パート14
ぱーと
part
Part 14
第 14 部分
アリス は 彼 と 一緒に デッキ を うろついたり 、 ほか の 乗客 の ゲーム を 肩 越し に のぞいたり 、 いく つ も ある 望遠 スクリーン で 星 や 星雲 を 見たり して いた 。
||かれ||いっしょに|でっき|||||じょうきゃく||げーむ||かた|こし|||||||ぼうえん|すくりーん||ほし||せいうん||みたり||
爱丽丝|||||甲板||闲逛|||乘客|||||||||||||||||||||
||||together|deck||wandered|||passengers|||||across||peeked|||||telescope|screen||star||nebula||||
|||||デッキ||うろついたり||||||||||||||||||||||||
Alice would wander around the deck with him, peering over his shoulder at other passengers' games, watching the stars and nebulae on one of the many telephoto screens.
Алиса бродила с ним по палубе, выглядывая из-за плеч других пассажиров игр и видела звезды и туманности на нескольких телеобъективах.
その 一 つ を 見て いる とき 、 彼ら は はじめて 宇宙 空間 に 浮かぶ その 影 を 認めた のだった 。
|ひと|||みて|||かれら|||うちゅう|くうかん||うかぶ||かげ||みとめた|
|||||||||||||漂浮|||||
|||||||||||||to float||shadow||noticed|
When they were looking at one of them, they first recognized the shadow in outer space.
最初 は 小さく しか 見え なかった が 、 黒い 影 は ひと つ の 星 の 前 を 横切り 、 その 星 を またたか せた 。
さいしょ||ちいさく||みえ|||くろい|かげ|||||ほし||ぜん||よこぎり||ほし|||
|||||||||||||||||cut across||star||twinkle|
|||||||||||||||||横切った||||瞬き|
At first it was only small, but then a black shadow crossed in front of a star and made it flicker.
Сначала он казался маленьким, но черная тень пересекла перед звездой и заставила ее оседлать.
それ が メル の 注意 を 引いた 。
||||ちゅうい||ひいた
||||attention||caught
That caught Mel's attention.
真っ暗な 宇宙 で またたく 星 。
まっくらな|うちゅう|||ほし
pitch-black|||twinkling|star
A star that flutters in the pitch-black universe.
間違い ない と 思って 、 彼 は アリス の 注意 を それ に 向け させよう と した 。
まちがい|||おもって|かれ||||ちゅうい||||むけ|さ せよう||
|||||||||||||to make||
Believing there was no doubt, he tried to direct Alice's attention to it.
「 あそこ で なに か 動いて いる ぞ 」 その とき まで に 影 は 小さな 黒い 弾丸 の ような 形 に なって いた 。
||||うごいて|||||||かげ||ちいさな|くろい|だんがん|||かた|||
|||||||||||||||bullet||||||
By then, the shadow had taken the shape of a small black bullet.
「 どこ ?
Where?
なにも 見え ない けど 」
|みえ||
I don't see anything.
「 いま 星 の かたまって いる ところ を 動いて いる 。
|ほし||||||うごいて|
|star||clustered|||||
|||集まって|||||
Now it is moving in a cluster of stars.
"Я иду туда, где собираются звезды.
見ろ よ 、 星 を 隠し ながら 動いて いる じゃ ない か 」
みろ||ほし||かくし||うごいて||||
look||||hiding|while|||||
Look, it's moving while hiding the stars."
「 別の 宇宙 船 だ わ !
べつの|うちゅう|せん||
It's another space ship!
」 と アリス は 叫んだ 。
|||さけんだ
|||shouted
Alice exclaimed.
「 どきどき しちゃ うわね !
excited||wow
I'm so nervous!
この 広大な 宇宙 で 別の 宇宙 船 と すれ違う なんて !
|こうだいな|うちゅう||べつの|うちゅう|せん||すれちがう|
|vast|universe||||||pass by|
I can't believe that in the vastness of space, I'm passing another spaceship!
あれ 、 どっから 来た の かしら 」
|ど っ から|きた||
|where|||
Where did that come from?
「 そして どこ に 行く んだろう ね 」
|||いく||
"And where will they go?"
