( 梓 ( あずさ ) ) う ~ ん 到着 っと
( 愛 菜 ( あい な ) ) ここ が 宮古 島 ( み や こじ ま )
( 千 紗 ( ちさ ) ) 結構 遠かった ね ( シャッター 音 )
( 奈々 華 ( な なか ) ) 県 内 で 飛行機 に 乗る なんて 新鮮 よ ね
( 伊 織 ( いおり ) ) 本島 より 台湾 の ほう が 近い らしい な
( 耕平 ( こうへい ) ) そりゃ 遠い わけ だ
( 伊 織 ) すみません ( 耕平 ) つい 無 意識 で
今 から 潜る のに お 酒 は ダメ よ
2 人 と も すっかり NPaB ( パブ ) に 染まった ねえ
( クラクション ) ( 一同 ) ん ?
( 東 ( あ ず ま ) ) お ー い お前 ら ( 横手 ( よこて ) ) 無事 着 い た みたい だ な
わざわざ 来 て もらって すみません
いい って こと よ
俺 たち は 昨日 の 晩 に 着 い て た から な
( 伊 織 ) ずいぶん 早い です ね
( 東 ) 朝 から 潜る ん だ
( 横手 ) 前日 入り し と か ない と
( 東 ) まあ その あと の オトーリ の ほう が 楽しみ だ が
( 耕平 ・ 伊 織 ) オトーリ ?
宮 古式 の 飲み 方 だ そう だ
( 横手 ) 聞い て ない の か ? 今回 の 合宿 の 目的 の 8 割 は ―
オトーリ な ん だ ぞ ( 耕平 ・ 伊 織 ) あっ !
あれ か !
そう いえ ば ネット で うわさ を 見かけ た ん だ が
“ 宮古 人 ( みやこ ん ち ゅ ) お 断り ” なんて 看板 を 出し てる 店 が ある と か
( 伊 織 ) オトーリ って やつ が すご すぎ て です か ?
さすが に それ は 都市 伝説 だ ろ
( 横手 ) そんな ひで え 飲み 方 する やつ が いる もんか
( 伊 織 ・ 耕平 ) です よ ね
あんた ら ゆうべ 何 やった ん です か ! ?
まあ それ は それ と し て だ
いよいよ ダイバー デビュー だ な
( 伊 織 ) ああ … それ な ん です けど 実は …
こいつ 昨日 熱 出し て 寝込み まし て
マジ か
じゃあ ライセンス 取れ なかった の か
( 伊 織 ) お 恥ずかしい …
ちょっと 楽しみ に し すぎ ちゃ い まし て
( 東 ) なん だ そりゃ ( 横手 ) 遠足 で 熱 出す 子ども か
な の で 俺 は 一緒に 潜 れ ない ん です よ
( 東 ) そう か ( 横手 ) そりゃ 残念 だ な
おお ~ ! すげ え スピード !
風 が す っ ごく 気持ち いい よ ね !
ん ? なん だ ? ( 愛 菜 ) ん っ …
か … 顔 近い から !
フッ … 初心 者 が はしゃぎ や がって
ああ ん ? て め え の は 聞こえ てっ ぞ !
て め え だって まだ 2 回 目 だ ろ う が !
なん なら 初心 者 君 に 船上 の マナー でも 教え て やろ う か
やめ なさい ! ほか に も お 客 さん いる ん だ から
それでは 皆さん ミーティング 始め ます よ
( 一同 ) う お ~ っす
と いう 感じ の ポイント です
深度 は 17 メートル
潜水 時間 は 40 分 を 予定 し て い ます
それ じゃ 皆さん 準備 を お 願い し ます
( 一同 ) う お ~ っす
は いはい ! 更衣 室 で 着替え ま しょ う ね !
お前 は どう する ん だ ? ( 伊 織 ) 何 が だ ?
深度 17 メートル だ と ライセンス が ない と …
それ なら 大丈夫 だ
1 ~ 2 本 目 は 体験 ダイビング に まぜ て もらう こと に なった
3 本 目 は どう する ん だ ?
