イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #16
♪~
( 店員 達 ) ♪ ハッピーバースデー トゥーユー
♪ ハッピーバースデー
♪ 琴子
( 入江 琴子 ( いりえ こと こ )) 入江 君 !
( 入江 直樹 ( な おき )) さあ 琴子 火 消して
うん
ふ ー っ
ん ?
あれ ?
ふ ー っ
( 琴子 ) お っか しい な
( 琴子 が 息 を 吸う 音 )
( 琴子 ) ふ ー っ
ふ ー っ
おはよう
あっ おはよう …
寝 ながら 百 面 相 の 練習 か ?
え ?
ニマニマ 笑って る と 思ったら 急に ―
ひょっとこ みたいな 顔 して なんか ふ ー ふ ー 言って た ぞ
ひょっとこ ?
あ ~
夢 か あ ~
( 桔梗 幹 ( ききょう も とき )) あたし この 前 焼肉 屋 さん の 店員 紹介 した でしょ ?
( 桔梗 幹 ( ききょう も とき )) あたし この 前 焼肉 屋 さん の 店員 紹介 した でしょ ?
は ~ あ …
は ~ あ …
( 品川 真里 菜 ( しな がわ まり な )) 何 よ これ見よがしな ため息 なんか ついちゃ って
みんな ご存じ だ と は 思う けど ―
私 今月 28 日 誕生日 な の よ ねえ
知ら ない わ よ そんな の
そう 入江 君 も 知ら ない の よ ね たぶん
(3 人 ) えっ !!
何 それ ?
夫婦 な のに !?
そ ー な の よ IQ 200 な のに なんで 覚えて くれ ない の か な …
そ ー よ ね その 優秀な 脳 の 片隅 に でも … ねえ
( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) 興味 の ない こと は インプット さ れ ない の かしら
( 幹 の せき払い )
毎年 お 義母 ( か あ ) さん が パーティー 開いて くれて ―
無理やり 参加 さ せ られて る けど
自分 から 進んで 愛する 妻 の 誕生日 を 祝おう !
って いう 気持ち に 欠けて る の よ ね 入江 君 …
それ は 確かに 愛 が ない わ ね
あたし だったら 耐え られ ない わ
あたし は たっ か ~ い プレゼント もらえれば それ で いっか なあ
( 幹 ) った く あんた は
琴子 も プレゼント だけ もらえば いい じゃ ん
たっ か ~ いの お ねだり しちゃ いなさ いよ !
値段 じゃ ない わ よ プレゼント は !
やっぱり 愛 が こもって ない と
で 今 まで どんな もの もらった の ?
あっ どんな もの って そり ゃあ …
知り たい 知り たい !
入江 さん が どんな もの あげた の か 興味 ある ~!
ん ? あれ ?
( 琴子 ) まさか … 私 って 一 度 も …
入江 君 から プレゼント もらった こと … ない ?
( 幹 達 ) ウッソ ~!
あんた 達 何 年 一緒に い ん の よ ~!
信じ らん ない
琴子 さん かわいそう
う ー わ ! 離婚 よ 離婚 !
あんた それ ちい ~ っと も 愛さ れて ない わ よ
そんな こと ない わ よ ! 入江 君 は ただ 照れ 屋 な だけ で …
決して 愛さ れて い ない わけじゃ …
問題 ね これ
他 に 女 が いる かも
わかった わ よ !
今年 こそ 年 の 数 だけ の バラ の 花束 シャンパン そして …
愛 の こもった プレゼント 実現 して みせる わ ! お ー !
無理な 方 に 千 円
あたし も 無理な 方 に 千 円
私 も ダメに 千 円
ちょっと ~ 誰 か 大 穴 狙い なさい よ !
ん ?
♪~
28 日 ?
うん うん !
オペ が 入って る 夜 は 当直 ―
何 か あった っけ その 日 ?
( 琴子 ) や … やっぱり 覚えて ない みたい
じゃあ いい です ~
( 琴子 ) こんな こと で へこたれ ない わ よ !―
よ ~ し こう なったら …
( 船津 誠一 ( ふな つ せい いち )) いた ! 入江 さん !
( 加藤 ( かとう )) 何 だ 騒々しい な
ああ 船津 か
28 日 の 当直 僕 が 代わって 差し上げ ます
は ?
だから 28 日 は …
俺 は 代わって もらう 必要 は ない けど
えっ …
それ は 困り ます !
え ?
