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ダーリン・イン・ザ・フランキス, Darling in the FranXX Episode 13

Darling in the FranXX Episode 13

( ヒロ ) ウウッ … ( ナナ ) 危険だ わ !

このまま で は ストレリチア を 介して 2 人 の 深層 意識 が 融合 する !

( ノイズ )

( ヒロ ) あっ …

( ゼロツー ) その 部屋 は 私 の 世界 の 全て だった

窓 の 外 の 景色 に は 決して 届か ない —

閉ざさ れた 世界

( ヒロ ) その 場所 は 僕 の 世界 の 全て だった

〝 ガーデン 〞

コドモ だけ が 暮らす 閉じた 世界

( ガラス の 割れる 音 )

( ゼロツー ) だ けど あの 日

私 は 初めて 外 に 出た

今 でも 忘れ ない

( ヒロ ) ずっと 忘れて いた

( ゼロツー ) 見上げた 空 の 広 さ を

( ヒロ ) つないだ 手 の ぬくもり を

( ヒロ ・ ゼロツー ) 2 人 で 交わした あの 誓い の こと を

( ゼロツー ) 私 は 何 者 なんだろう ?

あの ころ の 私 は そんな こと さえ 考え も し なかった

物心 ついた とき に は もう そこ に 閉じ込め られて いた

もっと 古い 記憶 も あった 気 が した けれど

すぐに 忘れて しまった

( ドア の 開く 音 )

これ も 何 か は 分から ない

多分 母親 と いう もの の 代わり だった のだろう

ある 日 彼女 は 一 度 だけ 食事 で ない 物 を 持ってきて くれた

( におい を 嗅ぐ 音 )

( かじる 音 ) ( ゼロツー ) ウウッ …

ンンッ … ンッ …

あっ …

( ゼロツー ) それ は 絵本 だった

めくる 度 目 に 飛び込んで くる 明るい 色 いろいろな 形

文字 も 書いて あった けれど 何て 書いて ある か は 分から なかった

そして 彼女 は その 日 を 境 に —

二度と 現れ なかった

ともかくも これ は 私 の 初めて の きれいな もの

きれいな もの は きっと 外 の 世界 に ある

その とき の 私 は そう 無邪気に 信じ込んだ

そして それ は 半分 当たって いて …

半分 違って いた

( ヒロ ) 僕 は 何 者 なんだろう ?

そのころ の 僕 は そんな こと ばかり 考えて いた

物心 ついた とき に は ガーデン に いた

僕ら は パパ たち の ため に 戦う パラサイト に なるべく —

ここ で 暮らして いた

コドモ は みんな コード ナンバー で 呼ば れて いた

ナンバー が 若い ほう が パラサイト と して の 素質 は 高い

099 まで の 2 ケタ 組

その 中 でも 10 番 台 は 更に 優遇 さ れて いた

僕 も その ひと り で ほか の みんな と は 違う —

特別な コドモ だ と いわ れて いた

( ヒロ ) あっ …

( ヒロ ) あっ …

( イチゴ の 泣き声 )

( ヒロ ) 泣いて る の ?

( イチゴ ) 私 変な の か な ? ( ヒロ ) えっ ?

( イチゴ ) みんな と 同じじゃ ない から

( ヒロ ) あっ …

( イチゴ ) みんな もう 笑わ なく なっちゃ った

もう 怒ら ない し 泣か ない

私 だけ 涙 が 出る の

私 も みんな と 同じに なり たい

どう したら いい の か な ?

お 注射 もっと たくさん 打てば いい の か な ?

( 泣き声 )

僕ら は 10 番 台 だ から 最初 から みんな と は 違う んだ きっと

( イチゴ ) そんな の ヤダ みんな と 違っちゃ う の 怖い よ

( 泣き声 )

ねえ 名前 付けた げ よう か ?

( イチゴ ) えっ ?

( イチゴ ) 名前 ? ( ヒロ ) うん

僕 自分 で 自分 に 名前 付けて る んだ

番号 じゃ なくて —

本 に 出て くる 人 たち みたいな その 人 だけ の 名前

僕 の 名前 は ね ヒロ !

( イチゴ ) ヒロ ? ( ヒロ ) ねえ どう ?

僕 と 一緒 なら いい でしょう ? 君 に も 名前 付けよう よ

( イチゴ ) あっ … うん

君 の 名前 … う 〜 ん …

ハッ … イチゴ !

( イチゴ ) イ … イチゴ ? ( ヒロ ) うん !

ほら コード 015 だ から “ イチゴ ”

( イチゴ ) それ が 私 の 名前 … ( ヒロ ) うん どうか な ?

( イチゴ ) あっ …

( ヒロ ) 名前 が ある と —

誰 か と 違って て も いい って 気持ち に なる んだ

( イチゴ ) そう な の ? ( ヒロ ) うん

だって 自分 の ため だけ の 呼び 方 だ もん

私 だけ の …

そう “ イチゴ ”

あっ …

( イチゴ ) これ みんな に も 付け られる ?

( ヒロ ) えっ ? うん

じゃ みんな に も 広めよう よ ! えっ と …

ヒロ が みんな に 名前 を 付ける の !

( ヒロ ) それ は ただ の 遊び だった

僕 は みんな に たくさん 名前 を 付けた

サミー ジュンナ ナック

トシ サクト シンヤ

それ に ミツル

名前 なんて 呼び 方 の ひと つ に すぎ ない

でも たった それ だけ で 不安 が 晴れる 気 が した

( 職員 A ) 何 を して いる ?

呼称 を 無断 で 変える こと は 許可 さ れて い ない

( コドモ たち ) あっ …

ンッ …

どうして 名前 を 付けたら ダメな んです か ?

(2 人 ) ンッ …

( 職員 B ) あの 子 は … ( 職員 A )10 番 台 か

( 職員 B : 小声 で ) 上 に 報告 し ます か ?

