( 鈴 羽 ( すず は )) か … かがり 待て !
( 鈴 羽 ) あっ …
ハァ … ハァ …
う ~ ん
かがり …
( かがり ) どこ に ある の ?
ママ から もらった 大事な 物
大事な 物 … か
( ドア の 開閉 音 ) ( 鈴 羽 ) あっ …
ルミ 姉さん
( フェイリス ) エヘッ
( フェイリス ) どう ニャ ?
( 鈴 羽 ) うん やっぱり もって 1 週間 か な
みんな に は 悪い けど
鈴 ( すず ) ニャン それ は ?
( 鈴 羽 ) ああ これ は 私 の 宝物 な んだ
( フェイリス ) わ あ これ 鈴 ニャン ?
とすると 横 の 人 は … ( 鈴 羽 ) うん
母さん と の 写真 ( フェイリス ) あっ …
鈴 ニャン は 何で こんな 困り 顔 で 写って る ニャ ?
( 鈴 羽 ) あまり よく 覚えて は い ない んだ けど …
( 鈴 羽 ) そう 覚えて ない
今 は もう 思い出せ ない
あ … 鈴 ニャン
( 由季 ( ゆき )) あら ( 鈴 羽 ) あっ …
母 … あっ 由季 さん
( 由季 ) お 久しぶり
( 鈴 羽 ) 兄さん … です か ?
まあ 元気に して ます けど
( 由季 ) ああ だったら いいん です
最近 全然 連絡 ない から もしかしたら ―
体調 でも 崩した んじゃ ない か って 気 に なって
そ っか … うん 元気 なら いい んです
♪~
~♪
( ま ゆり ) 真 帆 ( ま ほ ) さん 久しぶりだ ねえ
( 岡部 ( お かべ )) 見逃す な よ
何せ 相手 は … ( フェイリス ) あっ
( 岡部 ) 比 屋 定 ( ひや じょう ) さん
( フェイリス ) エヘヘ アハハッ
( 真 帆 ) お 久しぶり みんな
( ま ゆり ) 真 帆 さん 元気 そうだ ね
( 岡部 ) ああ 教授 の 手伝い で 来 日 と 言って いた けど ―
しばらく は 忙し そうだ
( ま ゆり ) かがり ちゃん 元気に して る か なあ
俺 も … ダル と 鈴 羽 も 捜して いる んだ が
( ま ゆり ) うん
そう いえば 橋田 ( は し だ ) さん は ?
何 か 鈴 ニャン と 大事な 話 が ある と か で ―
急に 来 れ なく なった ニャ
( 真 帆 ) ん …
何 やって んだ よ 父さん !
( ダル ) ど ど した ん ? そんな 怖い 顔 して
( 鈴 羽 ) 自分 の 胸 に 手 を 当てて 考えて みて
胸 に 手 を ?
ああ っ ( 鈴 羽 ) ん ん …
そんな こと ばかり やって る と ―
ホントに 母さん を ほか の 人 に 取ら れちゃ う んだ から !
え ? 何 それ
ど ゆ こと ?
私 見た んだ
母さん が 知ら ない 男 の 人 と 楽し そうに 話して る とこ
阿 万 音 ( あま ね ) 氏 が ?
最近 母さん と 会った の は ?
えっ と … フブキ 氏 の お 見舞い の とき ?
それ 以降 は ? ( ダル ) う うん …
何で もっと 会って おか ない の !
( ダル ) だ だって ―
タイムリープマシン の 件 と か で いろいろ 忙しかった し …
( 鈴 羽 ) 時間 は 自分 で 作る もの だろう ?
う っ … サーセン
もし このまま 母さん が 別の 人 と 結婚 したり したら …
( ダル ) う ~ ん まっ でも 大丈夫じゃ ね ?
その 男 の 人 って の も ―
道 を 聞か れて た と か お 店 の 勧誘 と か だ よ きっと
( 鈴 羽 ) も し 違ったら ?
そんなに 気 に なる ん なら 本人 に 確かめれば よかった じゃ ん
何で 父さん は そんなに 余裕 な んだ よ !
もしかしたら ―
私 が 生まれて こ ない 未来 に なって しまう かも しれ ない んだ ぞ
でも 今 ここ に 鈴 羽 が いる って こと は さ
生まれて くるって こと じゃ ね ?
ん ? これ って …
未来 の 阿 万 音 氏 ?
おお っ ロリ 鈴 羽 も ラブリー !
そう じゃ なくて よく 見て ! ( ダル ) え ?
