15.2 禁じられた 森 (1)
きんじ られた|しげる
forbidden|
15.2 Verbotener Wald (1)
15.2 Forbidden forest (1)
15.2 Verboden bos (1)
15.2 Zakazany las (1)
15.2 Floresta proibida (1)
15.2 Förbjuden skog (1)
15.2 禁林(1)
ハーマイオニー が 一晩 分 の 勉強 を 損する と ブツブツ 言う ので は ない か と 思った が 、 彼女 は 文句 一 つ 言わ なかった 。
||ひとばん|ぶん||べんきょう||そんする||ぶつぶつ|いう||||||おもった||かのじょ||もんく|ひと||いわ|
||one night|worth||studying||lose||grumbling|complain|||||||but|||complaint||||
Ich dachte, Hermine würde sich darüber beschweren, dass sie einen Abend lang nicht lernen konnte, aber sie hat sich nicht beschwert.
I thought Hermione would grumble about losing an evening's study, but she didn't complain at all.
ハリー と 同じ ように 、 ハーマイオニー も 自分 たち は 処罰 を 受けて も 当然の こと を した と 思って いた 。
||おなじ||||じぶん|||しょばつ||うけて||とうぜんの|||||おもって|
||same|||||||punishment||||natural||||||
Like Harry, Hermione believed that they had done something that deserved to be punished.
夜 十一 時 、 二 人 は 談話 室 で ロン に 別れ を 告げ 、 ネビル と 一緒に 玄関 ホール へ 向かった 。
よ|じゅういち|じ|ふた|じん||だんわ|しつ||||わかれ||つげ|||いっしょに|げんかん|ほーる||むかった
||||||conversation|||||parting|(object marker)|told||||entryway|||
At eleven o'clock at night, they said goodbye to Ron in the common room and headed for the entrance hall with Neville.
フィルチ は もう 来て いた ── そして マルフォイ も 。
|||きて||||
Filch was already here, and Malfoy.
マルフォイ が 処罰 を 受ける こと も ハリー は すっかり 忘れて いた 。
||しょばつ||うける||||||わすれて|
||punishment|||||||completely|forgotten|
Harry had completely forgotten that Malfoy would be punished.
「 ついて 来い 」
|こい
по|приходи
attached|
Follow me.
フィルチ は ランプ を 灯し 、 先 に 外 に 出た 。
||らんぷ||ともし|さき||がい||でた
||lamp||lit|ahead||||went out
Filch turned on the lamp and went out first.
「 規則 を 破る 前 に 、 よ ー く 考える ように なったろう ねぇ 。
きそく||やぶる|ぜん|||-||かんがえる|||
rule||break||||||||probably|
"You'd think twice before breaking the rules, wouldn't you?
どうか ね ?
What do you think?
」
フィルチ は 意地 の 悪い 目つき で みんな を 見た 。
||いじ||わるい|めつき||||みた
||stubbornness|||look||||
Filch looked at everyone with a mean look.
「 ああ 、 そう だ と も …… 私 に 言わ せり や 、 しごいて 、 痛い 目 を 見せる の が 一 番 の 薬 だ よ ── 昔 の ような 体罰 が なくなって 、 まったく 残念だ …… 手首 を くくって 天井 から 数 日 吊るした もん だ 。
|||||わたくし||いわ||||いたい|め||みせる|||ひと|ばん||くすり|||むかし|||たいばつ||||ざんねんだ|てくび|||てんじょう||すう|ひ|つるした||
|||||||||||боль||||||||||||||||||||запястье|||||||||
|||||I||||emphasis|punishing|painful|||||subject marker||best|||||in the past|||physical punishment||||disappointing|wrist||tied|ceiling||several||hung||
"Yeah, that's right. ...... You know what they say about me, the best medicine is a good spanking and a good beating. ...... It's a shame we don't have corporal punishment like we did in the old days.
今 でも 私 の 事務 所 に 鎖 は 取って ある が ね …… 万一 必要に なった 時 に 備えて ピカピカ に 磨いて ある よ ── よし 、 出かける と する か 。
いま||わたくし||じむ|しょ||くさり||とって||||まんいち|ひつように||じ||そなえて|ぴかぴか||みがいて||||でかける|||
now|still|||office|||chain||taken||||just in case|needed||||prepared|||polished||||to go out|||question marker
I still keep the chains in my office, though. ...... I've got them all shined up just in case I need them.
逃げよう なんて 考える んじゃ ない ぞ 。
にげよう||かんがえる|||
let's run|||||
Don't even think about running away.
そんな こと したら もっと ひどい こと に なる から ねぇ 」
Because if you do, it'll be worse.
真っ暗な 校庭 を 横切って 一行 は 歩いた 。
まっくらな|こうてい||よこぎって|いっこう||あるいた
|школьный двор||пересекать|||
pitch-black|schoolyard||crossed|line||
The group walked across the darkened schoolyard.
ネビル は ずっと メソメソ して いた 。
|||めそめそ||
|||sniffling||
Neville had been so gloomy all the time.
罰 って いったい 何 だろう 、 と ハリー は 思い 巡らせた 。
ばち|||なん|||||おもい|めぐらせた
punishment|||||quotation marker|||thought|racing
Harry wondered what in the world punishment was.
きっと 、 ひどく 恐ろしい もの に 違いない 。
||おそろしい|||ちがいない
||terrifying|||doubt
It must have been something terrible.
で なけりゃ フィルチ が あんなに 嬉し そうに して いる はず が ない 。
|||||うれし|そう に|||||
by|||||||||||
Otherwise, there's no way Filch would have been so happy.
月 は 晃 々 と 明るかった が 、 時折 サッと 雲 が かかり 、 あたり を 闇 に した 。
つき||あきら|||あかるかった||ときおり|さっと|くも|||||やみ||
||bright|repeated||bright||occasionally|swiftly|cloud||was covered|||dark||
The moon was bright and shining, but occasionally a brief glimmer of cloud cover darkened the scene.