何と して でも 代わって いただか ない と
じゃ ない と 琴子 さん が … あっ
何 が 困る って ?
え … いえ
( 直樹 ) 琴子 に 何 を 言わ れた
いや な … な っ 何も …
船津 !
ああ …
琴子 さん が 28 日 の 当直 入江 さん と 代わって くれたら ―
真 里奈 さん と 僕 を デート さ せて くれる って
は ? デート ?
ですから ぜひ 28 日 の 当直 僕 に やら せて ください !
約束 です から ね !
船津 … 何 だ あれ
( 入江 紀子 ( のりこ )) お 兄ちゃん と 二 人 っきり で ?
え … すいません …
え ~ 寂しい わ ~!
私 今 この イベント に かけて た のに ~
垂れ幕 だって あと 少し で 完成 だった の よ
垂れ幕 ?
ほら !
( 琴子 ) ああ っ ごめんなさい …
やっぱり いつも 通り の パーティー に … お 願い …
( 紀子 ) いいえ !
そう よ 確かに そうだ わ !
今 まで お 兄ちゃん は 我が家 の パーティー に ―
めん どくさ そうな 顔 で 便乗 して る だけ だった !
プレゼント なんて 見た 覚え が ない わ
わかった わ 琴子 ちゃん !
今年 は お 兄ちゃん と 二 人 で 濃密な 誕生日 を 過ごし なさい
今回 私 は 涙 を のむ わ 寂しい けど …
お 義母 さん …
そう と 決まったら 作戦 よ ! 琴子 ちゃん !
はい !
どう やったら さりげな ~ く お 兄ちゃん に ―
琴子 ちゃん の 誕生日 を 認識 さ せる か
はい …
さりげなく は 無理だ ろ
( 琴子 ) い !
お前 病院 で 船津 に 変な 裏 工作 しや が って
( 琴子 ) 船津 … 口 軽い んだ から !
確かに お前 誕生日 だった な
毎年 この 時期 お袋 張り切って る もん な ―
でも 俺 そういう の 興味 ない から
まあ お 兄ちゃん ったら 最低な 男 ね !
愛する 妻 の 誕生日 に “ 興味 ない ” と は 何 です か !
お前 さあ そこ まで して 俺 と 誕生日 祝い たい の ?
そりゃ あ ずっと 夢 だった し …
ふ ー ん …
言って みろ よ お前 が し たい 誕生日 って やつ
そ ー よ 言って や んな さ いよ 琴子 ちゃん !
え えっ 恥ずかしい し …
ただ 私 は …
とびっきり の おしゃれ を して ~―
入江 君 は 私 の 年 の 数 だけ の バラ の 花束 を 抱えて て ~―
ディナー して …―
シェフ が ケーキ を 運んで きて くれて ~―
店 中 が 私 の ため に 誕生日 を 祝って くれる の
♪ 琴子
( 琴子 ) で 入江 君 と 私 は シャンパン を 飲んで …―
二 人 っきり の 夜 を …―
キャッ
( 直樹 ) お前 の 誕生日 に かける 情熱 は よく わかった よ
え ?
28 日 船津 に 当直 代わって もらう
ほ … ほ … 本当 !?
い … いっ いい の ?
ああ あいつ も うるさい し なあ
やった ー !!
やった わ ね 琴子 ちゃん !
わ ー ! 入江 く ー ん !
( 琴子 ) 入江 君 を 知った 日 から こんな 誕生日 が 訪れる こと を ―
どんなに 夢見て きた こと か …
( シャッター 音 )
( 琴子 ) そんなこんな で 誕生日 当日 を 迎え ました
( 琴子 ) 入江 君 ちゃん と 覚えて る ?
ロイヤル ホテル の ラウンジ に 7 時 だ から ね !
ああ
そ ー よ お 兄ちゃん
琴子 ちゃん の 誕生日 涙 を のんで 譲った んです から ね !
ああ
入江 君 年 の 数 だけ の バラ の 花束 なんて いい から ね
ああ !
ホントに いら ない から ! 欲しく なんか ない から ね
いい加減に して くれ 毎日 毎日 ! 耳 に タコ だ !
( 入江 裕樹 ( ゆうき )) お 兄ちゃん かわいそうに
( 入江 重樹 ( しげき )) うん … ちょっと な
じゃあ
シュッ シュッ シャーッ !