( 職員 A ) とにかく あまり 勝手な マネ は し ない ように

( ドア の 開く 音 )

( イチゴ ) ハァ … ( ヒロ ) ンッ …

( ヒロ ) オトナ は 僕 の 知り たい こと に は 答えて くれ なかった し —

ほか の コドモ たち も 黙った まま だった

( ヒロ ) ガーデン で は 定期 的に コドモ が 少しずつ い なく なって いた

彼ら が どこ に 行った の か オトナ は 知らせて くれ なかった

その 一方 で 僕 は 特別な 研究 対象 に 選ば れて —

ひと り だけ ラボ で テスト を 受けて いた

うまく できたら ご 褒美 が もらえる

でも 僕 の 疑問 に 答えて くれる 人 は 相変わらず 誰 も い なかった

( ヒロ ) あっ …

( ゼロツー の うなり 声 )

ツノ ? あっ …

( うなり 声 )

( フランクス 博士 ) すばらしい

( フランクス 博士 ) これ まで の 実験 体 など 比べもの に なら ん

人間 と して の 形 を ここ まで 維持 して いる と は …

アアッ …

( レーザー の 音 )

( 貫通 音 )

( 悲鳴 )

( フランクス 博士 ) おお ! 見ろ すばらしい !

お前 は すばらしい 子 だ !

( ヒロ ) あの ツノ の 生えた 子 って 誰 な んです か ?

( 職員 ) また 質問 … ( ヒロ ) えっ ?

( 職員 ) 部屋 に 戻り なさい あなた は 知ら なくて いい こと よ

( ヒロ ) ンッ …

( ヒロ ) 初めて 見た 赤い ツノ の 生えた コドモ

知り たい こと が また 増えた

そう だ

( ヒロ ) 誰 も 教えて くれ ない なら 自分 で 確か めに 行けば いい

( 足音 )

( 職員 ) 君 ロビー は そちら で は ない

( ヒロ ) あっ …

( ヒロ )… と は いって も そんなに 簡単じゃ ない よ ね

裏口 なんて 見当たら ない し

( ため息 )

自分 で 何 か を 探す の って 難しい んだ な

うん ? あっ …

あの 子 …

( ヒロ の 力み 声 )

ンンッ … ハッ …

( ゼロツー の 力み 声 )

ハァハァ …

あっ … あっ …

( ゼロツー ) ンンッ … ンッ …

( うなり 声 )

( 職員 ) ハァ …

( ドア の 開閉 音 )

( 笑い声 )

あっ …

アア …

すごい … すごい や

( ヒロ ) なぜ だろう ? とても … とても うれしかった

( ヒロ ) ミツル ! ( ミツル ) うん ? あっ …

ヒ … ヒロ

ラボ に 行く の ?

( ミツル ) うん

( ヒロ ) どうした の ?

( ミツル ) 僕 注射 打つ んだ ( ヒロ ) えっ ?

( ミツル ) で ない と 僕 きっと 残れ ない から

( ヒロ ) エリキシル 注射 を 打つ こと が 何 を 意味 する の か —

あそこ に いた コドモ なら みんな 知っていた

劇的な 適正 値 の 向上 が 期待 できる 一方 で —

その 成功 率 は すごく 低かった んだ

失敗 すれば 帰って こ られ ない

( ミツル ) 僕 ヒロ と 一緒に パラサイト に なり たい んだ

えっ ? 僕 と ?

( ミツル ) もし 戻って こ られたら 一緒に 乗って くれる ?

当たり前だろう

あっ … フフッ …

( コドモ B ) また だ ( コドモ A ) 今度 は 494 だって

( コドモ B ) その 前 は 367 だった ( コドモ A ) 昨日 話した のに …

( コドモ C ) パパ に 見捨て られた んだ

( コドモ A ) 次 は 私 な の か な ? 怖い よ

( ヒロ ) なんとか し なきゃ ( ゴロー ・ イチゴ ) えっ ?

( ゴロー ) でも パパ たち が 決めた こと だ

私 たち じゃ どうにも …

( 職員 ) コード 016 (3 人 ) あっ …

( 職員 ) 準備 を し なさい

( ヒロ ) あの … い なく なった 子 は どこ …

( 職員 ) 準備 を ( ヒロ ) えっ あの …

アア …

( 職員 A ) 感受性 が 強 すぎる の も 問題 だ

( 職員 B ) ほか の コドモ に 影響 を 与え かね ない

( 職員 C ) 黄 血球 ( おう けっきゅう ) の 投与 量 を 増やす べきで は ?

( フランクス 博士 ) そのまま に して おけ

( 職員 たち ) は ぁ ?

( フランクス 博士 ) ああいう コドモ が どんな パラサイト に 育つ か 興味深い

あっ …

( ゼロツー の 悲鳴 ) ( ヒロ ) あっ !

( ゼロツー の 悲鳴 )

( ゼロツー ) ウウッ … ( ヒロ ) あっ …

ハッ …

( ゼロツー ) ウウッ … ハァハァハァ …

( 悲鳴 )

( ゼロツー の うめき声 ) ( ヒロ ) アア …

あっ !

( 職員 ) 何 を して いる ? ガーデン に 戻れ

( ヒロ ) あ … あれ … やめて あげて ください あいつ …

( 職員 ) お前 に は 関係ない

( 職員 ) 来 なさい ( ヒロ ) で … でも … でも …

( ゼロツー ) アアッ …

( ヒロ ) でも …

知り たい こと ばかり 増える んだ

僕ら は 何者 な んだろう って

どうして 名前 を 付けちゃ ダメな んだろう ?

い なく なった 子 は どこ に 行った の ?

ミツル は 帰って こ られる ?

あの 子 は 誰 ?

オトナ は どうして 答えて くれ ない んだろう ?

どうして みんな 黙って いる んだろう ?

あの 子 は …

( 吹雪 の 音 )

( ゼロツー ) ウウッ … ハァハァ …

( ドア の 開く 音 ) ( ゼロツー ) ウッ …

ハッ !

( ヒロ ) ウワッ !

ンンッ …

ハァ …

( ヒロ ) 僕 に は 何も 分から ない

でも …

窓 から 離れて て !

( ガラス の 割れる 音 )

( ゼロツー ) ウウッ …

( 吹雪 の 音 )

( ヒロ ) こっち へ 来て ! ここ から 逃がして あげる

( ゼロツー の うなり 声 )

( ヒロ ) 君 は …

君 は あの とき 笑って いた から

アア … アア …

( ヒロ ) 答え も 問い も 聞こえ ない この 世界 で …

( 折れる 音 ) ( ヒロ ) あっ …

( ヒロ ) ウワッ ! ( 落ちる 音 )

( ヒロ ) 僕 に は 君 が まぶしく 思えた んだ

( ゼロツー ) それ は 私 が 初めて 感じた 外 の 世界

白くて 冷たくて …

( 倒れる 音 ) ( ゼロツー ) ウウッ …

ンッ … ハァ …

( ゼロツー ) 知ら ない もの だらけ の 所

( 雪 の 落ちる 音 ) ( ゼロツー ) あっ … ウウ …

( 鳥 の 鳴き声 ) ( ゼロツー の うなり 声 )

( 小 動物 の 鳴き声 )

( 鳴き声 ) ( ゼロツー ) あっ …

( 力み 声 )

( ヒロ ) ウッ … ( ゼロツー の 力み 声 )

( ヒロ ) あっ …

あっ !