行く手 に 、 ハリー は ハグリッド の 小屋 の 窓 の 明かり を 見た 。
ゆくて||||||こや||まど||あかり||みた
way||||||||window||||
On the way there, Harry saw the lights in Hagrid's cabin window.
遠く から 大声 が 聞こえた 。
とおく||おおごえ||きこえた
далеко||||
in the distance||||could be heard
I heard a loud voice in the distance.
「 フィルチ か ?
"Filch?
急いで くれ 。
いそいで|
quickly|
Hurry up.
俺 は もう 出発 したい 」 ハリー の 心 は 踊った 。
おれ|||しゅっぱつ|し たい|||こころ||おどった
I|||departure|wants|||||danced
I want to go now," Harry's heart danced.
ハグリッド と 一緒 なら 、 そんなに 悪く は ない だろう 。
||いっしょ|||わるく|||
||together||||||
With Hagrid, it's not so bad.
ホッと した 気持 が 顔 に 出た に 違いない 。
ほっと||きもち||かお||でた||ちがいない
||feeling||||||
The relief must have shown on his face.
フィルチ が たちまち それ を 読んだ 。
|||||よんだ
||in no time|||read
Filch read it instantly.
「 あの 木偶の坊 と 一緒に 楽しもう と 思って いる んだろう ねぇ ?
|でくのぼう||いっしょに|たのしもう||おもって|||
|puppet|||let's enjoy|||||
"You think you're going to have fun with that little wooden doll, don't you?
坊や 、 もう 一 度 よく 考えた ほう が いい ねぇ …… 君 たち が これ から 行く の は 、 森 の 中 だ 。
ぼうや||ひと|たび||かんがえた|||||きみ|||||いく|||しげる||なか|
boy||one|time||||||||||||||||||
Boy, you better think again. ...... You guys are going to be in the woods.
もし 全員 無傷 で 戻って きたら 私 の 見込み 違い だ が ね 」
|ぜんいん|むきず||もどって||わたくし||みこみ|ちがい|||
|все|||||||||||
|everyone|unharmed||||I||expectation|difference|||you know
If they all come back unharmed, that's not what I expect."
とたん に ネビル は 低い うめき声 を 上げ 、 マルフォイ も その場で ピタツ と 動か なく なった 。
||||ひくい|うめきごえ||あげ|||そのばで|||うごか||
в тот момент|||||||||||||||
||||low|groan|||||on the spot|motionless||moved||
Neville lets out a low moan, and Malfoy stops moving on the spot.
「 森 だって ?
しげる|
"Because of the forest?
そんな ところ に 夜 行け ない よ …… それ こそ いろんな の が いる んだろう …… 狼 男 だ と か 、 そう 聞いて る けど 」 マルフォイ の 声 は いつも の 冷静 さ を 失って いた 。
|||よ|いけ||||||||||おおかみ|おとこ|||||きいて|||||こえ||||れいせい|||うしなって|
|||||||that||various||||I wonder|wolf|werewolf||||||||||||||calm|||losing|there
I can't go there at night. ...... That's where all kinds of things are. ...... Werewolves and all that, I hear.
ネビル は ハリー の ローブ の 袖 を しっかり 握り 、 ヒィーッ と 息 を 詰まら せた 。
||||||そで|||にぎり|||いき||つまら|
||||robe||sleeve||firmly|gripped|hiss||breath||caught|tightened
Neville gripped the sleeve of Harry's robe tightly, hissing under his breath.
「 そんな こと は 今さら 言って も 仕方 が ない ねぇ 」
|||いまさら|いって||しかた|||
such|||now|||help||not|
"It's too late to talk about that now.
フィルチ の 声 が うれし さ の あまり 上ずって いる 。
||こえ||||||うわずって|
||||радостный|||||
|||||||so much|excitedly|
Filch's voice rises in happiness.
「 狼 男 の こと は 、 問題 を 起こす 前 に 考え とく べきだった ねぇ ?
おおかみ|おとこ||||もんだい||おこす|ぜん||かんがえ|||
wolf|||||problem||cause|||thinking|to do|should have|
You should have thought about the werewolf thing before you started causing trouble, huh?
」
ハグリッド が ファング を すぐ 後ろ に 従えて 暗闇 の 中 から 大股 で 現れた 。
|||||うしろ||したがえて|くらやみ||なか||おおまた||あらわれた
||Fang|||||following|darkness||||with big strides||appeared
Hagrid emerges from the darkness with Fang close behind him, his big toe in the air.
大きな 石 弓 を 持ち 、 肩 に 矢筒 を 背負って いる 。
おおきな|いし|ゆみ||もち|かた||や つつ||せおって|
|stone|bow|||shoulder||quiver||carrying|
He carries a large stone bow and a quiver of arrows on his shoulder.
「 もう 時間 だ 。
|じかん|
It's time to go.
俺 は もう 三十 分 くらい も 待った ぞ 。
おれ|||さんじゅう|ぶん|||まった|
I've been waiting for 30 minutes.
ハリー 、 ハーマイオニー 、 大丈夫 か ?
||だいじょうぶ|
Harry, Hermione, are you okay?
」
「 こいつ ら は 罰 を 受け に 来た んだ 。
|||ばち||うけ||きた|
|||punishment|||||
They are here to be punished.
あんまり 仲良く する わけに は いきま せ ん よ ねえ 、 ハグリッド 」 フィルチ が 冷たく 言った 。
|なかよく||||||||||||つめたく|いった
much|amicably||||can't go||||||||cold|
I don't think we're going to get along very well, Hagrid," Filch said coldly.
「 それ で 遅く なった と 、 そう 言う の か ?
||おそく||||いう||
that||late||that||||
"So you're late, is that what you're saying?
」 ハグリッド は フィルチ を にらみつけた 。
||||glared at
Hagrid glared at Filch.