♪~
さっ 私 も のんびり して られ ない
( 琴子 ) 素敵な ドレス に …―
美容院 で セット して もらって ―
素敵な 髪 に して もらって …―
奮発 して メーク も して もらって …―
今日 の この 日 の ため に ―
一 番 素敵な 私 に して もらう んだ
入江 君 私 に 惚れ 直したり して …
( 男の子 ) お 母さん あの お 姉ちゃん 頭 が オウム みたい
( 母親 ) これ シーッ
( 琴子 ) 何 これ …―
この 頭 どうして こんな こと に …―
他の 美容院 に ! いや そんな 時間 全然 ない ―
もし かして 自分 が 思う より 案外 イケ てる の かも …?―
どうして 気 に 入ら ない って 言え なかった んだろう ―
私 の バカ …
( 男性 ) おい どうした !
( 男性 ) 大丈夫です か !
ん ?
どうした ん です か ?
あっ なんか 急に フラフラ して しゃがみこんじゃ った んです よ
そのまま 倒れて 頭 打っちゃ った んです !
( 琴子 ) 大丈夫です か ? 大丈夫です か ?
ちょっと 頭 持ち上げ ます ね
よい しょ
すいません 誰 か ハンカチ 貸して もらえ ませ ん か ?
( 女性 ) ハンカチ … あっ これ 使って ください
ありがとう ございます
あなた ! 救急 車 呼んで もらって も いい です か ?
あっ はい
はい
あっ あの … カバン …―
カバン を 貸して もらって も いい です か ?
はい
( 琴子 ) 頭 の 下 に 入れて ください
( 女性 ) あの 人 看護 師 さん だった の ?
( 女性 ) ホステス さん じゃ なかった んだ ね
( 琴子 ) もう 少し で 救急 車 来 ます から ね
名前 言え ます か ?
他 に どこ か 痛い ところ あり ませ ん か ?
( 救急 隊員 ) いや あ でも 看護 師 さん が いて くれて 助かり ました
貧血 だ と は 思う んです けど 出血 も あった ので …
( 救急 隊員 ) じゃ ありがとう ございました
( 男性 ) いや あ あんた よく やった よ
( 男性 ) ホント お 姉さん よく やった よ なあ
( 男性 ) ああ すごかった
かっこよかった よ
いや あ …
あの … カバン …
( 救急 隊員 ) ああ じゃあ ちょっと そこ 置いて ください
( 救急 隊員 ) あっ お 友達 は ここ に お 願い し ます
( 琴子 ) えっ ちょ … 私 ただ の 通りすがり で …―
友達 なんか じゃ ない んです …―
お ー い 出して … あ ~!
( 琴子 ) どう しよう … もう 2 時間 以上 も 遅れて る ―
入江 君 もう 帰っちゃ った かも
なんで 今日 に 限って こんな …
( 琴子 ) 入江 君 ! ごめん ね !―
お 願い もう 少し …―
待って て !
( スタッフ ) お 客 様
失礼です が その お召し物 は どう なさった のでしょう か ?
え ? どう なさった って 何 です か …
お ケガ でも さ れた んでしょう か ?
やっ これ は … 違う んです !
ヤダ どうし よう 私 …
( スタッフ ) お 客 様 ?
こんな 格好 で 入江 君 に 会う なんて …
( スタッフ ) あの …
( 琴子 ) 私 ここ で 待ち合わせ して て …
でも もう 3 時間 以上 も 待た せちゃ って て …
では お 呼び出し いたし ましょう か ?
誕生日 な のに …
こんな 格好 で 入江 君 に 会う なんて …
お 客 様 …
初めて 入江 君 に お 祝い して もらう のに …
こんな 格好じゃ 会え ないで す よ ね
あの とりあえず あちら の 方 で …
入江 君 もう 帰っちゃ い ました か ね
それ に つき まして は わかり かね ます が …
入江 君 ?
お前 が ケガ した か と 思った ろ ー が …
った く 驚かせ や がって
( 琴子 ) 入江 君 !
ごめんなさい 私 遅く なっちゃ って …
いろいろ あって … なかなか たどり着け なく って …―
気 が 狂い そうに なって …―
でも …―
入江 君 帰っちゃ った か と 思って た けど …―
でも 諦めきれ なく って …
今日 は お前 が 何 が あって も ―
這い つくば って でも 来る の は わかって たから …
帰る に 帰れ ないだ ろ ?
しっか し すごい いでたち だ な
うん 入江 君 …
話 は 後 で ゆっくり 聞く と して …
腹 減った な
予約 して いた 店 は 閉まっちゃ って る し
その 格好じゃ あな …
( 女性 ) チョット ソコノ オ 兄 サーン !
