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盾の勇者成りがり02, 盾の勇者の成り上がり2 Chapter 16

盾 の 勇者 の 成り 上がり 2 Chapter 16

十六 話 侵食 植物 「 ラフタリア 、 フィーロ 、 気 を 付けろ よ 」

さて 、 今回 の 敵 は 植物 と 来た もの だ 。

普段 薬草 と か に よく 触れる 俺 から して も 、 目の前 に ある 植物 は 異色だ 。

蔓 に は 様々な 果実 が 実って いて 、 根 に は 芋 が 出来て いる 。 それ だけ で は なく 、 人体 に 寄生 する 能力 を 持ち 、 酸 や 毒 を 吐く そうだ 。

効果 が あり そうな の は 除草 剤 か …… 物理 的に 倒せば 効果 が ある の か 否 か わから ない な 。

しばらく 進む と 蔓 が 蠢き 、 俺 達 に 襲い掛かって きた 。

「 ハァ ! 」 「 や あ ! 」 ラフタリア と フィーロ が 蔓 を なぎ 払う 。 しかし 一向に 植物 は 減ら ず 、 逆に 周り 中 の 蔓 が 俺 達 に 向かって 来る 。

一応 …… 魔法 を 使う か 。

『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 守れ ! 』 「 ファスト ・ ガード ! 」 ラフタリア と フィーロ に 防御 魔法 を 掛ける 。 対象 の 防御 力 が アップ する 。 元々 防御 力 の 高い 俺 に 使う と 効果 が 高い 補助 魔法 だ 。

「 ナオフミ 様 、 ありがとう ございます 」

「 あり が と ー う 」

二 人 は 俺 に 礼 を 言う と 各 々 襲い掛かる 蔓 に 攻撃 を 続行 した 。

まあ 、 このまま 進んで 行く の は 良い けれど 、 どう すれば この 植物 を 除去 できる こと やら 。

強力な 魔法 で 焼き 飛ばす と か 、 専用 の 除草 剤 、 魔法 が なければ 抑えられ ない と なる と 、 今 は 撤退 しか ない 。 だけど 、 とにかく ここ の 敵 を 殲滅 して いく の も 一応 は 手 だ 。

村 の 方 に 居る 魔物 に 何かしら の ヒント が 隠されて いる 可能 性 は 高い 。 伝承 の 類い に 駆除 を どう 行った か 明らかに されて いない ので 、 具体 的な 方法 は 見つかって いない 。 ならば 正攻法 で 攻めて 、 無理 なら 何かしら 別の 手 を 考える しか ない 。

あの 遺跡 に また 行く 羽目 に なる の か 。 面倒だ な 。

蔓 の 攻撃 は 俺 の 防御 力 を 突破 する の は でき ない ようで 、 進み を 妨害 されて は いない 。 「 とりあえず 、 調査 する ため に 進む ぞ ! 」 「 はい ! 」 「 は ー い ! 」 俺 は 走り出し 、 村 に ある 植物 の 根元 であろう 中枢 部 に 進む 。 そこ に は 植物 型 の 魔物 が 溢れ かえって いた 。

敵 の 強 さ は 俺 を 始め 、 ラフタリア や フィーロ で 処理 できる 程度 だ 。 ただ 、 ラフタリア と フィーロ に は 防御 面 で 不安 が 残る 。

「 えっと ……」 魔物 の 名前 は バイオプラント 、 プラントリウェ 、 マンドラゴラ 。

バイオプラント は この 植物 の 全て の 総称 で 、 プラントリウェ は 、 蔓 で 構築 さ れた 人 型 の 魔物 。 マンドラゴラ は ウツボカズラ の ような 非 移動 型 の 魔物 だ 。

フィーロ の 言って いた 毒 を 吐く 奴 は プラントリウェ で 、 頭 に 位置 する 大きな 花 から 毒 の 花粉 を ばら 撒 まく 。 次に マンドラゴラ は 蔓 から 酸性 の 溶解 液 を 吹きかけ 、 弱ら せた 獲物 を 蔓 で 本体 まで 引き寄せて 捕食 する ようだ 。

バイオプラント は この 二 種 の 魔物 を 生産 して いる 大 本 の 魔物 だ 。 時折 膨れ上がった 蔓 が 弾けて 、 中 から この 二 種 の 魔物 が 出て くる 。

試しに 除草 剤 を 撒く と 、 とどめ の 一撃 でも 受けた か の よう に 枯れる 。

盾 の 攻撃 判定 に 違反 し ない らしい 。 まあ 、 感覚 で 言えば 魔物 と いう より 植物 で しか ない から か 。

どういう 基準 な んだろう か ?

