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刀語, Katanagatari Episode 8 (3)

Katanagatari Episode 8 (3)

二度と そんな 的外れな 心配 が でき ぬ よう

これ を 機会 に そ なた を 教育 して やる

今夜 は 寝かさ ぬ ぞ

明日 決着 を つけよう

「 虚 刀 流 · 薔薇 」

で 「 虚 刀 流 · 百合 」

人間 認識 即刻 惨殺

斬 殺 できる もん なら 斬 殺して みろ

そのころ に は あんた を まあ 八 つ 裂き に は でき ない んだ けど な

バカ は まって ない

「 虚 刀 流 · 鷺 草 」

「 虚 刀 流 · 石榴 」 から 「 菖蒲 」 まで

混成 接続

七 花

危ない 危ない

いい か 攻撃 は

打撃 系 のみ に 限る

分かった

どうせ 日和 号 に 投げ 技 は 通じ ねえ

それ も 頭部 と 胴体 に は 当てる な

うん

しかし とがめ も すげ え こと 考える よ な

傷つけちゃ いけない って 縛り が ある ところ に

相手 に 勝手に 防御 さ せる って 考え

意思 の ない 人形 を そういうふうに 利用 する と は

まったく

でも やっぱり けん制 が 効か ない って の は 厄介だ

こっち は 体 が 覚えちゃ って る から な

無駄だ と 思って も

ついつい 要所 要所 で けん制 を 入れちゃ うし

反撃 開始

「 人形 殺 法 · 竜巻 」

「 人形 殺 法 · 旋風 」

「 人形 殺 法 · 春一 番 」

「 人形 殺 法 · 突風 」

そのほか は だいたい とがめ の 予想 した とおり の ようだ な

当然だ

そ なた の 姉 ほど で は なく と も な

わたし だって 見る 目 は ある のだ

外側 から 見れば それ が どういう 動き を する の か

どういう 動き が 可能な の か くらい は 見 切れる と も

これ で だいたい 日和 号 の 動き が 分かる はずだ

これ を 把握 する まで 今夜 は 寝かさ ぬ ぞ

ああ

あえて 言う なら わたし は 見切る ので も 見抜く ので も ない

そ なた を 信じ ただ 見守る しか ない

信じて いる ぞ 七 花

だったら 俺 は

いい か 七 花

俺 は 刀 だ

そして お前 も また 刀 だ

刀 は 斬れ なければ 意味 は ない

まずは その こと を 第 一 に 考え

お前 は ただ 鋭き 刀 であれば いい

俺 が そう であった ように

どういう 意味

その うち 分かる

今 なら 親父 の 言葉 の 意味 が 分かる

刀 に なる と は 気持ち を 持つ な 考える な

感じる な と いう 意味 だ

「 人形 殺 法 · 鎌 鼬 」

とがめ 日和 号 は ちょっと 前 の 俺 だ

覚悟 決意 も なく

何も 捨て ないで 正義 の 心 も なく ただ

とがめ に 言わ れる まま 刀 集 め を して いた 俺 だ

七 花

だから 真庭 の 蝙蝠 も 迷彩 も 錆 も

刀 を 集める ため に 何の 迷い も なく 斬った

でも 意思 を 持た ない 刀 の まま だったら

俺 は 姉ちゃん に 勝つ こと が でき なかった

ただ 四季 崎 に 命じ られる まま 何 百 年 も 命令 どおり に 攻撃 する こいつ は

ちょっと 前 の 俺 と 同じだ

俺 こんなふうに こんな 機械 人形 みたいに 戦って た んだ

きっと みんな ちっとも 楽しく なかった んだろう な

人間 認識

俺 に は お前 が 刀 に しか 見え ない けれど

日和 号 お前 は 俺 を 人間 と 言って くれる んだ な

「 虚 刀 流 · 木蓮 」

「 人形 殺 法 · 嵐 」

「 虚 刀 流 · 桜 桃 」

「 人形 殺 法 · 砂 嵐 」

「 虚 刀 流 · 野 苺 」

「 人形 殺 法 · 台風 」

とがめ

俺 も とがめ を 信じて その 命令 に 従う

この 身 が 折れよう と も 俺 は

何 だ

「 人形 殺 法 · 微風 刀 風 」

おいおい マジ かよ

まさか ここ まで とがめ の 予想 どおり だ なんて

見れば 分かる 人形 は 人間 と 違って 素直だ

とがめ

とがめ 俺 も とがめ を 信じて る ぞ

命令 に 従う の も 俺 の 意思 で だ

たとえ この 身 が 折れよう と も 俺 は とが め を 守る

心 に そう 決めた ぜ

何 を いまさら 言って おる

とがめ に 命じ られた から じゃ ない

俺 が 人 と して この 心 で そう 決めた んだ

