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グッドモーニング・コール 2, episode 06「誕生日はサプライズで!」

episode 06「 誕生日 は サプライズ で !」

( 菜緒 ( なお )) これ だ と 女の子 っぽい かな

かわい すぎ だ よ ね

あっ

でも 2 人 で お そろい で 持っちゃ ったり して

フフフッ

えっ 違う よ 私 が 喜ぶ んじゃ なくて

上原 ( うえ はら ) 君 に 喜んで もらわ ない と ね

( 太田 ( おお た )) 誕生日 らしい んです 彼 氏 さん の

( 藤岡 ( ふじ おか )) へえ

あっ あっ ねえ ねえ ねえ ねえ 太田 ちゃん と 部長

こっち と こっち どっち が いい と 思い ます ?

( 太田 ・ 藤岡 ) うーん

彼 氏 に 聞いた ほう が いい んじゃ ない ?

ダメです 今回 は …

( 上原 ) 吉川 ( よし かわ ) 帰る ぞ

上原 君

迎え に 来て くれた んだ

4 時 半 に 正門 って 言った ろ

( 菜緒 ) え ? ( 上原 )20 分 過ぎて んだ けど

あっ ごめん

ちょ … ちょっと いろいろ あって

菜緒 ちゃん ちょうど よかった じゃ ない

上原 君 に 聞いて みた …

( 菜緒 ) わ あー !

ダメ ダメ あっ …

何でもない よ 上原 君

あの … あの ね 上原 君

あの 今日 ちょっと 外せ ない 用事 が あって

だから 先 帰って くれる かな

は あ ?

上原 君 に は 内緒 な んです

あの 今回 は 絶対 サプライズ し たい と 思って

サプライズ か

( 菜緒 ) はい だ から 今日 も これ から プレゼント 探し して き ます

昨日 何 十 軒 か お 店 回った んです けど ―

全然 ピンと くる の が なくて

( 藤岡 ) ああ … ( 太田 ) 何 十 軒 ?

でも 今日 は

絶対 上原 君 に ピッタリ の プレゼント 見つけて みせ ます

どれ が いい かな

あー もう 分か ん ない よ

( まり な ) もう サプライズ は やめて 上原 君 に 聞いちゃ えば ?

“ 何 が 欲しい の ?” って

それ は 絶対 ダメ

今回 は サプライズ に する って 決めて る んだ もん

( 太田 ) うーん でも さ

誕生日 だったら 菜緒 ちゃん が お 祝い して くれる って

きっと 上原 君 分かって る んじゃ ない ?

( まり な ) うーん それ は どうか な

( 太田 ) ん ?

去年 は … ねえ

上原 君 の 誕生日 間違えて 覚えて て

完璧に スルー しちゃ って さ

あ … ある 意味 そこ を 逆手 に 取る って こと だ よ ね

“ あいつ 今年 も 俺 の 誕生日 忘れて る な ” と 思い きや ?

( 菜緒 ) 当日 突然

ハッピーバースデー !

( まり な ) 上原 君 超 びっくり !

そして 大 感動 !

そして 深まる 愛 !

( 菜緒 ) フフン

そう それ が やり たかった の

ねえ ねえ ねえ ねえ 見て 見て 見て 見て

ジャーン !

こっち が 誕生日 の 献立 で こっち が 当日 の スケジュール

す っ ごい 細かい スケジュール

こんなに 料理 作 ん の ?

うん 前日 に 仕込んで おく から 大丈夫

でも プレゼント だけ が 決まって なくて さ

さすが 恋する 女子 は パワフルだ ねえ

( 太田 ) うん

( まり な ) お邪魔 し ました ( 太田 ) し ました

じゃあ 頑張って ね 絶対 うまく いく から

ありがとう

あっ 上原 君 に は くれぐれも 内緒 ね

当たり前でしょ 上原 君 の サプライズ 誕生日 会 な んだ から

( まり な ) ねっ ( 太田 ) うん

( まり な ) じゃ あね ( 菜緒 ) うん

( 菜緒 ) じゃ あね ( まり な ) あり が と

あり が と ね 気 を つけて ね

( まり な ) いいね ( 太田 ) ねえ

おう どうも

ああ っ ! ちょ … ちょっと 待って

ちょっと 待って ちょ ちょ ちょ …

( 上原 ) 何 ? 何 だ よ

今 の 話 も しか して 聞いて た ?

( 上原 ) ん ?

俺 の サプライズ 誕生 会 が どう と か ?

( まり な ) あっ …

菜緒 ね 今 す っご い 一生懸命 サプライズ 誕生日 会 の 用意 して ん の

もう 献立 も できて る し ―

当日 の スケジュール 表 まで 作っちゃ って んだ よ

だから 誕生日 会 の こと は 一切 何も 知ら なかった って こと で

あっ 当日 は 思いっきり びっくり して あげて

お 願い

♪~

~♪

( 菜緒 ) フフフ …

8 位 は 香水 か

あっ

( 匂い を 嗅ぐ 音 )

このまま の 匂い が いい から 却下

全部 聞こえて る っつ ー の

( 菜緒 ) 男性 用 の 下着

これ は 絶対 使う けど …

でも レベル 高い し なあ

イテッ

イテテ …

( 菜緒 ) 18 時 半 上原 君 を 呼び に 行く

お 食事 開始

たまたま 多く 作った と ごまかす 私

さては 誕生日 を 忘れて る な ? と ふくれる 上原 君

カワイイ

( 上原 ) カワイイ って 何 だ よ

( 上原 ) まさか この とおり に やれ と ?

( 菜緒 ) あっ そうだ

( 菜緒 ) よし

うん

ハァ …

もう ない よ な

( 菜緒 ) どうした の ? 今日 落ち着き ない ね

悪かった な

( 菜緒 ) フフフフフッ

ヘヘヘッ

あと 6 日

フフフッ

( 菜緒 ) ねえ ねえ

固い もの と 柔らかい もの だったら どっち ?

は ?

( 菜緒 ) だ から 固め ? 柔らか め ?

( 上原 ) それ は 物 に よる だ ろ

いや 基本 的に で いい んだ けど さ

どっち ?

( 上原 ) 固 め

( 菜緒 ) 固 め ね

あっ じゃあ つる っと して る もの と ―

ご わ っと して る もの だったら どっち ?

なあ それ いつまで 続く の ?

ああ 大丈夫 あと 40 問 ぐらい で 終わる から

フフッ

そんなに あん の かよ

( 菜緒 ) うん

( 阿部 ( あ べ )) お っす なに なに ? 朝 から もめて ん の ?

ああ おはよう あ べ っち

おはよう

あっ て かさ 昨日 気づいた んだ けど もう すぐ 上原 の 誕生 …

( 上原 ) あっ !

( 上原 ) あっ あっ 蚊 蚊 … ( 阿部 ) イテッ イテ …

( 阿部 ) 蚊 ? ( 上原 ) 蚊

( 阿部 ) 蚊 ? ( 上原 ) 蚊 だ

( 阿部 ) ありがとう

( 上原 ) ちょっと 話 が ある ( 阿部 ) お前 いい ヤツ だ な

えっ どこ 行く の 上原 君

阿部 と 話 が あん の

( 上原 ) 昨日 から の 俺 の 苦労 が ムダ に なる だろう が

( 阿部 ) は ?

吉川 俺 の 誕生日 を サプライズ で 祝おう と して ん の

吉川 俺 の 誕生日 を サプライズ で 祝おう と して ん の

( 菜緒 ) あっ

吉川 俺 の 誕生日 を サプライズ で 祝おう と して ん の

でも 俺 は それ を 知ら ない こと に なって る

この 生地 いい で すね どこ のです か ?

って こと は つまり

( 菜緒 ) あっ そうだ 上原 君 ( 上原 ) よし

質問 の 続き な んだ けど

つる っと して る もの ご わ っと して る もの どっち ?

つる っと

( 菜緒 ) ああ や っぱ つる っと か

吉川 の 彼 氏 って 大変だ な

( 夏目 ( なつ め )) 紗栄 子 ( さえ こ ) さん いたんだ

( 紗栄 子 ) 当たり前でしょう が 部 外 者 は 君 だ から

った く また 勝手に 入って

だって ここ 俺 の 唯一 の オアシス な んです もん

麗しい 女神 様 も いる し

女神 様 怒ら せる と 痛い 目 に 遭う わ よ !

ハハハッ

怖 っ

夏目 君 でも ああいう 顔 する んだ

は ?

( ドア が 開く 音 )

( 上原 ) あー 疲れた

( 菜緒 ) そ っか 上原 君 …

あっ ごめんなさい すいません

しん … あっ ごめん ね

( 阿部 ) おう 吉川 ( 菜緒 ) 上原 君 だ から …

( 太田 ) まだ 日 にち ある しさ 絶対 見つかる よ

( 菜緒 ) うーん だ と いい んだ けど

( 紗栄 子 ) は あ ? そんな 理由 で 疲れ切って た わけ ?