( ヒロ ) な … な に 食べて る の ? ( ゼロツー ) ンンッ …

ダ … ダメだ よ 飲み込ま ないで 吐き出して

ンンッ …

( かみつく 音 )

いった … ンンッ …

( ゼロツー ) ンンッ …

アアッ … ひどい よ 僕 ただ …

( ゼロツー ) ウウ 〜 ッ …

ウウ …

もし かして 言葉 が 分から ない の ?

僕 コード 016 ヒロ

( ゼロツー ) ウウ …

( ヒロ ) 君 の コード は ? ( ゼロツー ) ウッ ?

( ヒロ ) あ 〜 全然 分から ない の か な

あっ … 君 ハダシ だ

あっ …

“002” 見た こと ない 番号 だ

( ゼロツー ) ウッ ? ( ヒロ )002…

う 〜 ん … “ オニ ”

いや “ ゼロツー ”? あんまり よく ない ね

( ゼロツー ) う ぇ ー ち ゅ ( ヒロ ) えっ ?

( ヒロ ) 分かる ? 名前 って ( ゼロツー ) う ぇ ー ち ゅ !

う ぇ ー ち ゅ ! う ぇ ー ち ゅ !

( ヒロ ) もっと いい の 考えつけば よかった な

行こう ゼロツー

( ヒロ ) もっと 遠く に 行こう ! ( ゼロツー ) アア …

( ゼロツー ) 彼 の 言葉 の 意味 は 分から なかった けれど —

彼 の 声 が 私 を 呼ぶ

彼 と 一緒に 見る

彼 と 一緒に 歩く

その こと が 私 に は ただただ 楽しかった

( ヒロ ) はい どうぞ

ウッ ?

( ヒロ ) 食べ物 だ よ ちょっと 待って

( ゼロツー ) ウウ … ( ヒロ ) はい

( ヒロ ) あ 〜… ( ゼロツー ) あ 〜…

ンンッ …

( ゼロツー ) ンン 〜 ッ … ( ヒロ ) ハハハッ … フフフッ …

( ゼロツー ) ア … アア … ( ヒロ ) うん ?

( ゼロツー ) ンンッ …

ンンッ …

アー …

えっ ? いい の ? 僕 が 見て

( ゼロツー ) アー !

ありがとう

( ヒロ )「 まもの と 王子 様 」

わ あ … きれいな 絵 だ ね

えっ と … “ とある 国 の 真っ暗な 森 の その 奥 に ”…

( 警備 兵 ) ああ 間違い ない (2 人 ) ハッ …

( 警備 兵 ) この 辺り だ

( 警備 兵 ) まだ 近く に いる はずだ

( 警備 兵 ) 捜せ ( 警備 兵 たち ) は っ !

( ゼロツー ) ウウッ …

あ … 安心 して 僕 が 話せば …

( 警備 兵 ) コード 016 は どう し ます ?

( 警備 兵 )002 が 優先 だ 逆らったら 殺して も かまわ ん

ハッ …

( ゼロツー ) あっ … ( ヒロ ) 大丈夫

僕 は 君 を 守る から

( ヒロ ) “ 真っ暗な 森 の その 奥 に —”

“ 強く 美しい まもの の 姫 ”

“ 月 の 光 に 誘わ れて 人間 の 国 に 迷い 込み —”

“ 小さな 城 の 夜 の 庭 で ひと り の 王子 に 恋 を した ”

“ しかし 姫 は まもの の 子 ”

“ 背 に は 灰色 の 翼 が あった ”

“ まもの の 姫 は 困り果て 森 の 外れ の 魔女 に 聞く ”

“「 人間 と して 生き たい 」 と 「 あの 人 と 結ばれ たい のだ 」 と ”

すると 魔女 は こう 言った

“「 いい と も お前 の 翼 と 引き換え だ 」”

“「 しかし 覚えて おいで 」”

“「 どんなに 姿 を 偽って も まもの の お前 は …」”

“「 いずれ 王子 の 命 を 食って しまう だろう 」”

( ゼロツー ) ウッ ?

ごめん 悲しい お 話 だ なって

同じ 人間 じゃ ない から

2 人 は 結婚 でき ない の か な ?

( ゼロツー ) えっ おん ? ( ヒロ ) うん

大切な 人 と —

ずっと 一緒に い よう って 約束 する んだ って

もし 2 人 が 同じ 人間 なら …

ウッ ?

( 笑い声 )

う うん さあ もう 少し 歩こう

( ゼロツー ) ウウッ … ( ヒロ ) 大丈夫 ? 見せて

あっ …

青い …

と … とにかく 何 か … あっ …

( ゼロツー ) ウウッ !

ウウッ …

我慢 して !

動物 は 傷 を なめて 治す んだ って 本 に 書いて あった んだ

( ゼロツー ) あっ …

えっ おん ?

( ヒロ ) えっ ? ( ゼロツー ) えっ おん

えっ おん ?

うん ここ を 出たら ね

僕 も 君 と ずっと 一緒に いたい もん

そし たら 僕 … 君 の …

( ノイズ ) ( ヒロ )… だ !

ハッ …

ダー …

( 泣き声 )

( ゼロツー ) なぜ か 涙 が 出た 傷 の 痛み の せい じゃ ない

( ヒロ ) あっ … ( ゼロツー ) ウッ ?

ヤドリギ だ …

( ゼロツー ) そうだ 私 は 多分 うれしかった のだ

絵本 の 中 の 世界 みたいな きれいな もの に —

きっと この 人 と なら なれる のだ と

でも この 世界 は それ を 許して は くれ なかった

( ヒロ ) なぜ ? どうして な んだろう ?

答え を 探し 出せ ない の は 僕 が 誰 か を 守る 力 も 持た ない —

ただ の コドモ だ から だろう か ?

( ゼロツー ) どうして 気づか なかった のだろう

私 と 彼 は 違う 色 の 血 が 流れる 別の 生き物 で …

この 私 は バケモノ だった と

( ノイズ )

( 研究 員 ) コドモ らしから ぬ …

( 研究 員 ) 記憶 は 消せ ( ヒロ ) ゼロツー !