俺 は 刀 だ が

同時に 魂 を 持つ 人間 な んだ から

七 花

そろそろ だ な

やれやれ ずいぶん と かかって しまった ようだ が

ようやく 燃料 切れ か

思った より 軽い な

じゃあ の たまに 日なたぼっこ する みたいに 立ち止まって た の が

燃料 補給 だった の か

そういう こと だ

とがめ 最初 から それ を

まあ どうして これ が 動いて いる か と いう 素朴な 疑問 を 解消 した 所 から

策 を 練った まで の こと

問題 は

日和 号 の 燃料 とそ なた の 体力 と どっち が 早く 底 を 突く か だった

でも 俺 の 体力 が 勝つ って 勝算 は あった の か

勝つ と 思えば 運命 は そう なる と か 言う つもりだ ろ

違う な

運命 は 自分 で 言い張る もの だ

「 わたし は そな た を 信じて いる から な 」 と 言った であろう

物 は 言いよう だ

さて 今 の うち に 手足 を 取り外して おか ない と な

いつ何時

何 か かわいそうだ な

バカ かそ なた は 人形 に 感情 移入 して どう する

人 の 顔 は して いて も これ は あくまでも 完成 形 変 体 刀 の 1 本

「 微 刀 · 釵 」 な のだ ぞ

刀 に 対する 感情 移入 なら わたし が 言って いい こと で は ない か

結構 かわいらしい 顔 して んだ な

四季 崎記 紀 の 趣味 な の か な

東 風 吹か ば 匂い おこせよ 梅 の 花 主 なし とて 春 を 忘 る な

作り手 も 死に

主 も ない まま 数 百 年 も の 間 あの 不要 湖 を 守り 続けた この 人形 に は

確かに ねぎらい の 言葉 の 一 つ くらい は 掛けて やって も よい の かも しれ ぬ な

敵 ながら あっぱれだ

そう だ さっき の もう 一 回 言って みろ

「 俺 は とが め を 信じて 」 って やつ

いい よもう

言って みろ って

い いって

言えば いい じゃ ん

だから い いって

釵 って の は さ

四季 崎記 紀 が 生前 に 最も 愛した 女性 を 模して 作って ある ん だって さ

笑っちゃ う こと に さ

別に 笑う ような こと で は ない と 思い ます が

わたし の 言う こと を 否定 する の

いい じゃ ん

あんた も だいぶ わたし の 機嫌 の 取り 方 が 分かって きた って 感じ

あの 不愉快な 女 は その後 どうした の かしら

日和 号 と 報告 書 を こっち に 送りつけて 帰って こ ない つもりな の

いえ 不要 湖 で 四季 崎記 紀 の 工房 の 発掘 作業 を して いる ようです

あら 七 花 君 に やら せて いる の ね

まったく 人使い が 荒い わ ね

それにしても 工房 に 何 か 情報 が ある と 思って いる の かしら

真庭 鳳凰 より 得て いる 刀 の 在りか は 天童

その 情報 の 真偽 を 確かめる つもり か と

あ 本当に 天童 に ある んだった わ ね

あそこ の は 何 だ っけ

「 王 刀 · 鋸 」 です

それ より さ

姫 さま

やっぱり 邪魔 よ ね

邪魔 私 が です か

あんた が 邪魔な の は いつも の こと でしょ

真庭 忍 軍 の こと よ

真庭 忍 軍 に ついて は 放っておけば いい と

そんな 過去 の 自分 を 否定 する わ

残り は 確か 3 人 よ ね

あんた さ

ちょっと 真庭 鳳凰 を

暗殺 して き なさい よ

何 だ 何 か あったか

何 か 分か ん ない けど ずっしり 重い し

開けて みる か

箱 など 今 は 関係ない

工房 を 探る の が 先だ

そんな もの は 捨てて お けう

魂 も なく た だ あるじ の 命 に 忠実であった 人形 と の 戦い で

人 の 心 の 意味 を 知った 人間 刀 鑢 七 花

奇 策 士 とがめ と の 刀 集 め の 旅 も いよいよ 佳境 に 入った ところ で

今月 こ よい の 『 刀 語 』 お楽しみ は ここ まで に ございます

語ら ないで 語れ ない 姿

玉手 箱 に 詰めたら 眠れ ます か

動き出す 切ら れる まま の 体

孤独 の 息吹 注ぐ

思い出せ 形 は 人 を 無にして

安らぎ に 帰る の

からくり の 糸 は 透明だ から 嫌い

引き千切る 一 人 で 飛べる

踊ら ない の 踊れ ない 姿

在る 昔 を 絵 に した 踊り わたし

語ら ないで 語れ ない 姿

玉手 箱 に 詰めたら 眠ら れた ね


Katanagatari Episode 8 (3)

