episode 15「Happy Birthday!?」
( 菜緒 ( なお )) 上原 ( うえ はら ) 君 お 元気です か ?
あの ステキな 旅行 から もう 2 週間 が 過ぎ ました
私 は もう すぐ 18 歳 に なり ます
でも 残念 ながら
その 瞬間 を あなた と 一緒に 迎える 自信 が あり ませ ん
元気だ けが 取りえ だ と 思って いた 私 が
まさか こんな こと に なる なんて
昨日 まで 考え も し ませ ん でした
( 菜緒 ) だ から 何で 返事 くん ない の ?
( 上原 ) 返事 って ? ( 菜緒 ) メール の 返事 !
( 菜緒 ) 昨日 も 今日 も 全然 くれ なかった じゃ ん
( 上原 ) ああ …
って か どう せ 毎日 顔合わせ てる じゃ ん
そういう 問題 じゃ ない でしょ
( 上原 )“ 上原 くん 見て !”
“ バイト 近く で こんな 花 が 咲いて た よ ”
そう これ す っ ごい かわいい でしょ
“ 上原 くん 今 ”
“ まり な と カフェ で お茶 して ます !”
“ 期間 限定 ケーキ いった だき ま ぁ ー す !”
これ す っご い おいしい んだ よ
甘くて ね しか も かわいい
これ 全部 返事 いら ない やつ だ ろ
いる よ いる !
私 は さ 上原 君 に
一 番 に 感動 を 伝え たかった だけ な のに
分かった 分かった 用 は そん だけ か ?
あ … 上原 君 今日 1 日 バイト 休み だ よ ね
( 上原 ) うん
新しい パソコン 買って から 家 閉じこもり すぎ じゃ ない ?
あっ ほら 振替 休日 だし お出かけ でも 行か ない ?
悪い 気 が 散る から 1 人 に して くれる ?
負けた
完全に パソコン に 負けた
いや も しか して
私 自分 の 考え 押し付けて た ?
それ って 彼女 と して 失格 じゃ …
ええ …
上原 君 が 借りた DVD か
知ら ない 映画 ばっ か
あっ
ねえ 上原 君 あの 映画 全部 見る の ?
( 上原 ) あー うん
私 も 一緒に 見よ っか な
無理 す んな よ
吉川 ( よし かわ ) 恋愛 もの か アニメ しか 見 ない じゃ ん
いや 別に 無理 なんか して ない よ
これ から は そういう の も 見て み よっ か な ~ と 思って
まあ いい けど
( 英語 の 音声 )
( 英語 の 音声 )
( 悲鳴 )
わ っ わ っ わ …
( 英語 の 音声 )
( 菜緒 ) ん ?
食べる ?
( テレビ を 消す 音 )
えっ まだ 途中 じゃ ん
悪い 自分 の 部屋 の パソコン で 見る わ
えっ ち ょっ … ちょっと
しばらく 1 人 に して
えっ !?
めげ ない めげ ない
私 に は 料理 と いう 武器 が ある じゃ ん
よし !
できた
上原 君
ここ は ひと つ しおらしく
“ 今日 は せっかく の お 休み な のに ”
“ 邪魔 して ごめん ”
“ 晩 ご飯 できた よ ”
送信
あっ
( スマホ の バイブ 音 )
お っ !
( 上原 ) “ う ざい いい加減に しろ ”
ハッ !
頭 きた !
もう 上原 君 に 一口 も あげ ない から !
私 が 全部 食べる し
パソコン でも やって れば いい んじゃ ない の ?
うん おいしい おいしい
( 光 石 ) で 腹 壊した と
( まり な )2 泊 3 日 の 入院 と
( 菜緒 ) 海 鮮 スープ に 入って た 牡蠣 が 原因 みたい
( 光 石 ) 自分 で 作った 料理 に あたる って さすが 菜緒 だ な
あー もう !