( フランクス 博士 ) しかし 実験 … ( ゼロツー ) ダーリン !

( イチゴ ) もう 名前 付け ない の ? ( ミツル ) どうして ? ウソつき !

( ナナ ) このまま で は 危険だ わ ! ( 職員 ) バケモノ め !

( ゼロツー ) そう … だ から 私 は 誓った んだ

どんな 手 を 使って でも 人間 に なって み せる

彼 と 同じに なれば ずっと 一緒に い られる はずだ から

( ちぎれる 音 )

( ミク たち ) デルフィニウム !

( イチゴ ) ウワーッ !

ヒロ ! ゼロツー から 離れて !

( イチゴ ) そい つ は ヒロ を 利用 する ため に 近づいた んだ

そい つと いる と ヒロ まで 人間 じゃ なく なっちゃ う !

( ゼロツー ) そうだ よ だって ボク は …

( ヒロ ) 絵本 の … ( ゼロツー ) あっ …

君 が あの とき の …

絵本 の 女の子 だった んだ ね

( ゼロツー ) ハッ … あっ …

♪〜

〜♪


Darling in the FranXX Episode 13 Darling in the FranXX Episode 13

( ヒロ ) ウウッ … ( ナナ ) 危険だ わ ! ひろ||なな|きけんだ|

このまま で は ストレリチア を 介して 2 人 の 深層 意識 が 融合 する ! |||||かいして|じん||しんそう|いしき||ゆうごう|

( ノイズ )

( ヒロ ) あっ … ひろ|

( ゼロツー ) その 部屋 は 私 の 世界 の 全て だった ||へや||わたくし||せかい||すべて|

窓 の 外 の 景色 に は 決して 届か ない — まど||がい||けしき|||けっして|とどか|

閉ざさ れた 世界 とざさ||せかい

( ヒロ ) その 場所 は 僕 の 世界 の 全て だった ひろ||ばしょ||ぼく||せかい||すべて|

〝 ガーデン 〞

コドモ だけ が 暮らす 閉じた 世界 |||くらす|とじた|せかい

( ガラス の 割れる 音 ) がらす||われる|おと

( ゼロツー ) だ けど あの 日 ||||ひ

私 は 初めて 外 に 出た わたくし||はじめて|がい||でた

今 でも 忘れ ない いま||わすれ|

( ヒロ ) ずっと 忘れて いた ひろ||わすれて|

( ゼロツー ) 見上げた 空 の 広 さ を |みあげた|から||ひろ||

( ヒロ ) つないだ 手 の ぬくもり を ひろ||て|||

( ヒロ ・ ゼロツー ) 2 人 で 交わした あの 誓い の こと を ひろ||じん||かわした||ちかい|||

( ゼロツー ) 私 は 何 者 なんだろう ? |わたくし||なん|もの|

あの ころ の 私 は そんな こと さえ 考え も し なかった |||わたくし|||||かんがえ|||

物心 ついた とき に は もう そこ に 閉じ込め られて いた ぶっしん||||||||とじこめ||

もっと 古い 記憶 も あった 気 が した けれど |ふるい|きおく|||き|||

すぐに 忘れて しまった |わすれて|

( ドア の 開く 音 ) どあ||あく|おと

これ も 何 か は 分から ない ||なん|||わから|

多分 母親 と いう もの の 代わり だった のだろう たぶん|ははおや|||||かわり||

ある 日 彼女 は 一 度 だけ 食事 で ない 物 を 持ってきて くれた |ひ|かのじょ||ひと|たび||しょくじ|||ぶつ||もってきて|

( におい を 嗅ぐ 音 ) ||かぐ|おと

( かじる 音 ) ( ゼロツー ) ウウッ … |おと||

ンンッ … ンッ …

あっ …

( ゼロツー ) それ は 絵本 だった |||えほん|

めくる 度 目 に 飛び込んで くる 明るい 色 いろいろな 形 |たび|め||とびこんで||あかるい|いろ||かた

文字 も 書いて あった けれど 何て 書いて ある か は 分から なかった もじ||かいて|||なんて|かいて||||わから|

そして 彼女 は その 日 を 境 に — |かのじょ|||ひ||さかい|

二度と 現れ なかった にどと|あらわれ|

ともかくも これ は 私 の 初めて の きれいな もの |||わたくし||はじめて|||

きれいな もの は きっと 外 の 世界 に ある ||||がい||せかい||

その とき の 私 は そう 無邪気に 信じ込んだ |||わたくし|||むじゃきに|しんじこんだ

そして それ は 半分 当たって いて … |||はんぶん|あたって|

半分 違って いた はんぶん|ちがって|

( ヒロ ) 僕 は 何 者 なんだろう ? ひろ|ぼく||なん|もの|

そのころ の 僕 は そんな こと ばかり 考えて いた ||ぼく|||||かんがえて|

物心 ついた とき に は ガーデン に いた ぶっしん|||||||

僕ら は パパ たち の ため に 戦う パラサイト に なるべく — ぼくら||ぱぱ|||||たたかう|||

ここ で 暮らして いた ||くらして|

コドモ は みんな コード ナンバー で 呼ば れて いた |||こーど|なんばー||よば||

ナンバー が 若い ほう が パラサイト と して の 素質 は 高い なんばー||わかい|||||||そしつ||たかい

099 まで の 2 ケタ 組 ||けた|くみ

その 中 でも 10 番 台 は 更に 優遇 さ れて いた |なか||ばん|だい||さらに|ゆうぐう|||

僕 も その ひと り で ほか の みんな と は 違う — ぼく|||||||||||ちがう

特別な コドモ だ と いわ れて いた とくべつな||||||

( ヒロ ) あっ … ひろ|

( ヒロ ) あっ … ひろ|

( イチゴ の 泣き声 ) いちご||なきごえ

( ヒロ ) 泣いて る の ? ひろ|ないて||

( イチゴ ) 私 変な の か な ? ( ヒロ ) えっ ? いちご|わたくし|へんな||||ひろ|

( イチゴ ) みんな と 同じじゃ ない から いちご|||おなじじゃ||

( ヒロ ) あっ … ひろ|

( イチゴ ) みんな もう 笑わ なく なっちゃ った いちご|||わらわ|||

もう 怒ら ない し 泣か ない |いから|||なか|

私 だけ 涙 が 出る の わたくし||なみだ||でる|

私 も みんな と 同じに なり たい わたくし||||どうじに||

どう したら いい の か な ?

