盾 の 勇者 の 成り 上がり 02 Chapter 05 (1) たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter Rise of the Shield Heroes 02 Kapitel 05 (1) Rise of the Shield Heroes 02 Chapter 05 (1)

五 話 蹴り 逃げ いつ|はなし|けり|にげ

翌朝 、 今日 は ラフタリア も 早く に 起き 出した ので 一緒に 馬 小屋 に 顔 を 出す 。 よくあさ|きょう||||はやく||おき|だした||いっしょに|うま|こや||かお||だす

「 グア ！ 俺 達 が 来る と フィーロ は 嬉し そうに 声 を 出して 駆け寄って きた 。 おれ|さとる||くる||||うれし|そう に|こえ||だして|かけよって|

「 もう 、 体 は 大人 な の か ？ |からだ||おとな||| 心なしか …… 昨日 より 頭 一 個 分 大きく なって いる 。 こころなしか|きのう||あたま|ひと|こ|ぶん|おおきく||

城下町 や 街道 で 見る フィロリアル の 外見 と 殆ど 変わら ない 姿 だ 。 じょうかまち||かいどう||みる|||がいけん||ほとんど|かわら||すがた|

色 は 白 …… で 、 少し 桜 色 が 混じって いる 。 いろ||しろ||すこし|さくら|いろ||まじって| 綺麗な 色合い だ 。 きれいな|いろあい|

「 腹 は 減って ない の か ？ はら||へって||| 「 グア ？ フィーロ は 首 を 傾げて 鳴く 。 ||くび||かしげて|なく うん 。 もう 成長 期 は 抜けた みたいだ な 。 |せいちょう|き||ぬけた||

ビキ ……。

相変わらず 変な 音 が 響いて いる 。 あいかわらず|へんな|おと||ひびいて| 急 成長 した 所 為 で まだ 体 が 追い付いて いない の かも 。 きゅう|せいちょう||しょ|ため|||からだ||おいついて||| その後 、 朝食 を 終えた 俺 達 は これ から どう する か を 相談 した 。 そのご|ちょうしょく||おえた|おれ|さとる||||||||そうだん|

村 は 現在 復興 作業 で 大忙しだ 。 むら||げんざい|ふっこう|さぎょう||おおいそがしだ

「 グア ……」

村 の 中 を 通って いく 木製 の 荷車 を フィーロ は 羨ま し そうに 見つめて いた 。 むら||なか||かよって||もくせい||にぐるま||||うらやま||そう に|みつめて|

「 やっぱ アレ を 引きたい の か ？ や っぱ|||ひき たい|| 「 です か ねぇ 」

「 どうした の です か 、 勇者 様 ？ ||||ゆうしゃ|さま 俺 が 荷車 を 指差して ラフタリア と 雑談 を して いる と 村 の 男 が 聞いて くる 。 おれ||にぐるま||ゆびさして|||ざつだん|||||むら||おとこ||きいて|

「 ああ 、 俺 の フィロリアル が 荷車 を 見て いた から 、 引きたい の かって 話 を して た んだ 」 「 まあ …… フィロリアル は そういう 習性 が あります から ね 」 納得 した ように 男 は 頷き 、 俺 の フィロリアル に 目 を 向ける 。 |おれ||||にぐるま||みて|||ひき たい|||はなし|||||||||しゅうせい||あり ます|||なっとく|||おとこ||うなずき|おれ||||め||むける 「 今 この 村 の 建物 は 修復 中 で 人手 が 足りない のです よ 。 いま||むら||たてもの||しゅうふく|なか||ひとで||たりない|| 勇者 様 、 なんなら 荷車 を 一 つ 提供 する の を 条件 に 手伝って くれません か ？ ゆうしゃ|さま||にぐるま||ひと||ていきょう||||じょうけん||てつだって|くれ ませ ん| 「 む ……」

悪い 話 じゃ ない 。 わるい|はなし|| せっかく そういう 魔物 が 手 に 入った のだ から 利用 し ない 手 は ない 。 ||まもの||て||はいった|||りよう|||て|| 上手く いけば 移動 中 に 別の 作業 が できる ように なる 。 うまく||いどう|なか||べつの|さぎょう||||