鈴 羽 何 か 薄く ね ?
( 鈴 羽 ) この 前 から こんなふうな ん だ
こ これ は バック ・ トゥ ・ ザ …
( 鈴 羽 ) 父さん !
な 何 ?
( 鈴 羽 ) 父さん は 自信 が ない んだ な ( ダル ) え ?
自分 に 自信 が ない から 自分 から アプローチ しよう と せ ず
向こう から 来て くれる の を 待って る んだ
違う ?
あっ う っ それ は …
( 鈴 羽 )“ 自ら 行動 し ない 者 に 未来 は 訪れ ない ”
え ?
( 鈴 羽 ) 昔 父さん が 私 に 教えて くれた 言葉 だ よ
僕 が そんな こと を ? えっ でも さ …
とにかく ! 私 と して は ―
父さん と 母さん が うまく いって くれ ない と 困る んだ
だから !
( 唾 を 飲み込む 音 )
( ま ゆり ) トゥットゥルー ただいま ー
あれ ?
る か 君 に 萌郁 ( もえ か ) さん も ?
どうした の ? 一体
( 鈴 羽 ) まゆ 姉さん
( ダル ) う っ う う …
力 を 貸して ほしい んだ
えっ ?
( ま ゆり ) えー っと つまり …
あした の デート まで に ―
ダル 君 が 自分 に 自信 を 持てる ように すれば いい って こと ?
( 鈴 羽 ) うん 私 そういう の うとい から
だから みんな に 協力 して ほしい んだ
例の 写真 使った の ニャ ? ( 鈴 羽 ) エヘッ
( 鈴 羽 ) 兄さん ( ダル ) はっ はい !
ただいま より ミッション を 開始 する
なお 本 ミッション は 明日 ( みょうに ち ) の デート に おける ―
橋田 至 ( いたる ) に よる 阿 万 音 由季 へ の 告白 を 最終 目的 と する
こ っ 告白 !? んな ムチャ な …
口答え は 必要 ない ! 返事 は ?
鈴 様 ! はい ! 鈴 様 !
( レスキネン の 笑い声 )
( レスキネン ) いや あ どうしても 君 に 会い たい から ―
“ 自分 も 日本 に 来さ せろ !” と 聞か なくて ね
( 真 帆 ) そんな こと 言って ませ ん
( 岡部 ) アッハハハ …
( レスキネン ) ところ で リンターロ
先日 話して いた レポート の 件 だ けど ―
先日 話して いた レポート の 件 だ けど ―
( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( 真 帆 ) あっ
( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( 真 帆 ) あっ
( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( 真 帆 ) あっ
どう なって いる かな ?
ああ それ なら ここ に
( レスキネン ) ほう 感心だ ね
( 真 帆 ) ん … 鈴 羽 さん ?
( 岡部 ) 出来 は どう だ か 分かり ませ ん が …
( レスキネン ) リンターロ ( 岡部 ) あ …
( レスキネン ) 謙遜 は 必ずしも 美徳 じゃ ない よ
フン 特に アメリカ で やっていく なら ね
( 岡部 ) あ …
すみ ませ …
あ いえ ありがとう ございます
うん それ で は この レポート は ―
今晩 に でも じっくり 読ま せて もらおう
出来 に よって は 留学 も 即 現実 に なる かも しれ ない よ
はい
そう なったら 真 帆 も うれしい だろう
う … 教授 !
アハハ … ( 携帯 電話 の 振動 音 )
( 岡部 ) どうした ?
( ま ゆり ) あっ オカリン ?
あの ね 今 みんな で ラボ に 集まって る んだ けど ―
よかったら オカリン も どう か なって
ラボ に ?
( ま ゆり ) うん どうか な ?
あ … すまない
悪い けど また
そ っか
うん 分かった ごめん ね
頑張って ね オカリン
( ダル ) う … う う …
( フェイリス ) モテ る 男 の 条件 !
それ は おいしい お 店 を 知って る こと だ ニャ
と いう わけで ―
今 から フェイリス が いい お 店 と ―
そこ で の マナー に ついて たたき込む ニャ !
フェイリス 様 ! はい ! フェイリス 様 !
由季 さん は コスプレーヤー さん だ よ ね
だから ―
いつも と は 違う 服装 だったり する と ―
ちょっと ドキッ と しちゃ う かも だ ね
まゆ り 様 ! はい ! まゆ り 様 !