「 説教 を たれて た んだろう 。
せっきょう||||
проповедь||||
sermon||must have given||
"I think he was preaching.
え ?
What?
説教 する の は おまえ の 役目 じゃ なかろう 。
せっきょう||||||やくめ||
sermon||||||role||probably not
It's not your job to lecture me.
おまえ の 役目 は もう 終わり だ 。
||やくめ|||おわり|
|||||over|
Your role in this is over.
ここ から は 俺 が 引き受ける 」
|||おれ||ひきうける
|||||take on
I'll take it from here."
「 夜明け に 戻って くる よ 。
よあけ||もどって||
dawn||||you
He'll be back at dawn.
こいつ ら の 体 の 残って る 部分 だけ 引き取り に くる さ 」
|||からだ||のこって||ぶぶん||ひきとり|||
this guy|||body||remaining||part||pick up|||
They'll come back for what's left of their bodies."
フィルチ は 嫌 み たっぷりに そう 言う と 、 城 に 帰って いった 。
||いや||||いう||しろ||かえって|
||||||||замок|||
||dislike||plenty||||castle||went back|
Filch said this with disgust and went back to the castle.
ランプ が 暗闇 に ユラユラ と 消えて いった 。
らんぷ||くらやみ||ゆらゆら||きえて|
||темнота|||||
||darkness||flickering||extinguished|
The lamp faded into the darkness.
今度 は マルフォイ が ハグリッド に 向かって 言った 。
こんど||||||むかって|いった
time|||||||
Now Malfoy turns to Hagrid.
「 僕 は 森 に は 行か ない 」
ぼく||しげる|||いか|
"I'm not going into the woods."
声 が 恐怖 に おののいて いる の が わかる ので ハリー は いい 気味 だ と 思った 。
こえ||きょうふ|||||||||||きみ|||おもった
|||||||||||||настроение|||
||fear||trembling||||understands|||||mood|||
I thought Harry was in a good mood because I could hear the horror in his voice.
「 ホグワーツ に 残りたい なら 行か ねば なら ん 」 ハグリッド が 厳しく 言い返した 。
||のこり たい||いか||||||きびしく|いいかえした
||||||||||сурово|ответил
Hogwarts||want to stay|||must||not|||sternly|retorted
If you want to stay at Hogwarts," Hagrid retorted sternly, "you'll have to go.
「 悪い こと を した んじゃ から 、 その 償い を せ に ゃ なら ん 」
わるい|||||||つぐない||||||
bad|||||because|that|atonement||to||||nominalizer
"You did a bad thing, and now you have to pay for it."
「 でも 、 森 に 行く の は 召使い が する こと だ よ 。
|しげる||いく|||めしつかい|||||
|forest|||||servant|||||you
But going to the forest is something that servants do.
生徒 に さ せる こと じゃ ない 。
せいと||||||
student||||||
That's not something you should let your students do.
同じ 文章 を 何 百 回 も 書き 取り する と か 、 そういう 罰 だ と 思って いた 。
おなじ|ぶんしょう||なん|ひゃく|かい||かき|とり|||||ばち|||おもって|
same|writing||what|hundred|times||writing|taking|||||punishment||||
I thought it was some kind of punishment, like writing the same sentence over and over hundreds of times.
もし 僕 が こんな こと を するって パパ が 知ったら 、 きっと ……」 「 きっと 、 これ が ホグワーツ の 流儀 だって そう 言いきかせる だろう よ 」 ハグリッド が うなる ように 言った 。
|ぼく|||||する って|ぱぱ||しったら|||||||りゅうぎ|||いいきかせる|||||||いった
||||||to do|||knew|||||Hogwarts||way|quotation particle||insist|||||groaned||
If my dad knew I was doing this, I'm sure he'd tell him ...... that this is the Hogwarts way," Hagrid growled.
「 書き取り だって ?
かき とり|
writing|
"Dictation"?
へっ!
へ っ
oops
Heh!
それ が なんの 役 に 立つ ?
|||やく||たつ
|||role||
What good would that do?
役 に 立つ こと を しろ 、 さも なきゃ 退学 しろ 。
やく||たつ||||||たいがく|
role|||||do|as if|if not|drop out|do
Do something useful, or you'll be expelled.
おまえ の 父さん が 、 おまえ が 追い出さ れた 方 が まし だって 言う ん なら 、 さっさと 城 に 戻って 荷物 を まとめろ !
||とうさん||||おいださ||かた||||いう||||しろ||もどって|にもつ||
||||you||forced out||way||better|because||||quickly|castle|||luggage||pack
If your father says he'd rather you were kicked out, then get your ass back to the castle and pack your bags!
さあ 行け !
|いけ
Come on, let's go!
」
マルフォイ は 動か なかった 。
||うごか|
||moved|
Malfoy didn't move.
ハグリッド を にらみつけて いた が 、 やがて 視線 を 落とした 。
||||||しせん||おとした
||glared|||eventually|gaze||lowered
He glanced at Hagrid, but then dropped his gaze.
「 よ ー し 、 それ じゃ 、 よ ー く 聞いて くれ 。
|-|||||-||きいて|
All right, listen to me very carefully.
なん せ 、 俺 たち が 今夜 やろう と して いる こと は 危険な んだ 。
||おれ|||こんや|||||||きけんな|
||||||делать|||||||
what||I|||tonight||||||||explanatory particle
What we're doing tonight is dangerous.
みんな 軽はずみな こと を しちゃ いか ん 。
|かるはずみな|||||
|thoughtless|||||
Everyone should not do anything rash.
しばらく は わし に ついて 来て くれ 」
|||||きて|
a while||||||
You will follow me for a while."
ハグリッド が 先頭 に 立って 、 森 の はずれ まで やってきた 。
||せんとう||たって|しげる||||
||front|||||outskirts||
Hagrid led the way to the edge of the forest.