「 何 を すれば 良い んだ ？ なん|||よい| 「 近く の 森 で 足りなく なった 材木 を 切って います ので 、 村 に 持ってきて 欲しい のです よ 」 「 森 か ……」 そう いえば あの 森 に は 行って なかった 。 ちかく||しげる||たりなく||ざいもく||きって|い ます||むら||もってきて|ほしい|||しげる|||||しげる|||おこなって| 「 帰り が 遅く なる が 良い か ？ かえり||おそく|||よい| 「 ええ 」

なんて 話 を して いる と 、 村 の 外 から 見覚え の ある 奴 が こっち に 向かって 騎竜 が 引く 馬車 に 乗って 走って きた 。 |はなし|||||むら||がい||みおぼえ|||やつ||||むかって|きりゅう||ひく|ばしゃ||のって|はしって|

くさり かた びら を 着込んだ 銀色 の 胸 当て 、 そして 目立つ 槍 。 ||||きこんだ|ぎんいろ||むね|あて||めだつ|やり

そう 、 元康 と ビッチ が 馬車 から 降りて 来た 。 |もとやす||||ばしゃ||おりて|きた

「 お ー い ！ |-| ここ の 村人 達 ー 集まれ ー ！ ||むらびと|さとる|-|あつまれ|- そして 復興 中 の 村 の 真ん中 で 大々的に 人 を 集め 出した 。 |ふっこう|なか||むら||まんなか||だいだいてきに|じん||あつめ|だした そして ビッチ が 代表 して 羊 皮 紙 を 広げて 大々的に 宣言 する 。 |||だいひょう||ひつじ|かわ|かみ||ひろげて|だいだいてきに|せんげん|

「 国民 の 皆さま 。 こくみん||みなさま この度 、 波 で の 功績 を 称え 、 槍 の 勇者 である モトヤス ・ キタムラ 様 が 王 から この 地 の 領主 に 任命 さ れた こと を ここ に 伝えます 」 は ぁ ？ このたび|なみ|||こうせき||たたえ|やり||ゆうしゃ||||さま||おう|||ち||りょうしゅ||にんめい|||||||つたえ ます|| 領主って 元康 が ？ りょうしゅ って|もとやす| 俺 の 疑問 を 余 所 に 元康 は したり顔 で 言った 。 おれ||ぎもん||よ|しょ||もとやす||したりがお||いった

「 と いう わけで ここ の 新たな 領主 に なった 槍 の 勇者 である 北村 元 も 康 だ 。 |||||あらたな|りょうしゅ|||やり||ゆうしゃ||きたむら|もと||やす| 村 の 復興 を 頼ま れた ！ むら||ふっこう||たのま| 今後 と も よろしく な ！ こんご|||| まずは 財源 確保 を して から 資材 を 購入 する んだ ！ |ざいげん|かくほ||||しざい||こうにゅう|| 「「「 は !?」」」

村人 の 殆ど が 眉 を 寄せて 困惑 の 表情 を 浮かべた 。 むらびと||ほとんど||まゆ||よせて|こんわく||ひょうじょう||うかべた

そりゃ あ そうだ 。 ||そう だ 波 で の 活躍 を 称えって 言われて も 、 村 に 被害 が 出て いる 時 に 何も し なかった 槍 の 勇者 が 勝手に ここ の 領主 に なった なんて 話 、 受け入れられる はず も ない 。 なみ|||かつやく||たたえ って|いわ れて||むら||ひがい||でて||じ||なにも|||やり||ゆうしゃ||かってに|||りょうしゅ||||はなし|うけいれ られる||| と いう か 功績 で 領主 か よ 。 |||こうせき||りょうしゅ|| どん だけ 優遇 されて んだ 。 ||ゆうぐう|さ れて| 「 領主 は 私 である はずです が ？ りょうしゅ||わたくし||| この 村 の 代表 を して いる 奴 が 手 を 上げて 質問 して いる 。 |むら||だいひょう||||やつ||て||あげて|しつもん|| 当然だ な 。 とうぜんだ| いきなり そんな 事 を 言われて も 『 はい そうです か 』 なんて 納得 できる はず も ない 。 ||こと||いわ れて|||そう です|||なっとく|||| いや 、 国 の 決定 なら 納得 する しか ない だろう が 、 それ でも 寝耳 に 水 だ ろ 。 |くに||けってい||なっとく||||||||ねみみ||すい||

