地獄 少女 三 鼎 - 26 じごく|しょうじょ|みっ|かなえ JIGOKU SHOJI SANKIN - 26 Адская девочка Сан-Тонги - 26

山河 三 差 路 　 分かれ 道 さんか|みっ|さ|じ|わかれ|どう

守り たい の は 　 己 か 人 か まもり||||おのれ||じん|

常 世 の 闇 か … とわ|よ||やみ|

非だ の 乱れ は 貢が ない ひだ||みだれ||みつが|

終わる 事 ない 　 阿 鼻 の 芸 おわる|こと||おもね|はな||げい

時に 分け入れ 　 扉 が 開く ときに|わけいれ|とびら||あく

晴らせ ぬ 恨み 　 晴らし ます はらせ||うらみ|はらし|

タクシー 運転手 が 酔っ払い と ケンカ に なって 重傷 を 負った たくしー|うんてんしゅ||よっぱらい||けんか|||じゅうしょう||おった

悪い の は 酔っ払い だった が わるい|||よっぱらい||

その 男 が 町 の 有力 者 の 息子 だった こと から |おとこ||まち||ゆうりょく|もの||むすこ|||

警察 も グル に なって けいさつ||||

事件 は 隠蔽 さ れた じけん||いんぺい||

辻 乃橋 の 一 人 息子 よ つじ|のはし||ひと|じん|むすこ|

この 町 に 辻 乃橋 家 に 逆ら える 者 は い ない |まち||つじ|のはし|いえ||さから||もの|||

タクシー 運転手 の 娘 たくしー|うんてんしゅ||むすめ

真山 梓 は 辻 乃橋 の 息子 を 憎んだ まやま|あずさ||つじ|のはし||むすこ||にくんだ

だが 息子 は 親 の 力 で 外国 へ 逃げ ち まっ たい |むすこ||おや||ちから||がいこく||にげ|||

それ で 代わり に 警察 を 憎んだ ||かわり||けいさつ||にくんだ

事件 の 隠蔽 を 指示 した 責任 者 は じけん||いんぺい||しじ||せきにん|もの|

賽 河原 警察 署長 さい|かわはら|けいさつ|しょちょう

秋 恵 の お 父さん あき|けい|||とうさん

そして 真山 梓 は 秋 恵 の お 父さん を 苦しめる ため に |まやま|あずさ||あき|けい|||とうさん||くるしめる||

秋 恵 を 地獄 へ 流した あき|けい||じごく||ながした

あの 子 を 流した 女 が 最初の ターゲット と は なぁ |こ||ながした|おんな||さいしょの|たーげっと|||

因果な もん だ いんがな||

いいえ 最初に ふさわしい ターゲット だ わ |さいしょに||たーげっと||

依頼 人 は … いらい|じん|

高杉 たかすぎ

秋 恵 の お 父さん よ あき|けい|||とうさん|

なるほど

秋 恵 の お 父さん は もう わたし の こと を 覚えて ない の ね あき|けい|||とうさん|||||||おぼえて|||

あぁ その はずだ

行き ましょう いき|

行く の かい ？ いく||

地獄 少女 に なった んでしょ あの 子 じごく|しょうじょ|||||こ

あぁ

そう

救い たかった の かい ？ すくい|||

だから 来た んだ ろ この 町 に |きた||||まち|

わたし に は そんな こと でき ない わ

じゃあ どうして 来た んだ ？ ||きた|

さ ぁ 見届け たかった の かも ||みとどけ|||

強 がり は お よし よ つよ|||||

相変わらず 気 の 強い 娘 だ ね あいかわらず|き||つよい|むすめ||

ゆず き は あんた を 頼って た |||||たよって|

なんとか できた んじゃ ない か ？

今さら そんな こと を 聞いて どう する の ？ いまさら||||きいて|||

もう 終わった の よ |おわった||

わたし に も わから ない わ

あの 子 は 死んだ 後 も |こ||しんだ|あと|

憧れた 中学生 に なって あこがれた|ちゅうがくせい||

現世 に 居 続けた げんせ||い|つづけた

なんとか して あげ たかった

でも わたし の 中 の 何 か が 邪魔 を した |||なか||なん|||じゃま||

はじめ ちゃん かい

さようなら もう 会う こと は 無い と 思う ||あう|||ない||おもう

旦那 さま だんな|

春子 さん 　 まだ 起きて いた の か ？ はるこ|||おきて|||

大丈夫です か ？ だいじょうぶ です|

済まない すまない

お茶 　 お 持ち し ましょう か ？ おちゃ||もち|||

いや 　 いい 　 休んで くれ ||やすんで|

このまま で いい よ

では

高杉 さん たかすぎ|

地獄 … 少女 じごく|しょうじょ

はい そうです |そう です

来て くれた の か きて|||

