 の こと なん||

俺 は 普通 に し て い れ ば いい ん だ な おれ||ふつう||||||||||

何とか なる だ ろ なんとか|||

張り切る なぁ はりきる|

めった い に ない よ こんな こと

そう です か 分かり まし た |||わかり||

真夏 に も こっち に 連絡 する よう に と まなつ|||||れんらく||||

はい お 願い し ます ||ねがい||

タビ 立ち上がれ ない ん だ って |たちあがれ||||

前 から 疝痛 を 起こす 馬 で は あった けど ぜん||せんつう||おこす|うま||||

急に 立て なく なった こと は なかった って きゅうに|たて||||||

それ って 結構 ||けっこう

危ない と 思う あぶない||おもう

ああ もう 真夏 ったら ||まなつ|

馬 と 人 の 区別 が つい て い ない ん だ から うま||じん||くべつ||||||||

真 響 さ ん まこと|ひび||

真夏 と 真澄 って まなつ||ますみ|

昔 から 二 人 で 一 つ の バランス を 取る ところ が あった むかし||ふた|じん||ひと|||ばらんす||とる|||

私 と は そこ が 違って い た の わたくし|||||ちがって|||

バランス ？ ばらんす

感情 の かんじょう|

真澄 が あれほど 明るい って こと は ますみ|||あかるい|||

い た い た

せっかく 同じ 屋根 の 下 に いる ん だ から |おなじ|やね||した|||||

もっと ずっと 一緒 に いよ う よ ||いっしょ||||

真澄 本当 に 真夏 の 振り を する 気 が ある の ますみ|ほんとう||まなつ||ふり|||き|||

ある よ

でも ちょっと くらい 俺 の 希望 を 言って も いい じゃ ん |||おれ||きぼう||いって||||

どう する ん だ よ これ

兄弟 が どうして いる か 離れ て い て も 分かる の か きょうだい|||||はなれ|||||わかる||

い や ー そう で も ない ||-||||

会え ば 過去 の こと でも すぐ 分かる ？ あえ||かこ|||||わかる

まあ 会え ば ね |あえ||

考え て いる こと は 分かる の か かんがえ|||||わかる||

例えば 今 宗 田 が どう 思って いる か と か たとえば|いま|はじめ|た|||おもって||||

痛 っ ！ つう|

それ が でき たら 苦労 し ない よ ー ||||くろう||||-

ここ は 女子 部屋 の はず だった ん だ けど ||じょし|へや||||||

すみません

今 帰り ます いま|かえり|

ちょうど いい

夕食 の 後 全員 に 話 が ある から ゆうしょく||あと|ぜんいん||はなし|||

お 座敷 に 集まる よう に 男子 に 伝え とい て |ざしき||あつまる|||だんし||つたえ||

これ から 秋 乃 川 さん と 二 人 で 舞踊 を 一 曲 見せ たい と 思い ます ||あき|の|かわ|||ふた|じん||ぶよう||ひと|きょく|みせ|||おもい|