こない だの 旅行 で ラブ ラブ に なった と 思った のに
あの 夜 だって
結局 のぼせちゃ って 何にも なかった んでしょ ?
いや でも 心 の 繋がり は 強まった はずだ けど
でも どうにも パソコン に は 勝て なくて
上原 恋愛 の 優先 順位 低 そうだ もん な
でも さ う ざい は ひど すぎ ない ?
それ が 彼女 に 言う こと ? ( 光 石 ) まあ 確かに な
それ に 見舞い どころ か メール 1 つ も くれ ない んだ よ
今頃 1 人 の 時間 満喫 して たり して
考え よう に よっちゃ いい きっかけ かも よ
きっかけ ? ( まり な ) うん
上原 君 が 菜緒 の こと を 大切に 思う きっかけ
会え ない 時間 が 愛 を 育てる って ね ~
あっ あさって の 退院 の 日 ちょうど 菜緒 誕生日 でしょ
帰ったら そりゃ あ もう ラブ ラブ でしょう よ
いや そんな の 忘れて る と 思う
いや あ 今頃 上原
プレゼント 何 に しよう か な ~ って 悩んで んじゃ ない か な
土曜 で 休み だ し サプライズ 仕掛け られちゃ う かも
や だ ~
上原 君 から の プレゼント
ハッピーバースデー 菜緒
上原 君 ありがとう
来年 も 再来年 も その 次 も
ずっと 一緒に いよう
上原 君
フォーエバー 菜緒
ウフフ
( まり な ) とりあえず あさって まで の 辛抱 だ よ 菜緒
うん !
( まり な ) 何 ? ( 菜緒 ) え ?
( まり な ) 見せて 何 これ ( 菜緒 ) やめて よ
( 菜緒 ) フフフ …
ん ~ フフフッ
( 一星 ( いっせい )) へい らっしゃい ! 吉川 お 冷
って あいつ い ねえ の か
( 客 ) あれ ? 菜緒 ちゃん 今日 い ない の ?
( 一星 ) すいません
何 だ 菜緒 ちゃん の 顔 見 たくて 来た のに
まあ そう 言わ ず に
チャーシュー サービス し ます から
( 客 ) お っ いっちゃ ん 太っ腹だ ねえ
( 徹 平 ) 菜緒 ちゃん もう すっかり うち の 看板 娘 だった んだ ね
そう で も ね ー よ
あいつが い ない と 丼 が 割れ ない 分
手間 が 省ける って もんだ
( 客 ) お あいそ ( 一星 ) 吉川 レジ 頼む
あいつ い ねえ …
( 菜緒 の うなり 声 )
は あ … もう 無理
限界
上原 君
上原 君
上原 君
上原 君
よし 上原 君
あっ もしもし … ( アナウンス ) 留守番 電話 に 接続 し ます
( 発信 音 )
上原 君 菜緒 で ー す
バイト 忙しい かな ?
私 は 全然 元気 元気 !
あさって 無事 帰る んだ けど 心配 し ないで !
本当に 全然 心配 し なくて いい から !
別に お 見舞い なんて 来 なくて も …
( 通話 の 切れる 音 )
( 不通 音 )
あー !
( 男性 の 笑い声 )
( 千 崎 ) 冷たい 彼 氏 だ ね ( 菜緒 ) は ?
彼女 が 体 壊して る の に 連絡 くれない なんて
余計 なお 世話です !
彼 は … その バイト が 忙しい から
本当に バイト かな
本当です よ !
彼 は 私 と は 全然 違って
高校 生 な のに 自立 して て 成績 優秀 で 運動 も できて
彼女 を 大切に し ない ん なら そんな の 全部 チャラ だ よ
その 点 俺 なら 完璧だ よ ( 菜緒 ) え ?
マメ だ し 一途だ し 精神 的に 大人 だ し
あっ 大学生 だ から 時間 も ある よ
聞いて ませ ん
俺 千 崎優 ( ゆう ) よろしく ね 菜緒 ちゃん
だから !