お 注射 もっと たくさん 打てば いい の か な ? |ちゅうしゃ|||うてば||||

( 泣き声 ) なきごえ

僕ら は 10 番 台 だ から 最初 から みんな と は 違う んだ きっと ぼくら||ばん|だい|||さいしょ|||||ちがう||

( イチゴ ) そんな の ヤダ みんな と 違っちゃ う の 怖い よ いちご||||||ちがっちゃ|||こわい|

( 泣き声 ) なきごえ

ねえ   名前 付けた げ よう か ? |なまえ|つけた|||

( イチゴ ) えっ ? いちご|

( イチゴ ) 名前 ? ( ヒロ ) うん いちご|なまえ|ひろ|

僕 自分 で 自分 に 名前 付けて る んだ ぼく|じぶん||じぶん||なまえ|つけて||

番号 じゃ なくて — ばんごう||

本 に 出て くる 人 たち みたいな その 人 だけ の 名前 ほん||でて||じん||||じん|||なまえ

僕 の 名前 は ね ヒロ ! ぼく||なまえ|||ひろ

( イチゴ ) ヒロ ? ( ヒロ ) ねえ どう ? いちご|ひろ|ひろ||

僕 と 一緒 なら いい でしょう ? 君 に も 名前 付けよう よ ぼく||いっしょ||||きみ|||なまえ|つけよう|

( イチゴ ) あっ …  うん いちご||

君 の 名前 …  う 〜 ん … きみ||なまえ||

ハッ …  イチゴ ! |いちご

( イチゴ ) イ … イチゴ ? ( ヒロ ) うん ! いちご||いちご|ひろ|

ほら   コード 015 だ から “ イチゴ ” |こーど|||いちご

( イチゴ ) それ が 私 の 名前 … ( ヒロ ) うん   どうか な ? いちご|||わたくし||なまえ|ひろ|||

( イチゴ ) あっ … いちご|

( ヒロ ) 名前 が ある と — ひろ|なまえ|||

誰 か と 違って て も いい って 気持ち に なる んだ だれ|||ちがって|||||きもち|||

( イチゴ ) そう な の ? ( ヒロ ) うん いちご||||ひろ|

だって 自分 の ため だけ の 呼び 方 だ もん |じぶん|||||よび|かた||

私 だけ の … わたくし||

そう  “ イチゴ ” |いちご

あっ …

( イチゴ ) これ みんな に も 付け られる ? いちご|||||つけ|

( ヒロ ) えっ ?  うん ひろ||

じゃ みんな に も 広めよう よ ! えっ と … ||||ひろめよう|||

ヒロ が みんな に 名前 を 付ける の ! ひろ||||なまえ||つける|

( ヒロ ) それ は ただ の 遊び だった ひろ|||||あそび|

僕 は みんな に たくさん 名前 を 付けた ぼく|||||なまえ||つけた

サミー ジュンナ ナック

トシ サクト シンヤ とし||

それ に ミツル ||みつる

名前 なんて 呼び 方 の ひと つ に すぎ ない なまえ||よび|かた||||||

でも たった それ だけ で 不安 が 晴れる 気 が した |||||ふあん||はれる|き||

( 職員 A ) 何 を して いる ? しょくいん||なん|||

呼称 を 無断 で 変える こと は 許可 さ れて い ない こしょう||むだん||かえる|||きょか||||

( コドモ たち ) あっ …

ンッ …

どうして 名前 を 付けたら ダメな んです か ? |なまえ||つけたら|だめな|ん です|

(2 人 ) ンッ … じん|

( 職員 B ) あの 子 は … ( 職員 A )10 番 台 か しょくいん|||こ||しょくいん||ばん|だい|

( 職員 B : 小声 で ) 上 に 報告 し ます か ? しょくいん||こごえ||うえ||ほうこく|||

( 職員 A ) とにかく あまり 勝手な マネ は し ない ように しょくいん||||かってな|まね||||よう に

( ドア の 開く 音 ) どあ||あく|おと

( イチゴ ) ハァ … ( ヒロ ) ンッ … いちご||ひろ|

( ヒロ ) オトナ は 僕 の 知り たい こと に は 答えて くれ なかった し — ひろ|||ぼく||しり|||||こたえて|||

ほか の コドモ たち も 黙った まま だった |||||だまった||

( ヒロ ) ガーデン で は 定期 的に コドモ が 少しずつ い なく なって いた ひろ||||ていき|てきに|||すこしずつ||||

彼ら が どこ に 行った の か オトナ は 知らせて くれ なかった かれら||||おこなった|||||しらせて||

その 一方 で 僕 は 特別な 研究 対象 に 選ば れて — |いっぽう||ぼく||とくべつな|けんきゅう|たいしょう||えらば|

ひと り だけ ラボ で テスト を 受けて いた |||||てすと||うけて|

うまく できたら ご 褒美 が もらえる |||ほうび||

でも 僕 の 疑問 に 答えて くれる 人 は 相変わらず 誰 も い なかった |ぼく||ぎもん||こたえて||じん||あいかわらず|だれ|||

( ヒロ ) あっ … ひろ|

( ゼロツー の うなり 声 ) |||こえ

ツノ ?  あっ …

( うなり 声 ) |こえ

( フランクス 博士 ) すばらしい |はかせ|

( フランクス 博士 ) これ まで の 実験 体 など 比べもの に なら ん |はかせ||||じっけん|からだ||くらべもの|||

人間 と して の 形 を ここ まで 維持 して いる と は … にんげん||||かた||||いじ||||

アアッ …

( レーザー の 音 ) れーざー||おと

( 貫通 音 ) かんつう|おと

( 悲鳴 ) ひめい

( フランクス 博士 ) おお !  見ろ   すばらしい ! |はかせ||みろ|

お前 は すばらしい 子 だ ! おまえ|||こ|

( ヒロ ) あの ツノ の 生えた 子 って 誰 な んです か ? ひろ||||はえた|こ||だれ||ん です|

( 職員 ) また 質問 … ( ヒロ ) えっ ? しょくいん||しつもん|ひろ|

( 職員 ) 部屋 に 戻り なさい あなた は 知ら なくて いい こと よ しょくいん|へや||もどり||||しら||||

( ヒロ ) ンッ … ひろ|

( ヒロ ) 初めて 見た 赤い ツノ の 生えた コドモ ひろ|はじめて|みた|あかい|||はえた|

知り たい こと が また 増えた しり|||||ふえた

