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どじょう の なべ
どじょう の なべ
むかし むかし 、 きっ ちょ むさん と 言う 、 とんち の 上手な 人 が い ました 。
ある 日 の 事 、 きっ ちょ むさん は 町 の とうふ 屋 に 行って 、 とうふ を 一丁 買い ました 。
その 帰り道 、 たくさんの ドジョウ を つかまえた 若者 たち が ドジョウ を なべ に 入れて 、 これ から ドジョウ汁 を 作ろう と して いる ところ に 出会い ました 。
なべ の 中 を のぞいて みる と 、 おいし そうな ドジョウ が たくさん 泳いで い ます 。
( うま そうな 、 ドジョウ だ な 。
何とか して 、 あの ドジョウ を 手 に 入れ たい が 。
・・・ そうだ !
) 名案 を 思い つい たき っ ちょ むさん は 、 若者 たち に 頼み ました 。
「 すま ん が 、 この とうふ も 、 ついでに 煮て も いい かな ?
」 「 ああ 、 煮る ぐらい 、 勝手に すれば いい 」 「 それ は 、 す まん 事 で 」 おしゃべりに 夢中な 若者 たち は 、 きっ ちょ むさん の 悪だくみ に 気づき ませ ん 。
きっ ちょ むさん が とうふ を 入れて しばらく する と 、 なべ の お 湯 が どんどん 熱く なって き ました 。
する と ドジョウ たち は 熱い お 湯 から 逃れよう と 、 きっ ちょ むさん の 入れた 冷たい とうふ に 次々 と もぐり 込み ました 。
( よし 、 どんどん 入れ よ 。
・・・ あと 、 一 匹 だ ) きっ ちょ むさん は 、 ドジョウ が 一 匹 残ら ず とうふ に もぐり 込んだ の を 見届ける と 、 「 おおっ 、 そう じゃ !
急ぎ の 用 を 思い出した ので 、 これ で 失礼 する 」 と 、 言って 、 とうふ を ひきあげる と 急いで 家 に 帰って いき ました 。
やがて 、 若者 たち は おしゃべり を 終えて 、 「 さあ 、 もう そろそろ 、 ドジョウ が 食べ頃 に なった はずじゃ 」 と 、 なべ の 中 を のぞき ました 。
すると あれほど いた ドジョウ が 、 一 匹 も い ませ ん 。
「 これ は 、 どうした 事 だ ?
」 ドジョウ が 消えた ので 、 若者 たち は 不思議で なり ませ ん 。
「 どうして 、 ドジョウ が 消えた のだ ?
なべ に 残って いる の は 、 きっ ちょ むさん の 入れた とうふ の かけら だけ だ 。
・・・ あ あっ !
きっ ちょ むさん に して やられた わ !
」 きっ ちょ むさん の 悪だくみ に 気づいた 時 に は 、 もう 後の祭り でした 。
おしまい
どじょう の なべ
loach stew
どじょう の なべ
むかし むかし 、 きっ ちょ むさん と 言う 、 とんち の 上手な 人 が い ました 。
||||||いう|||じょうずな|じん|||
ある 日 の 事 、 きっ ちょ むさん は 町 の とうふ 屋 に 行って 、 とうふ を 一丁 買い ました 。
|ひ||こと|||||まち|||や||おこなって|||ひと ちょう|かい|
その 帰り道 、 たくさんの ドジョウ を つかまえた 若者 たち が ドジョウ を なべ に 入れて 、 これ から ドジョウ汁 を 作ろう と して いる ところ に 出会い ました 。
|かえりみち||どじょう|||わかもの|||どじょう||||いれて|||どじょう しる||つくろう||||||であい|
なべ の 中 を のぞいて みる と 、 おいし そうな ドジョウ が たくさん 泳いで い ます 。
||なか||||||そう な|どじょう|||およいで||
( うま そうな 、 ドジョウ だ な 。
|そう な|どじょう||
何とか して 、 あの ドジョウ を 手 に 入れ たい が 。
なんとか|||どじょう||て||いれ||
I want to get that loach somehow.
・・・ そうだ !
そう だ
) 名案 を 思い つい たき っ ちょ むさん は 、 若者 たち に 頼み ました 。
めいあん||おもい|||||||わかもの|||たのみ|
「 すま ん が 、 この とうふ も 、 ついでに 煮て も いい かな ?
|||||||にて|||
I'm sorry, but do you mind if I boil this tofu as well?
」 「 ああ 、 煮る ぐらい 、 勝手に すれば いい 」 「 それ は 、 す まん 事 で 」 おしゃべりに 夢中な 若者 たち は 、 きっ ちょ むさん の 悪だくみ に 気づき ませ ん 。
|にる||かってに|||||||こと|||むちゅうな|わかもの|||||||わるだくみ||きづき||
きっ ちょ むさん が とうふ を 入れて しばらく する と 、 なべ の お 湯 が どんどん 熱く なって き ました 。
||||||いれて|||||||ゆ|||あつく|||
After a while, the water in the pot got hotter and hotter.
する と ドジョウ たち は 熱い お 湯 から 逃れよう と 、 きっ ちょ むさん の 入れた 冷たい とうふ に 次々 と もぐり 込み ました 。
||どじょう|||あつい||ゆ||のがれよう||||||いれた|つめたい|||つぎつぎ|||こみ|
( よし 、 どんどん 入れ よ 。
||いれ|
・・・ あと 、 一 匹 だ ) きっ ちょ むさん は 、 ドジョウ が 一 匹 残ら ず とうふ に もぐり 込んだ の を 見届ける と 、 「 おおっ 、 そう じゃ !
|ひと|ひき||||||どじょう||ひと|ひき|のこら|||||こんだ|||みとどける||おお っ||
急ぎ の 用 を 思い出した ので 、 これ で 失礼 する 」 と 、 言って 、 とうふ を ひきあげる と 急いで 家 に 帰って いき ました 。
いそぎ||よう||おもいだした||||しつれい|||いって|||||いそいで|いえ||かえって||
やがて 、 若者 たち は おしゃべり を 終えて 、 「 さあ 、 もう そろそろ 、 ドジョウ が 食べ頃 に なった はずじゃ 」 と 、 なべ の 中 を のぞき ました 。
|わかもの|||||おえて||||どじょう||たべごろ|||||||なか|||
すると あれほど いた ドジョウ が 、 一 匹 も い ませ ん 。
|||どじょう||ひと|ひき||||
I found that none of the loaches I had seen before were there.
「 これ は 、 どうした 事 だ ?
|||こと|
」 ドジョウ が 消えた ので 、 若者 たち は 不思議で なり ませ ん 。
どじょう||きえた||わかもの|||ふしぎで|||
「 どうして 、 ドジョウ が 消えた のだ ?
|どじょう||きえた|
なべ に 残って いる の は 、 きっ ちょ むさん の 入れた とうふ の かけら だけ だ 。
||のこって||||||||いれた|||||
・・・ あ あっ !
きっ ちょ むさん に して やられた わ !
You did this to me!
」 きっ ちょ むさん の 悪だくみ に 気づいた 時 に は 、 もう 後の祭り でした 。
||||わるだくみ||きづいた|じ||||あとのまつり|
おしまい