頼む 怨み を 晴らして くれ たのむ|うらみ||はらして|

輪 入 道さん りん|はい|どうさん

あ いよ

あなた が 本当に 怨み を 晴らし たい と 思う なら ||ほんとうに|うらみ||はらし|||おもう|

その 赤い 糸 を 解いて ください |あかい|いと||といて|

糸 を 解けば わたし 正式に 契約 を 交わした こと に なり いと||とけば||せいしきに|けいやく||かわした|||

怨み の 相手 は 速やかに 地獄 へ 流さ れ ます うらみ||あいて||すみやかに|じごく||ながさ||

ただし 怨み を 晴らしたら あなた 自身 に も 代償 を 支払って もらい ます |うらみ||はらしたら||じしん|||だいしょう||しはらって||

代償 ？ だいしょう

人 を 呪わ ば 穴 二 つ じん||のろわ||あな|ふた|

契約 を 交わしたら あなた の 魂 も 地獄 へ 落ちる のです けいやく||かわしたら|||たましい||じごく||おちる|の です

死んだ 後 の 話 です けど しんだ|あと||はなし||

地獄 か じごく|

秋 恵 が い なく なって から の 暮らし に 比べれば 辛くも ない さ あき|けい|||||||くらし||くらべれば|からくも||

秋 恵 が い なく なった こと が 信じ られ なかった あき|けい|||||||しんじ||

たった 一 人 の 娘 わたし の すべて だった |ひと|じん||むすめ||||

真山 梓 が 殺した んじゃ ない か と 思って 調べた が まやま|あずさ||ころした|||||おもって|しらべた|

何も 出て こ ない なにも|でて||

じゃ 秋 恵 は まだ どこ か で 生きて いる んじゃ ない か ？ |あき|けい||||||いきて||||

そう 思って 探して 探して |おもって|さがして|さがして

結局 仕事 も やめて でも 見つから なくて けっきょく|しごと||||みつから|

藁 を も すがる 思い で 噂 話 まで 調べた 末 に わら||||おもい||うわさ|はなし||しらべた|すえ|

地獄 通信 を 知った んだ じごく|つうしん||しった|

そして 思い出した |おもいだした

真山 梓 の 胸元 に 地獄 の 紋章 が あった の を まやま|あずさ||むなもと||じごく||もんしょう||||

あの 女 が 秋 恵 を 地獄 へ 流した |おんな||あき|けい||じごく||ながした

秋 恵 は 何も して い ない のに 　 悪い の は わたし な のに あき|けい||なにも|||||わるい|||||

流す なら わたし を 流せば いい のに ながす||||ながせば||

法律 は 裁いて くれ ない ほうりつ||さばいて||

だったら 　 わたし が

秋 恵 と 同じ 思い を さ せて やる あき|けい||おなじ|おもい||||

秋 恵 の 無念 を 苦しみ を 思い知ら せて やる あき|けい||むねん||くるしみ||おもいしら||

お 母さん |かあさん

そう です あなた が 裁く んです ||||さばく|ん です

秋 恵 の ため に も あの 女 を あき|けい||||||おんな|

どこ へ ？

見届けて やる みとどけて|

あの 女 が 地獄 へ 流さ れる 瞬間 を |おんな||じごく||ながさ||しゅんかん|

この 目 で 見届けて やる |め||みとどけて|

ええ それ が いい で すね

遅い ぞ 早く 巻け わ ろ わ ろ おそい||はやく|まけ||||

はい 姫 |ひめ

どう し ました ？

うん なんか かゆい

大丈夫です か だいじょうぶ です|

姫 どうした ん です か ？ 高杉 さん ひめ|||||たかすぎ| これ 返す よ |かえす|

どういう こと です か ？

わたし に は でき ない

どうして ？ あの 女 は あなた の 娘 を 地獄 へ 流した んです よ ||おんな||||むすめ||じごく||ながした|ん です|

何も して い ない 秋 恵 を ！ なにも||||あき|けい|

憎い よ 許せ ない にくい||ゆるせ|

だったら なぜ ？

どうせ 彼女 は 地獄 へ 落ちる |かのじょ||じごく||おちる

報い は 受ける んだ むくい||うける|

何 が あった か 知ら ねえ が 仕方 ねえ なぁ なん||||しら|||しかた||

さ ぁ 帰ろう ||かえろう

わたし が 流す わ ||ながす|

何 ？ なん

高杉 さん の 代わり に わたし が 流す たかすぎ|||かわり||||ながす

言って る 意味 が わかって る の か ！ いって||いみ|||||

行き ましょう いき|

あい

お 嬢 |じょう

ゆず き それ は 許さ れ ない わ ||||ゆるさ|||