( る か ) やっぱり …
女の子 の 気持ち に なって あげる こと が 大切 か と
う あ ~
( 鈴 羽 ) どう 兄さん 少し は 自信 ついた ?
( ダル ) え ? あ まあ …
( ドア の 閉まる 音 )
( 真 帆 ) 人 が 何事 か と 思って 来て みたら …
何 な の よ これ
( ま ゆり ) 真 帆 さん !
オカリン は ?
( 真 帆 ) 教授 に 押しつけて きた わ よ
( 鈴 羽 ) 手伝って くれる の ?
( 真 帆 ) 橋田 さん が この 状態 な の は 私 も 困る し
( ま ゆり ) ん ?
詳しく 話 を 聞か せて ちょうだい
( 鈴 羽 ) 実は …
( 真 帆 ) 要するに 女性 に 対して 自信 が つけば いい の よ ね ?
( 鈴 羽 ) これ は ?
( 真 帆 ) 以前 実験 的に 作って みた システム の ―
改良 版 と でも 言って おく わ
まあ 要するに 睡眠 学習 装置 の ような もの よ
( 鈴 羽 ) ああ …
橋田 至
あなた は 本当 は デキ る 男 よ
えっ ?
あなた は ドン ・ ジョバンニ も びっくり の 希 代 の いい 男 な の
( ダル ) ぼ … 僕 は いい 男
( 真 帆 ) さあ 目覚め なさい
( 由季 ) ウフッ
( ダル ) 由季 さん ( 由季 ) あっ
( ダル ) フッ
橋田 … さん ?
( 指 を 鳴らす 音 )
( ダル ) いつも の を
( 店員 ) かしこまり ました
いつも こんな 所 に ?
ハハハハ … 僕 は デキ る 男 です から
は は あ …
あれ で よろしかった です か ?
バッチリニャン
どうか なあ うまく いって る か なあ
うまく いって る よ 絶対 に
それにしても 真 帆 ニャン の 暗示 す っ ごい ニャ
いや でも まさか あんなに 効く なんて
( 由季 ) わ あ ~
きれいです ね
ああ でも ―
君 の ほう が きれい さ
あ … ありがとう ございます
( ま ゆり ) いい 雰囲気 だ ねえ
( 鈴 羽 ) あと は 最後 の 一撃 を 決める だけ だ 兄さん !
( フェイリス ) あっ 見る ニャ
あの 今日 は …
( ダル ) 由季 さん ( 由季 ) あっ えっ と …
は … 橋田 さん ?
( ダル ) 聞いて ください 由季 さん
( 由季 ) あの … ( ダル ) 由季 さん
僕 は …
わ あ … あっ
僕 と …
( ダル ) 失敗 した
父さん しっかり して よ
まだ フラ れた って 決まった わけじゃ ないだ ろ
( ダル ) あれ は どう 考えて も 嫌わ れ ただ ろ 常 考 ( じょうこう )
( ダル ) 僕 と …
( 由季 ) いけない もう こんな 時間 ( ダル ) えっ ?
私 帰ら なきゃ
ああ っ
( 由季 ) 今日 は 楽しかった です ありがとう ございました
( 鈴 羽 たち ) ああ …
( ダル ) や っぱ 阿 万 音 氏 は 僕 みたいな 男 に 誘わ れて も ―
内心 迷惑だった んだ お
それなのに 僕 って ば 勘違い して 調子 に 乗っちゃ って
手 なんか 握っちゃ ったり して
ほら 僕 って この 体形 だ から ―
手 汗 と か いっぱい かきまくり の ベタベタ だし
彼女 だって きっと 心 の 中 で ―
“ キモイ ウザイ ”
“ 離せ ヘンタイ ” って 思って た に 違いない んだ お
( 鈴 羽 ) 違う ! 母さん は そんな 人 じゃ …
( ダル ) 最初 から 変だ と 思って た んだ よ ね
だって さ あんな かわいい おに ゃの こ が ―
僕 みたいな 男 の お 嫁 さん に なって くれる なんて ―
常識 的に 考えて ある わけな い じゃ ん
や っぱ 阿 万 音 氏 は 別の 人 と …
( 鈴 羽 ) な っ … そんな わけない だ ろ 父さん !
( ダル ) でも 最初に そう 言った の は 鈴 羽 じゃ ん
父さん ?
( ダル ) ごめん ちょっと 1 人 に して おくれ
( ドア の 閉まる 音 )
あっ …
鈴 さん ごめん ね
( 鈴 羽 ) まゆ 姉さん
う うん 元 は と 言えば フェイリス が あんな 写真 作った から
私 も やり すぎた わ
違う よ 悪い の は …
( 鈴 羽 ) 私 の せい
そう だ あの とき も …
( 鈴 羽 ) 母さん ! 母さん !