あれ か 、 アンデッドモンスター に 聖 水 や 回復 魔法 を 掛ける みたいな 、 本来 の 用途 と 違う から だろう か 。 あるいは 寄生 状態 を 回復 さ せる 薬 だ から 、 と も 考えられる 。 わから ん 。

「 どうした もの か な 」

ガンガン と 俺 に 無意味な 攻撃 を マンドラゴラ や プラントリウェ は 続けて いる 。

敵 の 攻撃 に 意味 は ない が 、 毒 の 花粉 の 所 為 で 若干 息苦しい 。 同様に 酸 も 厄介だ 。 どうも 防御 力 低下 の 効果 が ある ようで 、 ステータス を 見る と かなり の 低下 が 起こって いる 。

それ でも 突破 さ れ ない の は 良い のだ けど 、 蛇 の 毒 牙 ( 中 ) が 全く 効果 を 発揮 し ない 。

当たり前 か 。 敵 も 毒 を 使う し 、 植物 だ 。

「 ラフタリア 」

「 ゲホ ……! な んです か ? 」 空気 が 悪い から か ラフタリア が 若干 咽 て いる 。 完治 した と は いえ 、 ラフタリア は 以前 呼吸 器 系 を 傷めて いる から 弱い の かも しれ ない 。

「 一応 、 お前 も 除草 剤 を 持って いろ 」

「 あ 、 はい ! 」 俺 は 除草 剤 を ラフタリア に 投げ 渡す 。 いざ と いう 時 に 使わ せる と しよう 。

ピュルル と 蔓 が ラフタリア に 絡みつく けど 、 平然と ラフタリア は 引きちぎる 。

思いのほか 耐久 力 は 無い らしい 。

「 ナオフミ 様 ? 早く 行きます よ ! 」 「 お 、 おう 」 先 に 進んで いく と 村 の 中心 に 大木 が あった 。

いや 、 よく 見る と 木 で は なく 大きな 蔓 の 集合 体 だ 。

「 あれ が 本体 …… だ と いい なぁ 」

と 、 思って 集 合体 に 近づく と 、 集 合体 の 幹 から 巨大な 目 の ような 器官 が 俺 達 を 凝視 して くる 。

「! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」 不気味だ な 。 だけど あれ が 本体っぽい 。 「 ご しゅじん さま ーフィーロ いく ね ー ! 」 フィーロ が 駆け出して 本体 の 目玉 に 向けて 跳躍 する 。 しかし 途中 で 巨大な 蔓 が 襲い掛かる 。

「 えい ! 」 ゲシっと フィーロ は 強靭な 足 で 蔓 を 蹴り 飛ばして そのまま 飛び上がる …… しかし 悲しい かな 、 距離 が 足りない 。 「 ご しゅじん さま ー 」

「 わかって る ! エアストシールド ! 」 俺 は 落下 する フィーロ の 足元 に エアストシールド を 出して 、 足場 と して 使わ せる 。 盾 の 上 に 一 度 着地 した フィーロ は 、 もう 一 度 飛び上がって 目玉 の 目の前 に 到達 した 。

「 てい ! 」 ビチャ ! っと 音 を 立てて 目玉 が フィーロ の 蹴り で 消し飛ぶ 。

う …… かなり グロイ 。

「! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」 蔓 が メチャクチャ 暴れ 出して 大地 が 揺らぐ 。 やはり 目玉 を 破壊 した 程度 で 倒せ は し ない か 。

う ー む …… どうした もの か 。

「 倒れ ない ね ー 」

「 そう だ な 」

目玉 が シュウシュウ と 音 を 立てて 再生 して いく 。

その 最中 …… ふと 、 目玉 の 中 に 植物 の 種 の ような 何 か が 見えた 。

「 ラフタリア 、 フィーロ 。 あの 本体っぽい 目玉 の 中 に 何 か が ある 。 そこ に 渡した 除草 剤 を 流し込んで みて くれ 」

クールタイム は 終了 して いる 。 次の エアストシールド は 放て る 。 ちなみに 俺 は プラントリウェ と マンドラゴラ から 総出 で 攻撃 を 受けて いる 。 上 から 無限に 思える ほど 降って くるんだ 。