ランプ を 高く 掲げ 、 ハグリッド は 暗く 生い茂った 木々 の 奥 へ と 消えて いく 細い 曲がりくねった 獣 道 を 指さした 。
らんぷ||たかく|かかげ|||くらく|おいしげった|きぎ||おく|||きえて||ほそい|まがりくねった|けだもの|どう||ゆびさした
||||||||деревья||||||||||||указал
lamp|||held|||dark|overgrown|trees|||||disappeared||thin|winding|beast|path||pointed
Raising his lamp high in the air, Hagrid pointed to a narrow, curving beast path that disappeared into the dark, overgrown trees.
森 の 中 を のぞき込む と 一陣 の 風 が みんな の 髪 を 逆立てた 。
しげる||なか||のぞきこむ||いちじん||かぜ||||かみ||さかだてた
||||peered||gust||||||hair||stood on end
A gust of wind ruffled everyone's hair as they peeked into the forest.
「 あそこ を 見ろ 。
||みろ
"Look over there.
地面 に 光った 物 が 見える か ?
じめん||ひかった|ぶつ||みえる|
ground||shiny||||
Do you see anything shiny on the ground?
銀色 の 物 が 見える か ?
ぎんいろ||ぶつ||みえる|
silver|||||
Do you see anything silver?
一角 獣 の 血 だ 。
いっかく|けだもの||ち|
|зверь|||
unicorn|beast||blood|is
It's unicorn blood.
何者 か に ひどく 傷つけられた ユニコーン が この 森 の 中 に いる 。
なにもの||||きずつけ られた||||しげる||なか||
who||||hurt|unicorn|||||||
There is a unicorn in these woods that has been badly wounded by someone.
今週 に なって 二 回 目 だ 。
こんしゅう|||ふた|かい|め|
this week|||two|||
This is the second time this week.
水曜日 に 最初の 死骸 を 見つけた 。
すいようび||さいしょの|しがい||みつけた
Wednesday||first|dead body||
We found the first carcass on Wednesday.
みんな で かわいそうな やつ を 見つけだす んだ 。
|||||みつけだす|
||pitiful|||start to find|
We're all going to find that poor bastard.
助から ない なら 、 苦しま ない ように して やら ねば なら ん 」
たすから|||くるしま|||||||
to be saved|||suffer|||||||must
If we can't help them, we have to make sure they don't suffer."
「 ユニコーン を 襲った やつ が 先 に 僕たち を 見つけたら どう する ん だい ?
||おそった|||さき||ぼくたち||みつけたら||||
||attacked|||||||||||
What if whoever attacked the unicorn found us first?
」
マルフォイ は 恐怖 を 隠し きれ ない 声 で 聞いた。
||きょうふ||かくし|||こえ||きいた
||страх|||||||
||fear||hiding|||||
Malfoy could hear the fear in his voice.
「 俺 や ファング と 一緒に おれば 、 この 森 に 住む もの は 誰 も おまえたち を 傷つけ は せ ん 。
おれ||||いっしょに|||しげる||すむ|||だれ||||きずつけ|||
I|||||||||live|||||you all|(object marker)|harm|||
Mit mir und Fang wird dich niemand, der in diesem Wald lebt, verletzen.
With me and Fang, no one who lives in this forest will hurt you.
道 を 外れる な よ 。
どう||はずれる||
road||to stray||I tell you
Don't stray from the path.
よ ー し 、 では 二 組 に 分かれて 別々 の 道 を 行こう 。
|-|||ふた|くみ||わかれて|べつべつ||どう||いこう
|quotation mark|well|then|two|group||split|separately||||let's go
All right, let's split up and go our separate ways.
そこら 中 血だらけだ 。
|なか|ちだらけだ
around|around|covered in blood
There's blood everywhere.
ユニコーン は 少なくとも 昨日 の 夜 から のたうち 回って る んじゃ ろう 」
||すくなくとも|きのう||よ|||まわって|||
||at least|yesterday||||thrashing|wandering|||
The unicorn must have been kicking around since at least yesterday night."
「 僕 は ファング と 一緒 が いい 」 ファング の 長い 牙 を 見て 、 マルフォイ が 急いで 言った 。
ぼく||||いっしょ|||||ながい|きば||みて|||いそいで|いった
I||Fang||||good|||long|fang|||||hurriedly|
I want to be with Fang," Malfoy said hurriedly, looking at Fang's long fangs.
「 よかろう 。
alright
"Very well .
断っと く が 、 そい つ は 臆病 じゃ よ 。
だん っと||||||おくびょう||
refused|to||that|||cowardly||ending particle
I must warn you, he is a coward.
そんじゃ 、 ハリー と ハーマイオニー は 俺 と 一緒に 行こう 。
|||||おれ||いっしょに|いこう
well|||||I|||
Well, Harry and Hermione, you're coming with me.
ドラコ と ネビル は ファング と 一緒に 別の 道 だ 。
||||||いっしょに|べつの|どう|
|||||||different||
Draco and Neville are going their separate ways with Fang.
もし ユニコーン を 見つけたら 緑 の 光 を 打ち上げる 、 いい か ?
|||みつけたら|みどり||ひかり||うちあげる||
||||green||light||shoot up||
If I see a unicorn, I'll shoot out a green light, okay?
杖 を 出して 練習 しよう ── それ で よし ── もし 困った こと が 起きたら 、 赤い 光 を 打ち上げろ 。
つえ||だして|れんしゅう||||||こまった|||おきたら|あかい|ひかり||うちあげろ
|||||||||попадет в беду|||||||
staff||take out|practice|to do|||||in trouble|||happens||||shoot up
Let's get out the cane and practice. That's it. - If you get in trouble, shoot a red light.
みんな で 助け に 行く ── じゃ 、 気 を つけろ よ ── 出発 だ 」
||たすけ||いく||き||||しゅっぱつ|
||||||||||отправление|
||help||||||careful||departure|
We're all here to help you. - So be careful. - Let's go.