そう だ

( ヒロ ) 誰 も 教えて くれ ない なら 自分 で 確か めに 行けば いい ひろ|だれ||おしえて||||じぶん||たしか||いけば|

( 足音 ) あしおと

( 職員 ) 君   ロビー は そちら で は ない しょくいん|きみ|ろびー|||||

( ヒロ ) あっ … ひろ|

( ヒロ )… と は いって も そんなに 簡単じゃ ない よ ね ひろ||||||かんたんじゃ|||

裏口 なんて 見当たら ない し うらぐち||みあたら||

( ため息 ) ためいき

自分 で 何 か を 探す の って 難しい んだ な じぶん||なん|||さがす|||むずかしい||

うん ?  あっ …

あの 子 … |こ

( ヒロ の 力み 声 ) ひろ||りきみ|こえ

ンンッ …  ハッ …

( ゼロツー の 力み 声 ) ||りきみ|こえ

ハァハァ …

あっ …  あっ …

( ゼロツー ) ンンッ … ンッ …

( うなり 声 ) |こえ

( 職員 ) ハァ … しょくいん|

( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

( 笑い声 ) わらいごえ

あっ …

アア …

すごい …  すごい や

( ヒロ ) なぜ だろう ? とても … とても うれしかった ひろ|||||

( ヒロ ) ミツル ! ( ミツル ) うん ?  あっ … ひろ|みつる|みつる||

ヒ … ヒロ |ひろ

ラボ に 行く の ? ||いく|

( ミツル ) うん みつる|

( ヒロ ) どうした の ? ひろ||

( ミツル ) 僕 注射 打つ んだ ( ヒロ ) えっ ? みつる|ぼく|ちゅうしゃ|うつ||ひろ|

( ミツル ) で ない と 僕 きっと 残れ ない から みつる||||ぼく||のこれ||

( ヒロ ) エリキシル 注射 を 打つ こと が 何 を 意味 する の か — ひろ||ちゅうしゃ||うつ|||なん||いみ|||

あそこ に いた コドモ なら みんな 知っていた ||||||しっていた

劇的な 適正 値 の 向上 が 期待 できる 一方 で — げきてきな|てきせい|あたい||こうじょう||きたい||いっぽう|

その 成功 率 は すごく 低かった んだ |せいこう|りつ|||ひくかった|

失敗 すれば 帰って こ られ ない しっぱい||かえって|||

( ミツル ) 僕 ヒロ と 一緒に パラサイト に なり たい んだ みつる|ぼく|ひろ||いっしょに|||||

えっ ?  僕 と ? |ぼく|

( ミツル ) もし 戻って こ られたら 一緒に 乗って くれる ? みつる||もどって|||いっしょに|のって|

当たり前だろう あたりまえだろう

あっ …  フフッ …

( コドモ B ) また だ ( コドモ A ) 今度 は 494 だって ||||||こんど||

( コドモ B ) その 前 は 367 だった ( コドモ A ) 昨日 話した のに … |||ぜん|||||きのう|はなした|

( コドモ C ) パパ に 見捨て られた んだ ||ぱぱ||みすて||

( コドモ A ) 次 は 私 な の か な ?  怖い よ ||つぎ||わたくし|||||こわい|

( ヒロ ) なんとか し なきゃ ( ゴロー ・ イチゴ ) えっ ? ひろ|||||いちご|

( ゴロー ) でも パパ たち が 決めた こと だ ||ぱぱ|||きめた||

私 たち じゃ どうにも … わたくし|||

( 職員 ) コード 016 (3 人 ) あっ … しょくいん|こーど|じん|

( 職員 ) 準備 を し なさい しょくいん|じゅんび|||

( ヒロ ) あの …  い なく なった 子 は どこ … ひろ|||||こ||

( 職員 ) 準備 を ( ヒロ ) えっ あの … しょくいん|じゅんび||ひろ||

アア …

( 職員 A ) 感受性 が 強 すぎる の も 問題 だ しょくいん||かんじゅせい||つよ||||もんだい|

( 職員 B ) ほか の コドモ に 影響 を 与え かね ない しょくいん||||||えいきょう||あたえ||

( 職員 C ) 黄 血球 ( おう けっきゅう ) の 投与 量 を 増やす べきで は ? しょくいん||き|けっきゅう||||とうよ|りょう||ふやす||

( フランクス 博士 ) そのまま に して おけ |はかせ||||

( 職員 たち ) は ぁ ? しょくいん|||

( フランクス 博士 ) ああいう コドモ が どんな パラサイト に 育つ か 興味深い |はかせ|||||||そだつ||きょうみぶかい

あっ …

( ゼロツー の 悲鳴 ) ( ヒロ ) あっ ! ||ひめい|ひろ|

( ゼロツー の 悲鳴 ) ||ひめい

( ゼロツー ) ウウッ … ( ヒロ ) あっ … ||ひろ|

ハッ …

( ゼロツー ) ウウッ …  ハァハァハァ …

( 悲鳴 ) ひめい

( ゼロツー の うめき声 ) ( ヒロ ) アア … ||うめきごえ|ひろ|

あっ !

( 職員 ) 何 を して いる ?  ガーデン に 戻れ しょくいん|なん||||||もどれ

( ヒロ ) あ … あれ … やめて あげて ください   あいつ … ひろ||||||

( 職員 ) お前 に は 関係ない しょくいん|おまえ|||かんけいない

( 職員 ) 来 なさい ( ヒロ ) で … でも …  でも … しょくいん|らい||ひろ|||

( ゼロツー ) アアッ …

( ヒロ ) でも … ひろ|

知り たい こと ばかり 増える んだ しり||||ふえる|

僕ら は 何者 な んだろう って ぼくら||なにもの|||

どうして 名前 を 付けちゃ ダメな んだろう ? |なまえ||つけちゃ|だめな|

い なく なった 子 は どこ に 行った の ? |||こ||||おこなった|

ミツル は 帰って こ られる ? みつる||かえって||

あの 子 は 誰 ? |こ||だれ

オトナ は どうして 答えて くれ ない んだろう ? |||こたえて|||

どうして みんな 黙って いる んだろう ? ||だまって||

あの 子 は … |こ|

( 吹雪 の 音 ) ふぶき||おと

( ゼロツー ) ウウッ …  ハァハァ …

( ドア の 開く 音 ) ( ゼロツー ) ウッ … どあ||あく|おと||

ハッ !