( 上原 ) まあ

( 紗栄 子 ) あり え ない

あっ これ も よろしく

はい

お 祝い さ れる 側 が 気 を 使って る んじゃ

本末 転倒 でしょ

大丈夫 っす よく ある パターン なんで

( 紗栄 子 ) ええ … いや 彼女 も さ ―

どうせ やる ん なら もっと 徹底 的に 隠し 通せば いい のに

私 なら 完璧に やり遂げる ね メンデル の 実験 並み に

あいつ に そういう の は 期待 して ない っす から

( 紗栄 子 ) 迷惑 かけて る こと すら 気づか ない んじゃ ―

そりゃ あ 苦労 する わ

まあ でも

俺 は 器用に 隠し 通す より

不器用で も 一生懸命な ほう が 全然 いい っす から

じゃあ 上原 は 知って ん の ?

何で 菜緒 ちゃん が バイト 始めた か

何 か 欲しい もの が ある って

お前 の プレゼント 買う ため だ よ

愛さ れて ん ね

死ぬ ほど 驚いて やれよ

菜緒 ちゃん の 気持ち ムダ に す んな よ な

夏目 君 は ずっと それ で いく わけ ?

何の 話 ?

吉川 さん へ の 気持ち 隠し 通す の ?

( 夏目 ) ハッ …

紗栄 子 さん や っぱ 今日 変です よ

私 ね

私 多分 …

上原 君 の こと が 好きに なって る んだ と 思う

あー ハハハハッ

スッキリ した

や っぱ そう な んだ よ ね うん

今 言ったら しっくり きた もん

ハハハハ …

いきなり 爆弾 発言 です ね

え ?

夏目 君 も 同類 か と 思った んだ けど

俺 楽しい 恋愛 は 好きです けど

苦しい の と か 面倒な の って マジ 勘弁 なんで

それ に 友達 の 彼女 に 手 出す と か マジ あり え ない でしょ

そう

( 夏目 ) って か あの 2 人 別れ ないで すよ

( 紗栄 子 ) そんな の 分か ん ない よ ( 夏目 ) 分かり ます よ

後戻り でき なく なる 前 に 引いた ほう が 賢明です って

私 は 引いて 後悔 する より

ぶつかって 後悔 する ほうが 性 に 合って る から

上原 君 だって 言って た じゃ ん

器用に 隠す より

不器用で も 一生懸命な ほう が いい って

時 と 場合 に よる んじゃ ない です か ?

( 七瀬 ( なな せ )) 大地 ( だいち ) ( 大地 ) おお 七瀬

( 七 瀬 ) コーチ が ね 部活 前 に ミーティング し たい って ―

大地 捜して て

( 大地 ) そ っか 分かった

先 行って て

( 部員 たち ) オッケー また ね バイバイ

つけて みた どう ?

どう って 言わ れて も 私 が あげた やつ だ し

( 大地 ) そりゃ そ っか

でも これ 七 瀬 に もらった って 言ったら

あいつ ら も 欲しがって た

えっ 何で ?

いや 何 か 七瀬 に 見 られて る みたいで

サボれ ない から ちょうど い いって

狙い どおり

これ に は 絶対 勝つ って いう

私 の マネージャー 魂 が 込め られて る んだ から

( 大地 ) や っぱ そう だった か

お守り だ な これ

( 七 瀬 ) そんな 御利益 ない から ね

ただ の キーホルダー だし

( 大地 ) そう か ? 七瀬 の 思い が こもって る んだ ろ ?

大切に し なくちゃ な

あっ ヤバッ コーチ 待って んだ っけ ?

じゃあ

じゃあ お やすみ 上原 君

( 上原 ) おう ( 菜緒 ) うん

( 鍵 を 閉める 音 )

( 上原 ) ハァ …

ごめん ちょっと 借りる

“21 時 帰ろう と する 上原 君 ”

“ PC 雑誌 で 引きとめる ”

“ うれし そうな 上原 君 ”

( 菜緒 ) うれし そうな 上原 君

22 時 帰ろう と する 上原 君

上原 君 の 好きな DVD で 引きとめる

上原 君 が 楽しく 見て いる 間 に ―

すごい 早 さ で 上原 君 の 部屋 に 飾り物 を 設置

( 菜緒 ) ヨーロッパ 風 ? 分か ん ない よ

( 菜緒 )23 時 半 部屋 に 戻る 上原 君

電気 を つけて 部屋 の 様子 に びっくり

そこ へ ケーキ を 持った 私 が 登場 !

上原 君 めちゃめちゃ びっくり

忘れて る か と 思い きや 上原 君 ハッピーバースデー !

最高の プレゼント を 渡す

上原 君 大 感動

( 菜緒 ) フフフッ こんにち は

よし 次 !

( 菜緒 )“ 吉川 が 俺 の 誕生日 を 覚えて て くれた なんて ―”

“ 最高に ハッピーだ ぜ ”

“ そんな の 当たり前でしょ ? 上原 君 ”

“ 吉川 ”

“ 上原 君 ”

その あと は 2 人 っきり で … ヘヘッ

( 菜緒 ) 上原 君

お 誕生日 おめでとう

フフッ

( 菜緒 ) どう しよう

どう しよう

( 菜緒 ) ハァ …

あっ ! あっ

ヘヘヘヘッ ハハハ …

お かえり 上原 君

おう

( 菜緒 ) あっ 今日 も 1 日 お 疲れ さま

明日 びっくり できる かな 俺

フゥ …

う う ー !

あー あ

こんなに アンケート なんて とる んじゃ なかった

余計 分か ん なくなっちゃ うよ

う う …

大丈夫

きっと 最後 の 最後に ステキな プレゼント 見つかる よ ね

ハァ … うん

( 鳥 の さえずり )

ハッ !

あっ … あっ

あれ …

どう しよう

どう しよう

自然に …

あくまでも さりげなく

ハァ … 何 か 違う な

そ っ さっ

お 疲れ さ まで す

( 紗栄 子 ) ああ お 疲れ

あっ あの さあ

これ よかったら

( 研究 員 ) お 疲れ さ まで す

( 研究 員 ) お 疲れ さ まで す ああ 紗栄 子 さん

昨日 の 定量 PCR の 実験 な んです けど

これ 見て ください よ

( 紗栄 子 ) やり 直し ( 研究 員 ) え ?

“ え ?” じゃ ねえ ! 全部 やり 直し だっ つって んだ !

( 研究 員 たち ) ひ い ー !

ハァ …

あ … あった これ だ !

黒くて 派手で も なく 地味で も なく 普段 使い できて 防水 性 で

末 永く 使えて センス よくて つる っと して る

フフッ

あっ あの すいません

( 店員 ) 失礼 し ます

あっ ちょ … ちょっと

あの 私 それ 欲しい んです けど

( 店員 ) 申し訳 あり ませ ん お 客 様

こちら の 商品 は 先 に ―

あちら の お 客 様 に お 買い上げ いただいて おり まして

え ?

( 店員 ) お 取り寄せ で よろしければ 1 週間 後 に は 届き ます が

( 玲奈 ) 知り合い ?

いや

夏目 君

はい

あっ ありがとう

何 して ん の ? 今日 上原 の 誕生日 でしょ

( 菜緒 ) 何で 知って ん の ?

その ため に バイト 始めた って 言って た じゃ ん

そう な んだ けど さ …

まだ 肝心の プレゼント が 決まって ない んだ よ ね

そう

( 菜緒 ) うん

って か 上原 そろそろ 帰って くる んじゃ ない ?

うん

サプライズ する 予定 だった んだ けど

でも …

しょうがない から やっぱり 上原 君 に ちゃんと 謝って

また 今度 渡そう と 思って

( 夏目 ) ダメだ ね それ じゃ

( 菜緒 ) え ?

あ … いや だって さあ

やっぱり ちゃんと これ だって 思う プレゼント 渡した ほう が いい じゃ ん

じゃ なくて

そんな 顔 で お 祝い さ れた って

うれしく も 何とも ない って 言って ん の

え ?

誕生日 は さ プレゼント を あげる 日 じゃ なくて

生まれて きた こと を お 祝い する 日 でしょ

そんな 暗い 顔 して どう す ん の って 話

あ …

そ っか

そう そう

そう だ よ ね

おめでとう って 言う 日 な のに

私 が 暗くちゃ ダメだ よ ね

よし !

( 菜緒 ) 夏目 君 に は いつも 本当に お 世話に なっちゃ って て

ありがとう

( 夏目 ) これ で 最後

え ?

( 玲奈 ) も しか して 柊 ( しゅう ) の 彼女 ?

ウソ そういう 子 タイプ だった んだ

( 菜緒 ) あ …

いや あの 私 は …

そんな わけない でしょ

俺 に だって 選ぶ 権利 ある っつ ー の

何 な の …

まっ うまく やって よ

大丈夫

菜緒 ちゃん の 気持ち は ちゃんと 上原 に 届く から

( 夏目 ) 行 こ

は あ ? そんな の 聞いて ませ ん !

( 教授 ) 急きょ 参加 する こと に なっちゃ って

どう す んです か ?