私 は 生徒 会長 の 立場 で わたくし||せいと|かいちょう||たちば|

生徒 会 を 守る ため に 踊る つもり です せいと|かい||まもる|||おどる||

この 中 に 何 か に 憑 かれ た 人 |なか||なん|||ひょう|||じん

人 で は ない もの が 混じって い ます じん||||||まじって||

そういう 不正 な もの から 守る ため に 踊り ます |ふせい||||まもる|||おどり|

天 鈿女 命 の 神話 に ある よう に てん|でんおんな|いのち||しんわ||||

舞踊 に は 清め の 力 も ある こと を あなた たち に も 知って ほしい ぶよう|||きよめ||ちから|||||||||しって|

如月 さん 強い きさらぎ||つよい

停電 ？ ていでん

ブレーカー か ？ ぶれーかー|

ライト ライト ない の ？ らいと|らいと||

ホラー ショー だった よ もう 完璧 |しょー||||かんぺき

学園 祭 の 出し物 に でき そう だった がくえん|さい||だしもの||||

あれ 宗 田 弟 が い ない |はじめ|た|おとうと|||

おい 相楽 も い なく なって る ぞ |さがら||||||

えっ どうして 相楽 ？ ||さがら

誰 か 探し に 行って こい よ だれ||さがし||おこなって||

どこ に だ よ

いや どこ って

や べ ー 手分け し て 部屋 を 全部 探し て ||-|て わけ|||へや||ぜんぶ|さがし|

おい そこ ！

じゃ ん ！

納涼 でき まし た ？ のうりょう|||

何 だ よ なん||

びっくり し た かい

誰 か が 場 を 盛り上げ ない と 会長 の 意向 に 沿わ ない でしょ う だれ|||じょう||もりあげ|||かいちょう||いこう||そわ|||

何 だ よ 盛り上げ すぎ だ よ なん|||もりあげ|||

玲奈 着替えよ う れいな|きがえよ|

余興 は おしま い よきょう|||

もう 一 っ 風呂 浴び て くる かな |ひと||ふろ|あび|||

行 こ う ぜ ぎょう|||

お 風呂 行く 人 ？ |ふろ|いく|じん

如月 さん 本当 に 真澄 くん を 弾 い た の きさらぎ||ほんとう||ますみ|||たま|||

そう だ と 思う でも ここ で は 真澄 の ほう が 強い |||おもう|||||ますみ||||つよい

でも どうして 相楽 くん まで 一緒 な の ||さがら|||いっしょ||

付き合い だ よ ちょっと し た つきあい|||||

あれ 真夏 から の 連絡 じゃ ない の か |まなつ|||れんらく||||

タビ たぶん 今夜 中 だって ||こんや|なか|

宗 田 は ？ はじめ|た|

明け方 まで 眠ら ず に 連絡 待って た みたい だ けど あけがた||ねむら|||れんらく|まって||||

真澄 くん は ？ ますみ||

寝 てる よう に 見える ね||||みえる

俺 たち だけ でも あっ ち へ 行って 見 て き た ほう が いい かも な おれ|||||||おこなって|み||||||||

うん 真夏 くん を 一 人 に し て おい て は 駄目 だ と 思う |まなつ|||ひと|じん|||||||だめ|||おもう

私 だって 行く に 決まって いる でしょ う わたくし||いく||きまって|||

このまま 放っておけ る と 思う の |ほうっておけ|||おもう|

あいつ ったら 少し お 説教 し なく ちゃ ||すこし||せっきょう|||

どうして

真 響 が 行って も 感じ 方 の ズレ が はっきり する ばかり だ よ まこと|ひび||おこなって||かんじ|かた||ずれ||||||

タビ が 死 ん で も 真 響 に は そんなに 悲しく 思え ない でしょ う ||し||||まこと|ひび||||かなしく|おもえ|||

私 だって 悲しい と 思って いる わたくし||かなしい||おもって|

そう かな ずれ た 所 が 露骨 に なる の は まずい ん でしょ う ||||しょ||ろこつ||||||||

あいつ が 一 人 に なり たい 時 くらい 俺 の 相手 し て いて よ ||ひと|じん||||じ||おれ||あいて||||

私 の 気持ち より あいつ の 気持ち を 優先 する って こと じゃ ない わたくし||きもち||||きもち||ゆうせん|||||

いつ から こんなに 真夏 寄り に なった の |||まなつ|より|||

二 人 の 見解 が 完全 に 決裂 し ちゃ ったら ふた|じん||けんかい||かんぜん||けつれつ|||

俺 は 真澄 でも い られ ない よ おれ||ますみ|||||

それ が 条件 だったり する の か ||じょうけん||||

宗 田 たち 二 人 が 真澄 に 対 し て 同じ 見解 を 持って いる こと が はじめ|た||ふた|じん||ますみ||たい|||おなじ|けんかい||もって|||