「 わかりました ! 」 「 りょうか ー い ! 」 ラフタリア は フィーロ の 背中 に 乗り 、 再生 中 の 目玉 に 向かって 跳躍 する 。 目玉 は 脅威 を 悟った の か 、 何 本もの 蔓 が 二 人 に 向って 雨 の ように 降り注いだ 。 「 シールドプリズン ! 」 咄嗟に 二 人 を 守る 盾 の 檻 を 出現 さ せる 。 空中 に 存在 する 盾 の 檻 、 その 中 なら 攻撃 を 凌げ る 。

効果 時間 は 一五 秒 だ 。

その 間 に 降りかかる 蔓 は 全て プリズン で 跳ね 返せる 。

ゲ …… 蔓 が プリズン を 取り囲む 。

一五 秒 経過 し 、 プリズン が 消える 。 その 瞬間 に 俺 は フィーロ の 足場 に なる エアストシールド を 展開 さ せる 。

「 て えい ! 」 足場 に 乗った フィーロ に 群がる 蔓 を ラフタリア が 剣 で 一 閃 する 。 見事に 蔓 は 切断 さ れ 、 フィーロ の 二 段 目 の 跳躍 は 成功 。

徐に 二 撃 目 の 蹴り を 目玉 に 加える 。

「! ? ? ? ? ? 」 目玉 は 再生 中 だった 部分 に 追撃 を 受けて 動き が 一瞬 止まった 。 その 隙 を 突いて 、 目玉 の 中 に あった 種っぽい 部分 に ラフタリア が 除草 剤 を 振り 掛ける 。 「! ! ! ! ? ? ? ? ? 」 凄い 声 と も 音 と も 言い 得 ない 振動 が 辺り に 響き渡り 、 バイオプラント の 動き が ピタリ と 止まる 。 「 やった か ? 」 自分 でも 死亡 フラグ な 気 も する が 、 別に 俺 は 攻撃 を 受けて も 痛く も 痒 くも ない ので 問題 ない 。 しかし 、 それ だけ で バイオプラント は また 動き出した 。

「 すいません 。 上手く 撒け なかった ようです 」

「 いや 、 ちゃんと 掛かって いた 。 どうやら 薬 と して の 効果 が 枯らす に 至らなかった のだろう 」

と なる と 打つ手 が ない なぁ ……。

と 、 考えた ところ で 閃 く 。

俺 に は 薬効 果 上昇 の 技能 が ある 。 さっき だって その 技能 で 人 を 助けた わけだ し 。

と いう 事 は 俺 が 使ったら どう なる んだ ?

「 じゃあ 次 は 俺 が 使って みる と しよう 」

除草 剤 を 片手 に 、 群がる 敵 を 無視 して 歩く 。

最近 、 気付いた のだ けど 、 俺 の 防御 力 は 敵 の 力 に 対して も 及んで いる らしく 、 大量に 敵 に しがみ付かれて も 進める 。 だから 大量の 魔物 を 抱えて も 全く 問題 なく 歩ける 。 ただ 、 攻撃 と なる と てんで 効果 を 発揮 し ない ようだ 。

で 、 先ほど の バイオプラント の 根元 に 辿り着いた 。

「 本当 なら フィーロ に 乗って 患部 に 撒いた 方 が 効果 が 高い のだろう けど 」

俺 は 根元 に 除草 剤 を 何 個 も 撒く 。

「! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? 」 先ほど より バイオプラント の 動き が 強まる 。 まるで 断末魔 の 叫び の ような 振動 だ 。

そして バイオプラント は 目玉 の 部分 から 茶色 に 染まり 枯れて いく 。

スーッ と 音 を 立てる か の よう に 全て が 枯れ 始めた 。

バキバキ と 音 を 立て バイオプラント の 本体 が 崩れ落ち 、 俺 達 は 急いで 避難 する 。

「 おお ……」

見れば 他の 魔物 も 全て が 茶色 に 染まって いる 。 実った 果実 以外 の 全て が 茶色 一色 に なり 、 辺り で 動く の は 俺 達 だけ に なった 。

そして …… バイオプラント が 聳 え 立って いた 場所 に 光り輝く 種 が 降り注ぐ 。

…… あれ 、 放置 して いたら や ば そう だ な 。

「 後 は 掃除 だ な 。 盾 に も 吸わ せられる かも しれ ない 。 集めて おく ぞ 」

「 はい 」

「 ごっは ん ! 」 種 など を 集めて いる 俺 達 を 余 所 に フィーロ は 残った 果実 と 芋 を 頬張って いた 。


盾 の 勇者 の 成り 上がり 2 Chapter 16 たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter

十六 話 侵食 植物 じゅうろく|はなし|しんしょく|しょくぶつ 「 ラフタリア 、 フィーロ 、 気 を 付けろ よ 」 ||き||つけろ|

さて 、 今回 の 敵 は 植物 と 来た もの だ 。 |こんかい||てき||しょくぶつ||きた||

普段 薬草 と か に よく 触れる 俺 から して も 、 目の前 に ある 植物 は 異色だ 。 ふだん|やくそう|||||ふれる|おれ||||めのまえ|||しょくぶつ||いしょくだ

蔓 に は 様々な 果実 が 実って いて 、 根 に は 芋 が 出来て いる 。 つる|||さまざまな|かじつ||みのって||ね|||いも||できて| それ だけ で は なく 、 人体 に 寄生 する 能力 を 持ち 、 酸 や 毒 を 吐く そうだ 。 |||||じんたい||きせい||のうりょく||もち|さん||どく||はく|そう だ

効果 が あり そうな の は 除草 剤 か …… 物理 的に 倒せば 効果 が ある の か 否 か わから ない な 。 こうか|||そう な|||じょそう|ざい||ぶつり|てきに|たおせば|こうか|||||いな||||

しばらく 進む と 蔓 が 蠢き 、 俺 達 に 襲い掛かって きた 。 |すすむ||つる||うごめき|おれ|さとる||おそいかかって|

「 ハァ ! 」 「 や あ ! 」 ラフタリア と フィーロ が 蔓 を なぎ 払う 。 ||||つる|||はらう しかし 一向に 植物 は 減ら ず 、 逆に 周り 中 の 蔓 が 俺 達 に 向かって 来る 。 |いっこうに|しょくぶつ||へら||ぎゃくに|まわり|なか||つる||おれ|さとる||むかって|くる

一応 …… 魔法 を 使う か 。 いちおう|まほう||つかう|

『 力 の 根源 たる 盾 の 勇者 が 命ずる 。 ちから||こんげん||たて||ゆうしゃ||めいずる 理 を 今一 度 読み 解き 、 彼 の 者 を 守れ ! り||いまいち|たび|よみ|とき|かれ||もの||まもれ 』 「 ファスト ・ ガード ! |がーど 」 ラフタリア と フィーロ に 防御 魔法 を 掛ける 。 ||||ぼうぎょ|まほう||かける 対象 の 防御 力 が アップ する 。 たいしょう||ぼうぎょ|ちから||あっぷ| 元々 防御 力 の 高い 俺 に 使う と 効果 が 高い 補助 魔法 だ 。 もともと|ぼうぎょ|ちから||たかい|おれ||つかう||こうか||たかい|ほじょ|まほう|

「 ナオフミ 様 、 ありがとう ございます 」 |さま||

「 あり が と ー う 」 |||-|

二 人 は 俺 に 礼 を 言う と 各 々 襲い掛かる 蔓 に 攻撃 を 続行 した 。 ふた|じん||おれ||れい||いう||かく||おそいかかる|つる||こうげき||ぞっこう|

まあ 、 このまま 進んで 行く の は 良い けれど 、 どう すれば この 植物 を 除去 できる こと やら 。 ||すすんで|いく|||よい|||||しょくぶつ||じょきょ|||

強力な 魔法 で 焼き 飛ばす と か 、 専用 の 除草 剤 、 魔法 が なければ 抑えられ ない と なる と 、 今 は 撤退 しか ない 。 きょうりょくな|まほう||やき|とばす|||せんよう||じょそう|ざい|まほう|||おさえ られ|||||いま||てったい|| だけど 、 とにかく ここ の 敵 を 殲滅 して いく の も 一応 は 手 だ 。 ||||てき||せんめつ|||||いちおう||て|

村 の 方 に 居る 魔物 に 何かしら の ヒント が 隠されて いる 可能 性 は 高い 。 むら||かた||いる|まもの||なにかしら||ひんと||かくさ れて||かのう|せい||たかい 伝承 の 類い に 駆除 を どう 行った か 明らかに されて いない ので 、 具体 的な 方法 は 見つかって いない 。 でんしょう||たぐい||くじょ|||おこなった||あきらかに|さ れて|||ぐたい|てきな|ほうほう||みつかって| ならば 正攻法 で 攻めて 、 無理 なら 何かしら 別の 手 を 考える しか ない 。 |せいこうほう||せめて|むり||なにかしら|べつの|て||かんがえる||