森 は 真っ暗で シーン と して いた 。
しげる||まっくらで|しーん|||
||pitch black|quiet|||
The forest was pitch black and a scene was created.
少し 歩く と 道 が 二手 に 分かれて いた 。
すこし|あるく||どう||ふたて||わかれて|
|||||two branches||split|
After a short walk, the road split in two.
ハグリッド たち は 左 の 道 を 、 ファング の 組 は 右 の 道 を 取った 。
|||ひだり||どう||||くみ||みぎ||どう||とった
|||left||||||group||right||||took
Hagrid's group took the left path and Fang's group took the right path.
三 人 は 無言 で 足元 だけ を 見 ながら 歩いた 。
みっ|じん||むごん||あしもと|||み||あるいた
|||silently||feet|||||
The three of them walked silently, looking only at their feet.
時々 枝 の すき間 から 漏れる 月 明かり が 、 落葉 の 上 に 点々 と 滴った シルバーブルー の 血痕 を 照らし出した 。
ときどき|えだ||すきま||もれる|つき|あかり||らくよう||うえ||てんてん||したたった|||けっこん||てらしだした
|ветка|||||||||||||||||||
|branch||gap||leaked|moon|moonlight||fallen leaves||||dots||dripped|silver-blue||bloodstain||illuminated
The occasional moonlight filtering through a crack in the branches illuminated the silver-blue bloodstains dripping on the fallen leaves.
ハリー は ハグリッド の 深刻な 顔 に 気づいた 。
||||しんこくな|かお||きづいた
||||serious|||
Harry noticed the serious look on Hagrid's face.
「 狼 男 が ユニコーン を 殺す なんて こと あり うる の ?
おおかみ|おとこ||||ころす|||||
wolf||||(object marker)|kill|||possible|possible|
How is it possible for a werewolf to kill a unicorn?
」 と ハリー は 聞いて みた 。
|||きいて|
||||tried
Harry asked.
「 あいつ ら は そんなに 速く ない 。
||||はやく|
||||fast|
They're not that fast.
ユニコーン を 捕まえる の は たやすい こと じゃ ない 。
||つかまえる||||||
||catch|||easy|||
Catching a unicorn is no easy task.
強い 魔力 を 持った 生き物 な んじゃ よ 。
つよい|まりょく||もった|いきもの|||
|магия||||||
strong|magic||possessed|creature||well then|
It's a creature of great magical power.
ユニコーン が 怪我 した なんて こ た ぁ 、 俺 は 今 まで 聞いた こと が ない な 」
||けが||||||おれ||いま||きいた||||
||injury||||thing||I||||||||don't
I've never heard of a unicorn getting hurt.
苔 むした 切株 を 通り過ぎる 時 、 ハリー は 水 の 音 を 聞いた 。
こけ||きりかぶ||とおりすぎる|じ|||すい||おと||きいた
moss|bare|tree stump||pass by||||||sound||
Harry heard the sound of water as he passed a mossy stump.
どこ か 近く に 川 が ある らしい 。
||ちかく||かわ|||
There is a river somewhere nearby.
曲りくねった 小道 に は まだ あちこち に ユニコーン の 血 が 落ちて いた 。
まがりくねった|こみち||||||||ち||おちて|
winding|path||||||||||fallen|
The winding paths were still littered here and there with unicorn blood.
「 そっち は 大丈夫 か ?
||だいじょうぶ|
there|||
"Is everything okay over there?
ハーマイオニー 」 ハグリッド が ささやいた 。
|||сказал шепотом
Hermione|||whispered
Hermione," Hagrid whispered.
「 心配 する な 。
しんぱい||
worry||
"Don't worry.
この ひどい 怪我 じゃ そんなに 遠く まで は 行け ない はずだ 。
||けが|||とおく|||いけ||
||injury|||far|||||
With an injury this bad, you shouldn't be able to go that far.
もう すぐ …… その 木 の 陰 に 隠れろ !
|||き||かげ||かくれろ
||that|tree||shade||hide
Soon ...... hide behind that tree!
」
ハグリッド は ハリー と ハーマイオニー を ひっつか み 、 樫 の 巨木 の 裏 に 放り込んだ 。
||||||||かし||きょぼく||うら||ほうりこんだ
||||||grabbed||oak||giant tree||back||pushed
Hagrid grabbed Harry and Hermione and threw them behind a huge oak tree.
矢 を 引き出して 弓 に つがえ 、 持ち上げて 構え 、 いつでも 矢 を 放てる ように した 。
や||ひきだして|ゆみ||つ がえ|もちあげて|かまえ||や||はな てる||
arrow|(object marker)|pulled out|bow||nocked|lifted|stance||arrow||release|so|
He pulled out his arrows, attached them to his bow, lifted it up and held it ready, ready to fire at any moment.
三 人 は 耳 を 澄ました 。
みっ|じん||みみ||すました
three|||ears||listened
The three of them listened attentively.
何 か が 、 すぐ そば の 枯葉 の 上 を スルスル 滑って いく 。
なん||||||かれは||うえ||するする|すべって|
||||||dead leaves||||smoothly|slipping|
Something is slipping on the dead leaves right next to me.
マント が 地面 を 引きずる ような 音 だった 。
まんと||じめん||ひきずる||おと|
cape||ground|||||
It sounded like a cape dragging on the ground.
ハグリッド が 目 を 細めて 暗い 道 を ジッと 見て いた が 、 数 秒 後 に 音 は 徐々に 消えて いった 。
||め||ほそめて|くらい|どう||じっと|みて|||すう|びょう|あと||おと||じょじょに|きえて|
||||narrowed|dark|road||intently||||several|seconds|later||||gradually||
Hagrid's eyes narrowed as he stared at the dark road, but after a few seconds the sound slowly faded away.
「 思った とおり だ 」 ハグリッド が つぶやいた 。
おもった|||||
"Just as I thought," Hagrid murmured.
「 ここ に いる べきでない 何者 か だ 」
|||べきで ない|なにもの||
|||should not|someone||
"You're something that shouldn't be here."