( ヒロ ) ウワッ ! ひろ|

ンンッ …

ハァ …

( ヒロ ) 僕 に は 何も 分から ない ひろ|ぼく|||なにも|わから|

でも …

窓 から 離れて て ! まど||はなれて|

( ガラス の 割れる 音 ) がらす||われる|おと

( ゼロツー ) ウウッ …

( 吹雪 の 音 ) ふぶき||おと

( ヒロ ) こっち へ 来て ! ここ から 逃がして あげる ひろ|||きて|||にがして|

( ゼロツー の うなり 声 ) |||こえ

( ヒロ ) 君 は … ひろ|きみ|

君 は あの とき 笑って いた から きみ||||わらって||

アア …  アア …

( ヒロ ) 答え も 問い も 聞こえ ない この 世界 で … ひろ|こたえ||とい||きこえ|||せかい|

( 折れる 音 ) ( ヒロ ) あっ … おれる|おと|ひろ|

( ヒロ ) ウワッ ! ( 落ちる 音 ) ひろ||おちる|おと

( ヒロ ) 僕 に は 君 が まぶしく 思えた んだ ひろ|ぼく|||きみ|||おもえた|

( ゼロツー ) それ は 私 が 初めて 感じた 外 の 世界 |||わたくし||はじめて|かんじた|がい||せかい

白くて 冷たくて … しろくて|つめたくて

( 倒れる 音 ) ( ゼロツー ) ウウッ … たおれる|おと||

ンッ …  ハァ …

( ゼロツー ) 知ら ない もの だらけ の 所 |しら|||||しょ

( 雪 の 落ちる 音 ) ( ゼロツー ) あっ …  ウウ … ゆき||おちる|おと|||

( 鳥 の 鳴き声 ) ( ゼロツー の うなり 声 ) ちょう||なきごえ||||こえ

( 小 動物 の 鳴き声 ) しょう|どうぶつ||なきごえ

( 鳴き声 ) ( ゼロツー ) あっ … なきごえ||

( 力み 声 ) りきみ|こえ

( ヒロ ) ウッ … ( ゼロツー の 力み 声 ) ひろ||||りきみ|こえ

( ヒロ ) あっ … ひろ|

あっ !

( ヒロ ) な … な に 食べて る の ? ( ゼロツー ) ンンッ … ひろ||||たべて||||

ダ … ダメだ よ 飲み込ま ないで   吐き出して |だめだ||のみこま||はきだして

ンンッ …

( かみつく 音 ) |おと

いった …  ンンッ …

( ゼロツー ) ンンッ …

アアッ …  ひどい よ   僕 ただ … |||ぼく|

( ゼロツー ) ウウ 〜 ッ …

ウウ …

もし かして 言葉 が 分から ない の ? ||ことば||わから||

僕 コード 016  ヒロ ぼく|こーど|ひろ

( ゼロツー ) ウウ …

( ヒロ ) 君 の コード は ? ( ゼロツー ) ウッ ? ひろ|きみ||こーど|||

( ヒロ ) あ 〜 全然 分から ない の か な ひろ||ぜんぜん|わから||||

あっ …  君 ハダシ だ |きみ||

あっ …

“002”  見た こと ない 番号 だ みた|||ばんごう|

( ゼロツー ) ウッ ? ( ヒロ )002… ||ひろ

う 〜 ん … “ オニ ”

いや “ ゼロツー ”? あんまり よく ない ね

( ゼロツー ) う ぇ ー ち ゅ ( ヒロ ) えっ ? |||-|||ひろ|

( ヒロ ) 分かる ?  名前 って ( ゼロツー ) う ぇ ー ち ゅ ! ひろ|わかる|なまえ|||||-||

う ぇ ー ち ゅ !  う ぇ ー ち ゅ ! ||-|||||-||

( ヒロ ) もっと いい の 考えつけば よかった な ひろ||||かんがえつけば||

行こう ゼロツー いこう|

( ヒロ ) もっと 遠く に 行こう ! ( ゼロツー ) アア … ひろ||とおく||いこう||

( ゼロツー ) 彼 の 言葉 の 意味 は 分から なかった けれど — |かれ||ことば||いみ||わから||

彼 の 声 が 私 を 呼ぶ かれ||こえ||わたくし||よぶ

彼 と 一緒に 見る かれ||いっしょに|みる

彼 と 一緒に 歩く かれ||いっしょに|あるく

その こと が 私 に は ただただ 楽しかった |||わたくし||||たのしかった

( ヒロ ) はい   どうぞ ひろ||

ウッ ?

( ヒロ ) 食べ物 だ よ   ちょっと 待って ひろ|たべもの||||まって

( ゼロツー ) ウウ … ( ヒロ ) はい ||ひろ|

( ヒロ ) あ 〜… ( ゼロツー ) あ 〜… ひろ|||

ンンッ …

( ゼロツー ) ンン 〜 ッ … ( ヒロ ) ハハハッ …  フフフッ … |||ひろ||

( ゼロツー ) ア … アア … ( ヒロ ) うん ? |||ひろ|

( ゼロツー ) ンンッ …

ンンッ …

アー …

えっ ?  いい の ?  僕 が 見て |||ぼく||みて

( ゼロツー ) アー !