あの 遺跡 に また 行く 羽目 に なる の か 。 |いせき|||いく|はめ|||| 面倒だ な 。 めんどうだ|

蔓 の 攻撃 は 俺 の 防御 力 を 突破 する の は でき ない ようで 、 進み を 妨害 されて は いない 。 つる||こうげき||おれ||ぼうぎょ|ちから||とっぱ|||||||すすみ||ぼうがい|さ れて|| 「 とりあえず 、 調査 する ため に 進む ぞ ! |ちょうさ||||すすむ| 」 「 はい ! 」 「 は ー い ! |-| 」 俺 は 走り出し 、 村 に ある 植物 の 根元 であろう 中枢 部 に 進む 。 おれ||はしりだし|むら|||しょくぶつ||ねもと||ちゅうすう|ぶ||すすむ そこ に は 植物 型 の 魔物 が 溢れ かえって いた 。 |||しょくぶつ|かた||まもの||あふれ||

敵 の 強 さ は 俺 を 始め 、 ラフタリア や フィーロ で 処理 できる 程度 だ 。 てき||つよ|||おれ||はじめ|||||しょり||ていど| ただ 、 ラフタリア と フィーロ に は 防御 面 で 不安 が 残る 。 ||||||ぼうぎょ|おもて||ふあん||のこる

「 えっと ……」 えっ と 魔物 の 名前 は バイオプラント 、 プラントリウェ 、 マンドラゴラ 。 まもの||なまえ||||

バイオプラント は この 植物 の 全て の 総称 で 、 プラントリウェ は 、 蔓 で 構築 さ れた 人 型 の 魔物 。 |||しょくぶつ||すべて||そうしょう||||つる||こうちく|||じん|かた||まもの マンドラゴラ は ウツボカズラ の ような 非 移動 型 の 魔物 だ 。 |||||ひ|いどう|かた||まもの|

フィーロ の 言って いた 毒 を 吐く 奴 は プラントリウェ で 、 頭 に 位置 する 大きな 花 から 毒 の 花粉 を ばら 撒 まく 。 ||いって||どく||はく|やつ||||あたま||いち||おおきな|か||どく||かふん|||ま| 次に マンドラゴラ は 蔓 から 酸性 の 溶解 液 を 吹きかけ 、 弱ら せた 獲物 を 蔓 で 本体 まで 引き寄せて 捕食 する ようだ 。 つぎに|||つる||さんせい||ようかい|えき||ふきかけ|よわら||えもの||つる||ほんたい||ひきよせて|ほしょく||

バイオプラント は この 二 種 の 魔物 を 生産 して いる 大 本 の 魔物 だ 。 |||ふた|しゅ||まもの||せいさん|||だい|ほん||まもの| 時折 膨れ上がった 蔓 が 弾けて 、 中 から この 二 種 の 魔物 が 出て くる 。 ときおり|ふくれあがった|つる||はじけて|なか|||ふた|しゅ||まもの||でて|

試しに 除草 剤 を 撒く と 、 とどめ の 一撃 でも 受けた か の よう に 枯れる 。 ためしに|じょそう|ざい||まく||||いちげき||うけた|||||かれる

盾 の 攻撃 判定 に 違反 し ない らしい 。 たて||こうげき|はんてい||いはん||| まあ 、 感覚 で 言えば 魔物 と いう より 植物 で しか ない から か 。 |かんかく||いえば|まもの||||しょくぶつ|||||

どういう 基準 な んだろう か ? |きじゅん|||

あれ か 、 アンデッドモンスター に 聖 水 や 回復 魔法 を 掛ける みたいな 、 本来 の 用途 と 違う から だろう か 。 ||||せい|すい||かいふく|まほう||かける||ほんらい||ようと||ちがう||| あるいは 寄生 状態 を 回復 さ せる 薬 だ から 、 と も 考えられる 。 |きせい|じょうたい||かいふく|||くすり|||||かんがえ られる わから ん 。

「 どうした もの か な 」

ガンガン と 俺 に 無意味な 攻撃 を マンドラゴラ や プラントリウェ は 続けて いる 。 ||おれ||むいみな|こうげき||||||つづけて|

敵 の 攻撃 に 意味 は ない が 、 毒 の 花粉 の 所 為 で 若干 息苦しい 。 てき||こうげき||いみ||||どく||かふん||しょ|ため||じゃっかん|いきぐるしい 同様に 酸 も 厄介だ 。 どうように|さん||やっかいだ どうも 防御 力 低下 の 効果 が ある ようで 、 ステータス を 見る と かなり の 低下 が 起こって いる 。 |ぼうぎょ|ちから|ていか||こうか||||||みる||||ていか||おこって|

