力持ち の ノミ ちからもち||のみ powerful flea

力持ち の ノミ ちからもち||のみ

むかし むかし の 、 夏 の 暑い 日 。 |||なつ||あつい|ひ 牧場 ( ぼくじょう ) で 働いて いる 男 が 町 に 住む 主人 の ところ へ ミルク や チーズ を 運ぼう と 、 ロバ を ウマ 小屋 から 引き出して 支度 を はじめ ました 。 ぼくじょう|||はたらいて||おとこ||まち||すむ|あるじ||||みるく||ちーず||はこぼう||ろば|||こや||ひきだして|したく||| はじめ に ロバ の 背中 に 、 クッション と なる ワラ を しき ました 。 ||ろば||せなか||くっしょん|||わら||| ワラ の 上 に 木 の くら を 置き 、 くら の 上 に 布 を かけ ました 。 わら||うえ||き||||おき|||うえ||ぬの||| さて 今度 は 、 荷物 を つむ 番 です 。 |こんど||にもつ|||ばん| まず ミルク を 入れた 大きな ツボ を 四 つ 、 ロバ の 右 と 左 に 二 つ ずつ 付け ました 。 |みるく||いれた|おおきな|つぼ||よっ||ろば||みぎ||ひだり||ふた|||つけ| それ から ヤギ の チーズ の 固まり を 八 つ 持って きて 、 右 と 左 に 四 つ ずつ 付け ました 。 ||やぎ||ちーず||かたまり||やっ||もって||みぎ||ひだり||よっ|||つけ| 「 やれやれ 、 これ で つみ おえた 」 　 ところが その 時 、 大変な 事 を 思い出し ました 。 |||||||じ|たいへんな|こと||おもいだし| 主人 の おじょうさん と お ぼっちゃん が 、 泊まりがけ で 遊び に 来て いた のです 。 あるじ|||||||とまりがけ||あそび||きて||の です この 二 人 を 、 送って 行か なくて は なり ませ ん 。 |ふた|じん||おくって|いか||||| 男 は 主人 の 子ども たち を 、 くら の 上 に 背中合わせ で 座ら せ ました 。 おとこ||あるじ||こども|||||うえ||せなかあわせ||すわら|| 途中 で けんか を さ れたら 、 困る から です 。 とちゅう||||||こまる|| これ だけ の 事 を する と 、 男 は ヘトヘト に 疲れ ました 。 |||こと||||おとこ||||つかれ| ロバ も 、 しんど そうな 顔 を して い ます 。 ろば|||そう な|かお|||| その 時 、 どこ から と も なく 一 匹 の ノミ が やってきて 、 ピョーン と 男 の そで に 飛び上がり ました 。 |じ||||||ひと|ひき||のみ|||||おとこ||||とびあがり| それ から ノミ は ロバ に 飛び 移って キョロキョロ と あたり を 見まわ し 、 ロバ の 背中 の やわらかな ワラ の 間 に もぐり 込み ました 。 ||のみ||ろば||とび|うつって|||||みまわ||ろば||せなか|||わら||あいだ|||こみ| 「 しめ 、 しめ 。 いい 日かげ が あった ぞ 。 |ひかげ||| ちょいと 、 昼寝 でも する と しよう 」 |ひるね||||

さて 、 男 と ロバ は 町 へ 出発 し ました 。 |おとこ||ろば||まち||しゅっぱつ|| 太陽 が ジリジリ と 、 焼ける ような 暑 さ です 。 たいよう||じりじり||やける||あつ|| 男 は 川 から 上がった ように 、 汗 ビッショリ に なり ました 。 おとこ||かわ||あがった|よう に|あせ|びっしょり||| ロバ は 、 あんまり 荷物 が 重い ので 、 足 が フラフラ です 。 ろば|||にもつ||おもい||あし||ふらふら| ロバ の 上 の 子ども たち も 、 グッタリ して い ました 。 ろば||うえ||こども|||ぐったり||| ところが ノミ は ロバ の 背中 の やわらかい ワラ に もぐり 込んで 、 まるで ゆりかご に ゆられて いる ように 良い 気持 で 眠って い ました 。 |のみ||ろば||せなか|||わら|||こんで||||||よう に|よい|きもち||ねむって|| ノミ が 目 を 覚ました の は 、 男 が やっと 町 の 主人 の 家 へ たどりついた 時 でした 。 のみ||め||さました|||おとこ|||まち||あるじ||いえ|||じ| ノミ は ワラ から はい出 して みて 、 ビックリ し ました 。 のみ||わら||はいしゅつ|||びっくり|| 「 これ は また 、 すごい 荷物 だ ！ ||||にもつ| まるで 山 の ようだ 」 　 ノミ は 自分 が 、 これ だけ の 荷物 を 運んで 来た ような 気 が して き ました 。 |やま|||のみ||じぶん|||||にもつ||はこんで|きた||き|||| ノミ は 得意 そうに 、 さけび ました 。 のみ||とくい|そう に|| 「 お ー い 、 みんな 。 |-|| この おれ さま が かついで きた 荷物 を 見てくれ ！ ||||||にもつ||みてくれ ものすごい 重 さ だ ぜ 。 |おも||| どう だい 。 大した 力持ち だろう 」 　 ノミ は ウキウキ して 、 男 の そで に 飛び 移り ました 。 たいした|ちからもち||のみ||うきうき||おとこ||||とび|うつり| 男 は 主人 の 子ども たち を おろして から 、 荷物 を 次々 と おろし ました 。 おとこ||あるじ||こども|||||にもつ||つぎつぎ||| それ から ロバ の くら を はずして 、 ロバ の 体 を さすって やり ました 。 ||ろば|||||ろば||からだ|||| それ を 見た ノミ は 、 腹 を 立てて 怒り ます 。 ||みた|のみ||はら||たてて|いかり| 「 なんて こった ！ 重い 荷物 を かついで 来た 、 この おれ さま の 事 は ほっといて 、 ロバ の 奴 ばっかり チヤホヤ して い やがる 。 おもい|にもつ|||きた|||||こと|||ろば||やつ||ちやほや|||や がる ロバ の 奴 、 ろくな 事 も 出来 ない くせ に 、 いい気に なって る な 。 ろば||やつ||こと||でき||||いいきに||| ようし 、 こいつ を やっつけて やれ 」 　 ノミ は ピョーン と ロバ の 鼻 に 飛び 移って 、 チクリ と かみついて やり ました 。 |||||のみ||||ろば||はな||とび|うつって||||| ビックリ した ロバ は 暴れ 出して 、 そば の ミルクツボ を ひっくり返して しまい ました 。 びっくり||ろば||あばれ|だして|||||ひっくりかえして|| それ を 見た 男 は 、 ロバ の 鼻 を 殴り つけ ました 。 ||みた|おとこ||ろば||はな||なぐり|| プチッ ！ ロバ の 鼻 に とまって いた 力持ち の ノミ は 叩き つぶさ れて 、 かげ も 形 も なくなって しまい ました 。 ろば||はな||||ちからもち||のみ||たたき|||||かた||||

出来 も し ない こと で いばったり する と 、 こんな 目 に 会い ます よ 。 でき||||||||||め||あい||

おしまい