二度と そんな 的外れな 心配 が でき ぬ よう にどと||まとはずれな|しんぱい||||

これ を 機会 に そ なた を 教育 して やる ||きかい|||||きょういく||

今夜 は 寝かさ ぬ ぞ こんや||ねかさ||

明日 決着 を つけよう あした|けっちゃく||

「 虚 刀 流 · 薔薇 」 きょ|かたな|りゅう|ばら

で 「 虚 刀 流 · 百合 」 |きょ|かたな|りゅう|ゆり

人間 認識 即刻 惨殺 にんげん|にんしき|そっこく|ざんさつ

斬 殺 できる もん なら 斬 殺して みろ き|ころ||||き|ころして|

そのころ に は あんた を まあ 八 つ 裂き に は でき ない んだ けど な ||||||やっ||さき|||||||

バカ は まって ない ばか|||

「 虚 刀 流 · 鷺 草 」 きょ|かたな|りゅう|さぎ|くさ

「 虚 刀 流 · 石榴 」 から 「 菖蒲 」 まで きょ|かたな|りゅう|ざくろ||あやめ|

混成 接続 こんせい|せつぞく

七 花 なな|か

危ない 危ない あぶない|あぶない

いい か 攻撃 は ||こうげき|

打撃 系 のみ に 限る だげき|けい|||かぎる

分かった わかった

どうせ 日和 号 に 投げ 技 は 通じ ねえ |ひより|ごう||なげ|わざ||つうじ|

それ も 頭部 と 胴体 に は 当てる な ||とうぶ||どうたい|||あてる|

うん

しかし とがめ も すげ え こと 考える よ な ||||||かんがえる||

傷つけちゃ いけない って 縛り が ある ところ に きずつけちゃ|||しばり||||

相手 に 勝手に 防御 さ せる って 考え あいて||かってに|ぼうぎょ||||かんがえ

意思 の ない 人形 を そういうふうに 利用 する と は いし|||にんぎょう|||りよう|||

まったく

でも やっぱり けん制 が 効か ない って の は 厄介だ ||けんせい||きか|||||やっかいだ

こっち は 体 が 覚えちゃ って る から な ||からだ||おぼえちゃ||||

無駄だ と 思って も むだだ||おもって|

ついつい 要所 要所 で けん制 を 入れちゃ うし |ようしょ|ようしょ||けんせい||いれちゃ|

反撃 開始 はんげき|かいし

「 人形 殺 法 · 竜巻 」 にんぎょう|ころ|ほう|たつまき

「 人形 殺 法 · 旋風 」 にんぎょう|ころ|ほう|せんぷう

「 人形 殺 法 · 春一 番 」 にんぎょう|ころ|ほう|しゆんいち|ばん

「 人形 殺 法 · 突風 」 にんぎょう|ころ|ほう|とっぷう

そのほか は だいたい とがめ の 予想 した とおり の ようだ な |||||よそう|||||

当然だ とうぜんだ

そ なた の 姉 ほど で は なく と も な |||あね|||||||