学会 の 準備 なんて これ っぽ っち も やって ませ ん けど

あー !

ハハハッ こんな 所 に 上原 君 見 っけ

ねえ ねえ 上原 君 今日 暇 ? 暇 ?

( 紗栄 子 ) あの 教授 上原 君 は 今日 は …

( 教授 ) 暇 ? ありがとう !

上原 君 君 いい 匂い する ね

よし 今日 は 3 人 で 力 を 合わせて

この ピンチ を 乗り越える ぞ えいえい お ー !

( 紗栄 子 ) 教授

ちょっと 教授 !

( ドア が 閉まる 音 )

ハァ …

い … いい の ?

ハッ …

それ 紗栄 子 さん が 言い ます ?

( 紗栄 子 ) え ?

人 の 予定 なんて いつも お構いなしな のに

失礼 ね 私 だって …

( 上原 ) 手伝い ます よ

まあ 朝 まで は 無理 っす けど

こんな 時 に 何 だ けど ハッピーバースデー !

あっ 私 上原 君 の そういう 男 前 な と こ

すごく …

いい と 思う わ ! うん

( ドア が 開く 音 )

ハッ …

( ドア が 閉まる 音 )

( 紗栄 子 ) ハァ …

全然 さりげなく なかった よ ね

ハァ …

( メール の 送信 音 )

( 菜緒 ) 熱 っ

( メール の 着信 音 )

“ バイト 長引いて 帰り 少し 遅く なる ” か

了解 !

フフフ ~

( 玲奈 ) ねえ 次 どこ 行 こっか

ヤバ …

( 男性 ) そい つ さあ 俺 の なんだ けど

あれ ? 彼 氏 いたんだ

( 玲奈 ) うん

( 男性 ) ちょっと 付き合って くん ない ?

いい よ

え ? やめた ほう が いい って いつも みたいに 適当に …

いい の いい の

俺 パーッ と やり たい 気分 だ し

遅い なあ 上原 君

( 紗栄 子 ) 彼女 怒って る んじゃ ない ?

( 上原 ) いや

バイト 先 大変な 時 に 早々 に 帰って たら ―

逆に 怒ら れた かも

でも すいません

あんまり 待た せ たく ない んで 俺 が

そう

だ よ ね

( 上原 ) で は お 先 失礼 し ます

お 疲れ さ ま あり が と ね

いえ 最後 まで 手伝え なくて すいません

( 紗栄 子 ) う うん ( 上原 ) あっ

ケーキ わざわざ ありがとう ございました

全然 全然

( 上原 ) じゃあ 頑張って ください

( 紗栄 子 ) うん

( メール の 着信 音 )

あっ

あっ そう だ もう こんな 時間 だ もん ね

よし

“ 自分 の 部屋 に 帰ら ないで ”

“ まっすぐ 私 の 部屋 に 帰って きて ね ”

( 玲奈 ) マジ で ヤバ いって 夏目 君

完全に ボコボコ だ よ

知ら ない し

ちょっと

いい ねえ

( 男性 ) おら !

( 夏目 ) う っ … ( 男性 ) もう いっち ょ !

( 男性 ) チャラチャラ 愛想 振りまく こと しか でき ねえ んだ ろ

ダッセー よ な

俺 も 同 じこ と 思って た んだ よ ね

( 男性 ) おい 立て !

笑って んじゃ ねえ !

おい …

上原

( 男性 ) 何 だ て め え

( 救急 車 の サイレン )

( 呼び出し 音 )

えっ …

どうした んだろう

( 上原 ) ひどい ありさま だ な

( 夏目 ) 何で 来た んだ よ

( 上原 ) たまたま 通りかかった だけ だ よ

( 夏目 ) ウソ つけ 菜緒 ちゃん 待って んじゃ ねえ の か よ

( 上原 ) だ から 今 帰って んだろう

( 夏目 ) だったら 俺 に 構う な よ 今 すぐ 行け って

( 上原 ) 無理 ( 夏目 ) は ?

( 上原 ) 俺 の 目覚め が 悪く なる

行く ぞ

( 夏目 ) 行く って ?

( 上原 ) 俺 ん ち だ よ

手当て す っ から

( 夏目 ) 拒否 って も ムダ ?

( 上原 ) ムダ

ほら

悪かった 本当に

この 貸し は デカ い ぞ

ああ

学 食 食べ 放題 で 手 を 打って やる

フッ 了解

って か 菜緒 ちゃん の サプライズ 忘れ ん な よ な

あっ そうだった

お前 そこ 一 番 重要な とこ だ ろ

て かさ

知って て 驚く の って すげ え 難しく ねえ か ?

サプライズ で 驚いて ケーキ で 驚いて

あと プレゼント だ ろ

あっ

何 ?

プレゼント 多分 ない

俺 が 余計な こと 言っちゃ った から

でも さ 菜緒 ちゃん すげ え 必死に 最後 まで 探して て

分かって る よ

そ っか

だ よ な

( 菜緒 ) 上原 君

( 夏目 ) あれ って …

( 上原 ) 吉川 ?

何 やって んだ

吉川 どうした

何 か あった の …

( 菜緒 ) 上原 君

ハァ … よかった

本当に よかった

事故 に でも 遭った の か と 思っちゃ った

( 上原 ) ごめん ちゃん と 連絡 すれば よかった

( 上原 ) あ …

( 菜緒 ) 上原 君 ケガ して る の ?

えっ や っぱ 事故 ?

痛い ? ねえ 病院 行った ほう が いい んじゃ ない ?

俺 は 大丈夫だ から

それ より 夏目 が

( 菜緒 ) 夏目 君 ?

いや 俺 もう 治った から

もともと 大した こと ないし

じゃあ

いや ちょ … ちょっと 待って

ちょ … ちょっと 待って

血 出てん じゃ ん

ダメだ よ ちゃん と 消毒 し なくちゃ

( 夏目 ) 本当 もう 大丈夫だ から

( 菜緒 ) 大丈夫じゃ ない でしょ そんな ボロボロ じゃ

( 上原 ) ここ は おとなしく 従 っと け

( 夏目 ) いや 今日 は お前 の 大切な …

( 菜緒 ) そうだ よ 大切な 誕生日 だった のに 何 やって た の ?

もう さ いろいろ 準備 して 待って …

今 の 聞いちゃ った ?

え ?

ああ …

あっ

俺 の 誕生日 覚えて て くれた なんて

最高に ハッピーだ ぜ

( 夏目 )“ だ ぜ ” って

それ …

私 スケジュール 表 に 書いた やつ

あっ

( 菜緒 ) え …

ええ ー !

あっ じゃあ 俺 着替えて くる から

夏目 頼む わ

( 菜緒 ) 恥ずかしい

最初 から バレバレ だった んだ

( 上原 ) 飾り すぎ だ ろ

誕生日 会 台なしに しちゃ った よ な

そう だ よ

せっかく 2 人 で お 祝い できる と 思った のに さ

フフッ

( 菜緒 ) 何で ケンカ なんか した の ?

いや 何で って …

いや 何 か 今日 会った 時 から 変だ なって 思った から

別に

女の子 がらみ で 目 つけ られちゃ った だけ

( 菜緒 ) ふ ー ん

何 その 納得 して ませ ん 的な “ ふ ー ん ” は

( 菜緒 ) いや だって 何 か 変だ もん

何 が ?

( 菜緒 ) ほら イライラ して る し

して ない よ

いつも どおり だ よ

( 菜緒 ) はい おしま い

ありがとう

( 菜緒 ) どう いたし まして

( ドア が 開く 音 )

( 菜緒 ) あっ 上原 君 大丈夫 ?

( 上原 ) ああ

じゃあ 帰る わ

( 菜緒 ) え ? 夏目 君 も 一緒に 食べよう よ

( 夏目 ) そんな こと できる わけな いっしょ

俺 空気 読める 男 なんで

( 夏目 ) じゃあ ( 上原 ) 夏目

( ドア が 閉まる 音 )

( 上原 ) あっ ごめん

めちゃめちゃ 遅く なっちゃ った よ な

飯 に す っか

すげ え 量 だ な

何 か 変だ よね 夏目 君

ああ

( 菜緒 ) 何 か あった の か な

吉川

あの さ …

( 菜緒 ) いい よ

行って

え ?

だって 上原 君 に 初めて できた 友達 だ もん

フフフッ

だから 初めて じゃ ねえ し

あっ でも ちょっと 待って

上原 君 お 誕生日 おめでとう

上原 君 が 生まれて きて

こう やって 上原 君 に 出会えて

本当に よかった

あっ …

で ね

あの プレゼント な んだ けど …

間に合わ なくて

でも ちゃんと した …

いら ない

もう す っげ え たく さん もらった から

ありがとう

( 菜緒 ) うん

( 上原 ) 夏目

よし 追いついた

お前 何で 来た の ?

見送り

は あ ? 菜緒 ちゃん は ?