「 な んです か ？ 村人 風情 が 王 の 決定 に 異 を 唱える の ？ むらびと|ふぜい||おう||けってい||い||となえる| 「 そう 言う わけ では ありません が 突然の 物言い 、 それ に ──」 「 お 黙り なさい ！ |いう|||あり ませ ん||とつぜんの|ものいい||||だまり| ビッチ の 奴 は 相変わらず 偉 そうだ な 。 ||やつ||あいかわらず|えら|そう だ| 本当 殴り 飛ばして やりたい 。 ほんとう|なぐり|とばして|やり たい と 言う か 、 この 村 は 元康 の 物 に なって しまう ？ |いう|||むら||もとやす||ぶつ||| く …… また 移動 し ない と いけない の か よ 。 ||いどう||||||| ここ は 、 宿 代 を オマケ して くれる から しばらく 拠点 に し たかった のに 。 ||やど|だい|||||||きょてん||||

「 なんだ ？ なんで 尚文 が ここ に 居る んだ ？ |なおふみ||||いる| 元康 が 俺 を 見つけて 話しかけて くる 。 もとやす||おれ||みつけて|はなしかけて|

「 ここ を 拠点 に して んだ よ 」 ||きょてん||||

「 あら ？ まだ こんな 所 に いら した の ？ ||しょ|||| さすが は 盾 、 随分 と 遅れて らっしゃる の ね 。 ||たて|ずいぶん||おくれて||| でも これ から この 村 は モトヤス 様 が 統治 なさる の よ 。 ||||むら|||さま||とうち||| 犯罪 者 は さっさと 出て 行き なさい 」 はんざい|もの|||でて|いき|

う ぜ ぇ ！

実質 ビッチ が 支配 する ような 状況 だ ろ ？ じっしつ|||しはい|||じょうきょう|| 考えられる の は ……。 かんがえ られる|| 「 まずは この 村 の 出入り に 税 を 掛けます 。 ||むら||でいり||ぜい||かけ ます そう しなければ 復興 は 遠く なります から ね 。 |し なければ|ふっこう||とおく|なり ます|| 税 は 入る のに 銀貨 五〇 枚 、 出る のに 銀貨 五〇 枚 。 ぜい||はいる||ぎんか|いつ|まい|でる||ぎんか|いつ|まい 合計 金貨 一 枚 に しましょう 」 「 そんな ！ ごうけい|きんか|ひと|まい||し ましょう| そんな 事 を したら 生きて いけません ！ |こと|||いきて|いけ ませ ん 「 そこ まで の 大金 か ？ |||たいきん| 元康 の 奴 、 金銭 感覚 が 欠如 して や がる 。 もとやす||やつ|きんせん|かんかく||けつじょ|||

金貨 一 枚って …… 相当な 金 だ 。 きんか|ひと|まい って|そうとうな|きむ| 少なくとも この 村 で 大人 一 人 が 一 日 を 慎ま しく 生活 する と して 銅貨 二〇 枚 も あれば 十分だ 。 すくなくとも||むら||おとな|ひと|じん||ひと|ひ||つつしま||せいかつ||||どうか|ふた|まい|||じゅうぶんだ 宿 を 取る と したら 銀貨 一 枚 で 食事 が 付く 。 やど||とる|||ぎんか|ひと|まい||しょくじ||つく

その 一〇〇 日 分 だ ぞ 。 |ひと|ひ|ぶん|| 正直 、 明日 食う の も 厳しく なる くらい 重い 税率 だ 。 しょうじき|あした|くう|||きびしく|||おもい|ぜいりつ|

「 な んです か ？ 私 達 の 話 が 受け入れられ ない と でも ？ わたくし|さとる||はなし||うけいれ られ||| 「 そりゃ あ そうだ ろ 」 ||そう だ|

俺 が 異 を 唱える と ビッチ が 俺 を 睨みつける 。 おれ||い||となえる||||おれ||にらみつける

「 いきなり 村 に やってきて ここ の 領主 だ 。 |むら|||||りょうしゅ| 税金 を 課すって …… よく 考えろ 」 「 そう いえば 、 そう だ よ な 。 ぜいきん||か すって||かんがえろ|||||| マイン 、 村 の 人 が 生活 できる 程度 で いい んじゃ ない か ？ |むら||じん||せいかつ||ていど||||| 元康 が 頷いて ビッチ に 尋ねる 。 もとやす||うなずいて|||たずねる

すると ビッチ の 奴 が 一瞬 だけ 鬼 の 形相 で 俺 を 睨んだ 後 、 元康 に 微笑む 。 |||やつ||いっしゅん||おに||ぎょうそう||おれ||にらんだ|あと|もとやす||ほおえむ