わたし だって 見る 目 は ある のだ ||みる|め|||

外側 から 見れば それ が どういう 動き を する の か そとがわ||みれば||||うごき||||

どういう 動き が 可能な の か くらい は 見 切れる と も |うごき||かのうな|||||み|きれる||

これ で だいたい 日和 号 の 動き が 分かる はずだ |||ひより|ごう||うごき||わかる|

これ を 把握 する まで 今夜 は 寝かさ ぬ ぞ ||はあく|||こんや||ねかさ||

ああ

あえて 言う なら わたし は 見切る ので も 見抜く ので も ない |いう||||みきる|||みぬく|||

そ なた を 信じ ただ 見守る しか ない |||しんじ||みまもる||

信じて いる ぞ 七 花 しんじて|||なな|か

だったら 俺 は |おれ|

いい か 七 花 ||なな|か

俺 は 刀 だ おれ||かたな|

そして お前 も また 刀 だ |おまえ|||かたな|

刀 は 斬れ なければ 意味 は ない かたな||きれ||いみ||

まずは その こと を 第 一 に 考え ||||だい|ひと||かんがえ

お前 は ただ 鋭き 刀 であれば いい おまえ|||するどき|かたな||

俺 が そう であった ように おれ||||よう に

どういう 意味 |いみ

その うち 分かる ||わかる

今 なら 親父 の 言葉 の 意味 が 分かる いま||おやじ||ことば||いみ||わかる

刀 に なる と は 気持ち を 持つ な 考える な かたな|||||きもち||もつ||かんがえる|

感じる な と いう 意味 だ かんじる||||いみ|

「 人形 殺 法 · 鎌 鼬 」 にんぎょう|ころ|ほう|かま|いたち

とがめ   日和 号 は ちょっと 前 の 俺 だ |ひより|ごう|||ぜん||おれ|

覚悟 決意 も なく かくご|けつい||

何も 捨て ないで 正義 の 心 も なく ただ なにも|すて||せいぎ||こころ|||

とがめ に 言わ れる まま 刀 集 め を して いた 俺 だ ||いわ|||かたな|しゅう|||||おれ|

七 花 なな|か

だから 真庭 の 蝙蝠 も 迷彩 も 錆 も |まにわ||こうもり||めいさい||さび|

刀 を 集める ため に 何の 迷い も なく 斬った かたな||あつめる|||なんの|まよい|||きった

でも 意思 を 持た ない 刀 の まま だったら |いし||もた||かたな|||

俺 は 姉ちゃん に 勝つ こと が でき なかった おれ||ねえちゃん||かつ||||

ただ 四季 崎 に 命じ られる まま 何 百 年 も 命令 どおり に 攻撃 する こいつ は |しき|さき||めいじ|||なん|ひゃく|とし||めいれい|||こうげき|||