( 上原 ) 待って る よ

あり え ねえ

お前 絶対 間違って る から

とにかく 帰れ

菜緒 ちゃん の そば に いろ

( 夏目 ) ハァ …

何 だ よ

何 か 言い たい こと あんだ ろ

( 上原 ) あん の お前 だ ろ

( 夏目 ) は ?

( 上原 ) 最近 何 か 変だ ろ

( 夏目 ) ハァ … お前 も か

( 上原 ) ケンカ の 時 だって さ

殴ら れて ん の に 一切 やり返さ なかった し

らしく ねえ よ

( 夏目 ) ハッ 何 言って ん の ?

俺 お前 みたいに ケンカ 強く ない から

( 上原 ) ど っか 具合 でも 悪い の か

( 夏目 ) は ?

( 上原 ) 体調 不良 は いろいろ と 支障 を きたす から な

俺 も 倒れた こと ある し

とりあえず ちゃんと した もん 食え

ハハッ 何 だ それ

何 笑って んだ よ

何 な んだ よ それ

もう さ 何 な んだ よ お前 ら

夏目 ?

そう …

そう な んだ よ な

俺 らしく ねえ よ な

本当 自分 でも 思う わ

バッカ じゃ ねえ のって

って こと で

らしく ねえ こ と 言って みよ っか な

何 だ よ

俺 …

俺 菜緒 ちゃん の こと 好き って 言ったら どう する ?

♪~

~♪


episode 06「 誕生日 は サプライズ で !」 |たんじょうび|||

( 菜緒 ( なお )) これ だ と 女の子 っぽい かな なお|||||おんなのこ||

かわい すぎ だ よ ね

あっ

でも 2 人 で お そろい で 持っちゃ ったり して |じん|||||もっちゃ||

フフフッ

えっ 違う よ 私 が 喜ぶ んじゃ なくて |ちがう||わたくし||よろこぶ||

上原 ( うえ はら ) 君 に 喜んで もらわ ない と ね うえはら|||きみ||よろこんで||||

( 太田 ( おお た )) 誕生日 らしい んです 彼 氏 さん の おおた|||たんじょうび||ん です|かれ|うじ||

( 藤岡 ( ふじ おか )) へえ ふじおか|||

あっ あっ ねえ ねえ ねえ ねえ 太田 ちゃん と 部長 ||||||おおた|||ぶちょう

こっち と こっち どっち が いい と 思い ます ? |||||||おもい|

( 太田 ・ 藤岡 ) うーん おおた|ふじおか|

彼 氏 に 聞いた ほう が いい んじゃ ない ? かれ|うじ||きいた|||||

ダメです 今回 は … だめ です|こんかい|

( 上原 ) 吉川 ( よし かわ ) 帰る ぞ うえはら|きちかわ|||かえる|

上原 君 うえはら|きみ

迎え に 来て くれた んだ むかえ||きて||

4 時 半 に 正門 って 言った ろ じ|はん||せいもん||いった|

( 菜緒 ) え ? ( 上原 )20 分 過ぎて んだ けど なお||うえはら|ぶん|すぎて||

あっ ごめん

ちょ … ちょっと いろいろ あって

菜緒 ちゃん ちょうど よかった じゃ ない なお|||||

上原 君 に 聞いて みた … うえはら|きみ||きいて|

( 菜緒 ) わ あー ! なお||

ダメ ダメ あっ … だめ|だめ|

何でもない よ 上原 君 なんでもない||うえはら|きみ

あの … あの ね 上原 君 |||うえはら|きみ

あの 今日 ちょっと 外せ ない 用事 が あって |きょう||はずせ||ようじ||

だから 先 帰って くれる かな |さき|かえって||

は あ ?

上原 君 に は 内緒 な んです うえはら|きみ|||ないしょ||ん です

あの 今回 は 絶対 サプライズ し たい と 思って |こんかい||ぜったい|||||おもって

サプライズ か

( 菜緒 ) はい だ から 今日 も これ から プレゼント 探し して き ます なお||||きょう||||ぷれぜんと|さがし|||

昨日 何 十 軒 か お 店 回った んです けど ― きのう|なん|じゅう|のき|||てん|まわった|ん です|

全然 ピンと くる の が なくて ぜんぜん|ぴんと||||

( 藤岡 ) ああ … ( 太田 ) 何 十 軒 ? ふじおか||おおた|なん|じゅう|のき

でも 今日 は |きょう|

絶対 上原 君 に ピッタリ の プレゼント 見つけて みせ ます ぜったい|うえはら|きみ||ぴったり||ぷれぜんと|みつけて||

どれ が いい かな

あー もう 分か ん ない よ ||わか|||

( まり な ) もう サプライズ は やめて 上原 君 に 聞いちゃ えば ? ||||||うえはら|きみ||きいちゃ|

“ 何 が 欲しい の ?” って なん||ほしい||

それ は 絶対 ダメ ||ぜったい|だめ

今回 は サプライズ に する って 決めて る んだ もん こんかい||||||きめて|||

( 太田 ) うーん でも さ おおた|||

誕生日 だったら 菜緒 ちゃん が お 祝い して くれる って たんじょうび||なお||||いわい|||

きっと 上原 君 分かって る んじゃ ない ? |うえはら|きみ|わかって|||

( まり な ) うーん それ は どうか な

( 太田 ) ん ? おおた|

去年 は … ねえ きょねん||

上原 君 の 誕生日 間違えて 覚えて て うえはら|きみ||たんじょうび|まちがえて|おぼえて|

完璧に スルー しちゃ って さ かんぺきに|するー|||

あ … ある 意味 そこ を 逆手 に 取る って こと だ よ ね ||いみ|||さかて||とる|||||

“ あいつ 今年 も 俺 の 誕生日 忘れて る な ” と 思い きや ? |ことし||おれ||たんじょうび|わすれて||||おもい|

( 菜緒 ) 当日 突然 なお|とうじつ|とつぜん

ハッピーバースデー !

( まり な ) 上原 君 超 びっくり ! ||うえはら|きみ|ちょう|

そして 大 感動 ! |だい|かんどう

そして 深まる 愛 ! |ふかまる|あい

( 菜緒 ) フフン なお|

そう それ が やり たかった の

ねえ ねえ ねえ ねえ 見て 見て 見て 見て ||||みて|みて|みて|みて

ジャーン !

こっち が 誕生日 の 献立 で こっち が 当日 の スケジュール ||たんじょうび||こんだて||||とうじつ||すけじゅーる

す っ ごい 細かい スケジュール |||こまかい|すけじゅーる

こんなに 料理 作 ん の ? |りょうり|さく||

うん 前日 に 仕込んで おく から 大丈夫 |ぜんじつ||しこんで|||だいじょうぶ

でも プレゼント だけ が 決まって なくて さ |ぷれぜんと|||きまって||

さすが 恋する 女子 は パワフルだ ねえ |こいする|じょし||ぱわふるだ|

( 太田 ) うん おおた|

( まり な ) お邪魔 し ました ( 太田 ) し ました ||おじゃま|||おおた||

じゃあ 頑張って ね 絶対 うまく いく から |がんばって||ぜったい|||

ありがとう

あっ 上原 君 に は くれぐれも 内緒 ね |うえはら|きみ||||ないしょ|

当たり前でしょ 上原 君 の サプライズ 誕生日 会 な んだ から あたりまえでしょ|うえはら|きみ|||たんじょうび|かい|||

( まり な ) ねっ ( 太田 ) うん |||おおた|

( まり な ) じゃ あね ( 菜緒 ) うん ||||なお|

( 菜緒 ) じゃ あね ( まり な ) あり が と なお|||||||

あり が と ね 気 を つけて ね ||||き|||

( まり な ) いいね ( 太田 ) ねえ |||おおた|

おう どうも

ああ っ ! ちょ … ちょっと 待って ||||まって

ちょっと 待って ちょ ちょ ちょ … |まって|||

( 上原 ) 何 ? 何 だ よ うえはら|なん|なん||

今 の 話 も しか して 聞いて た ? いま||はなし||||きいて|

( 上原 ) ん ? うえはら|

俺 の サプライズ 誕生 会 が どう と か ? おれ|||たんじょう|かい||||

( まり な ) あっ …

菜緒 ね 今 す っご い 一生懸命 サプライズ 誕生日 会 の 用意 して ん の なお||いま||||いっしょうけんめい||たんじょうび|かい||ようい|||

もう 献立 も できて る し ― |こんだて||||

当日 の スケジュール 表 まで 作っちゃ って んだ よ とうじつ||すけじゅーる|ひょう||つくっちゃ|||

だから 誕生日 会 の こと は 一切 何も 知ら なかった って こと で |たんじょうび|かい||||いっさい|なにも|しら||||

あっ 当日 は 思いっきり びっくり して あげて |とうじつ||おもいっきり|||

お 願い |ねがい

♪~

~♪

( 菜緒 ) フフフ … なお|

8 位 は 香水 か くらい||こうすい|

あっ

( 匂い を 嗅ぐ 音 ) におい||かぐ|おと

このまま の 匂い が いい から 却下 ||におい||||きゃっか

全部 聞こえて る っつ ー の ぜんぶ|きこえて|||-|

( 菜緒 ) 男性 用 の 下着 なお|だんせい|よう||したぎ

これ は 絶対 使う けど … ||ぜったい|つかう|

でも レベル 高い し なあ |れべる|たかい||

イテッ

イテテ …

( 菜緒 ) 18 時 半 上原 君 を 呼び に 行く なお|じ|はん|うえはら|きみ||よび||いく

お 食事 開始 |しょくじ|かいし

たまたま 多く 作った と ごまかす 私 |おおく|つくった|||わたくし

さては 誕生日 を 忘れて る な ? と ふくれる 上原 君 |たんじょうび||わすれて|||||うえはら|きみ

カワイイ

( 上原 ) カワイイ って 何 だ よ うえはら|||なん||

( 上原 ) まさか この とおり に やれ と ? うえはら||||||

( 菜緒 ) あっ そうだ なお||そう だ

( 菜緒 ) よし なお|

うん

ハァ …

もう ない よ な

( 菜緒 ) どうした の ? 今日 落ち着き ない ね なお|||きょう|おちつき||

悪かった な わるかった|

( 菜緒 ) フフフフフッ なお|

ヘヘヘッ

あと 6 日 |ひ

フフフッ

( 菜緒 ) ねえ ねえ なお||

固い もの と 柔らかい もの だったら どっち ? かたい|||やわらかい|||

は ?