それ でも 突破 さ れ ない の は 良い のだ けど 、 蛇 の 毒 牙 ( 中 ) が 全く 効果 を 発揮 し ない 。 ||とっぱ||||||よい|||へび||どく|きば|なか||まったく|こうか||はっき||

当たり前 か 。 あたりまえ| 敵 も 毒 を 使う し 、 植物 だ 。 てき||どく||つかう||しょくぶつ|

「 ラフタリア 」

「 ゲホ ……! な んです か ? 」 空気 が 悪い から か ラフタリア が 若干 咽 て いる 。 くうき||わるい|||||じゃっかん|むせ|| 完治 した と は いえ 、 ラフタリア は 以前 呼吸 器 系 を 傷めて いる から 弱い の かも しれ ない 。 かんち|||||||いぜん|こきゅう|うつわ|けい||いためて|||よわい||||

「 一応 、 お前 も 除草 剤 を 持って いろ 」 いちおう|おまえ||じょそう|ざい||もって|

「 あ 、 はい ! 」 俺 は 除草 剤 を ラフタリア に 投げ 渡す 。 おれ||じょそう|ざい||||なげ|わたす いざ と いう 時 に 使わ せる と しよう 。 |||じ||つかわ|||

ピュルル と 蔓 が ラフタリア に 絡みつく けど 、 平然と ラフタリア は 引きちぎる 。 ||つる||||からみつく||へいぜんと|||ひきちぎる

思いのほか 耐久 力 は 無い らしい 。 おもいのほか|たいきゅう|ちから||ない|

「 ナオフミ 様 ? |さま 早く 行きます よ ! はやく|いき ます| 」 「 お 、 おう 」 先 に 進んで いく と 村 の 中心 に 大木 が あった 。 さき||すすんで|||むら||ちゅうしん||たいぼく||

いや 、 よく 見る と 木 で は なく 大きな 蔓 の 集合 体 だ 。 ||みる||き||||おおきな|つる||しゅうごう|からだ|

「 あれ が 本体 …… だ と いい なぁ 」 ||ほんたい||||

と 、 思って 集 合体 に 近づく と 、 集 合体 の 幹 から 巨大な 目 の ような 器官 が 俺 達 を 凝視 して くる 。 |おもって|しゅう|がったい||ちかづく||しゅう|がったい||みき||きょだいな|め|||きかん||おれ|さとる||ぎょうし||

「! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」 不気味だ な 。 ぶきみだ| だけど あれ が 本体っぽい 。 |||ほんたい っぽい 「 ご しゅじん さま ーフィーロ いく ね ー ! |||-フィーロ|||- 」 フィーロ が 駆け出して 本体 の 目玉 に 向けて 跳躍 する 。 ||かけだして|ほんたい||めだま||むけて|ちょうやく| しかし 途中 で 巨大な 蔓 が 襲い掛かる 。 |とちゅう||きょだいな|つる||おそいかかる

「 えい ! 」 ゲシっと フィーロ は 強靭な 足 で 蔓 を 蹴り 飛ばして そのまま 飛び上がる …… しかし 悲しい かな 、 距離 が 足りない 。 ゲシ っと|||きょうじんな|あし||つる||けり|とばして||とびあがる||かなしい||きょり||たりない 「 ご しゅじん さま ー 」 |||-

「 わかって る ! エアストシールド ! 」 俺 は 落下 する フィーロ の 足元 に エアストシールド を 出して 、 足場 と して 使わ せる 。 おれ||らっか||||あしもと||||だして|あしば|||つかわ| 盾 の 上 に 一 度 着地 した フィーロ は 、 もう 一 度 飛び上がって 目玉 の 目の前 に 到達 した 。 たて||うえ||ひと|たび|ちゃくち|||||ひと|たび|とびあがって|めだま||めのまえ||とうたつ|

「 てい ! 」 ビチャ ! っと 音 を 立てて 目玉 が フィーロ の 蹴り で 消し飛ぶ 。 |おと||たてて|めだま||||けり||けしとぶ

う …… かなり グロイ 。

「! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」 蔓 が メチャクチャ 暴れ 出して 大地 が 揺らぐ 。 つる|||あばれ|だして|だいち||ゆらぐ やはり 目玉 を 破壊 した 程度 で 倒せ は し ない か 。 |めだま||はかい||ていど||たおせ||||