いや あ 急性 胃炎 なんて 災難 だ と 思った けど
ラッキーだ な
こ ー んな かわいい 子 と 出会えた んだ から
からかわ ないで ください !
何 な んです か ?
痛かった ~
もう 何 な の ? あの 人
もう 早く 上原 君 に 会い たいよ …
( 菜緒 ) 本当に 全然 心配 し なくて いい から !
別に お 見舞い なんて 来 なくて も いい …
( 発信 音 )
( チャイム )
( まみ ) これ 肉じゃが
たくさん 作った から お裾分け
( 上原 ) うん サンキュー
あの ね 上原 君
( 阿部 ) 上原 ! お前
お前 また 来た の か よ
( 阿部 ) また って 何 だ よ 親友 に 向かって
親友 じゃ ね ー し
… て か
お前 吉川 と いう もの が あり ながら …
何 言って んだ よ こいつ は
桃山 まみ です
( 上原 ) 昔 の 同級 生
阿部 順です 上原 の 親友 です !
お前 こんな ステキな 人 いる んだったら
さっさと 紹介 しろ よ
知ら ね ー よ 俺 も 最近 会った んだ から
最近 って いつ ? ( 上原 ) そんな ん 覚えて ね ー よ !
2 週間 くらい 前 かな
たまたま この マンション の 住人 に 用 が あって
そ したら 偶然 見かけて
上原 君 ?
彼女 と 一緒に いた から 邪魔 する の 悪い かな ー と 思って
その 時 は 声 かけ なかった んだ けど
次の 日 また エレベーター で ばったり 会って
ナイス !
( まみ ) じゃあ 私 は これ で
おう ごちそうさま
あっ ちょ ちょ ちょ …
( 上原 ) あ ?
( 阿部 ) 上がって ( まみ ) え ?
お茶 でも
何 言って んだ よ お前
同居 が バレ る だろう が
大丈夫だ よ 任せ と けって
( まみ ) あの … ( 阿部 ) あっ いや
実は 上原 お 姉さん と 2 人 で 暮らして て
今日 は 留守 なんで お 気兼ね なく
さあ さあ さあ ( まみ ) えっ ち ょっ …
その 上原 の 元 同級 生 が さ す っげ え かわいくて
( 菜緒 ) ふ ー ん
お 嬢 様 学校 に 通って る だけ あって
女子 の 中 の 女子 って いう か
キングオブ 女子 って いう か
あっ まあ とにかく
絵 に 描いた ような 女子 な んだ よ
( 菜緒 ) へ えー
知ら ない 人 入れ ん の ルール 違反 でしょ
って いう か 時間 ある なら 見舞い 来い っつ ー の !
誤解 する な よ 吉川 ( 菜緒 ) え ?
あの 子 は 彼 氏 持ち だ から
年上 の 彼 氏 が あの マンション に 住んで る って だけ で
まあ 単なる 近所 付き合い みたいな 感じ ?
いや 別に 心配 なんか して ないし
( 阿部 ) え ?
上原 君 に は かわいい と か 色気 と か
そういう の 通用 し ない から
( 阿部 ) まあ 吉川 選ぶ ぐらい だ もん な
まあ 上原 も
料理 に しか 食いついて なかった し
( 菜緒 ) え ? ( 阿部 ) え ?
その 人 上原 君 に 料理 作った の ?
うん て か
“ 彼 氏 用 に 多く 作った から お裾分け ” って
受け取った の 上原 君 ( 阿部 ) うん
何で
何で よ ! ( 阿部 ) いやいや
最初 受け取った 時 は 超 腹 減って て
つい みたいな ?
( 菜緒 ) つい ?
それ から ちょくちょく 受け取る ように なって
まっ 今さら 断る …
断れよ !
俺 に 言わ れて も さ
もう !