ど いて ！

地獄 少女 の 務め に も ルール が ある の よ じごく|しょうじょ||つとめ|||るーる||||

わたし は 依頼 を 受けた だ から あの 女 を 流す ||いらい||うけた||||おんな||ながす

契約 は 結ばれて い ない わ けいやく||むすばれて|||

契約 が 何 よ けいやく||なん|

あの 女 は 罪 も 無い 秋 恵 を 流した の よ |おんな||ざい||ない|あき|けい||ながした||

信じた 人 に 裏切ら れて しんじた|じん||うらぎら|

かわいそうな 秋 恵 |あき|けい

これ は 仕事 よ ||しごと|

わたし に は わたし の ルール が ある ど いて ！ |||||るーる||||

お 嬢 ！ |じょう

罪 も 無く 流さ れた 人 の 怨み を わたし は 晴らす ざい||なく|ながさ||じん||うらみ||||はらす

わたし に は その 悔し さ が わかる から ||||くやし||||

で ぇ じょ ぶかい お 嬢 ！ |||||じょう

みんな を …

真山 梓 罪 を 償う 時 が 来た わ まやま|あずさ|ざい||つぐなう|じ||きた|

あなた は 覚えて い なくて も わたし は 忘れ ない ||おぼえて||||||わすれ|

一 遍 死んで みる ？ ひと|へん|しんで|

秋 恵 あき|けい

わかって いる な

ええ 真山 梓 は 流さ れて 当然の 人間 よ |まやま|あずさ||ながさ||とうぜんの|にんげん|

お前 に 人 を 裁く 権利 は 与えて い ない おまえ||じん||さばく|けんり||あたえて||

依頼 を 受け 契約 し 遂行 する それ だけ だ いらい||うけ|けいやく||すいこう||||

わたし は 納得 でき ない わ ||なっとく|||

地獄 少女 に 心 は いら ぬ じごく|しょうじょ||こころ|||

お前 に は 地獄 に 落ちて もらう おまえ|||じごく||おちて|

もらって いく ぜ

貴 様 とうと|さま

早く 乗り な はやく|のり|

はい

何の つもりだ あい なんの||

どうして ？

こんな こと したら あなた まで …

なぜ 黙って る の ？ |だまって||

誰 も 来 なかった あなた は 一 人 ぼ っち だった だれ||らい||||ひと|じん|||

そう 誰 も 助けて くれ なかった |だれ||たすけて||

人 は 弱い わ じん||よわい|

どんな 時 でも 自分 を 守ろう と する |じ||じぶん||まもろう||

だから 見て 見ぬ 振り を する |みて|みぬ|ふり||

何の こと ？ なんの|

あれ は 違う ||ちがう

止め たくて も 止め られ なかった の よ とどめ|||とどめ||||

あたし に は どう しよう も なかった

だから …

仕方なかった しかたなかった

ゆず き

地獄 … 少女 じごく|しょうじょ

秋 恵 の お 父さん は 糸 を 解か なかった あき|けい|||とうさん||いと||とか|

なぜ だ と 思う ？ |||おもう

ご 覧 なさい |み|

探した よ ゆず き さがした|||

あなた は 掟 に 背いた 地獄 の 裁き を 受ける の ||おきて||そむいた|じごく||さばき||うける|

あなた は 秋 恵 じゃ ない ||あき|けい||

あたし の 大好きな 秋 恵 は 地獄 へ 落ちちゃ った ||だいすきな|あき|けい||じごく||おちちゃ|

消えて お 願い 消えて ！ きえて||ねがい|きえて

ゆず き

裁き は わたし が 受ける わ さばき||||うける|

人 の 世に 怨み が 消え ぬ 限り じん||よに|うらみ||きえ||かぎり

お前 は 永遠に 仕事 を 続ける こと に なる おまえ||えいえんに|しごと||つづける|||

もう 二度と 解放 さ れる こと は 無い |にどと|かいほう|||||ない

それ でも 良い のだ な ？ ||よい||

あい

いや

大丈夫 だいじょうぶ

ゆず き

あい どうして あなた は …

はっ

あなた は わたし な の よ

あい

あい に は 彼 氏 が いたんだ ね |||かれ|うじ|||

それ だけ ちょっぴり うらやましい な

ありがとう

ゆず き

お 嬢 |じょう

バカだ よ あんた って 子 は ばかだ||||こ|

ほんとだ せっかく 楽に なれた って いう のに ||らくに||||

バカ あい 次 は きく り で いい じゃ ない か ぁ ばか||つぎ|||||||||

いて っ むき なんで だ ！

なんで です か 姫 |||ひめ

行く よ いく|

はい

辻 乃橋 巧 さん です ね つじ|のはし|こう|||

誰 ？ だれ