「 狼 男 ?
おおかみ|おとこ
волк|
|man
"Wolf man?
」
「 い ー や 、 狼 男 じゃ ないし ユニコーン で も ない 」 ハグリッド は 険しい 顔 を した 。
|-||おおかみ|おとこ|||||||||けわしい|かお||
|||wolf||||unicorn||||||stern|||
No, he's not a werewolf, and he's not a unicorn," Hagrid said, his face grim.
「 よ ー し 、 俺 に ついて 来い 。
|-||おれ|||こい
||||||come
Okay, follow me.
気 を つけて な 」
き|||
||be careful|
Be careful.
三 人 は 前 より も さらに ゆっくり と 、 どんな 小さな 音 も 聞き逃す まい と 聞き 耳 を 立てて 進んだ 。
みっ|じん||ぜん|||||||ちいさな|おと||ききのがす|||きき|みみ||たてて|すすんだ
||||||further||particle|||||miss hearing|probably|||||perking|advanced
The three of them moved more slowly than before, their ears straining to hear even the smallest sound.
突然 、 前方 の 開けた 場所 で 確かに 何 か が 動いた 。
とつぜん|ぜんぽう||あけた|ばしょ||たしかに|なん|||うごいた
suddenly|front||open|place||certainly||||moved
Suddenly, something moved in an open area ahead.
「 そこ に いる の は 誰 だ ?
|||||だれ|
Who's there?
姿 を 現せ …… こっち に は 武器 が ある ぞ !
すがた||あらわせ||||ぶき|||
figure||show||||weapon|||
Show yourself at ...... We have weapons over here!
」
ハグリッド が 声 を 掛り 上げた 。
||こえ||かかり|あげた
||||raised|
Hagrid called out to him.
開けた 空間 に 現れた の は …… 人間 、 いや 、 それとも 馬 ?
あけた|くうかん||あらわれた|||にんげん|||うま
|||||||||лошадь
opened|space||appeared|||human||or|horse
In the open space appeared ...... a man or a horse?
腰 から 上 は 赤い 髪 に 赤い ヒゲ の 人 の 姿 。
こし||うえ||あかい|かみ||あかい|ひげ||じん||すがた
waist||||red|hair|||beard||||figure
From the waist up, a human figure with red hair and a red beard.
そして 腰 から 下 は ツヤツヤ と した 栗毛 に 赤味 が かった 長い 尾 を つけた 馬 。
|こし||した||つやつや|||くりげ||あかみ|||ながい|お|||うま
|||||||||||||||||лошадь
|waist||||glossy|||chestnut||tinged with red|||long|tail|||
And from the waist down, a horse with shiny chestnut hair and a long reddish tail.
ハリー と ハーマイオニー は 口 を ポカン と 開けた まま だった 。
||||くち||||あけた||
||||||agape||||
Harry and Hermione's mouths were hanging open.
「 ああ 、 君 か 、 ロナン 」 ハグリッド が ホッと した ように 言った 。
|きみ|||||ほっと|||いった
|||Ronan|||with relief|||
"Ah, it's you, Ronan," Hagrid said, relieved.
「 元気 かね ?
げんき|
fine|
How are you?
」 ハグリッド は ケンタウルス に 近づき 握手 した 。
||||ちかづき|あくしゅ|
||centaur||approached|shook hands|
Hagrid approached the centaur and shook hands.
「 こんばんは 、 ハグリッド 」
こんばん は|
good evening|
"Good evening, Hagrid."
ロナン の 声 は 深く 、 悲しげ だった 。
||こえ||ふかく|かなしげ|
Ronan||||deep|sad|
Ronan's voice was deep and sad.
「 私 を 撃とう と した んです か ?
わたくし||うとう||||
I||to shoot||||(question marker)
"Were you going to shoot me?
」
「 ロナン 、 用心 に こした こと は ない 」
|ようじん|||||
|caution||hurt|||
Ronan, you must never be too careful.
石 弓 を 軽く 叩き ながら ハグリッド が 言った 。
いし|ゆみ||かるく|たたき||||いった
stone|bow||lightly|tapping||||
Hagrid said, tapping his stone bow.
「 なんか 悪い もん が この 森 を うろついて いる んで な 。
|わるい||||しげる|||||
||thing|||||wandering|||
Something bad has been hanging around these woods.
ところで 、 ここ の 二 人 は ハリー ・ ポッター と ハーマイオニー ・ グレンジャー だ 。
|||ふた|じん|||||||
by the way|||||||||||
By the way, these two are Harry Potter and Hermione Granger.
学校 の 生徒 で な 。
がっこう||せいと||
You are not a student at the school.
お 二 人 さん 、 こちら は ロナン だ よ 。
|ふた|じん||||||
honorable|||person|||||
Hey, guys, this is Ronan.
ケンタウルス だ 」
centaur|
Centaur."
「 気 が ついて いた わ 」 ハーマイオニー が 消え 入る ような 声 で 言った 。
き|||||||きえ|はいる||こえ||いった
awareness||||emphasis|||disappeared|||||said
"I was aware of it," Hermione said in a voice that seemed to fade away.
「 こんばん は 。
tonight|
"Good evening.
生徒 さん だ ね ?
せいと|||
You are a student, right?
学校 で は たくさん 勉強 して る かね ?
がっこう||||べんきょう|||
school||||studying|||
Do you study a lot at school?
」
「 えー と ……」
"Let's see... ......"
「 少し は 」 ハーマイオニー が オズオズ と 答えた 。
すこし||||||こたえた
||||hesitantly||
"A little," Hermione replied, "but not much.
「 少し 。
すこし
a little
"A little bit .
そう 。
So .
それ は よかった 」
||good
That's good.
ロナン は フーッ と ため息 を つき 、 首 を ブルルッ と 振って 空 を 見上げた 。
||||ためいき|||くび||||ふって|から||みあげた
||exhaled||sigh|||head||swiveled||shaking|sky||looked up
Ronan sighs, shakes his head, and looks up at the sky.