( 希 ( のぞみ )) マズ いな それ は
そう 思う ? ( 希 ) ああ
あっ ほら でも その 人
彼 氏 が いる って 話 だし
( 希 ) 甘い な ( 菜緒 ) え …
( 希 ) 吉川 さん ( 菜緒 ) はい
私 が 女 に モテ る の は 何で だ と 思う ?
それ は 男 以上 に かっこいい から ?
それ も ある けど それ だけ じゃ ない
浮気 を し ない から だ ( 菜緒 ) え ?
男 は 必ず 浮気 を する
自分 に 彼女 が い よう が 相手 に 彼 氏 が い よう が 関係ない
最後に は 本能 が 勝つ そういう 生き物 な んだ
は あ
北浦 さん て 恋愛 経験 豊富な んだ
恋愛 経験 は ない
えっ
でも 小さい 頃 から 女子 の 悩み を 聞いて きた から
全部 お 見通し だ
ああ なる ほど
言 っと く が その 女 は 手ごわい ぞ
食べ物 で 釣ろう と して る の が 見え見えだ
下手 したら 同じ マンション に
彼 氏 が 住んで る って いう の も ウソ かも しれ ない
えっ !?
( 足音 )
( まみ ) 上原 君
また 会った ね
( まみ ) ごめん ね 付き合わ せて ( 上原 ) いや …
( まみ ) 急に 彼 氏 が 帰り 遅く なる って いう から
どう やって 時間 潰そう か と 思って
あっ ここ おごる から 遠慮 なく 食べて
いい よ 昨日 も おか ず もらった し
あの ね 上原 君 お 願い が ある んだ けど
今度 小学校 の クラス 会 が あって
クラス 会 ?
で 私 女子 の 幹事 な んだ
で みんな に 上原 君 を
引っ張って 来て ほしい って 言わ れて る んだ けど
来て くれ ない か な ?
あー でも 俺 バイト が …
お 願い ! 1 時間 で も いい の
ああ や っぱ 彼女 さん に 怒ら れちゃ う ?
いや
あっ それとも 昔 の こと 引っかかって る ?
ん ? 昔 の こと ?
あー ほら
私 ずっと 上原 君 の こと 好きだった じゃ ない ?
( 上原 ) あの さ ( まみ ) うん
名前 何 だ っけ ?
あっ 悪い
俺 あん ま 人 の 名前 と か 覚え られ なくて
ああ … 桃山 だ よ 桃山 まみ
桃山 … まみ
( 希 ) お前 は 私 の 一 番 大切な 人 を 奪った
桃山 まみ
あれ か !
ああ … 今 思い出した ?
いや 思い出せて は ない んだ けど …
ひど … ( 上原 ) あっ 悪い
いや 本当 ごめん て
もう 冗談 だ よ 上原 君 面白 すぎ !
気 使って 損しちゃ った
怒って ない の ?
うん
その代わり クラス 会 来て よ ね
分かった よ
じゃあ 連絡 先 交換 し よ
( 菜緒 ) ハッピーバースデー ディア 私
やっと 今日 会える ね 上原 君
ハッピーバースデー
トゥーミー
( 菜緒 ) え ? ウソ でしょ ?
え ? ちょっと ちょ っ …
ちょっと !
誕生日 な のに 退院 な のに
何で 連絡 ない の ?
もし かして 迎え に も 来て くれ ない ?
上原 君 …
( 千 崎 ) お 別れ なんて 寂しい に ゃ ~
うわ ー !
ちょ っ ちょ っ … 何 する んです か !
( 千 崎 ) 何 って お 別れ の チュー しよう と 思って
あり え ない あ べ っち より ずっと タチ 悪い
菜緒 ちゃん さ そんな 乱暴 だ から
彼 氏 が 連絡 くれ ない んじゃ ない の
( 菜緒 ) は あ ?
あんた こそ そんな チャラ いから
彼女 が 連絡 くれ ない んじゃ ない です か ?
え ?
ここ で ずーっと 彼女 の 連絡 待って た んです よ ね ?