ありがとう

( ヒロ )「 まもの と 王子 様 」 ひろ|||おうじ|さま

わ あ …  きれいな 絵 だ ね |||え||

えっ と … “ とある 国 の 真っ暗な 森 の その 奥 に ”… |||くに||まっくらな|しげる|||おく|

( 警備 兵 ) ああ 間違い ない (2 人 ) ハッ … けいび|つわもの||まちがい||じん|

( 警備 兵 ) この 辺り だ けいび|つわもの||あたり|

( 警備 兵 ) まだ 近く に いる はずだ けいび|つわもの||ちかく|||

( 警備 兵 ) 捜せ ( 警備 兵 たち ) は っ ! けいび|つわもの|さがせ|けいび|つわもの|||

( ゼロツー ) ウウッ …

あ … 安心 して   僕 が 話せば … |あんしん||ぼく||はなせば

( 警備 兵 ) コード 016 は どう し ます ? けいび|つわもの|こーど||||

( 警備 兵 )002 が 優先 だ 逆らったら 殺して も かまわ ん けいび|つわもの||ゆうせん||さからったら|ころして|||

ハッ …

( ゼロツー ) あっ … ( ヒロ ) 大丈夫 ||ひろ|だいじょうぶ

僕 は 君 を 守る から ぼく||きみ||まもる|

( ヒロ ) “ 真っ暗な 森 の その 奥 に —” ひろ|まっくらな|しげる|||おく|

“ 強く 美しい まもの の 姫 ” つよく|うつくしい|||ひめ

“ 月 の 光 に 誘わ れて 人間 の 国 に 迷い 込み —” つき||ひかり||さそわ||にんげん||くに||まよい|こみ

“ 小さな 城 の 夜 の 庭 で ひと り の 王子 に 恋 を した ” ちいさな|しろ||よ||にわ|||||おうじ||こい||

“ しかし 姫 は まもの の 子 ” |ひめ||||こ

“ 背 に は 灰色 の 翼 が あった ” せ|||はいいろ||つばさ||

“ まもの の 姫 は 困り果て 森 の 外れ の 魔女 に 聞く ” ||ひめ||こまりはて|しげる||はずれ||まじょ||きく

“「 人間 と して 生き たい 」 と 「 あの 人 と 結ばれ たい のだ 」 と ” にんげん|||いき||||じん||むすばれ|||

すると 魔女 は こう 言った |まじょ|||いった

“「 いい と も お前 の 翼 と 引き換え だ 」” |||おまえ||つばさ||ひきかえ|

“「 しかし 覚えて おいで 」” |おぼえて|

“「 どんなに 姿 を 偽って も まもの の お前 は …」” |すがた||いつわって||||おまえ|

“「 いずれ 王子 の 命 を 食って しまう だろう 」” |おうじ||いのち||くって||

( ゼロツー ) ウッ ?

ごめん   悲しい お 話 だ なって |かなしい||はなし||

同じ 人間 じゃ ない から おなじ|にんげん|||

2 人 は 結婚 でき ない の か な ? じん||けっこん|||||

( ゼロツー ) えっ おん ? ( ヒロ ) うん |||ひろ|

大切な 人 と — たいせつな|じん|

ずっと 一緒に い よう って 約束 する んだ って |いっしょに||||やくそく|||

もし 2 人 が 同じ 人間 なら … |じん||おなじ|にんげん|

ウッ ?

( 笑い声 ) わらいごえ

う うん   さあ もう 少し 歩こう ||||すこし|あるこう

( ゼロツー ) ウウッ … ( ヒロ ) 大丈夫 ?  見せて ||ひろ|だいじょうぶ|みせて

あっ …

青い … あおい

と … とにかく 何 か …  あっ … ||なん||

( ゼロツー ) ウウッ !

ウウッ …

我慢 して ! がまん|

動物 は 傷 を なめて 治す んだ って 本 に 書いて あった んだ どうぶつ||きず|||なおす|||ほん||かいて||

( ゼロツー ) あっ …

えっ おん ?

( ヒロ ) えっ ? ( ゼロツー ) えっ おん ひろ||||

えっ おん ?

うん   ここ を 出たら ね |||でたら|

僕 も 君 と ずっと 一緒に いたい もん ぼく||きみ|||いっしょに||

そし たら 僕 …  君 の … ||ぼく|きみ|

( ノイズ ) ( ヒロ )… だ ! |ひろ|

ハッ …

ダー …

( 泣き声 ) なきごえ

( ゼロツー ) なぜ か 涙 が 出た 傷 の 痛み の せい じゃ ない |||なみだ||でた|きず||いたみ||||

( ヒロ ) あっ … ( ゼロツー ) ウッ ? ひろ|||

ヤドリギ だ …

( ゼロツー ) そうだ 私 は 多分 うれしかった のだ |そう だ|わたくし||たぶん||

絵本 の 中 の 世界 みたいな きれいな もの に — えほん||なか||せかい||||

きっと この 人 と なら なれる のだ と ||じん|||||

でも この 世界 は それ を 許して は くれ なかった ||せかい||||ゆるして|||

( ヒロ ) なぜ ?  どうして な んだろう ? ひろ||||

答え を 探し 出せ ない の は 僕 が 誰 か を 守る 力 も 持た ない — こたえ||さがし|だせ||||ぼく||だれ|||まもる|ちから||もた|

ただ の コドモ だ から だろう か ?

( ゼロツー ) どうして 気づか なかった のだろう ||きづか||

私 と 彼 は 違う 色 の 血 が 流れる 別の 生き物 で … わたくし||かれ||ちがう|いろ||ち||ながれる|べつの|いきもの|

この 私 は バケモノ だった と |わたくし||||

( ノイズ )

( 研究 員 ) コドモ らしから ぬ … けんきゅう|いん|||

( 研究 員 ) 記憶 は 消せ ( ヒロ ) ゼロツー ! けんきゅう|いん|きおく||けせ|ひろ|

( フランクス 博士 ) しかし 実験 … ( ゼロツー ) ダーリン ! |はかせ||じっけん||

( イチゴ ) もう 名前 付け ない の ? ( ミツル ) どうして ?  ウソつき ! いちご||なまえ|つけ|||みつる||うそつき

( ナナ ) このまま で は 危険だ わ ! ( 職員 ) バケモノ め ! なな||||きけんだ||しょくいん||

( ゼロツー ) そう …  だ から 私 は 誓った んだ ||||わたくし||ちかった|

どんな 手 を 使って でも 人間 に なって み せる |て||つかって||にんげん||||

彼 と 同じに なれば ずっと 一緒に い られる はずだ から かれ||どうじに|||いっしょに||||

( ちぎれる 音 ) |おと

( ミク たち ) デルフィニウム !

( イチゴ ) ウワーッ ! いちご|

ヒロ !  ゼロツー から 離れて ! ひろ|||はなれて

( イチゴ ) そい つ は ヒロ を 利用 する ため に 近づいた んだ いちご||||ひろ||りよう||||ちかづいた|

そい つと いる と ヒロ まで 人間 じゃ なく なっちゃ う ! ||||ひろ||にんげん||||

( ゼロツー ) そうだ よ   だって ボク は … |そう だ|||ぼく|

( ヒロ ) 絵本 の … ( ゼロツー ) あっ … ひろ|えほん|||

君 が あの とき の … きみ||||

絵本 の 女の子 だった んだ ね えほん||おんなのこ|||

( ゼロツー ) ハッ …  あっ …

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