( 由季 ) 鈴 羽 ! ( 鈴 羽 ) えっ ?
( 由季 ) 危ない !
( 鈴 羽 ) あっ 母 …
母 さ …
う あー っ !
( 足音 ) ( 鈴 羽 ) 父さん
少し いい かな ?
( ダル ) うん
( 鈴 羽 ) 私 が いた 未来 で は さ
平和な 世の中 なんて なかった から
父さん と 母さん と 一緒に いる 時間 なんて ―
ほとんど なかった んだ
だから …
( 鈴 羽 の 泣き声 )
本当 は さ ただ 見 たかった だけ なんだ
自分 を 産んで くれた 母さん と 父さん の ―
仲よく して いる ところ を
そう すれば これ から 私 が 目指す 道 が 間違って ない ―
そう 確信 できる んじゃ ない か って
ごめん ね
知ら ない 男 の 人 とって の も 私 が 消えちゃ うって の も ウソ な んだ
私 が 父さん に …
( ダル ) まあ 何となく は 分かって た
え ?
( ダル ) 分かる よ うん
( 鈴 羽 ) 父さん …
( ダル ) ホント か ウソ か そんな こと は どうでも よくて さ
僕 も 誰 か に 背中 を 押して ほしかった んだ と 思う
甘えて しまった んだ よ ね
だから 謝る の は 僕 の ほう だ
父さん
( ダル ) あっ 阿 万 音 氏 ? 今日 は その ごめん
うん それ で さ
あした もう 一 回 だけ 会って くん ない かな
あっ …
( ダル ) うん うん うん
それ じゃ
フッ
( 鈴 羽 ) 父さん …
父さん に は かなわない な
( 真 帆 ) ハァ …
あ ~ もう
私 1 人 で どう しろ って いう の よ
( ダル ) 阿 万 音 氏 ! ( 由季 ) あっ
ヘヘッ
( 由季 ) 今日 は 楽しかった です ありがとう ございました
( ダル ) こちら こそ 2 日 も 連続 で つきあって もらっちゃ って
ん … 阿 万 音 氏 ?
やっぱり いつも の 橋田 さん の ほう が すてきだ と 思い ます
あ …
え …
えっ …
あ … その …
父さん …
( ダル ) ぼ 僕 は …
僕 は 君 に 一生 萌 ( も ) え 萌 え キュン だ お ー !
父さん
あっ …
フッ フフ …
ハハハッ …
( 鈴 羽 ) よかった これ で もう …
ん … あっ
( 携帯 電話 の 振動 音 )
( ま ゆり ) “ 今日 会え ない か な ?”
“ 話し たい こと たくさん ある んだ ”
( 岡部 ) フッ … ( レスキネン ) リンターロ
待た せた ね
( 岡部 ) あっ いえ 大丈夫です
すまない ね 病院 の ほう の 仕事 も なかなか 煩雑で ね
レポート は 読ま せて もらった よ
いろいろ 粗削りな ところ は ある が 着眼 と 発想 は おもしろい
いく つ か 内容 に ついて 質問 さ せて もらって いい かな ?
( 岡部 ) はい もちろん 構い ませ ん
( 由季 ) 妹 思い の いい お 兄さん です ね
( 鈴 羽 ) うん 私 の 最高の 家族 だ よ
その … 兄 の こと これ から も よろしく お 願い し ます
私 も …
至 さん に 萌 え 萌 え キュン ! な んです よ
あ …
( 由季 ) 鈴 羽 …
あなた が 生まれて くれて よかった
ありがとう
あれ ? おかしい な
私 何で …
あっ …
いい の よ
何も 言わ なくて
( 鈴 羽 の 泣き声 )
( 鈴 羽 ) 兄さん は 入ら ない の ?
( ダル ) いい の いい の
僕たち は これ から いくら でも 撮れる から さ
ほ い じゃ いくよ
( 鈴 羽 ) あっ … ( 由季 ) ウフフ
( シャッター 音 )
( 由季 ) 本当に いい の ?
さすが に これ 以上 2 人 の 邪魔 を したら ―
私 が 馬 に 蹴ら れちゃ うよ
フフッ じゃ 行こう か ( 由季 ) はい
( 鈴 羽 ) ありがとう 母さん
♪~
~♪