病院 で 携帯 使える の ここ だけ だし
彼女 なんて い ない よ 好きな 人 は いる けど
( 菜緒 ) フッ 片思い です か ?
( 千 崎 ) う うん これ から 両 思い に なる ところ
ねえ 菜緒 ちゃん チュ ~
ギャー !
何 な んです か マジ 最悪 あり え ない んです けど
また ね フッ
何 な の あの 人
もう ダメ 限界
早く 上原 君 に 癒 や して もらわ なきゃ
( 菜緒 ) 上原 君
上原 君
上原 君 !
え ?
まだ 帰って きて ない の か …
ハッ ! お っ お っ …
これ って …
上原 君 から の ラブレター ?
えっ と えっ と …
“ しばらく バイト 先 で 寝泊まり し ます ”
は あー !?
え ? ちょ っ … 何で ? え ?
何で 何で 何で 何で 勝手に 出て く の ?
しかも より に よって 何で 今日 な の ?
で … 電話 で … 電話
( アナウンス ) 留守番 電話 に 接続 し ます
発信 音 の あと に メッセージ を 録音 して ください
こう なったら 上原 君 の バイト 先 まで …
( 菜緒 ) う お ー ! ( 光 石 ) う お ー びっくり した
菜緒 はい !
は ? え ?
( まり な ) お めで と ー ! ( 菜緒 ) わ あー !
( 一星 ) 吉川 おめでとう はい で っ かいだ ろ
( まり な ) 何 だ と 思う ? ( 菜緒 ) えー ?
(3 人 ) ハッピーバースデー トゥーユー
( 光 石 ・ まり な ) は い 消して 消して
はい おめでとう
ありがとう みんな
どう ? びっくり した か ? ( 菜緒 ) びっくり した
みんな で サプライズ の お 祝い やろ うって こと に なって
( 菜緒 ) 何 だ だまさ れちゃ った じゃ ん
( まり な ) あっ ねえ 菜緒 これ 見て 見て
( 光 石 ) お前 が 一 番 欲しがって た もん だ ぞ
( 菜緒 ) いき ます ( 光 石 ) は い いって らっしゃい
上原 君 上原 君 !
あ べ っち …
( まり な ) あー ち ょっ … あ べ っち ! 何 寝て ん の ?
あー て か 待って プレゼント に よだれ
( 光 石 ) ああ 本当 しょうが ね ー な お前 は
はい 菜緒 ! ずっと 欲しがって た
マウジー の ストール と たれ ぱん だの 枕 !
( 菜緒 ) うん ありがとう ( まり な ) うん
あっ すごい うれしい あり が と ね みんな
( 光 石 ) どう いたし まして
( まり な ) で 上原 君 … ( 菜緒 ) 上原 …
( 菜緒 ) え ? ( まり な ) え ?
( まり な ) まさか まだ 連絡 ない の ?
いや …
( 光 石 ) お前 も しか して
退院 も 誕生日 も スルー さ れた の か ?
ハァ …
( 光 石 ) まり な どこ 行く んだ よ
決まって んでしょ 上原 君 の バイト 先
力ずく でも 連れて くる ( 光 石 ) お前 早まる な
( まり な ) いくら なんでも ひど すぎる よ !
付き合って 最初の 誕生日 で しか も 体 が 弱って る 時 に
こんな の あり え ない から !
あ … ああ ! あっ あ …
上原 君 から メール きた ( まり な ) え ?
“ バイト 長引いちゃ って ごめん ね ” だって
帰って きたら 祝って くれる って !
( まり な ) 本当な の ? 菜緒
( 菜緒 ) 私 って つくづく 幸せだ よ ね
友達 に も 彼 氏 に も 祝って もらって
うん
( まり な ) ちょっと メール 見せて ( 光 石 ) おい やめろ よ
( 菜緒 ) 本当 だって ( まり な ) だって ウソ かも …
( 阿部 ) 吉川 お 誕生日 おめでとう !