( 菜緒 ) だ から 固め ? 柔らか め ? なお|||かため|やわらか|

( 上原 ) それ は 物 に よる だ ろ うえはら|||ぶつ||||

いや 基本 的に で いい んだ けど さ |きほん|てきに|||||

どっち ?

( 上原 ) 固 め うえはら|かた|

( 菜緒 ) 固 め ね なお|かた||

あっ じゃあ つる っと して る もの と ―

ご わ っと して る もの だったら どっち ?

なあ それ いつまで 続く の ? |||つづく|

ああ 大丈夫 あと 40 問 ぐらい で 終わる から |だいじょうぶ||とい|||おわる|

フフッ

そんなに あん の かよ

( 菜緒 ) うん なお|

( 阿部 ( あ べ )) お っす なに なに ? 朝 から もめて ん の ? あべ|||||||あさ||||

ああ おはよう あ べ っち

おはよう

あっ て かさ 昨日 気づいた んだ けど もう すぐ 上原 の 誕生 … |||きのう|きづいた|||||うえはら||たんじょう

( 上原 ) あっ ! うえはら|

( 上原 ) あっ あっ 蚊 蚊 … ( 阿部 ) イテッ イテ … うえはら|||か|か|あべ||

( 阿部 ) 蚊 ? ( 上原 ) 蚊 あべ|か|うえはら|か

( 阿部 ) 蚊 ? ( 上原 ) 蚊 だ あべ|か|うえはら|か|

( 阿部 ) ありがとう あべ|

( 上原 ) ちょっと 話 が ある ( 阿部 ) お前 いい ヤツ だ な うえはら||はなし|||あべ|おまえ||やつ||

えっ どこ 行く の 上原 君 ||いく||うえはら|きみ

阿部 と 話 が あん の あべ||はなし|||

( 上原 ) 昨日 から の 俺 の 苦労 が ムダ に なる だろう が うえはら|きのう|||おれ||くろう||むだ||||

( 阿部 ) は ? あべ|

吉川 俺 の 誕生日 を サプライズ で 祝おう と して ん の きちかわ|おれ||たんじょうび||||いわおう||||

吉川 俺 の 誕生日 を サプライズ で 祝おう と して ん の きちかわ|おれ||たんじょうび||||いわおう||||

( 菜緒 ) あっ なお|

吉川 俺 の 誕生日 を サプライズ で 祝おう と して ん の きちかわ|おれ||たんじょうび||||いわおう||||

でも 俺 は それ を 知ら ない こと に なって る |おれ||||しら|||||

この 生地 いい で すね どこ のです か ? |きじ|||||の です|

って こと は つまり

( 菜緒 ) あっ そうだ 上原 君 ( 上原 ) よし なお||そう だ|うえはら|きみ|うえはら|

質問 の 続き な んだ けど しつもん||つづき|||

つる っと して る もの ご わ っと して る もの どっち ?

つる っと

( 菜緒 ) ああ や っぱ つる っと か なお||||||

吉川 の 彼 氏 って 大変だ な きちかわ||かれ|うじ||たいへんだ|

( 夏目 ( なつ め )) 紗栄 子 ( さえ こ ) さん いたんだ なつめ|||ささかえ|こ||||

( 紗栄 子 ) 当たり前でしょう が 部 外 者 は 君 だ から ささかえ|こ|あたりまえでしょう||ぶ|がい|もの||きみ||

った く また 勝手に 入って |||かってに|はいって

だって ここ 俺 の 唯一 の オアシス な んです もん ||おれ||ゆいいつ||おあしす||ん です|

麗しい 女神 様 も いる し うるわしい|めがみ|さま|||

女神 様 怒ら せる と 痛い 目 に 遭う わ よ ! めがみ|さま|いから|||いたい|め||あう||

ハハハッ

怖 っ こわ|

夏目 君 でも ああいう 顔 する んだ なつめ|きみ|||かお||

は ?

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 上原 ) あー 疲れた うえはら||つかれた

( 菜緒 ) そ っか 上原 君 … なお|||うえはら|きみ

あっ ごめんなさい すいません

しん … あっ ごめん ね

( 阿部 ) おう 吉川 ( 菜緒 ) 上原 君 だ から … あべ||きちかわ|なお|うえはら|きみ||

( 太田 ) まだ 日 にち ある しさ 絶対 見つかる よ おおた||ひ|||し さ|ぜったい|みつかる|

( 菜緒 ) うーん だ と いい んだ けど なお||||||

( 紗栄 子 ) は あ ? そんな 理由 で 疲れ切って た わけ ? ささかえ|こ||||りゆう||つかれきって||

( 上原 ) まあ うえはら|

( 紗栄 子 ) あり え ない ささかえ|こ|||

あっ これ も よろしく

はい

お 祝い さ れる 側 が 気 を 使って る んじゃ |いわい|||がわ||き||つかって||

本末 転倒 でしょ ほんまつ|てんとう|

大丈夫 っす よく ある パターン なんで だいじょうぶ||||ぱたーん|

( 紗栄 子 ) ええ … いや 彼女 も さ ― ささかえ|こ|||かのじょ||

どうせ やる ん なら もっと 徹底 的に 隠し 通せば いい のに |||||てってい|てきに|かくし|とおせば||

私 なら 完璧に やり遂げる ね メンデル の 実験 並み に わたくし||かんぺきに|やりとげる||||じっけん|なみ|

あいつ に そういう の は 期待 して ない っす から |||||きたい||||

( 紗栄 子 ) 迷惑 かけて る こと すら 気づか ない んじゃ ― ささかえ|こ|めいわく|||||きづか||

そりゃ あ 苦労 する わ ||くろう||

まあ でも

俺 は 器用に 隠し 通す より おれ||きよう に|かくし|とおす|

不器用で も 一生懸命な ほう が 全然 いい っす から ぶきようで||いっしょうけんめいな|||ぜんぜん|||

じゃあ 上原 は 知って ん の ? |うえはら||しって||

何で 菜緒 ちゃん が バイト 始めた か なんで|なお|||ばいと|はじめた|

何 か 欲しい もの が ある って なん||ほしい||||

お前 の プレゼント 買う ため だ よ おまえ||ぷれぜんと|かう|||

愛さ れて ん ね あいさ|||

死ぬ ほど 驚いて やれよ しぬ||おどろいて|

菜緒 ちゃん の 気持ち ムダ に す んな よ な なお|||きもち|むだ|||||

夏目 君 は ずっと それ で いく わけ ? なつめ|きみ||||||

何の 話 ? なんの|はなし

吉川 さん へ の 気持ち 隠し 通す の ? きちかわ||||きもち|かくし|とおす|

( 夏目 ) ハッ … なつめ|

紗栄 子 さん や っぱ 今日 変です よ ささかえ|こ||||きょう|へん です|

私 ね わたくし|

私 多分 … わたくし|たぶん

上原 君 の こと が 好きに なって る んだ と 思う うえはら|きみ||||すきに|||||おもう

あー ハハハハッ

スッキリ した すっきり|

や っぱ そう な んだ よ ね うん

今 言ったら しっくり きた もん いま|いったら|||

ハハハハ …

いきなり 爆弾 発言 です ね |ばくだん|はつげん||

え ?