まあ ね 二 人 の 意志 だ から できる こと な の よ ||ふた|じん||いし|||||||

真夏 の 気 が すむ まで 私 が 譲る 時 が あって も いい の か も まなつ||き||||わたくし||ゆずる|じ|||||||

私 たち が 代わり に 行って くる から 心配 し ない で わたくし|||かわり||おこなって|||しんぱい|||

真夏 くん を 連れ て 帰って くる から まなつ|||つれ||かえって||

じゃあ お 願い ||ねがい

そう して くれる ？

すみません 宗 田 真夏 くん は い ます か |はじめ|た|まなつ|||||

友人 の もの な ん です が ゆうじん||||||

厩舎 に 戻って 片付け を し て いる ん じゃ ない か な きゅうしゃ||もどって|かたづけ|||||||||

呼 ん で き ま しょ う か よ|||||||

あの タビ は ？

朝方 ね あさがた|

たった 今 業者 が 運 ん で いった ところ だ よ |いま|ぎょうしゃ||うん||||||

それ じゃ さっき の トラック が ||||とらっく|

真夏 くん まなつ|

あれ 来 た ん だ |らい|||

無駄 足 さ せ て 悪かった ね むだ|あし||||わるかった|

もう タビ は 見せ て やれ ない |||みせ|||

どんな 馬 だった の |うま||

黒 鹿 毛 って 黒 に 近い 毛色 だ けど 足 の 先 が 白く て ね くろ|しか|け||くろ||ちかい|けいろ|||あし||さき||しろく||

靴下 って いう より 「 足袋 」 って 感じ だった くつした||||たび||かんじ|

だから タビ な ん だ

俺 たち が ちび の 頃 は タビ も 血気 盛ん だった から おれ|||||ころ||||けっき|さかん||

真澄 と 二 人 結構 落 っこ と さ れ た な ますみ||ふた|じん|けっこう|おと||||||

ずいぶん 長生き だった よ ね |ながいき|||

馬 の 寿命 は 馬主 が 決める ん だ うま||じゅみょう||ばしゅ||きめる||

馬 は 立ち 上がれ ない と うま||たち|あがれ||

それ だけ でも どんどん 弱って いく ん だ ||||よわって|||

体重 が ある から 動け ない と 内臓 が 圧迫 さ れ て たいじゅう||||うごけ|||ないぞう||あっぱく|||

壊死 が 始まる えし||はじまる

もちろん ひどく 苦しむ ||くるしむ

じゃ 朝方 に 死 ん だ と いう の は |あさがた||し||||||

薬 を 打って 心臓 を 止め た 薬 殺 って こと くすり||うって|しんぞう||とどめ||くすり|ころ||

お前 それ を おまえ||

ひょっとしたら まだ 方法 が あった の かも しれ ない ||ほうほう||||||

でも もう 楽 に さ せる こと に し た ||がく|||||||

宗 田 を 呼ば なかった の は だ から な の か はじめ|た||よば||||||||

うん

ずいぶん 心配 し て いた ん だ ぞ |しんぱい||||||

でも 真澄 が 元気 だった だ ろ う |ますみ||げんき||||

真澄 に は いい 機会 だ ますみ||||きかい|

俺 今回 色々 考え ちゃ った よ おれ|こんかい|いろいろ|かんがえ|||

俺 たち 人間 に は 成り行き に 任せ ず に おれ||にんげん|||なりゆき||まかせ||

決断 し て 終わら せる 方法 が ある ん だ な けつだん|||おわら||ほうほう|||||

真 響 は 真澄 と も 俺 と も 一生 一緒 に い られる わけ じゃ ない まこと|ひび||ますみ|||おれ|||いっしょう|いっしょ||||||

それ は 真澄 も 俺 も 分かって いる ||ますみ||おれ||わかって|

だけど 真 響 だけ が まだ 分かって い ない |まこと|ひび||||わかって||

どうして そんな こと を 言う の ||||いう|

今 終わら せる 潮時 だ と いう 気 が し た ん だ よ いま|おわら||しおどき||||き||||||

今 なら まだ 間に合う いま|||まにあう

俺 が あいつ を 一 人 に し て しまう より は おれ||||ひと|じん||||||

何 を 終わら せる って いう の なん||おわら||||

言い なさい よ 真夏 何 を 終わら せる 潮時 だって いう の いい|||まなつ|なん||おわら||しおどき|||

どうして 真澄 を 置 い て き た ん だ |ますみ||お||||||

俺 を 選 ん じゃ いけ なかった のに おれ||せん|||||

真澄 は 無傷 じゃ ない ますみ||むきず||

傷つ い て いる ほう 悲し ん で いる ほう を 大事 に する の は 当然 の こと よ きずつ|||||かなし||||||だいじ|||||とうぜん|||

あんた 自分 が 悲し ん で いる こと さえ 分かって い ない の |じぶん||かなし||||||わかって|||

俺 は タビ が 死 ん で 悲しい ん じゃ ない おれ||||し|||かなしい|||

そんな の タビ に 失礼 だ ||||しつれい|

俺 が 悲しむ と し たら おれ||かなしむ|||

タビ の 守り が なくなって 嫌 でも 向き合う 自分 の こと だ よ ||まもり|||いや||むきあう|じぶん||||

俺 は 真 響 が 一 番 大事 で 真 響 は 俺 が 一 番 大事 じゃ もう 駄目 な ん だ おれ||まこと|ひび||ひと|ばん|だいじ||まこと|ひび||おれ||ひと|ばん|だいじ|||だめ|||

真夏 くん まなつ|

誰 か が 私 を 呼ぶ の だれ|||わたくし||よぶ|

どこ か で 私 を 呼ぶ |||わたくし||よぶ

遠く から 近づ い てる とおく||ちかづ||

優しい 響き やさしい|ひびき

心 動き出し て こころ|うごきだし|

一 つ 教え て ひと||おしえ|

この 切ない 予感 の 前 で |せつない|よかん||ぜん|

まだ 知ら ず に い た |しら||||

思い が 広がり かけ てる の おもい||ひろがり|||

夢見 て い た 自由 に ゆめみ||||じゆう|

戸惑い がち の まま とまどい|||

小さな 声 で 願う ちいさな|こえ||ねがう

みんな と 一緒 に ||いっしょ|

笑い 合い たい ね わらい|あい||

まだ 考え て いる |かんがえ||

俺 は やっぱり 真澄 と 同じ もの に なった ほう が おれ|||ますみ||おなじ|||||

真 響 の そば に い て や れる の かも しれ ない まこと|ひび|||||||||||

真 響 さ ん まこと|ひび||

お 父さん お 父さん すぐに 来 て |とうさん||とうさん||らい|

真夏 が 真澄 に 連れ て 行か れ ちゃ う まなつ||ますみ||つれ||いか|||

私 が 普通 に なり たい と 思う の は わたくし||ふつう|||||おもう||

いけない こと な の