ハアーイ !
コレ アナタノ 荷物 デー スネ ソコニ 落 チテマシタ
コンナトコ 二 置 イトクト 置 キ 引 キニ 遭 イマース
サッ 持 ッテ 持 ッテ ハイ オ 兄 サン 持 ッテ ~!
オー 大変 !
ソロソロ 飛行機 ノ 時間 デス 国 ニ 戻 ラネバ
オフタリトモ オ 幸 セニ ~!
シーユー !
( シャッター 音 )
( 琴子 ) きれい ~
本当に 年 の 数 だけ バラ が ある
ねえ ケーキ も ある よ ~ 食べよう !
お袋 の 奴 何 考えて んだ
これ ど ー しろ って 言う んだ
お 義母 さん …
もし かして こっそり ずっと 待って て くれた の か な 私 の こと
だろう な どうせ ビデオ でも 撮って た んだ ろ
った く … 暇な 奴
でも 私す ごく 嬉しい
こんな 幸せ 者 の お 嫁 さん 他 に い ない よ ね
誕生日 おめでとう 琴子
入江 君 …
プレゼント 何 が 欲しい ?
えっ ? ほ … 本当 ?
えー どう しよう か なあ ~
えー っと ねえ えー と …
あっ じゃあ …
入江 君 に “ 好き ” って 言って ほしい な
“ 好き ” って …
やっぱり … やっぱり 今 の ナシ ! 考え 直す
えー っと ね えー と えー と ん … うーん …
琴子 好きだ よ
私 も …
大好き
♪~
( 琴子 ) 入江 君 と 出会って もう 随分 経つ のに ―
どうして こんなに ドキドキ する んだろう
( 琴子 ) どうして こんなに ―
入江 君 の こと が 好きな んだろう
あっ …
いけ ね
( 琴子 ) 入江 君 も …―
私 の こと 好き で いて くれて る の か な ?―
私 は 今 も 入江 君 に 毎日 ドキドキ して る けど ―
入江 君 も …―
たまに は ドキドキ なんか して くれて る の か な ?―
そう だ と いい なあ …
フフフ … ハハハ …
いきなり 不気味に 笑う な よ
だって ~ 見て も 見て も 飽き ない んだ もん !
もう 2 か月 も 前 だ ろ ? お 兄ちゃん に もらった の
そう だ けど お ~
まだまだ ず う ~ っと 見て たい の ~
お 兄ちゃん も プレゼント した 甲斐 が ある わ ねえ
こんなに 喜んで もらえて
あっ これ 琴子 ちゃん に 来て たわ よ
ありがとう ございます
お っ クリス から だ
え ~ っ 何 これ ~! すごい ~!
まあ 素敵 ~!
どうした
( 琴子 ) 見て 見て これ ~!
( クリスティーヌ ・ ロビンス ) “ 拝啓 直樹 & 琴子 ”―
“ アタシ 達 別荘 ノ オ 城 デ 式 ヲ 挙 ゲテシマイマシテン ”―
“ 新婚 旅行 ヲ 兼 ネテ シバラク イギリスニオリマス ”―
“ 直樹 ト 琴子 ニ 負 ケヘン 夫婦 ニ ナルツモリヤデ ”―
“ アタシラ 今 メッチャ 幸 セデッセー クリス ”
クリス って すごい 家 の 子 だった んだ ね …
だ な …
でも すごく きれいだ ね ~
金之助 ( きん の すけ ) も 意外 と 似合って んな
幸せ そう 二 人 と も …
裕樹 ?
なんか さっき から ちょっと 熱っぽくて
ええ ?
あら っ ホントだ わ
好美 ( このみ ) の 奴 具合 悪 そう だった から うつった かな
何 して うつった の かしら ね ~
こ っ 琴子 お前 何 言って んだ !
はい はい ちょっと 待って て ね
はい
( 琴子 ) この 時 に は まだまだ みんな 余裕 が あった のでした
( せき込み )
( せき込み )
った く そろい も そろって …
( 直樹 ) 吸って ―
吐いて ―
口 あけて
ああ … のど も 赤く なって る な
次 親父
( 重樹 ) お 願い し ます
( 琴子 ) その 頃 病院 でも 大変な こと に なって い ました ―
昨日 まで より も さらに ―
大勢 の インフルエンザ と 見 られる 患者 が 押し寄せ …
こんなに …
失礼 し ます
( 看護 師 ) あなた 外科 から の 応援 の 方 ?