夏目 君 も 同類 か と 思った んだ けど なつめ|きみ||どうるい|||おもった||

俺 楽しい 恋愛 は 好きです けど おれ|たのしい|れんあい||すき です|

苦しい の と か 面倒な の って マジ 勘弁 なんで くるしい||||めんどうな||||かんべん|

それ に 友達 の 彼女 に 手 出す と か マジ あり え ない でしょ ||ともだち||かのじょ||て|だす|||||||

そう

( 夏目 ) って か あの 2 人 別れ ないで すよ なつめ||||じん|わかれ||

( 紗栄 子 ) そんな の 分か ん ない よ ( 夏目 ) 分かり ます よ ささかえ|こ|||わか||||なつめ|わかり||

後戻り でき なく なる 前 に 引いた ほう が 賢明です って あともどり||||ぜん||ひいた|||けんめい です|

私 は 引いて 後悔 する より わたくし||ひいて|こうかい||

ぶつかって 後悔 する ほうが 性 に 合って る から |こうかい|||せい||あって||

上原 君 だって 言って た じゃ ん うえはら|きみ||いって|||

器用に 隠す より きよう に|かくす|

不器用で も 一生懸命な ほう が いい って ぶきようで||いっしょうけんめいな||||

時 と 場合 に よる んじゃ ない です か ? じ||ばあい||||||

( 七瀬 ( なな せ )) 大地 ( だいち ) ( 大地 ) おお 七瀬 ななせ|||だいち||だいち||ななせ

( 七 瀬 ) コーチ が ね 部活 前 に ミーティング し たい って ― なな|せ|こーち|||ぶかつ|ぜん||みーてぃんぐ|||

大地 捜して て だいち|さがして|

( 大地 ) そ っか 分かった だいち|||わかった

先 行って て さき|おこなって|

( 部員 たち ) オッケー また ね   バイバイ ぶいん|||||

つけて みた   どう ?

どう って 言わ れて も 私 が あげた やつ だ し ||いわ|||わたくし|||||

( 大地 ) そりゃ そ っか だいち|||

でも これ 七 瀬 に もらった って 言ったら ||なな|せ||||いったら

あいつ ら も 欲しがって た |||ほしがって|

えっ 何で ? |なんで

いや 何 か 七瀬 に 見 られて る みたいで |なん||ななせ||み|||

サボれ ない から ちょうど い いって さぼれ|||||

狙い どおり ねらい|

これ に は 絶対 勝つ って いう |||ぜったい|かつ||

私 の マネージャー 魂 が 込め られて る んだ から わたくし||まねーじゃー|たましい||こめ||||

( 大地 ) や っぱ そう だった か だいち|||||

お守り だ な これ おもり|||

( 七 瀬 ) そんな 御利益 ない から ね なな|せ||ごりやく|||

ただ の キーホルダー だし

( 大地 ) そう か ? 七瀬 の 思い が こもって る んだ ろ ? だいち|||ななせ||おもい|||||

大切に し なくちゃ な たいせつに|||

あっ ヤバッ コーチ 待って んだ っけ ? ||こーち|まって||

じゃあ

じゃあ お やすみ 上原 君 |||うえはら|きみ

( 上原 ) おう ( 菜緒 ) うん うえはら||なお|

( 鍵 を 閉める 音 ) かぎ||しめる|おと

( 上原 ) ハァ … うえはら|

ごめん   ちょっと 借りる ||かりる

“21 時 帰ろう と する 上原 君 ” じ|かえろう|||うえはら|きみ

“ PC 雑誌 で 引きとめる ” |ざっし||ひきとめる

“ うれし そうな 上原 君 ” |そう な|うえはら|きみ

( 菜緒 ) うれし そうな 上原 君 なお||そう な|うえはら|きみ

22 時 帰ろう と する 上原 君 じ|かえろう|||うえはら|きみ

上原 君 の 好きな DVD で 引きとめる うえはら|きみ||すきな|||ひきとめる

上原 君 が 楽しく 見て いる 間 に ― うえはら|きみ||たのしく|みて||あいだ|

すごい 早 さ で 上原 君 の 部屋 に 飾り物 を 設置 |はや|||うえはら|きみ||へや||かざりもの||せっち

( 菜緒 ) ヨーロッパ 風 ? 分か ん ない よ なお|よーろっぱ|かぜ|わか|||

( 菜緒 )23 時 半 部屋 に 戻る 上原 君 なお|じ|はん|へや||もどる|うえはら|きみ

電気 を つけて 部屋 の 様子 に びっくり でんき|||へや||ようす||

そこ へ ケーキ を 持った 私 が 登場 ! ||けーき||もった|わたくし||とうじょう

上原 君 めちゃめちゃ びっくり うえはら|きみ||

忘れて る か と 思い きや 上原 君 ハッピーバースデー ! わすれて||||おもい||うえはら|きみ|

最高の プレゼント を 渡す さいこうの|ぷれぜんと||わたす

上原 君 大 感動 うえはら|きみ|だい|かんどう

( 菜緒 ) フフフッ こんにち は なお|||

よし 次 ! |つぎ

( 菜緒 )“ 吉川 が 俺 の 誕生日 を 覚えて て くれた なんて ―” なお|きちかわ||おれ||たんじょうび||おぼえて|||

“ 最高に ハッピーだ ぜ ” さいこうに|はっぴーだ|

“ そんな の 当たり前でしょ ? 上原 君 ” ||あたりまえでしょ|うえはら|きみ

“ 吉川 ” きちかわ

“ 上原 君 ” うえはら|きみ

その あと は 2 人 っきり で … ヘヘッ |||じん|||

( 菜緒 ) 上原 君 なお|うえはら|きみ

お 誕生日 おめでとう |たんじょうび|

フフッ

( 菜緒 ) どう しよう なお||

どう しよう

( 菜緒 ) ハァ … なお|

あっ ! あっ

ヘヘヘヘッ ハハハ …

お かえり 上原 君 ||うえはら|きみ

おう

( 菜緒 ) あっ 今日 も 1 日 お 疲れ さま なお||きょう||ひ||つかれ|

明日 びっくり できる かな 俺 あした||||おれ

フゥ …

う う ー ! ||-

あー あ

こんなに アンケート なんて とる んじゃ なかった |あんけーと||||

余計 分か ん なくなっちゃ うよ よけい|わか|||

う う …

大丈夫 だいじょうぶ

きっと 最後 の 最後に ステキな プレゼント 見つかる よ ね |さいご||さいごに|すてきな|ぷれぜんと|みつかる||

ハァ … うん

( 鳥 の さえずり ) ちょう||

ハッ !

あっ … あっ

あれ …

どう しよう

どう しよう

自然に … しぜんに

あくまでも さりげなく

ハァ … 何 か 違う な |なん||ちがう|

そ っ さっ

お 疲れ さ まで す |つかれ|||

( 紗栄 子 ) ああ お 疲れ ささかえ|こ|||つかれ

あっ あの さあ

これ よかったら

( 研究 員 ) お 疲れ さ まで す けんきゅう|いん||つかれ|||

( 研究 員 ) お 疲れ さ まで す ああ 紗栄 子 さん けんきゅう|いん||つかれ|||||ささかえ|こ|

昨日 の 定量 PCR の 実験 な んです けど きのう||ていりょう|||じっけん||ん です|

これ 見て ください よ |みて||

( 紗栄 子 ) やり 直し ( 研究 員 ) え ? ささかえ|こ||なおし|けんきゅう|いん|

“ え ?” じゃ ねえ ! 全部 やり 直し だっ つって んだ ! |||ぜんぶ||なおし|||

( 研究 員 たち ) ひ い ー ! けんきゅう|いん||||-

ハァ …

あ … あった これ だ !

黒くて 派手で も なく 地味で も なく 普段 使い できて 防水 性 で くろくて|はでで|||じみで|||ふだん|つかい||ぼうすい|せい|

末 永く 使えて センス よくて つる っと して る すえ|ながく|つかえて|せんす|||||

フフッ

あっ あの すいません

( 店員 ) 失礼 し ます てんいん|しつれい||

あっ ちょ … ちょっと

あの 私 それ 欲しい んです けど |わたくし||ほしい|ん です|

( 店員 ) 申し訳 あり ませ ん お 客 様 てんいん|もうし わけ|||||きゃく|さま

こちら の 商品 は 先 に ― ||しょうひん||さき|

あちら の お 客 様 に お 買い上げ いただいて おり まして |||きゃく|さま|||かいあげ|||

え ?

( 店員 ) お 取り寄せ で よろしければ 1 週間 後 に は 届き ます が てんいん||とりよせ|||しゅうかん|あと|||とどき||

( 玲奈 ) 知り合い ? れいな|しりあい

いや

夏目 君 なつめ|きみ

はい

あっ ありがとう

何 して ん の ? 今日 上原 の 誕生日 でしょ なん||||きょう|うえはら||たんじょうび|

( 菜緒 ) 何で 知って ん の ? なお|なんで|しって||

その ため に バイト 始めた って 言って た じゃ ん |||ばいと|はじめた||いって|||

そう な んだ けど さ …

まだ 肝心の プレゼント が 決まって ない んだ よ ね |かんじんの|ぷれぜんと||きまって||||

そう

( 菜緒 ) うん なお|

って か 上原 そろそろ 帰って くる んじゃ ない ? ||うえはら||かえって|||

うん

サプライズ する 予定 だった んだ けど ||よてい|||

でも …

しょうがない から やっぱり 上原 君 に ちゃんと 謝って しょうが ない|||うえはら|きみ|||あやまって

また 今度 渡そう と 思って |こんど|わたそう||おもって

( 夏目 ) ダメだ ね それ じゃ なつめ|だめだ|||

( 菜緒 ) え ? なお|

あ … いや だって さあ

やっぱり ちゃんと これ だって 思う プレゼント 渡した ほう が いい じゃ ん ||||おもう|ぷれぜんと|わたした|||||

じゃ なくて

そんな 顔 で お 祝い さ れた って |かお|||いわい|||

うれしく も 何とも ない って 言って ん の ||なんとも|||いって||

え ?