みんな 3 本 潜る 予定 みたい だ けど
俺 は 船 の 上 で 待機 だ な
私 も そっち に まぜ て もら お う かな …
( 伊 織 ) は ? なんで だ ?
だって うまく 潜 れる か 自信 ない し …
何 を バカ な こと を
先輩 たち も フォロー し て くれる し ―
こいつ だって いる だ ろ ?
こんな きれい な 海 な ん だ から 行 ける ところ まで 行って こい よ
うん …
( インストラクター ) 体験 ダイビング の 方 ―
集まって ください
おっと じゃあ そっち は そっち で 楽し ん で こい よ
( 奈々 華 ) ゆっくり と 落ち着 い て 耳 抜き し ながら ね
( 愛 菜 ・ 耕平 ) 分かり まし た
( 一同 ) ん ん ~ !
ウミガメ が 近く まで 来 て くれ た な
すごかった です よ ね !
親 子連れ と は つい て た ねえ
2 次元 の よう な すばらし さ だった …
伊 織 の とこ から は 見え なかった か ?
残念 ながら
写真 なら 撮った ぞ
ほれ こんな 感じ だ ( 伊 織 ) お っ
( 伊 織 ) おお ! でき れ ば 近く で 見 たかった です ね
なあ に ライセンス を 取れ ば また チャンス は ある さ
次 は 頑張れ よ 後輩
お前 に 言わ れる と 異様 に 腹 が 立つ な
( 話し声 )
お茶 取って き ます
ハァ …
( 千 紗 ) あっ
( 千 紗 ) ああ …
ここ 水族 館 に 似 て …
次 は もっと 近く で 見 て み た いか な
( 千 紗 ) あ …
( 千 紗 ) あそこ から じゃ 遠い よ ね
( 耳 が 鳴る 音 )
すごい 幻想 的 で し た
あれ は カメラ が 欲しく なり ます ね
光 の さし 方 が いい 時間 帯 だった から な
なかなか 見 られる もん じゃ ない ぞ
あれ ? 伊 織 は ?
デッキ で 休む と か 言って た な
ふう ん そ っか …
今日 の 伊 織 は ずいぶん おとなしい ねえ
確か に
具合 でも 悪い の かも しれ ん な
お 姉ちゃん
どう かし た ? 千 紗 ちゃん
私 3 本 目 は やめ とく
ちょっと 耳 やっちゃ っ て …
( 千 紗 ) あ … あの ね 伊 織
みんな と 潜 れ ない の は 残念 だ けど ―
これ が 最後 って わけ じゃ ない から
明日 は 体験 でも 行 ける 浅 め の ポイント に も 行く らしい し
そ … そう そう この 前 の バイト で ―
水族 館 の 入場 券 もらった から よかったら …
( 伊 織 ) 千 紗 ( 千 紗 ) えっ …
( 伊 織 ) 船 って 結構 揺れる の な
( 千 紗 ) は ? ( 伊 織 ) う う っ …
忠告 どおり 酔い 止め 飲 ん で おけ ば よかった
あと 潜る 前 の 水面 待機
あれ も かなり 揺れ て キツ い な
( 千 紗 ) 伊 織 … ( 伊 織 ) なん だ ?
もし かして 酔って た だけ ?
( 伊 織 ) だけ と は なん だ 結構 つらい ん だ ぞ
( 千 紗 ) まったく … ( 伊 織 ) 悪い な
しかし まあ あれ だ な 千 紗 ( 千 紗 ) ん ?
ハァ …
お前 いい 女 だ な
は あ ? 何 言って ん の ? ( 伊 織 ) フッ …
1 人 で 残さ れる 俺 に 気 ぃ 使って くれ て た ん だ ろ ?
ん … 別に そう いう わけ じゃ
大丈夫 だ って 千 紗
俺 は この 程度 で ダイビング が 嫌い に なったり し ない から さ
( 千 紗 ) そう
すごい よ な ダイビング
海 の 中 だけ じゃ なく て 船 まで 楽しい と は 思わ なかった
( 千 紗 ) 船 が ?