「 こういう 時 は 痛み を 伴う 改革 を 起こさ ねば いつまでも 復興 など しません 。 |じ||いたみ||ともなう|かいかく||おこさ|||ふっこう||し ませ ん 前 の 領主 は 王 の 権限 で 解雇 します 」 「 そんな ！ ぜん||りょうしゅ||おう||けんげん||かいこ|し ます| 横暴な ！ おうぼうな 領主 が 解雇 に 対して 異議 を 唱える 。 りょうしゅ||かいこ||たいして|いぎ||となえる もちろん 村 の 連中 も 同様だ 。 |むら||れんちゅう||どうようだ

「 ふざける な ー ！ ||- 「 お前達 が 俺 達 に 何 を して くれ たって んだ ！ おまえたち||おれ|さとる||なん||||| 「 あら あら 、 国 の 決定 に 異議 を 唱える と は …… その 身をもって 知る しか ない よう ね 」 ||くに||けってい||いぎ||となえる||||みをもって|しる||||

ビッチ が 手 を 上げる と 村 の 外れ から 騎士 が 騎竜 に 乗って くる 。 ||て||あげる||むら||はずれ||きし||きりゅう||のって|

武力 行使 に 出る つもり か ？ ぶりょく|こうし||でる|| どこ の 暴君 だ 。 ||ぼうくん|

元康 の 奴 も 、 この 事態 に 焦った ような 顔 を して いる 。 もとやす||やつ|||じたい||あせった||かお||| 犯人 は お前 だろう が ！ はんにん||おまえ||

「 いい加減に ──」 いいかげんに

俺 が 怒鳴ろう と した の と ほぼ 同時 だった と 思う 。 おれ||どなろう||||||どうじ|||おもう

ビッチ の 周り に 忍者 みたいな 格好 を した 黒 装束 の 集団 が 現れた 。 ||まわり||にんじゃ||かっこう|||くろ|しょうぞく||しゅうだん||あらわれた

「 な ──」

「 マイン 殿 です ね 。 |しんがり|| 我等 の 事 は ご存じ でしょう 。 われら||こと||ごぞんじ| 一 通 の 書状 を お 持ち いたしました 」 「 なんで すって ？ ひと|つう||しょじょう|||もち|いたし ました|| そして 忍者 みたいな 連中 の 一 人 が ビッチ に 一 枚 の 羊 皮 紙 を 渡す 。 |にんじゃ||れんちゅう||ひと|じん||||ひと|まい||ひつじ|かわ|かみ||わたす

隠密 と か 、 暗殺 者って 奴 か ？ おんみつ|||あんさつ|もの って|やつ| この 国 に も いる んだ な 。 |くに|||||

不機嫌 そうに その 羊 皮 紙 を 読んで いく ビッチ 。 ふきげん|そう に||ひつじ|かわ|かみ||よんで|| その 顔色 が みるみる 青ざめて いく 。 |かおいろ|||あおざめて|

なんだ ？ 何 が 書かれて いる んだ ？ なん||かか れて|| 「 お前 等 は 一体 ？ おまえ|とう||いったい 「 私 達 は とある 方 の 命 で 動いて おります 。 わたくし|さとる|||かた||いのち||うごいて|おり ます いずれ 、 お わかり に なる でしょう 」

「 いや ……」

答えろ よ 。 こたえろ| いずれって もったいぶる んじゃ ねえ よ 。 いずれ って|||| と 、 言おう と した その 時 。 |いおう||||じ

「 勝負 よ ！ しょうぶ| ビッチ が 高らかに 宣言 する 。 ||たからかに|せんげん|

「 は ぁ ？ いきなり 勝負 と か 言われて も 訳 が わから ね ー 。 |しょうぶ|||いわ れて||やく||||- 元康 も 事態 に ついて いけ ず に 首 を 傾げて ん ぞ 。 もとやす||じたい||||||くび||かしげて||

「 私 達 の 所持 する ドラゴン と レース で 村 の 権利 を 賭けて 勝負 なさい ！ わたくし|さとる||しょじ||||れーす||むら||けんり||かけて|しょうぶ| 「 何 言って んだ 、 お前 」 なん|いって||おまえ

その 羊 皮 紙 の 内容 が どんな もの か は 知ら ない けど 、 そんな 無 茶 が 通る はず ないだ ろ 。 |ひつじ|かわ|かみ||ないよう||||||しら||||む|ちゃ||とおる|||