( 光 石 ) お前 遅い よ もう ( 阿部 ) おめでとう
( まり な ) おめでとう じゃ ない から 本当に ねえ
よだれ つけた …
( 一星 ) 吉川
あっ いっちゃ ん
とっくに 帰った の か と 思って た
( 一星 ) あっ チャイム 鳴らした んだ けど
あっ ごめん 全然 気づか なくて
忘れ物 ? ( 一星 ) ああ
あの 言い 忘れた こと あって さ
え ?
お前 そんな ん で いい の か よ ?
もっと お前 の こと 大事に して くれる 奴
他 に いんじゃ ねえ の ?
大事に して くれ てるよ ( 一星 ) いや でも …
上原 君 は 大事に して くれて る
私 の こと
ただ 今 は ちょっと 1 人 で い たい んだ よ
ほら 男の子 って そういう ところ ある じゃ ん ?
あいつ 出て 行った の か よ ?
いや そんな 大げさな こと じゃ ない けど
吉川 !
ちゃんと 話せよ
そもそも 私 が う ざい から
何 だ よ それ
上原 君 は 私 と は 違って 自立 して る し
映画 も さ 1 人 で 見 れる 派 だ し
毎日 私 みたいな の が いたら
や っぱ う ざい よ ね
でも さ
私 は ただ
同じ 気持ち に なり たくて
ワクワク したり ドキドキ したり
いろんな 気持ち 一緒に 味わい たかった んだ けど
好きな 人 と 心 繋がる の って どんな 感じ な の か な
ここ で バイト して る って 阿部 から 聞いて
どういう こと だ よ いきなり 部屋 出る なんて
関係ない でしょ ( 一星 ) 関係 あんだ よ !
吉川 は ただ の バイト じゃ ねえ
今や うち の 大事な 看板 娘 だ
身内 も 同然な んだ よ
メンタル 心配 して 何 が 悪い
それとも 何 か ? 何 か 他 に 理由 でも あん の か ?
別に
阿部 が 言って た ぞ
最近 お前 モテ る らしい な
( 上原 ) は ?
手 料理 作って くれる 子 が いる と か
それ を モテ る って いう なら 最近 と は 言わ ね ー けど
お前 サラッ と 自慢 して んじゃ ね ー ぞ
おい 騒ぐ な よ おい !
( 一星 ) 何 だ それ ( 上原 ) あ ?
ラブ レター か ?
( 上原 ) おい 勝手に 見 ん な よ
( 一星 ) これ
部屋 出た の って これ が 理由 か
( 菜緒 ) 雑炊 …
上原 君
これ いつ 届いた んだ よ
吉川 が 入院 した 日
昨日 また 2 通 目 が 届いて
それ なら そう と 何で あいつ に 話さ ない んだ よ
体 壊して ん のに
余計な 心配 かけ たく なかった んだ よ
だから って 急に 出て 行く こと ねえ だ ろ
どこ で 見 られて る か 分か ん ね ー し
逆上 して あいつ に 何 か さ れて も 困る から な
どう すれば いい か 1 人 で 考え たかった んだ
何で そう な んだ よ
あ ?
吉川 は お前 と 対等な 付き合い が し たい んだ よ
うれしい こと も イヤな こと も 全部
共有 し たい んだ よ
お前 は そういう 吉川 の 気持ち を
一 番 守って あげる べきな んじゃ ねえ の か ?
いちいち 大げさだ な ( 一星 ) 何 だ と …
とりあえず
ほとぼり が 冷める まで 部屋 を 出る だけ だ よ
落ち着いたら あいつ に も 説明 して
バカ 野郎 ! ( 上原 ) だ から …
今日 会わ ねえ と 意味 ねえ だろう が !
え ?
( 光 石 ) あの さ 上原
知ら ない って こと ない よ な 菜緒 の 誕生日
え ?