誕生日 は さ プレゼント を あげる 日 じゃ なくて たんじょうび|||ぷれぜんと|||ひ||

生まれて きた こと を お 祝い する 日 でしょ うまれて|||||いわい||ひ|

そんな 暗い 顔 して どう す ん の って 話 |くらい|かお|||||||はなし

あ …

そ っか

そう そう

そう だ よ ね

おめでとう って 言う 日 な のに ||いう|ひ||

私 が 暗くちゃ ダメだ よ ね わたくし||くらくちゃ|だめだ||

よし !

( 菜緒 ) 夏目 君 に は いつも 本当に お 世話に なっちゃ って て なお|なつめ|きみ||||ほんとうに||せわに|||

ありがとう

( 夏目 ) これ で 最後 なつめ|||さいご

え ?

( 玲奈 ) も しか して 柊 ( しゅう ) の 彼女 ? れいな||||ひいらぎ|||かのじょ

ウソ そういう 子 タイプ だった んだ うそ||こ|たいぷ||

( 菜緒 ) あ … なお|

いや あの 私 は … ||わたくし|

そんな わけない でしょ

俺 に だって 選ぶ 権利 ある っつ ー の おれ|||えらぶ|けんり|||-|

何 な の … なん||

まっ うまく やって よ

大丈夫 だいじょうぶ

菜緒 ちゃん の 気持ち は ちゃんと 上原 に 届く から なお|||きもち|||うえはら||とどく|

( 夏目 ) 行 こ なつめ|ぎょう|

は あ ? そんな の 聞いて ませ ん ! ||||きいて||

( 教授 ) 急きょ 参加 する こと に なっちゃ って きょうじゅ|きゅうきょ|さんか|||||

どう す んです か ? ||ん です|

学会 の 準備 なんて これ っぽ っち も やって ませ ん けど がっかい||じゅんび|||||||||

あー !

ハハハッ こんな 所 に 上原 君 見 っけ ||しょ||うえはら|きみ|み|

ねえ ねえ 上原 君 今日 暇 ? 暇 ? ||うえはら|きみ|きょう|いとま|いとま

( 紗栄 子 ) あの 教授 上原 君 は 今日 は … ささかえ|こ||きょうじゅ|うえはら|きみ||きょう|

( 教授 ) 暇 ? ありがとう ! きょうじゅ|いとま|

上原 君 君 いい 匂い する ね うえはら|きみ|きみ||におい||

よし 今日 は 3 人 で 力 を 合わせて |きょう||じん||ちから||あわせて

この ピンチ を 乗り越える ぞ えいえい お ー ! |ぴんち||のりこえる||||-

( 紗栄 子 ) 教授 ささかえ|こ|きょうじゅ

ちょっと 教授 ! |きょうじゅ

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

ハァ …

い … いい の ?