う ー む …… どうした もの か 。 |-||||

「 倒れ ない ね ー 」 たおれ|||-

「 そう だ な 」

目玉 が シュウシュウ と 音 を 立てて 再生 して いく 。 めだま||||おと||たてて|さいせい||

その 最中 …… ふと 、 目玉 の 中 に 植物 の 種 の ような 何 か が 見えた 。 |さい なか||めだま||なか||しょくぶつ||しゅ|||なん|||みえた

「 ラフタリア 、 フィーロ 。 あの 本体っぽい 目玉 の 中 に 何 か が ある 。 |ほんたい っぽい|めだま||なか||なん||| そこ に 渡した 除草 剤 を 流し込んで みて くれ 」 ||わたした|じょそう|ざい||ながしこんで||

クールタイム は 終了 して いる 。 ||しゅうりょう|| 次の エアストシールド は 放て る 。 つぎの|||はなて| ちなみに 俺 は プラントリウェ と マンドラゴラ から 総出 で 攻撃 を 受けて いる 。 |おれ||||||そうで||こうげき||うけて| 上 から 無限に 思える ほど 降って くるんだ 。 うえ||むげんに|おもえる||ふって|

「 わかりました ! わかり ました 」 「 りょうか ー い ! |-| 」 ラフタリア は フィーロ の 背中 に 乗り 、 再生 中 の 目玉 に 向かって 跳躍 する 。 ||||せなか||のり|さいせい|なか||めだま||むかって|ちょうやく| 目玉 は 脅威 を 悟った の か 、 何 本もの 蔓 が 二 人 に 向って 雨 の ように 降り注いだ 。 めだま||きょうい||さとった|||なん|ほんもの|つる||ふた|じん||むかい って|あめ|||ふりそそいだ 「 シールドプリズン ! 」 咄嗟に 二 人 を 守る 盾 の 檻 を 出現 さ せる 。 とっさに|ふた|じん||まもる|たて||おり||しゅつげん|| 空中 に 存在 する 盾 の 檻 、 その 中 なら 攻撃 を 凌げ る 。 くうちゅう||そんざい||たて||おり||なか||こうげき||しのげ|

効果 時間 は 一五 秒 だ 。 こうか|じかん||いちご|びょう|

その 間 に 降りかかる 蔓 は 全て プリズン で 跳ね 返せる 。 |あいだ||ふりかかる|つる||すべて|||はね|かえせる

ゲ …… 蔓 が プリズン を 取り囲む 。 |つる||||とりかこむ

一五 秒 経過 し 、 プリズン が 消える 。 いちご|びょう|けいか||||きえる その 瞬間 に 俺 は フィーロ の 足場 に なる エアストシールド を 展開 さ せる 。 |しゅんかん||おれ||||あしば|||||てんかい||

「 て えい ! 」 足場 に 乗った フィーロ に 群がる 蔓 を ラフタリア が 剣 で 一 閃 する 。 あしば||のった|||むらがる|つる||||けん||ひと|せん| 見事に 蔓 は 切断 さ れ 、 フィーロ の 二 段 目 の 跳躍 は 成功 。 みごとに|つる||せつだん|||||ふた|だん|め||ちょうやく||せいこう

徐に 二 撃 目 の 蹴り を 目玉 に 加える 。 おもむろに|ふた|う|め||けり||めだま||くわえる

「! ? ? ? ? ? 」 目玉 は 再生 中 だった 部分 に 追撃 を 受けて 動き が 一瞬 止まった 。 めだま||さいせい|なか||ぶぶん||ついげき||うけて|うごき||いっしゅん|とまった その 隙 を 突いて 、 目玉 の 中 に あった 種っぽい 部分 に ラフタリア が 除草 剤 を 振り 掛ける 。 |すき||ついて|めだま||なか|||しゅ っぽい|ぶぶん||||じょそう|ざい||ふり|かける 「! ! ! ! ? ? ? ? ? 」 凄い 声 と も 音 と も 言い 得 ない 振動 が 辺り に 響き渡り 、 バイオプラント の 動き が ピタリ と 止まる 。 すごい|こえ|||おと|||いい|とく||しんどう||あたり||ひびきわたり|||うごき||ぴたり||とまる 「 やった か ? 」 自分 でも 死亡 フラグ な 気 も する が 、 別に 俺 は 攻撃 を 受けて も 痛く も 痒 くも ない ので 問題 ない 。 じぶん||しぼう|||き||||べつに|おれ||こうげき||うけて||いたく||よう||||もんだい| しかし 、 それ だけ で バイオプラント は また 動き出した 。 |||||||うごきだした