さっき この ポイント に 移動 し て くる とき に 思った ん だ よ
海 の 中 で 見 た もの に つい て 話し た り
ボート の 上 で みんな で 昼 飯 食ったり
潮風 と 日光 を 浴び ながら 移動 し たり …
これ って 最高 に 気持ち いい よ な
うん …
( 伊 織 ) いつも 騒々しい 先輩 たち で すら あれ だ もん な
( 千 紗 ) 日光 浴 中 の 猫 みたい だ よ ね
体験 ダイビング に なった の は 残念 だ けど ―
また 来 たい と 思った よ ( 千 紗 ) そ っか
お前 も 3 本 目 潜 れ なかった ん だ から ―
リベンジ に 来 たい だ ろ う ?
まあ そう だ けど …
伊 織 の おごり なら
俺 の 懐 事情 知って て よく 言 える な
まっ 宝くじ でも 当たったら 連れ て き て やる よ
( 千 紗 ) ん … 期待 し ない で 待って る
では 皆さん 以上 で ボート ダイビング は 終了 です
陸 に 帰り ま しょ う ! ( 一同 ) う お ~ っす !
( 時田 ) みんな 聞い て くれ
宮古 島 に 来 た 理由 の 8 割 を 占める オトーリ 体験 だ が …
予定 し て い た 店 が なぜ か 臨時 休業 に なった ため ―
断念 する こと に なった
( 部員 たち の 悲鳴 )
オトーリ って エンドレス 飲み の こと だ よ ね ?
ああ
終わり の ない 世界 線 から 逃れ られ た か
いや あ これ で 平和 な 宮古 島 の 夜 が …
( 時田 ) だ が せっかく 宮古 島 まで 来 た ん だ
せめて 俺 たち なり の オトーリ を やって みよ う じゃ ない か !
( 部員 たち ) う お おお !
( 耕平 ・ 伊 織 ) グッ …
( 時田 ) おいおい そう はしゃぐ な よ 1 年 坊
さあ 始めよ う か …
俺 たち なり の オトーリ って な ん です か ! ?
まあ そう 焦る な
今 から 説明 し て やる
( 時田 ) 今回 は 同じ かめ の 酒 を 飲 も う と 思う
( 寿 ) せっかく の 合宿 だ から な
( 伊 織 ) “ 同じ 釜 の 飯 ” みたい な もん です ね
ところが だ
全員 の 好み が 一致 する 酒 って の は 意外 と 難しい
そりゃ そう です ね
( 時田 ) だ が ここ で みんな の 感想 が 異なる の は 寂しい だ ろ う
それ は そう かも しれ ませ ん ね
合宿 の 思い出 の 酒 です し
( 寿 ) だ から 俺 たち は 考え た ん だ
( 寿 ・ 時田 ) ならば 公平 に なる よう ―
全員 が キチ い 酒 に し たら いい と !
( 伊 織 ・ 耕平 ) 公平 の 取り 方 おかしく ない です か ! ?
( 時田 ) で 今 から この かめ を 回し て ―
好き な 酒 を 注 い で もらう わけ だ が
その とき なんでも いい から ひと言 口上 を 述べ て くれ
口上 ?
オトーリ は 何 か ひと言 述べ て やる もの らしい
“ 島 と 海 の 美し さ に ささげ ます ” と か な
なるほど
まず は 俺 たち が 少し 真面目 に 話 を さ せ て もら お う
出身 地 が バラバラ の 俺 たち が
こう し て 同じ 時 に 同じ 場所 に 集い
同じ 船 に 乗り 同じ かめ の 酒 を 飲 め る こと を うれしく 思う
この 場 に いる 全員 が 同好 の 士 で あり 仲間 だ
いずれ それぞれ の 道 は 分かれよ う と も
共に 過ごし た 時間 は なく なら ない
どう か 皆 の 人生 に おける 青春 の 思い出 と し て
今日 と いう 日 を 忘れ ない で ほしい !