はい ! 外科 から 参り ました 入江 琴子 です
どうぞ よろしく お 願い し ます
入江 君 !
琴子
なんで ここ に …
お前 と 同じ 理由
そう な の ね ~ なんて 偶然な の かしら ?
やっぱり 私 達 って みんな に 頼ら れる 夫婦 な の ね ~!
“ 達 ”?
入江 君 が いれば 百 人力 よ ね 頑張 ろ ー ね !
そう だ な
( 琴子 ) 入江 君 と 一緒に 働ける なんて …―
私 って なんて ツイ てる んだろう ~
入江 さん ?
ボサッ と して ないで こっち 来て
あっ はい
( 琴子 ) それ から と いう もの 殺人 的な スケジュール が 続いた のでした
山田 真紀子 ( や まだ まきこ ) さん 2 番 の お 部屋 の 前 で お 待ち ください
( 山田 真紀子 ) は ー い
( 琴子 ) 山田 さん です か ?
こちら で お 待ち ください
吸入 する タイプ の お 薬 を 出して おき ます
薬 を もらったら なるべく 早く 吸入 して ください
( 女性 ) ありがとう ございました
お 大事に どうぞ
ん ~ おいしい !
( 着信 音 )
は ー い
はい 入江 で ございます
ああ 琴子 ちゃん
え … えっ ? まだ 帰れ ない の ?
まあ 大変 ね ~ 大丈夫 ? 琴子 ちゃん
ここ の ところ 私 達 の 看病 と 仕事 で ちゃんと 寝て ない でしょう ?
ん ? あ … ああ こっち は 大丈夫 よ
私 も 熱 も すっかり 下がった し 琴子 ちゃん の おかげ で … うん
はい
じゃ くれぐれも 無理 し ないで ね
うん はい …
は ー い
ホントに 大丈夫 かしら ?
( 直樹 ) お前 も 帰れ なく なった の か
( 琴子 ) 入江 君 !―
入江 君 も 残って る の ?
ああ この 状況 じゃ な
は あ ~! 嬉しい な ~!
あんまり 二 人 で って ない もん ね
( 直樹 ) よく 喜べる よ な
だって ~ ずっと こういう の に 憧れて た んだ も ~ ん
何 ?
お前 さ 前 から 聞こう と 思って た んだ けど さ …
身体 おかしく ない か ?
え ? あ … うん …
まっ ちょっと は 疲れて は いる けど
そう いえば ちょっと 熱っぽい かな ?
でも 別に
メシ 食べて る か ?
ああ あんまり 食欲 なく って バタバタ して たし …
でも 大丈夫
そう か
ヤダ 入江 君 ! 私 の こと すごく す ご ー く 心配 して た の ?
愛する 妻 が インフルエンザ に かかって ない か って !
いや そういう …
ヤダ もう ! 入江 君 ったら ~
も ~ 嬉しい なあ ~
元気な の は わかった
( 看護 師 ) あっ いた 入江 先生 琴子 さん も
どう し ました ?
急患 です
( 貴史 ( たかし )) 痛い … 痛い よ ~
( 母親 ) 大丈夫 大丈夫 よ …―
先生 先生 ! 子供 が …
どう し ました ?
自転車 で ガラス 戸 に 突っ込んじゃ った そうです
血 が … 血 が 止まら なくて …
ずっと こう やって 押さえて 来た んです けど …
そういう 時 は お 母さん 救急 車 呼んで いい んです よ
( 母親 ) でも 手 離したら …―
血 が … 血 が 出て きちゃ う から 電話 も でき なくて …
とにかく こっち に 座ら せて ください ねっ ―
手 離して 傷口 診せて ください ね
( 直樹 ) ライト
( 琴子 ) お 母さん タオル を こっち に 渡して ください
大丈夫です から ねっ
大丈夫です よ
( 直樹 ) まずは ガラス の 破片 取り除か ない と な
少し 痛む かも しれ ない けど 頑張れよ ボク
( 貴史 ) 痛い よ 痛い …
貴史 !
貴史 ごめん ね ! ママ 助けて あげ られ なくて …
お 母さん 落ち着いて !
お 母さん が しっかり し ない と 貴史 君 が 不安がり ます よ
一緒に 励まして あげ ま しょ ! ねっ
看護 師 さん
大丈夫 !―
入江 先生 は 傷口 の ガラス の 破片 取ら せたら ―
日本 一 って 人 です から !―
ねっ
はい
( 母親 ) 貴史 …―
頑張って 貴史 !