星 々 を 横切る 、 その ゆっくり した 、 正確な 動き を 二 人 は 見つめた 。
ほし|||よこぎる||||せいかくな|うごき||ふた|じん||みつめた
|||cross||||accurate|||two||(topic marker)|gazed
They stared at the slow, precise movement across the stars.
Когда они пересекали звезды, они смотрели на их медленные, точные движения.
数 分 後 に 乗務 員 が そば を 通った 。
すう|ぶん|あと||じょうむ|いん||||かよった
||||duty|crew||||walked
A few minutes later, a crew member passed by.
メル は 彼 を 呼び止め 、 スクリーン を 指さした 。
||かれ||よびとめ|すくりーん||ゆびさした
||||called out|screen||pointed
Mel stopped him and pointed to the screen.
「 あの 船 は なん なんだい ?
|せん|||
||||how many
What is that boat?
乗務 員 は 一目 で その 正体 が わかった ようだった 。
じょうむ|いん||いちもく|||しょうたい|||
duty|||glance|||identity|||
The crew seemed to recognize him at a glance.
しかし すぐに 答えよう と は し なかった 。
||こたえよう||||
||to answer||||
But he did not answer immediately.
「 火星 定期 航路 船 です 」 と 彼 は ようやく 言った 。
かせい|ていき|こうろ|せん|||かれ|||いった
Mars|regular|route|||||||
|||||||||said
It's a Mars liner," he finally said.
「 もう 少し したら 船 の ドッキング と 乗り換え の アナウンス が あります 」
|すこし||せん||どっきんぐ||のりかえ||あなうんす||あり ます
|||||docking||changing||announcement||
|||||接岸||||||
"In a few moments, they will announce the docking and transfer of the ship."
「 乗り換え ?
のりかえ
transfer
"Transfer?
」 メル は 不思議 そうに 訊いた 。
||ふしぎ|そう に|じん いた
||mysterious||asked
Meru asked curiously.
「 乗り換え なんて 聞いて ない ぞ 」
のりかえ||きいて||
transfer||||
I didn't hear anything about a transfer.
「 いいえ 、 乗り換える んです 」 と 乗務 員 は 言った 。
|のりかえる|||じょうむ|いん||いった
no|to transfer|||crew|||
No, we are making a transfer, the crew member said.
「 いま 乗って いる の は ただ の シャトル 便 です 。
|のって||||||しゃとる|びん|
now|||||||shuttle|flight|is
We're on a shuttle.
われわれ は あの 定期 航路 船 に 移って 、 残り の 旅 を する んです 。
|||ていき|こうろ|せん||うつって|のこり||たび|||
|||regular|route|||moved|||journey|||
We will move to that liner for the rest of our trip.
切符 を お 求め に なった とき 、 説明 が あった はずです よ 」 彼 は 急いで その 場 を 離れた 。
きっぷ|||もとめ||||せつめい|||||かれ||いそいで||じょう||はなれた
ticket|||||||explanation|||||||hurriedly||||left
When you asked for the ticket, you should have had an explanation," he said, hurrying away.
切符 を 購入 した とき 、 そんな 説明 は なかった と 、 メル は 確信 を 持って 言う こと が できた 。
きっぷ||こうにゅう||||せつめい||||||かくしん||もって|いう|||
ticket||purchased||||||||||conviction||||||
Mel could say with certainty that this was not explained to him when he bought the ticket.
振り返って スクリーン に 戻る と 、 黒い 宇宙 船 が マーシャン ・ プリンセス 号 と の 接続 針路 に そって どんどん 近づき 、 大きく なって いく の が 見えた 。
ふりかえって|すくりーん||もどる||くろい|うちゅう|せん|||ぷりんせす|ごう|||せつぞく|しんろ||||ちかづき|おおきく|||||みえた
looking back|||||||||||ship|||connection|heading||along||approaching||||||
|||||||||||||||接続方向||沿って||||||||
As I turned around and looked back at the screen, I could see the black spacecraft getting closer and closer to the connection with the Marshall Princess and growing larger and larger along its course.
船 内 放送 が 突然 鳴り響いた 。
せん|うち|ほうそう||とつぜん|なりひびいた
||announcement||suddenly|sounded
Suddenly, the ship's internal broadcast rang out.
「 船長 から ご 案内 します 。
せんちょう|||あんない|し ます
captain|||guidance|
The captain will show you the way.