( 部員 たち ) う お おお !
( 伊 織 ) アホ か ! ( 耕平 ) 何 が 青春 の 思い出 だ !
( 伊 織 ) 思い出 以前 に 記憶 すら 残す 気 ない だ ろ !
俺 お前 ら と 過ごし た 日々 を 絶対 忘れ ねえ から な !
なら なぜ それ を 注ぐ ! ?
本当 に 覚え て おく 気 が ある の か ! ?
ほれ 東
おう
ん …
( 横手 ) どう し た 東
いや 俺 化学 の 勉強 ばっ か やって き た から ―
こう いう とき 気 の 利 い た こと が でき なく て さ
だから せめて 俺 の できる こと で …
( 耕平 ・ 伊 織 ) 入れる な ~ !
ハハハ 冗談 だ
こんな もん 混ぜ たら 度数 下 がっち まう ぜ
消毒 用 アルコール より キツ い だ と ! ?
( 伊 織 ) これ 絶対 飲み物 じゃ ねえ !
( 伊 織 ) こんな もん で 乾杯 し たら 命 の 保証 は ない
( 耕平 ) かく なる 上 は …
( 伊 織 ) 何 食わ ぬ 顔 で 水 でも 入れ て …
( 耕平 ) 度数 を 安全 圏 まで 下げる
( 東 ) ほら お前 ら も
( 耕平 ) はい ! ( 伊 織 ) 分かり まし た
( 伊 織 ) あ …
目 が ! 目 が ! ( 横手 ) グフッ !
だ 大丈夫 です か ! ?
ああ 大丈夫 だ
( 東 ) おいおい 何 やって ん だ
すみません … ( 横手 ) なに 気 に する な
( 耕平 ) 怒ら ない ん です か ?
この くらい で キレ る よう な ガキ は NPaB に は い ねえ よ
先輩 …
じゃ 俺 の も 入れ ます ね
( 東 ) ん っ ! おう コラ 伊 織 !
ふざけ た まね して ん じゃ ねえ ぞ
ひじ 打ち は OK な の に ?
キレ る ポイント おかしい だ ろ
( 伊 織 ) そ それ なら せめて
これ で なんとか
( 東 ) う ー む ( 横手 ) まあ ギリギリ 認めよ う
待て 待て お前 ら
その 前 に 何 か ひと言 だ ろ う
( 耕平 ) ビクッ ! ( 伊 織 ) ああ そう いえ ば …
( 伊 織 ) どう し た ? 耕平
口上 が 思いつか ん
なん だ こう いう の 苦手 な の か
( 耕平 ) どう し たら い い ん だ …
( 伊 織 ) うーん … 改めて 自己 紹介 でも し たら どう だ ?
なるほど ! じゃあ ―
名前 と 趣味 と 座右の銘 あたり でも 言って おく か
( 伊 織 ) それ で 十 分 だ ろ
ん じゃ 1 年 ども
口上 を 述べ て くれ
はい
名前 趣味 座右の銘 名前 趣味 座右の銘 …
( せきばらい ) え ~
俺 は この サークル の おかげ で ずっと 嫌い だった …
今村 ( いま むら ) 耕平 ! ( 伊 織 ) の 魅力 に 気付き まし た
最初 は 流さ れ て 始め た … ( 耕平 ) アニメ と ゲーム !
も 今 で は いい もの だ と 思って い ます
これ から は 一層 努力 し て 自分 から …
( 女声 ) 耕平 お にいちゃん 結婚 し て
と 言 える よう 頑張り たい と …
ざ けん な コラァ ! ( 耕平 ) ご ふ っ !
て め え 何 し や がる !
それ は こっち の セリフ だ !
なかなか いい スピーチ だった な
まさか 2 人 の 距離 が 縮 ん で いく 経緯 を 語る と は
( 梓 ・ 奈々 華 ) うん うん ( 愛 菜 ・ 千 紗 ) う わ あ …
( 時田 ) さて 全員 酒 は ある な ?