「 すいません 。 上手く 撒け なかった ようです 」 うまく|まけ||

「 いや 、 ちゃんと 掛かって いた 。 ||かかって| どうやら 薬 と して の 効果 が 枯らす に 至らなかった のだろう 」 |くすり||||こうか||からす||いたらなかった|

と なる と 打つ手 が ない なぁ ……。 |||うつて|||

と 、 考えた ところ で 閃 く 。 |かんがえた|||せん|

俺 に は 薬効 果 上昇 の 技能 が ある 。 おれ|||やっこう|か|じょうしょう||ぎのう|| さっき だって その 技能 で 人 を 助けた わけだ し 。 |||ぎのう||じん||たすけた||

と いう 事 は 俺 が 使ったら どう なる んだ ? ||こと||おれ||つかったら|||

「 じゃあ 次 は 俺 が 使って みる と しよう 」 |つぎ||おれ||つかって|||

除草 剤 を 片手 に 、 群がる 敵 を 無視 して 歩く 。 じょそう|ざい||かたて||むらがる|てき||むし||あるく

最近 、 気付いた のだ けど 、 俺 の 防御 力 は 敵 の 力 に 対して も 及んで いる らしく 、 大量に 敵 に しがみ付かれて も 進める 。 さいきん|きづいた|||おれ||ぼうぎょ|ちから||てき||ちから||たいして||およんで|||たいりょうに|てき||しがみつか れて||すすめる だから 大量の 魔物 を 抱えて も 全く 問題 なく 歩ける 。 |たいりょうの|まもの||かかえて||まったく|もんだい||あるける ただ 、 攻撃 と なる と てんで 効果 を 発揮 し ない ようだ 。 |こうげき|||||こうか||はっき|||

で 、 先ほど の バイオプラント の 根元 に 辿り着いた 。 |さきほど||||ねもと||たどりついた

「 本当 なら フィーロ に 乗って 患部 に 撒いた 方 が 効果 が 高い のだろう けど 」 ほんとう||||のって|かんぶ||まいた|かた||こうか||たかい||

俺 は 根元 に 除草 剤 を 何 個 も 撒く 。 おれ||ねもと||じょそう|ざい||なん|こ||まく

「! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? 」 先ほど より バイオプラント の 動き が 強まる 。 さきほど||||うごき||つよまる まるで 断末魔 の 叫び の ような 振動 だ 。 |だんまつま||さけび|||しんどう|

そして バイオプラント は 目玉 の 部分 から 茶色 に 染まり 枯れて いく 。 |||めだま||ぶぶん||ちゃいろ||そまり|かれて|

スーッ と 音 を 立てる か の よう に 全て が 枯れ 始めた 。 ||おと||たてる|||||すべて||かれ|はじめた

バキバキ と 音 を 立て バイオプラント の 本体 が 崩れ落ち 、 俺 達 は 急いで 避難 する 。 ||おと||たて|||ほんたい||くずれおち|おれ|さとる||いそいで|ひなん|

「 おお ……」

見れば 他の 魔物 も 全て が 茶色 に 染まって いる 。 みれば|たの|まもの||すべて||ちゃいろ||そまって| 実った 果実 以外 の 全て が 茶色 一色 に なり 、 辺り で 動く の は 俺 達 だけ に なった 。 みのった|かじつ|いがい||すべて||ちゃいろ|いっしょく|||あたり||うごく|||おれ|さとる|||

そして …… バイオプラント が 聳 え 立って いた 場所 に 光り輝く 種 が 降り注ぐ 。 |||しょう||たって||ばしょ||ひかりかがやく|しゅ||ふりそそぐ

…… あれ 、 放置 して いたら や ば そう だ な 。 |ほうち|||||||

「 後 は 掃除 だ な 。 あと||そうじ|| 盾 に も 吸わ せられる かも しれ ない 。 たて|||すわ|せら れる||| 集めて おく ぞ 」 あつめて||

「 はい 」

「 ごっは ん ! ご っ は| 」 種 など を 集めて いる 俺 達 を 余 所 に フィーロ は 残った 果実 と 芋 を 頬張って いた 。 しゅ|||あつめて||おれ|さとる||よ|しょ||||のこった|かじつ||いも||ほおばって|