乗客 の 皆様 は 全員 、 シャトル から 火星 定期 航路 船 へ お 乗り換え の 準備 を なさって ください 。
じょうきゃく||みなさま||ぜんいん|しゃとる||かせい|ていき|こうろ|せん|||のりかえ||じゅんび|||
passengers||everyone||everyone||||regular|route||||transfer||preparation|||
All passengers should prepare to transfer from the shuttle to the Mars Liner.
手 荷物 を お まとめ くださいます よう お 願い します 。
て|にもつ||||くださ い ます|||ねがい|し ます
hands|luggage|||to consolidate|kindly||||
Please pack your baggage accordingly.
船 倉 の お 荷物 は 皆様 に お 渡し する こと なく 、 移し替え いたします 。
せん|くら|||にもつ||みなさま|||わたし||||うつしかえ|いたし ます
ship|cargo|||luggage|||||to hand over|||without|transfer|will be transferred
|||||||||||||transferring|
We will transfer the luggage in the ship's hold without handing it over to you.
Мы передадим ваш багаж на склад корабля, не отдавая его вам.
ご 乗船 いただき 、 まことに ありがとう ございました 。
|じょうせん||||
|boarding|received|truly||
Thank you very much for coming aboard.
本 船 は 十五 分 後 に 定期 航路 船 と 接続 する 予定 です 」
ほん|せん||じゅうご|ぶん|あと||ていき|こうろ|せん||せつぞく||よてい|
|||||||||||connect|||
The vessel will connect with a regular vessel in 15 minutes.
まわり の ざわめき 声 から メル は ほか の みんな も 驚いて いる こと を 知った 。
|||こえ||||||||おどろいて||||しった
surroundings||commotion|||||||||surprised||||
||whispers|||||||||||||
From the murmurs around him, Mel knew that everyone else was surprised as well.
しかし 彼ら は 興奮 する だけ で 、 疑問 に 思う こと は なかった 。
|かれら||こうふん||||ぎもん||おもう|||
|||excitement||||doubt|||||
But they were too excited to question it.
アリス で すら いま は 興奮 を つのら せて いた 。
|||||こうふん||||
||even|||||building||
|||||||高め||
Even Alice was now excited.
ほか の 人々 が 、 二 人 が 見て いる もの に 気づいて 、 まわり に 集まって きた 。
||ひとびと||ふた|じん||みて||||きづいて|||あつまって|
||||||||||||around|||
Others noticed what they were seeing and gathered around them.
Другие заметили то, что видят, и собрались вокруг.
「 すごく 大きい わ 」 と アリス が 小声 で 言った 。
|おおきい|||||こごえ||いった
||||||in a quiet voice||
It's so big," Alice whispered.
「 この 船 より はるかに 」
|せん||
|||far
"Far more than this ship."
メル は 移動 して スクリーン の 前 の その 場所 を ほか の 人々 に 譲った 。
||いどう||すくりーん||ぜん|||ばしょ||||ひとびと||ゆずった
||moved|doing||||||place||||||relinquished
Mel moved and gave up his spot in front of the screen to others.
巨大な 黒い 宇宙 船 が 近づいて くる と 思う と 、 胸騒ぎ は ますます 烈 しく なった 。
きょだいな|くろい|うちゅう|せん||ちかづいて|||おもう||むなさわぎ|||れつ||
gigantic|||||approaching|||||uneasiness||more and more|intense|intensely|
|||||||||||||激しく||
The thought of a huge black spaceship approaching made the turmoil even more intense.
彼 は 確信 した 、 あの 宇宙 船 は 真っ黒い 色 を して いる ぞ 、 と 。
かれ||かくしん|||うちゅう|せん||まっ くろい|いろ|||||
||conviction||||||pitch black||||||
He was convinced that the spaceship was black in color.
スクリーン が 白黒 だ から そう 見える ので は ない のだ 。
すくりーん||しろくろ||||みえる||||
||black and white||||||||
It is not because the screen is black and white that it looks that way.
なん だって 宇宙 の ど真ん中 で 乗客 を 乗り換え させる のだろう 。
||うちゅう||どまんなか||じょうきゃく||のりかえ|さ せる|
||universe||right in the middle||||||
Why would they transfer passengers in the middle of the universe?