ここ まで たっぷり 注が ん でも …
見ろ 北原 正しい オトーリ の 作法 が 載って る ぞ
なん だ と ! ? って こと は これ を 見せ れ ば …
この 飲み 方 から 解放 さ れる !
先輩 見 て ください ( 寿 ・ 時田 ) ん ?
( 伊 織 ) 宮古 島 特有 オトーリ と は
親 に なった 人 が 口上 を 述べ て 飲み
( 耕平 ) その 後 全員 が 順番 に 飲み
( 伊 織 ) 最後 に 親 が 再び 飲み
( 耕平 ) 親 が 後 口上 を 述べ て 次 の 親 に 交代
( 伊 織 ) これ を 人 数 分 繰り返す
なるほど ( 寿 ) と いう こと は …
最低 12 回 は 乾杯 する 必要 が ある なあ
そう なる と 酒 が 足ら ん な
この 辺 の も 全部 入れる か
( 耕平 ) こう なる と は … 予想外 だった …
まあ いい 強い 酒 は 飲み 慣れ て いる !
確か に ! それ より 今 大事 な の は …
( 伊 織 ) 酒 を 飲 ん でも 飲ま れ ない と いう 強い 精神 力 !
( 伊 織 ・ 耕平 ) ウ エ ~ イ !
( 東 ) いい ぞ ! お前 ら ! ( 横手 ) さすが 俺 たち の 後輩 だ !
あっという間 に 見慣れ た 光景 に …
( 千 紗 ) ハァ … ( 奈々 華 ) みんな 楽し そう ねえ
落ち着く ねえ
( 時田 ) ん ? ( 寿 ) どう し た ?
酒 が 切れ た ( 伊 織 ) もう です か ?
そりゃ あんな 飲み 方 し て たら ね …
( 時田 ) じゃあ 買い出し 頼む ぞ
( 愛 菜 ) ハァ … 分かり まし た
すま ん な ほか は みんな 酒 入って て な
1 人 じゃ 大変 だ から 手伝って よ
( 伊 織 ) ん ? ああ そう だ よ な
ちょっと 待って 何 考え てる の ?
ん ? おお 悪い 悪い つい うっかり
行か ない の か ?
シートベルト を しろ って 意味 じゃ ない !
( 愛 菜 ) 初めて 訪れ た 南 の 島 で 過ごす 夜
高い 空 と 広い 海 は 最高 の 開放 感
だから な の か な …
この バカ が 裸 で 外 に 出 ちゃ った の は
本当 に 信じ られ ない !
つい うっかり だった ん だ
そう 怒る な よ
どう し た ?
こいつ この 格好 で 車 から 降り た ん です よ !
あまり に 暖かかった んで
ふむ 道理 だ な
リゾート 地 ならでは の 開放 感 って やつ か
よく ある こと だ
どう し て 全員 伊 織 に 賛同 する の ! ?
( 伊 織 ) だ が ケバ 子 よく 考え て くれ
何 よ !
( 伊 織 ) 南 の 島 満天 の 星 男 と 2 人 で ドライブ
これ こそ お前 が 言う 青春 じゃ ない か !
( 愛 菜 ) 相手 が 半 裸 の 変態 じゃ なけ れ ば ね
そう か すま ん ( 愛 菜 ) 分かって もら え た ?
だが いくら 俺 でも 全裸 と いう の は …
脱ぎ 方 が 足りない って 意味 じゃ ない から !
そもそも 飲む とき も 脱ぐ 必要 ない でしょ !
何 言って る の か 分から ない って 顔 を し な ー い !
( 梓 ) まあまあ これ でも 飲 ん で 落ち着き な よ
( 愛 菜 ) まったく … ( 梓 ) あっ …
そっち は 私 の …
( グラス が 落ちる 音 ) ( 愛 菜 ) あっ …
( 愛 菜 ) は に ゃ … ( 梓 ) ありゃ
( 伊 織 ) それ 何 が 入って た ん です ?