ハッ …

それ 紗栄 子 さん が 言い ます ? |ささかえ|こ|||いい|

( 紗栄 子 ) え ? ささかえ|こ|

人 の 予定 なんて いつも お構いなしな のに じん||よてい|||おかまいなしな|

失礼 ね 私 だって … しつれい||わたくし|

( 上原 ) 手伝い ます よ うえはら|てつだい||

まあ 朝 まで は 無理 っす けど |あさ|||むり||

こんな 時 に 何 だ けど ハッピーバースデー ! |じ||なん|||

あっ 私 上原 君 の そういう 男 前 な と こ |わたくし|うえはら|きみ|||おとこ|ぜん|||

すごく …

いい と 思う わ ! うん ||おもう||

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

ハッ …

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( 紗栄 子 ) ハァ … ささかえ|こ|

全然 さりげなく なかった よ ね ぜんぜん||||

ハァ …

( メール の 送信 音 ) めーる||そうしん|おと

( 菜緒 ) 熱 っ なお|ねつ|

( メール の 着信 音 ) めーる||ちゃくしん|おと

“ バイト 長引いて 帰り 少し 遅く なる ” か ばいと|ながびいて|かえり|すこし|おそく||

了解 ! りょうかい

フフフ ~

( 玲奈 ) ねえ 次 どこ 行 こっか れいな||つぎ||ぎょう|

ヤバ …

( 男性 ) そい つ さあ 俺 の なんだ けど だんせい||||おれ|||

あれ ? 彼 氏 いたんだ |かれ|うじ|

( 玲奈 ) うん れいな|

( 男性 ) ちょっと 付き合って くん ない ? だんせい||つきあって||

いい よ

え ? やめた ほう が いい って いつも みたいに 適当に … ||||||||てきとうに

いい の いい の

俺 パーッ と やり たい 気分 だ し おれ|||||きぶん||

遅い なあ 上原 君 おそい||うえはら|きみ

( 紗栄 子 ) 彼女 怒って る んじゃ ない ? ささかえ|こ|かのじょ|いかって|||

( 上原 ) いや うえはら|

バイト 先 大変な 時 に 早々 に 帰って たら ― ばいと|さき|たいへんな|じ||はやばや||かえって|

逆に 怒ら れた かも ぎゃくに|いから||

でも すいません

あんまり 待た せ たく ない んで 俺 が |また|||||おれ|

そう

だ よ ね

( 上原 ) で は お 先 失礼 し ます うえはら||||さき|しつれい||

お 疲れ さ ま あり が と ね |つかれ||||||

いえ 最後 まで 手伝え なくて すいません |さいご||てつだえ||

( 紗栄 子 ) う うん ( 上原 ) あっ ささかえ|こ|||うえはら|

ケーキ わざわざ ありがとう ございました けーき|||

全然 全然 ぜんぜん|ぜんぜん

( 上原 ) じゃあ 頑張って ください うえはら||がんばって|

( 紗栄 子 ) うん ささかえ|こ|

( メール の 着信 音 ) めーる||ちゃくしん|おと

あっ

あっ そう だ もう こんな 時間 だ もん ね |||||じかん|||

よし

“ 自分 の 部屋 に 帰ら ないで ” じぶん||へや||かえら|

“ まっすぐ 私 の 部屋 に 帰って きて ね ” |わたくし||へや||かえって||

( 玲奈 ) マジ で ヤバ いって 夏目 君 れいな|||||なつめ|きみ

完全に ボコボコ だ よ かんぜんに|||

知ら ない し しら||

ちょっと

いい ねえ

( 男性 ) おら ! だんせい|

( 夏目 ) う っ … ( 男性 ) もう いっち ょ ! なつめ|||だんせい|||

( 男性 ) チャラチャラ 愛想 振りまく こと しか でき ねえ んだ ろ だんせい||あいそ|ふりまく||||||

ダッセー よ な

俺 も 同 じこ と 思って た んだ よ ね おれ||どう|||おもって||||

( 男性 ) おい 立て ! だんせい||たて

笑って んじゃ ねえ ! わらって||

おい …

上原 うえはら

( 男性 ) 何 だ て め え だんせい|なん||||

( 救急 車 の サイレン ) きゅうきゅう|くるま||さいれん

( 呼び出し 音 ) よびだし|おと

えっ …

どうした んだろう

( 上原 ) ひどい ありさま だ な うえはら||||

( 夏目 ) 何で 来た んだ よ なつめ|なんで|きた||

( 上原 ) たまたま 通りかかった だけ だ よ うえはら||とおりかかった|||

( 夏目 ) ウソ つけ 菜緒 ちゃん 待って んじゃ ねえ の か よ なつめ|うそ||なお||まって|||||

( 上原 ) だ から 今 帰って んだろう うえはら|||いま|かえって|

( 夏目 ) だったら 俺 に 構う な よ 今 すぐ 行け って なつめ||おれ||かまう|||いま||いけ|

( 上原 ) 無理 ( 夏目 ) は ? うえはら|むり|なつめ|

( 上原 ) 俺 の 目覚め が 悪く なる うえはら|おれ||めざめ||わるく|

行く ぞ いく|

( 夏目 ) 行く って ? なつめ|いく|

( 上原 ) 俺 ん ち だ よ うえはら|おれ||||

手当て す っ から てあて|||

( 夏目 ) 拒否 って も ムダ ? なつめ|きょひ|||むだ

( 上原 ) ムダ うえはら|むだ

ほら

悪かった 本当に わるかった|ほんとうに

この 貸し は デカ い ぞ |かし||||

ああ

学 食 食べ 放題 で 手 を 打って やる まな|しょく|たべ|ほうだい||て||うって|

フッ 了解 |りょうかい

って か 菜緒 ちゃん の サプライズ 忘れ ん な よ な ||なお||||わすれ||||

あっ そうだった |そう だった

お前 そこ 一 番 重要な とこ だ ろ おまえ||ひと|ばん|じゅうような|||

て かさ

知って て 驚く の って すげ え 難しく ねえ か ? しって||おどろく|||||むずかしく||

サプライズ で 驚いて ケーキ で 驚いて ||おどろいて|けーき||おどろいて

あと プレゼント だ ろ |ぷれぜんと||

あっ

何 ? なん

プレゼント 多分 ない ぷれぜんと|たぶん|

俺 が 余計な こと 言っちゃ った から おれ||よけいな||いっちゃ||

でも さ 菜緒 ちゃん すげ え 必死に 最後 まで 探して て ||なお||||ひっしに|さいご||さがして|

分かって る よ わかって||

そ っか

だ よ な

( 菜緒 ) 上原 君 なお|うえはら|きみ

( 夏目 ) あれ って … なつめ||

( 上原 ) 吉川 ? うえはら|きちかわ

何 やって んだ なん||

吉川 どうした きちかわ|

何 か あった の … なん|||

( 菜緒 ) 上原 君 なお|うえはら|きみ

ハァ … よかった

本当に よかった ほんとうに|

事故 に でも 遭った の か と 思っちゃ った じこ|||あった||||おもっちゃ|

( 上原 ) ごめん ちゃん と 連絡 すれば よかった うえはら||||れんらく||

( 上原 ) あ … うえはら|

( 菜緒 ) 上原 君 ケガ して る の ? なお|うえはら|きみ|けが|||

えっ や っぱ 事故 ? |||じこ

痛い ? ねえ 病院 行った ほう が いい んじゃ ない ? いたい||びょういん|おこなった|||||

俺 は 大丈夫だ から おれ||だいじょうぶだ|

それ より 夏目 が ||なつめ|

( 菜緒 ) 夏目 君 ? なお|なつめ|きみ

いや 俺 もう 治った から |おれ||なおった|

もともと 大した こと ないし |たいした||

じゃあ

いや ちょ … ちょっと 待って |||まって

ちょ … ちょっと 待って ||まって

血 出てん じゃ ん ち|しゅってん||

ダメだ よ ちゃん と 消毒 し なくちゃ だめだ||||しょうどく||

( 夏目 ) 本当 もう 大丈夫だ から なつめ|ほんとう||だいじょうぶだ|

( 菜緒 ) 大丈夫じゃ ない でしょ そんな ボロボロ じゃ なお|だいじょうぶじゃ||||ぼろぼろ|

( 上原 ) ここ は おとなしく 従 っと け うえはら||||じゅう||

( 夏目 ) いや 今日 は お前 の 大切な … なつめ||きょう||おまえ||たいせつな

( 菜緒 ) そうだ よ 大切な 誕生日 だった のに 何 やって た の ? なお|そう だ||たいせつな|たんじょうび|||なん|||

もう さ いろいろ 準備 して 待って … |||じゅんび||まって

今 の 聞いちゃ った ? いま||きいちゃ|

え ?

ああ …

あっ

俺 の 誕生日 覚えて て くれた なんて おれ||たんじょうび|おぼえて|||

最高に ハッピーだ ぜ さいこうに|はっぴーだ|

( 夏目 )“ だ ぜ ” って なつめ|||

それ …

私 スケジュール 表 に 書いた やつ わたくし|すけじゅーる|ひょう||かいた|

あっ

( 菜緒 ) え … なお|

ええ ー ! |-

あっ じゃあ 俺 着替えて くる から ||おれ|きがえて||

夏目 頼む わ なつめ|たのむ|

( 菜緒 ) 恥ずかしい なお|はずかしい

最初 から バレバレ だった んだ さいしょ||||

( 上原 ) 飾り すぎ だ ろ うえはら|かざり|||

誕生日 会 台なしに しちゃ った よ な たんじょうび|かい|だいなしに||||

そう だ よ

せっかく 2 人 で お 祝い できる と 思った のに さ |じん|||いわい|||おもった||

フフッ

( 菜緒 ) 何で ケンカ なんか した の ? なお|なんで|けんか|||

いや 何で って … |なんで|

いや 何 か 今日 会った 時 から 変だ なって 思った から |なん||きょう|あった|じ||へんだ||おもった|

別に べつに

女の子 がらみ で 目 つけ られちゃ った だけ おんなのこ|||め||||

( 菜緒 ) ふ ー ん なお||-|

何 その 納得 して ませ ん 的な “ ふ ー ん ” は なん||なっとく||||てきな||-||

( 菜緒 ) いや だって 何 か 変だ もん なお|||なん||へんだ|

何 が ? なん|

( 菜緒 ) ほら イライラ して る し なお||いらいら|||

して ない よ

いつも どおり だ よ

( 菜緒 ) はい おしま い なお|||

ありがとう

( 菜緒 ) どう いたし まして なお|||

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 菜緒 ) あっ 上原 君 大丈夫 ? なお||うえはら|きみ|だいじょうぶ

( 上原 ) ああ うえはら|

じゃあ 帰る わ |かえる|

( 菜緒 ) え ? 夏目 君 も 一緒に 食べよう よ なお||なつめ|きみ||いっしょに|たべよう|

( 夏目 ) そんな こと できる わけな いっしょ なつめ|||||

俺 空気 読める 男 なんで おれ|くうき|よめる|おとこ|

( 夏目 ) じゃあ ( 上原 ) 夏目 なつめ||うえはら|なつめ

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( 上原 ) あっ ごめん うえはら||

めちゃめちゃ 遅く なっちゃ った よ な |おそく||||

飯 に す っか めし|||

すげ え 量 だ な ||りょう||

何 か 変だ よね 夏目 君 なん||へんだ||なつめ|きみ

ああ

( 菜緒 ) 何 か あった の か な なお|なん|||||

吉川 きちかわ

あの さ …

( 菜緒 ) いい よ なお||

行って おこなって

え ?

だって 上原 君 に 初めて できた 友達 だ もん |うえはら|きみ||はじめて||ともだち||

フフフッ

だから 初めて じゃ ねえ し |はじめて|||

あっ でも ちょっと 待って |||まって

上原 君 お 誕生日 おめでとう うえはら|きみ||たんじょうび|

上原 君 が 生まれて きて うえはら|きみ||うまれて|

こう やって 上原 君 に 出会えて ||うえはら|きみ||であえて

本当に よかった ほんとうに|

あっ …

で ね

あの プレゼント な んだ けど … |ぷれぜんと|||

間に合わ なくて まにあわ|

でも ちゃんと した …

いら ない

もう す っげ え たく さん もらった から

ありがとう

( 菜緒 ) うん なお|

( 上原 ) 夏目 うえはら|なつめ

よし 追いついた |おいついた

お前 何で 来た の ? おまえ|なんで|きた|

見送り みおくり

は あ ? 菜緒 ちゃん は ? ||なお||

( 上原 ) 待って る よ うえはら|まって||

あり え ねえ

お前 絶対 間違って る から おまえ|ぜったい|まちがって||

とにかく 帰れ |かえれ

菜緒 ちゃん の そば に いろ なお|||||

( 夏目 ) ハァ … なつめ|

何 だ よ なん||

何 か 言い たい こと あんだ ろ なん||いい||||

( 上原 ) あん の お前 だ ろ うえはら|||おまえ||

( 夏目 ) は ? なつめ|

( 上原 ) 最近 何 か 変だ ろ うえはら|さいきん|なん||へんだ|

( 夏目 ) ハァ … お前 も か なつめ||おまえ||

( 上原 ) ケンカ の 時 だって さ うえはら|けんか||じ||

殴ら れて ん の に 一切 やり返さ なかった し なぐら|||||いっさい|やりかえさ||

らしく ねえ よ

( 夏目 ) ハッ 何 言って ん の ? なつめ||なん|いって||

俺 お前 みたいに ケンカ 強く ない から おれ|おまえ||けんか|つよく||

( 上原 ) ど っか 具合 でも 悪い の か うえはら|||ぐあい||わるい||

( 夏目 ) は ? なつめ|

( 上原 ) 体調 不良 は いろいろ と 支障 を きたす から な うえはら|たいちょう|ふりょう||||ししょう||||

俺 も 倒れた こと ある し おれ||たおれた|||

とりあえず ちゃんと した もん 食え ||||くえ

ハハッ 何 だ それ |なん||

何 笑って んだ よ なん|わらって||

何 な んだ よ それ なん||||

もう さ 何 な んだ よ お前 ら ||なん||||おまえ|

夏目 ? なつめ

そう …

そう な んだ よ な

俺 らしく ねえ よ な おれ||||

本当 自分 でも 思う わ ほんとう|じぶん||おもう|

バッカ じゃ ねえ のって

って こと で

らしく ねえ こ と 言って みよ っか な ||||いって|||

何 だ よ なん||

俺 … おれ

俺 菜緒 ちゃん の こと 好き って 言ったら どう する ? おれ|なお||||すき||いったら||

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