マーシャン ・ プリンセス 号 は 充分に 火星 まで 旅 する こと が できる 。
|ぷりんせす|ごう||じゅうぶんに|かせい||たび||||
Martian||ship||enough|Mars|||to do|||
The Marshall Princess is well on her way to Mars.
実際 、 もう 三 分 の 一 以上 の 航路 を 飛んで きた のだ 。
じっさい||みっ|ぶん||ひと|いじょう||こうろ||とんで||
actually||||||||route||||
In fact, they have already flown more than a third of the routes.
Фактически, он уже пролетел более трети маршрута.
なぜ そう 感じる の か 、 はっきり と は わから ない が 、 なに か が おかしい 。
||かんじる||||||||||||
|||||clearly|||||||||strange
I am not sure why I feel this way, but something is wrong.
むろん コネモーラ 宇宙 航空 の ような 大 会社 が 五千 人 以上 の 搭乗 客 に 不便 を かける ような やり 方 は し ない だろう 。
||うちゅう|こうくう|||だい|かいしゃ||ごせん|じん|いじょう||とうじょう|きゃく||ふべん|||||かた||||
of course|Connemara||aviation|||large|||5,000||||boarding|||inconvenience||trouble|like||||||
もちろん|||||||||||||||||||||||||
Of course, a large company like Conemora Aerospace would not inconvenience more than 5,000 passengers.
胸騒ぎ を 感じる なんて バカげて いる 、 と 彼 は 思った 。
むなさわぎ||かんじる||ばかげて|||かれ||おもった
uneasiness||||ridiculous|||||
||||馬鹿げて|||||
He thought it was ridiculous to feel anxious.
しかし 胸騒ぎ は 消え なかった 。
|むなさわぎ||きえ|
|unease||did not disappear|
However, the turmoil did not go away.
彼 は スクリーン に 群がる 人々 の ところ へ 戻り 、 アリス の 腕 を 取って 、 その 場 から 連れ出した 。
かれ||すくりーん||むらがる|ひとびと||||もどり|||うで||とって||じょう||つれだした
||||gather||||||||arm||||||led out
||||群がっている||||||||||||||
He returned to the crowd of people watching the screen, took Alice by the arm, and led her out of the room.
彼女 は いぶかる ように 彼 を 見た 。
かのじょ||||かれ||みた
||suspicious||||
She looked at him askance.
Она посмотрела на него так, словно флиртовала.
「 こんなに わくわく する ことって ない わ 。
|||こと って||
|exciting||||
I have never been so excited.
わたし 、 見て いたい んだ けど 」
|みて|い たい||
I'd like to take a look.
Я хочу это увидеть. "
「 時間 が ない んだ 」 と メル は 言った 。
じかん|||||||いった
I don't have time for this," Mel said.
「 スーツ ケース に 入れる もの が たくさん ある だろう 。
すーつ|けーす||いれる|||||
I'm sure you have a lot of things to put in your suitcase.
下 の 部屋 に 戻ろう 」
した||へや||もどろう
down||||
「 みんな だって 荷物 を まとめ なきゃ なら ない の よ 。
||にもつ|||||||
||||organize|||||
We all have to pack our bags," he said.
急ぐ こと ない わ 」
いそぐ|||
to hurry|||
There's no rush.
「 船長 は 十五 分って 言って いた じゃ ない か 。
せんちょう||じゅうご|ぶん って|いって||||
|||understood|||||
The captain said you had fifteen minutes.
どん 尻 に なる の は ごめん だ ぜ 」
|しり|||||||
thud|butt|||||sorry||
どん||||||||
I don't want to end up on my ass."
Мне жаль, что я бездельник ".
アリス は 不承 不承 あと を ついて いった 。
||ふ うけたまわ|ふ うけたまわ||||
||denial|denial||||
||不承不承|||||
Alice reluctantly followed.
彼ら の 部屋 は サロン から かなり 離れて いる 。
かれら||へや||さろん|||はなれて|
||||living room||||
Their rooms are far from the salon.
部屋 まで たどり着いた とき 、 ほとんど 十五 分 が 過ぎて いた 。
へや||たどりついた|||じゅうご|ぶん||すぎて|
||arrived|||||||
When I reached my room, almost fifteen minutes had passed.