「 じゃ なきゃ 譲ら ない わ ！ ||ゆずら|| ビッチ の 宣言 に 忍者 集団 が ヒソヒソ と 相談 を 始める 。 ||せんげん||にんじゃ|しゅうだん||ひそひそ||そうだん||はじめる そして 領主 も 加わる ように 指示 して 話し合う 。 |りょうしゅ||くわわる||しじ||はなしあう

「 では 勝負 で 良い でしょう 。 |しょうぶ||よい| では 村 で 足 の 速い 魔物 を 出す と しましょう 」 「 いいえ ──」 何故 か ビッチ は 俺 の 方 を 指差し 、 俺 が 手綱 を 握って いる フィーロ を 指差す 。 |むら||あし||はやい|まもの||だす||し ましょう||なぜ||||おれ||かた||ゆびさし|おれ||たづな||にぎって||||ゆびさす 「 盾 の 勇者 を 指名 します 」 「 な ──」 事もあろうに 部 外 者 である 俺 を 指名 するって どういう 事 だ よ ！ たて||ゆうしゃ||しめい|し ます||こともあろうに|ぶ|がい|もの||おれ||しめい|する って||こと|| 領主 が 俺 の 方 を 見て ニヤリ と 笑う 。 りょうしゅ||おれ||かた||みて|||わらう

「 盾 の 勇者 様 、 どう か ご 協力 を お 願い でき ない でしょう か ？ たて||ゆうしゃ|さま||||きょうりょく|||ねがい|||| 昨日 拝見 いたしました ところ 、 勇者 様 の フィロリアル は 相当 足 に 自信 が ある と 思う のです が ？ きのう|はいけん|いたし ました||ゆうしゃ|さま||||そうとう|あし||じしん||||おもう|| 「 断る ！ ことわる なんで 俺 が そんな 面倒な 事 を し なきゃ なら ん 。 |おれ|||めんどうな|こと|||||

「 勝った 暁 に は 色々 と 報奨 を 約束 致します ので 」 「 負けた 場合 は ？ かった|あかつき|||いろいろ||ほうしょう||やくそく|いたし ます||まけた|ばあい| 「 特に 何も …… それ に 勇者 様 の フィロリアル はやる 気 が ある ようです し 」 とくに|なにも|||ゆうしゃ|さま||||き||||

フィーロ が なんか 騎竜 相手 に バチバチ と 視線 で 応酬 して いる ようだ 。 |||きりゅう|あいて||||しせん||おうしゅう||| このまま 手綱 を 放したら 今にも 飛びかかり そうな 剣幕 で 元康 の 所持 する 騎竜 と 睨み合って いる 。 |たづな||はなしたら|いまにも|とびかかり|そう な|けんまく||もとやす||しょじ||きりゅう||にらみあって|

「 フィロリアル と ドラゴン は 仲 が 悪い 種族 ゆえ 、 こういった 勝負事 だ と やる 気 を 出す のです 」 ||||なか||わるい|しゅぞく|||しょうぶごと||||き||だす|

なんとも 面倒な 事 で 。 |めんどうな|こと| だが 、 一応 負けて も 損 は ない か ……。 |いちおう|まけて||そん|||

「 どう します か ナオフミ 様 ？ |し ます|||さま 「 う ー む ……」 |-|

元康 の 領地 に なんて 居 たく ない し 、 村 の 連中 に は 悪い が 拠点 を 移さ せて もらう しか ない 。 もとやす||りょうち|||い||||むら||れんちゅう|||わるい||きょてん||うつさ||||

そう なら ない ように 勝って 、 しばらく 滞在 したい ところ だ 。 ||||かって||たいざい|し たい|| 「 わかった 。 じゃあ 相手 を し ようじゃ ない か 」 |あいて|||||

俺 は 渋々 フィーロ の 背中 に 乗って 準備 する 。 おれ||しぶしぶ|||せなか||のって|じゅんび| そして 元康 の 方 へ と 行く 。 |もとやす||かた|||いく

「 ぶ はっ！ や べ 、 ツボ に はまった 。 ||つぼ|| ぶ わ は は は は は はっは は ！ |||||||はっ は| 奴 は そんな 俺 の 姿 を 見る なり 腹 を 抱えて 笑い 出した 。 やつ|||おれ||すがた||みる||はら||かかえて|わらい|だした