いや さすが に それ は 菜緒 な いっしょ
( 光 石 ) うん うん
どう 見て も 知って る 体 だった もん な
( まり な ) うん うん
ある かも ( 光 石 ) だ よ な
誕生日 なんて 聞いて ね ー し !
私 も 上原 君 以外 全く 興味 ないし
上原 君 が いつも 一 番 だ し
あいつ が 欲しい もん って 何 だ ?
って か 女 が 欲しい もん って 何 な んだ よ !
( 店員 ) いらっしゃい ませ
( 上原 ) プレゼント を 探して る んです けど
( 店員 ) こちら 今 一 番 人気 の 商品 に なり ます
( 上原 ) はい
パソコン 買う んじゃ なかった な
あの これ
まけて もらえたり し ませ ん かね ?
また マニアックな 映画 借りた んだ
( 菜緒 ) 上原 君 が ラブストーリー ?
これ も しか して 私 に ?
( スマホ の バイブ 音 )
もしもし
( 菜緒 ) 上原 君 今 どこ いる ?
( 上原 ) お前 の 目の前 だ けど
分かった 今 から そっち …
え ?
よう
上原 君
ちょ っ … ちょっと 何で 逃げ ん の ?
ああ
とりあえず 話 を しよう
( 上原 ) つまり
誰 か が 俺 たち の こと 見張って る みたいで
で 俺 は 部屋 から
出 ない ほう が いい かな ー と 思って
( 菜緒 ) 何で ? ( 上原 ) え ?
何で 言って くれ なかった の ?
だから 無駄な 心配 かけ たく なかった
無駄じゃ ない よ !
一緒に 考える の 無駄じゃ ない でしょう ?
ごめん
こんな の 全然 平気だ よ
私 上原 君 の ファン に 嫌がらせ さ れる の 慣れて る し
でも 実際 学校 で バラ さ れたら どう すんだ よ
そん 時 考えれば いい じゃ ん
面倒な こと に なって から じゃ 遅い だ ろ
そんな こと 言って
本当 は 1 人 が 気楽な んでしょう ?
ハァ … お前 な
吉川
どうした ? また 腹 でも 壊した の か ?
もう や だ ( 上原 ) え …
寂しかった の
ずっと 不安で メール も 返して くれ ない し
やっと 退院 できた って 思ったら
離れる なんて そんな の イヤだ よ
( 菜緒 ) いくら う ざい って 言わ れて も
イヤだ から
悪かった
あんな メール して
吉川 が そこ まで
追い詰め られて る なんて 思わ なかった
でも 我慢 しろ よ
本当に バラ さ れたら マズ い だ ろ
少し ぐらい 離れて も … ( 菜緒 ) や だ !
しょう が ないだ ろ 俺 だって 寂しい んだ よ !
え ?
何 だ よ
本当 ?
これ
上原 君
怒 んな よ
金 なくて こんな もん しか 買え なかった
いや 大体 お前 が 悪い んだ ぞ
誕生日 なら 誕生日 って ちゃんと 言えよ
ありがとう
一生 の 宝物 に する
いや それ ほど の もん じゃ ない よ
吉川
行く ぞ
( 菜緒 ) え ? どこ に ?
こんな 時間 に わざわざ 牛乳 プリン 買い に 行か なくて も
お前 が 俺 の 分 勝手に 食う から だ ろ
だって てっきり あれ も 私 の ため か と
って いう か 彼女 の 誕生日 くらい 優しく して よ ね
上原 君 ?
ごめん な
大事な 日 だった のに
ああ もう いい の
上原 君 帰って きて くれた し
( 菜緒 ) あ ~
きれい
今日 満月 な んだ ね
( 上原 ) うん
会え ない 時間 が 愛 を 育てて くれる もん ね
( 上原 ) え ?
少し の 間 離れる だけ だ もん ね
( 上原 ) じゃあ
脅迫 なんか に 負け ず に 頑張ろう ね 上原 君
おう
あ !
何 だ よ
もし かして 上原 君
私 に これ 見せる ため に 出かけた の ?