よし 頑張れよ 貴史 君
いた っ … 痛い …
( 母親 ) 頑張れ 貴史 !
もう ちょっと だ から ね 貴史 君
( 母親 ) さっき は すみ ませ ん でした
私 取り乱しちゃ って 恥ずかしい です
そんな の 当たり前です よ ビックリ し ます よ ね
看護 師 さん が ―
私 が しっかり し ない と って 言って くれた おかげ で ―
目 が 覚め ました
ああ そう だって … この 子 不安 に さ せて どう する んだ って
そんな …
でも よかった で すね 思った より 傷 も 深く なくて
頑張った ね ~ 貴史 君 偉い ぞ !
本当に ありがとう ございました
ガラス の 破片 を 取ら せたら 日本 一 の 先生 と ―
優しい 看護 師 さん が いて くれて よかった です ―
失礼 し ます
お 大事に
( 貴史 ) バイバーイ
( 琴子 ) バイバイ
帰 ろ っか
痛 った …
よかった じゃ ね ー か
生まれて 初めて 看護 師 と して 褒め られて
なあ に よ それ そんな こと ない もん !
俺 なんか ―
ガラス の 破片 を 取ら せたら 日本 一 なんだ ろ ?
光栄だ な
でも …
嬉しい 入江 君
お 母さん って すごい よ ね
貴史 君 抱えた まん ま ずっと ここ まで 走って きたん だって
あんな 小柄な のに
ああ
すごい よ ねえ
お 母さん の 子供 守る パワー って なんか す っご いよ ね !
そう だ な
( 看護 師 ) 入江 先生 !
すいません また 患者 さん が …
った く すげ ー な 今夜 は
琴子 お前 もう 帰れ もう 一 人 応援 が 来る らしい から
( 琴子 ) え ?
( 看護 師 ) そう ね 琴子 さん じきに 山村 ( やま むら ) さん も 来る はずだ し
あ … いや 大丈夫だ よ まだ
入江 君 頑張って る のに 私 だって まだ …
( 琴子 ) あれ …―
変だ な … 足 に 力 が …
琴子 !
琴子 !
琴子 さん ?
琴子 !
( 琴子 ) 入江 く … ん
あ ! 目 を 覚ました !
本当だ わ ! 琴子 ちゃん 気 が ついた の ね
お 兄ちゃん お 兄 ちゃ ー ん ! 琴子 ちゃん が !―
琴子 ちゃん が …
( 重樹 ) ママ 落ち着いて 落ち着いて
あれ … 私 …
琴子 ちゃん あなた 病院 で 倒れた の よ
お 兄ちゃん が 病院 から 運んで きた んだ
それ から 今 まで ずーっと 寝て いた の よ
心配 した わ あ よかった ! 気 が ついて …
ごめんなさい 私 心配 かけちゃ って
( 相原 重雄 ( あい は らし げ お )) まったく だ
お前 って 奴 は 心配 かけ や が って …
よかった よかった ! あい ちゃん … うん
( 紀子 ) ごめんなさい ね 琴子 ちゃん !―
私 達 の インフルエンザ が うつった の よ ~!
しかも 病院 も 休め ず に 働いて …
私 達 の 看病 まで して !
ごめんなさい ね 無理 さ せちゃ って
そんな こと ないで すよ お 義母 さん
眠った せい か もう 全然 平気です し
今 の うち に 風邪 薬 飲んで おけば 明日 に は もう ケロリ だ と 思い ます
本当 ? 琴子 ちゃん ?
はい ! 大丈夫 大丈夫 !
( 紀子 ) じゃ お 水 持ってきて あげる わ ね
はい ありがとう ございます
あっ … お 兄ちゃん ! ほら 琴子 ちゃん が …
( 直樹 ) 飲む な
え …?
まだ 飲む な
あ … 入江 君 ごめん ね 心配 かけちゃ って …
でも もう 全然 平気だ から …
あの 時 は なんか 目 の 前 が 真っ白に なっちゃ って …
( 直樹 ) 琴子
お前 …
前 の 生理 いつ だった ?
な … な … 何 …
そんな そんな … き … き … 聞く の !?
( 紀子 ) そう よ ! お 兄ちゃん …
お前 …
い … 入江 君 ?
妊娠 して ない か ?
♪~
( 琴子 ) せ ー の !―
ジャーンプ …
ねえ 入江 君
ん ?
何でもない
琴子
ん ?
何でもない
♪~