一体 何 が ツボ に はまった の か は 知ら ん が 、 笑われて いる だけ で ムカムカ して くる 。 いったい|なん||つぼ||||||しら|||わらわ れて||||むかむか||

「 いきなり な んだ 。 元康 」 もとやす

「 だ 、 だって よ ！ 最初 は 変な 鳥 を 連れて る なって 思った けど 、 まさか それ で 勝負 する なんて 思わ なかった んだ よ ！ さいしょ||へんな|ちょう||つれて|||おもった|||||しょうぶ|||おもわ||| 「 何 が ？ なん| フィロリアル の 乗り 方 に 間違い は ないだ ろ ？ ||のり|かた||まちがい||| 俺 が 連れて いた フィロリアル を 何 だ と 思って いた んだろう か ？ おれ||つれて||||なん|||おもって|||

「 ダッセェエエエエエエ ！ ドラゴン じゃ なくて 鳥 だ し 、 なんだ よこ の 色 、 白 に して は 薄い ピンク が 混じって いる し 、 純白だ ろ 普通 。 |||ちょう||||||いろ|しろ||||うすい|ぴんく||まじって|||じゅんぱくだ||ふつう 思いっきり 安物 だ な 、 おい ！ おもいっきり|やすもの||| 「 何 が 普通 か は 知ら ん が ……」 なん||ふつう|||しら||

コイツ の 笑い の ツボ が わから ん 。 ||わらい||つぼ|||

そう 考えて いる と 元康 は フィーロ を 指差し ながら 近づいて きた 。 |かんがえて|||もとやす||||ゆびさし||ちかづいて|

「 グアアアア ！ フィーロ が 元康 の 股 間 目掛けて 強靭な 足 で 蹴り 上げた 。 ||もとやす||また|あいだ|めがけて|きょうじんな|あし||けり|あげた

俺 に は 見えた 。 おれ|||みえた ヘラヘラ と 笑って いた 元康 が 顔 を 衝撃 で 変に 歪ま せ ながら 後方 に 五 メートル くらい 錐 揉み 回転 し ながら 飛んで いく の を 。 へらへら||わらって||もとやす||かお||しょうげき||へんに|ゆがま|||こうほう||いつ|めーとる||きり|もみ|かいてん|||とんで|||

「 う げ ……」

いや ぁ …… 最高の 瞬間 。 ||さいこうの|しゅんかん こんな 場面 に 立ち 会える と は 夢にも 思わ なかった 。 |ばめん||たち|あえる|||ゆめにも|おもわ|

「 キ 、 キャアアアアアアアアアア ！ モトヤス 様 ！ |さま は は 、 アレ は 玉 が 潰れた な 。 ||||たま||つぶれた|

すっげ え 爽快 。 す っげ||そうかい これ が 見 れた だけ でも フィーロ を 買った 価値 が ある な 。 ||み||||||かった|かち||| さすが 俺 の 魔物 だ 。 |おれ||まもの| 俺 の 代わり に 復讐 して くれた わけ か 。 おれ||かわり||ふくしゅう|||| フィーロ 、 今夜 は 特別に 美味 物 を 食わせて やる ぞ 。 |こんや||とくべつに|びみ|ぶつ||くわせて||

「 グアアアアアアアア ！ 「 卑怯 よ ！ ひきょう| モトヤス 様 を 攻撃 する なんて ！ |さま||こうげき|| 「 まだ レース は 始まって ないだ ろ 。 |れーす||はじまって|| そもそも 不用意に 近づく から こう なる んだ ろ 」 |ふよういに|ちかづく|||||

「 くう …… て め ぇ 」

股 間 を 押さえ ながら 元康 は 立ち上がる 。 また|あいだ||おさえ||もとやす||たちあがる 脂汗 を 噴き出して いる ところ を 見る に 相当 痛かった らしい な 。 あぶらあせ||ふきだして||||みる||そうとう|いたかった||

俺 は フィーロ の 頭 を 撫で つつ 答える 。 おれ||||あたま||なで||こたえる

「 で ？ レース を 始める か ？ れーす||はじめる| 「 当たり前だ ！ あたりまえだ 卑怯 な 手段 を 講じられ ない か 警戒 し ながら 勝負 に 挑んだ 方 が 良い な 。 ひきょう||しゅだん||こうじ られ|||けいかい|||しょうぶ||いどんだ|かた||よい|