ち げ ー よ
( 菜緒 ) うれしい
吉川 誰 が 見て る か 分か ん ね ー から
まっ いっか
( 上原 ) 吉川
( 菜緒 ) ん ?
( 上原 ) 誕生日 おめでとう
( 菜緒 ) ありがとう 上原 君
( 男性 ) まみ
( まみ ) ああ 優 君 もう 退院 した んだ
( 千 崎 ) ああ
お前 何 して んだ よ こんな とこ で
ん ~ ちょっと 通りかかって
あっ ごめん ね メール の 返事 して なくて
( 千 崎 ) いい けど さ
また あいつ か
( 菜緒 ) あ ~ 眠い
映画 で 徹夜 なんて 初めて
( 上原 ) DVD 一晩 で 全部 見る かね
( 菜緒 ) 上原 君 も 一緒に 見て くれる と 思った のに
や だ よ 恋愛 もん なんか つま ん ねえ
結局 そこ は 変わ ん ない んだ
吉川 もう ここ で いい から 家 戻れよ
イヤだ
お前 なあ
だって 今 まで みたいに 家 帰って きて も
上原 君 い ない んだ から
一緒に いる 時間 を 大事に し ない と
あの さ ( 菜緒 ) ん ?
俺 が い ない 間
まり なって 子 に 泊まり に 来て もらえば ?
( 菜緒 ) え ?
いや や っぱ 夜 は 危ない し
ほら ああいう 怪しい の も いる し
バカ あん ま 見 ん な よ
え ?
おい !
( 菜緒 ) いっちゃ ん !? え ? いっちゃ ん
( 一星 ) あ ? ( 菜緒 ) 何 して ん の ?
… って いう か 顔 どうした の ? 大丈夫 ?
120万 円 の 丼 割った の バレ た !?
ああ この 間 その お 得意 さん から
久しぶりに 注文 入って さ
この 大 バカ 野郎 !
( 一星 ) 勘違い す んな よ
こんな 大事な 話 黙って た 俺 が 悪い んだ
( 菜緒 ) どう しよう
私 お やっ さん に 謝って くる
( 一星 ) いや いい って !
俺 から ちゃんと 話す から お前 は おとなしく 待って ろ って
でも 黙って 見て る わけ いか ない よ
( 上原 ) どう で も いい けど 俺 もう バイト 行 くわ
( 一星 ) 相変わらず スカ して んな
あっ そうだ 吉川 今晩 ここ 泊めて くれよ
お前 今日 から 1 人 なら ちょうど いい だ ろ ?
まあ
彼 氏 が 気 に なる って いう なら 別だ けど な ?
うん 分かった !
( 上原 ・ 一星 ) えっ !?
元 は と いえば 私 の 責任 だ し
今夜 だけ と は 言わ ず
お やっ さん と 仲直り する まで ここ 泊まって
( 一星 ) え … あっ いや あの …
それ は さすが に 道徳 的に …
遠慮 し ないで
いっちゃ ん は 身内 みたいな もん な んだ から
ねえ 上原 君 いい よ ね ?
お前 意味 分かって ん の か ?
えっ 俺 今日 から い ない んだ ぞ
分かって る よ
昨日 離れて て も 頑張ろう ね って
誓い合った ばっかりじゃ ん
( 菜緒 ) ん ? ( 上原 ) いや だ から
俺 が い ない って こと は …
俺 と 2 人 だ ぞ
あっ そ っか !
そ っか それ は マズ いか
あっ そうだ
じゃあ 上原 君 出て く の やめたら ?
( 上原 ) え ?
ほら いっちゃ ん いる し カモフラージュ に なる じゃ ん !
カモフラージュ って お前
ね ? 上原 君 ? ね ?
リビング で 寝泊まり しろ
ありがとう 上原 君
あっ ! そ っか
3 人 で 同居 する って ことか
いい の か よ
仕方 ないだ ろ
♪~