「 今夜 は 火星 が とても 明るい 」
こんや||かせい|||あかるい
tonight||Mars|||bright
"Mars is very bright tonight."
「 ああ 」
"Oh."
ハグリッド も チラリ と 空 を 見上げた 。
||ちらり||から||みあげた
||glancing||||
Hagrid also glanced up at the sky.
「 なあ 、 ロナン よ 。
Hey, Ronan.
君 に 会えて よかった 。
きみ||あえて|
It was nice to meet you.
ユニコーン が 、 しかも 怪我 を した ヤツ が おる んだ …… なんか 見かけ ん かった か ?
|||けが|||やつ|||||みかけ|||
||moreover|injured|||guy||||somehow|saw|||(topic marker)
There's a unicorn, and he's hurt. ...... Have you seen anything?
」
ロナン は すぐに は 返事 を し なかった 。
||||へんじ|||
||||reply|||
Ronan did not respond immediately.
瞬き も せ ず 空 を 見つめ 、 ロナン は 再び ため息 を ついた 。
まばたき||||から||みつめ|||ふたたび|ためいき||
blink||||sky||gazing|||again|sigh||
Staring at the sky without blinking, Ronan sighs again.
「 いつでも 罪 も ない 者 が 真っ先 に 犠牲 に なる 。
|ざい|||もの||まっさき||ぎせい||
anytime|sin||not|person||first||sacrifice||
The innocent always get sacrificed first.
大昔 から ずっと そう だった 。
おおむかし||||
long ago||||
It's been that way since the beginning of time.
そして 今もなお ……」
|いまもなお
|still
And still ......"
「 あぁ 。
Oh .
だが ロナン 、 何 か 見 なかった か ?
||なん||み||
But, Ronan, did you see something?
いつも と 違う 何 か を ?
||ちがう|なん||
Something out of the ordinary?
」 ハグリッド が もう 一 度 聞いた 。
|||ひと|たび|きいた
Hagrid asked again.
「 今夜 は 火星 が 明るい 」
こんや||かせい||あかるい
tonight||Mars||bright
"Mars is bright tonight."
ハグリッド が イライラ して いる のに 、 ロナン は 同じ こと を 繰り返した 。
||いらいら||||||おなじ|||くりかえした
||irritated||||||same|||repeated
Hagrid was annoyed, but Ronan kept repeating the same thing.
「 いつも と 違う 明る さ だ 」
||ちがう|あかる||
always|||brightness||is
"It's a different kind of brightness than usual."
「 あぁ 、 だが 俺 が 聞きたい の は 火星 より 、 もう ちょいと 自分 に 近い 方 の こと だ が 。
||おれ||きき たい|||かせい||||じぶん||ちかい|かた||||
|||||||Mars|||a little|myself||close|||||
Yeah, but I'm asking about something a little closer to me than Mars.
そう か 、 君 は 奇妙な もの は 何も 気づか なかった んだ な ?
||きみ||きみょうな|||なにも|きづか|||
||you||strange|||||||
I see, you didn't notice anything strange, did you?
」
またしても ロナン は しばらく 答え なかった が 、 ついに こう 言った 。
||||こたえ|||||いった
once again|||for a while||||finally||
Again, Ronan did not answer for a while, but finally he said, "I'm sorry.
「 森 は 多く の 秘密 を 覆い隠す 」
しげる||おおく||ひみつ||おおいかくす
||||secret||to conceal
"The forest hides many secrets."
ロナン の 後ろ の 木立 の 中 で 何 か が 動いた 。
||うしろ||こだち||なか||なん|||うごいた
||||grove|||||||moved
Something moved in the trees behind Ronan.
ハグリッド は また 弓 を 構えた 。
|||ゆみ||かまえた
|||bow||aimed
Hagrid has his bow up again.
だが それ は 別の ケンタウルス だった 。
|||べつの||
|||another|centaur|
But it was another centaur.
真っ黒な 髪 と 胴体 で ロナン より 荒々しい 感じ が した 。
まっくろな|かみ||どうたい||||あらあらしい|かんじ||
jet-black|hair||body||||rough|feeling||
With his pitch-black hair and torso, he had a more rugged look than Ronan.
「 や あ 、 ベイン 。
||Bain
"Hi, Bane.
元気 かね ?
げんき|
How are you?
」 と ハグリッド が 声 を かけた 。
|||こえ||
Hagrid called out to him.
「 こんばん は 。
Good evening .
ハグリッド 、 あなた も 元気です か ?
|||げんきです|
|||well|
How are you, too, Hagrid?
」
「 ああ 、 元気だ 。
|げんきだ
|fine
Yeah, I'm fine.
なあ 、 ロナン に も 今 聞いた んだ が 、 最近 この 辺 で 何 か おかしな 物 を 見 ん かった か ?
||||いま|きいた|||さいきん||へん||なん|||ぶつ||み|||
||||||||recently||area|||||||||did|
Hey, I was just asking Ronan if he's seen anything strange around here lately?
実は ユニコーン が 傷つけられて な …… おまえ さん 何か知ら ん かい ?
じつは|||きずつけ られて||||なにかしら||
|||hurt||||some information||question marker
Actually, the unicorn was hurt. ...... You don't know anything about that, do you?
」
ベイン は ロナン の そば まで 歩いて いき 、 隣 に 立って 空 を 見上げた 。
||||||あるいて||となり||たって|から||みあげた
Bain||||||||next|||sky||
Bane walked over to Ronan and stood next to him, looking up at the sky.
「 今夜 は 火星 が 明るい 」 ベイン は それ だけ 言った 。
こんや||かせい||あかるい|||||いった
||Mars||bright|||||
"Mars is bright tonight," was all Bain said.