( 時田 ) さっき の オトーリ の 残り だ な
( 梓 ) 一応 2 倍 に 薄め た ん だ けど ねえ
( 耕平 ) それ でも 30 度 以上 は ある ん です が …
でも これ は これ で
静か に なって いい かも な ( 愛 菜 ) あ …
なん だ ( 耕平 ) 起き た の か
は あ …
( 愛 菜 ) ねえ 伊 織 ( 伊 織 ) ん ? どう し た
( 愛 菜 ) 伊 織 って さ 鈍い よ ね
なん だ いきなり 俺 の どこ が 鈍い ん だ よ
( 愛 菜 ) 鈍い よ ! だって 私 の アピール に ―
全然 気付 い て くれ ない ん だ もん
( 耕平 ) ブーッ ! ( 伊 織 ) は あ ?
一体 なんの 話 だ
( 愛 菜 ) 私 思った の
伊 織 は 鈍い から 言って も 伝わら ない
行動 で 示す しか ない って ( 伊 織 ) ん …
ケバ 子 まさか その 先 は トゥルー エンド …
私 もう 我慢 でき ない !
いくら 言って も 伝わら ない なら ―
いっそ … ( 伊 織 ) う ぐ っ
じっくり 見 とっちゃ る けん 脱ぎ ん しゃい
( 耕平 ) ああ 気持ち って そっち か …
いや そう 言わ れる と なんか …
( 愛 菜 ) ほうほう そう か そう か
なら うち が … 脱 が し ちゃ る !
ま … 待て ! 落ち着け !
次 は 耕平 あんた ばい ! ( 耕平 ) なに ! ?
( カラス の 鳴き声 )
( 伊 織 ) ヤバ かった な
( 耕平 ) たった 1 杯 で あそこ まで ひょう変 する と は …
そもそも お前 が 裸 で 車 から 降り なけ れ ば !
( 伊 織 ) なら お前 が 買い出し に 行け ば よかった だ ろ !
( 愛 菜 ) グルル … そっち か ~ !
( 伊 織 ・ 耕平 ) ヤベ え !
( 伊 織 ) フゥ … ( 耕平 ) やれやれ
おのれ … テレビ の 電波 が 入ら ん
どうせ 録画 し て あん だ ろ ?
貴 様 リアルタイム の 重要 性 を 知ら ん の か
知ら ん
( 耕平 ) しかし 改めて 考える と アレ だ
( 伊 織 ) ん ?
( 耕平 ) まさか この 俺 が こんな サークル に 入る と は な
お前 に は よく 似合って る と 思う が な
ケンカ 売って る の か コラ
そもそも 俺 は お前 に だまさ れ て 入った ん だ !
むっ … “ だまし た ” は 人 聞き が 悪い な
まさか 違う と でも 言う 気 か ?
( 伊 織 ) 違う ( 耕平 ) いけ しゃ あし ゃあ と …
( 伊 織 ) だって お前 の 希望 は かなった じゃ ない か
( 耕平 ) どこ が ! ? ( 伊 織 ) ほら 言って た だ ろ
“ 大学 に 来 たら 夢 の よう な 生活 が ― ”
“ 待って る と 思って た ” って ( 耕平 ) あ …
この 生活 も ある 意味 夢 みたい な もん だ ろ ?
( 耕平 ) あ …
フッ … ああ そう だ な
夢 と 言って も 悪夢 だ が な ( 伊 織 ) 違いない
( 愛 菜 ) ええ い 往生 際 の 悪 か !
( 伊 織 ・ 耕平 ) イヤー !
( 千 紗 ) ウフッ ( 梓 ) ん ?
ち ー ちゃん どう し た の ? それ
コンビニ で プリント し て …
へえ きれい に 撮れ てる わ ね
画 質 は きれい な ん だ けど …
ひどい ギャップ が … ( 梓 ) ウフッ
( 奈々 華 ) 私 は 両方 と も 好き よ
( 梓 ) これ こそ ウチ って 感じ だ よ ね
♪ ~
~ ♪
何 やって ん だ か