「 もう それ は 聞いた 」 ハグリッド は 不機嫌 だった 。
|||きいた|||ふきげん|
||||||grumpy|
"I've already heard that," Hagrid grumbled.
「 さーて 、 もし お 二 人 さん の どっち か でも 何 か 気 が ついたら 俺 に 知らせて くれ 、 たのむ 。
|||ふた|じん||||||なん||き|||おれ||しらせて||
well|||||||which||||||||I||let me know||ask
Well, if either of you two notice anything, let me know, please.
さあ 、 俺 たち は 行こう か 」
|おれ|||いこう|
|I||||
Come on, we're going.
ハリー と ハーマイオニー は ハグリッド の 後 に ついて そこ から 離れた 。
||||||あと|||||はなれた
||||||after|||||moved
Harry and Hermione followed Hagrid away.
二 人 は 肩 越し に 何度 も 振り返り 、 木立 が 邪魔 して 見え なく なる まで 、 ロナン と ベイン を しげしげ と 見つめて いた 。
ふた|じん||かた|こし||なんど||ふりかえり|こだち||じゃま||みえ||||||||||みつめて|
|||shoulder|across||many times||looking back|grove||in the way||||||Ronan||||intently||staring|
They looked back and forth over their shoulders, staring intently at Ronan and Bane until the trees obscured their view.
「 ただ の 一 度 も ──」 ハグリッド は イライラ して 言った 。
||ひと|たび||||いらいら||いった
just||one||even|||||
"Not once," Hagrid said, annoyed.
「 ケンタウルス から はっきり した 答え を もらった ためし が ない 。
||||こたえ|||||
Centaur||clearly|||||experience||
I've never gotten a clear answer from Centauri.
いまいましい 夢想 家 よ 。
|むそう|いえ|
nostalgic|dream|house|
Fucking dreamer.
星 ばかり 眺めて 、 月 より 近く の もの に は なんの 興味 も 持っと らん 」 「 森 に は ケンタウルス が たくさん いる の ?
ほし||ながめて|つき||ちかく||||||きょうみ||じ っと||しげる|||||||
star||gazing|||||||||interest||holding|might||||||||
"He just gazes at the stars and has no interest in anything closer than the moon.
」 と ハーマイオニー が 尋ねた 。
|||たずねた
|||asked
Hermione asked.
「 ああ 、 まあまあ だな ……たいてい やっこ さん たち は あんまり 他の やつ と は 接する こと が ない 。
||だ な||や っこ|||||たの||||せっする|||
|||usually|servant||people||not much|other||||interact|||
Yeah, it's okay. ...... Most of the time these guys don't have much contact with other guys.
だが 俺 が 何 か 聞きたい 時 は 、 ちゃんと 現れる と いう 親切 さ は ある 。
|おれ||なん||きき たい|じ|||あらわれる|||しんせつ|||
but|||||||(topic marker)|properly|appear|||kind|||there
But he is kind enough to show up when I have a question.
連中 は 深い 、 心 が な 。
れんちゅう||ふかい|こころ||
group||deep|hearts||not
They are deep, heartless.
ケンタウルス …… いろんな こと を 知っと る が …… あまり 教えちゃ くれ ん 」 「 さっき 聞いた 音 、 ケンタウルス だった の か な ?
||||ち っと||||おしえちゃ||||きいた|おと|||||
|various|||knew||||taught||||||||||
Centaur ...... knows a lot of things, but ...... won't tell you much." "Was that sound I just heard Centaur?
」 ハリー が 聞いた 。
||きいた
||heard
Harry heard that.
「 あれ が 蹄 の 音 に 聞こえた かね ?
||ひづめ||おと||きこえた|
||hoof|||||
"Did you hear those hoofbeats?
い ー や 、 俺 に は わかる 。
|-||おれ|||
|||I|||understand
No, I know what I'm talking about.
ユニコーン を 殺した ヤツ の 物音 だ …… あんな 音 は 今 まで 聞いた こと が ない 」
||ころした|やつ||ものおと|||おと||いま||きいた|||
|||||sound||||||||||
That's the sound of him killing a unicorn. ...... I've never heard anything like that before."
三 人 は 深く 真っ暗な 茂み の 中 を 進んだ 。
みっ|じん||ふかく|まっくらな|しげみ||なか||すすんだ
|||deep|pitch-black|thicket||||advanced
The three of them went deep into the pitch-dark bushes.
ハリー は 神経質に 何度 も 後ろ を 振り返った 。
||しんけいしつに|なんど||うしろ||ふりかえった
|(topic marker)|nervously|several times||||looked back
Harry nervously looked back several times.
なんとなく 見張られて いる ような 嫌な 感じ が する のだ 。
|みはら れて|||いやな|かんじ|||
somehow|being watched|||unpleasant|feeling|||
I have a bad feeling that I'm being watched.
ハグリッド も いる し 、 おまけに 石 弓 も ある から 大丈夫 、 と ハリー は 思った 。
|||||いし|ゆみ||||だいじょうぶ||||おもった
||||on top of that|stone|bow||||||||
Harry thought that with Hagrid there and the stone bow, he'd be fine.
ちょうど 角 を 曲がった 時 、 ハーマイオニー が ハグリッド の 腕 を つかんだ 。
|かど||まがった|じ|||||うで||
|corner||turned||||||arm||grabbed
Just as they rounded the corner, Hermione grabbed Hagrid's arm.
「 ハグリッド !
Hagrid!
見て 、 赤い 火花 よ 。
みて|あかい|ひばな|
||spark|
Look, red sparks.
ネビル たち に 何 か あった んだ わ !
|||なん||||
Something happened to Neville and the others!
」
「 二 人 と も ここ で 待って ろ 。
ふた|じん|||||まって|
two|||||||(used to command or request someone to do something)
"Both of you, wait here.
この 小道 から 外れる な よ 。
|こみち||はずれる||
|path||to deviate||
Don't get off this path.
すぐ 戻って くる から な 」
|もどって|||
I'll be right back."