ちょっと 前 の 俺 と 同じだ |ぜん||おれ||おなじだ

俺 こんなふうに こんな 機械 人形 みたいに 戦って た んだ おれ|||きかい|にんぎょう||たたかって||

きっと みんな ちっとも 楽しく なかった んだろう な |||たのしく|||

人間 認識 にんげん|にんしき

俺 に は お前 が 刀 に しか 見え ない けれど おれ|||おまえ||かたな|||みえ||

日和 号 お前 は 俺 を 人間 と 言って くれる んだ な ひより|ごう|おまえ||おれ||にんげん||いって|||

「 虚 刀 流 · 木蓮 」 きょ|かたな|りゅう|もくれん

「 人形 殺 法 · 嵐 」 にんぎょう|ころ|ほう|あらし

「 虚 刀 流 · 桜 桃 」 きょ|かたな|りゅう|さくら|もも

「 人形 殺 法 · 砂 嵐 」 にんぎょう|ころ|ほう|すな|あらし

「 虚 刀 流 · 野 苺 」 きょ|かたな|りゅう|の|いちご

「 人形 殺 法 · 台風 」 にんぎょう|ころ|ほう|たいふう

とがめ

俺 も とがめ を 信じて その 命令 に 従う おれ||||しんじて||めいれい||したがう

この 身 が 折れよう と も 俺 は |み||おれよう|||おれ|

何 だ なん|

「 人形 殺 法 · 微風 刀 風 」 にんぎょう|ころ|ほう|びふう|かたな|かぜ

おいおい マジ かよ

まさか ここ まで とがめ の 予想 どおり だ なんて |||||よそう|||

見れば 分かる 人形 は 人間 と 違って 素直だ みれば|わかる|にんぎょう||にんげん||ちがって|すなおだ

とがめ

とがめ 俺 も とがめ を 信じて る ぞ |おれ||||しんじて||

命令 に 従う の も 俺 の 意思 で だ めいれい||したがう|||おれ||いし||

たとえ この 身 が 折れよう と も 俺 は とが め を 守る ||み||おれよう|||おれ||と が|||まもる

心 に そう 決めた ぜ こころ|||きめた|

何 を いまさら 言って おる なん|||いって|

とがめ に 命じ られた から じゃ ない ||めいじ||||

俺 が 人 と して この 心 で そう 決めた んだ おれ||じん||||こころ|||きめた|

俺 は 刀 だ が おれ||かたな||

同時に 魂 を 持つ 人間 な んだ から どうじに|たましい||もつ|にんげん|||

七 花 なな|か

そろそろ だ な

やれやれ ずいぶん と かかって しまった ようだ が

ようやく 燃料 切れ か |ねんりょう|きれ|

思った より 軽い な おもった||かるい|

じゃあ の たまに 日なたぼっこ する みたいに 立ち止まって た の が |||ひなたぼっこ|||たちどまって|||

燃料 補給 だった の か ねんりょう|ほきゅう|||

そういう こと だ

とがめ 最初 から それ を |さいしょ|||

まあ どうして これ が 動いて いる か と いう 素朴な 疑問 を 解消 した 所 から ||||うごいて|||||そぼくな|ぎもん||かいしょう||しょ|

策 を 練った まで の こと さく||ねった|||

問題 は もんだい|

日和 号 の 燃料 とそ なた の 体力 と どっち が 早く 底 を 突く か だった ひより|ごう||ねんりょう||||たいりょく||||はやく|そこ||つく||

でも 俺 の 体力 が 勝つ って 勝算 は あった の か |おれ||たいりょく||かつ||しょうさん||||

勝つ と 思えば 運命 は そう なる と か 言う つもりだ ろ かつ||おもえば|うんめい||||||いう||

違う な ちがう|

運命 は 自分 で 言い張る もの だ うんめい||じぶん||いいはる||

「 わたし は そな た を 信じて いる から な 」 と 言った であろう |||||しんじて|||||いった|

物 は 言いよう だ ぶつ||いいよう|

さて 今 の うち に 手足 を 取り外して おか ない と な |いま||||てあし||とりはずして||||

いつ何時 いつなんどき

何 か かわいそうだ な なん|||

バカ かそ なた は 人形 に 感情 移入 して どう する ばか||||にんぎょう||かんじょう|いにゅう|||

人 の 顔 は して いて も これ は あくまでも 完成 形 変 体 刀 の 1 本 じん||かお||||||||かんせい|かた|へん|からだ|かたな||ほん

「 微 刀 · 釵 」 な のだ ぞ び|かたな|さい|||

刀 に 対する 感情 移入 なら わたし が 言って いい こと で は ない か かたな||たいする|かんじょう|いにゅう||||いって||||||

結構 かわいらしい 顔 して んだ な けっこう||かお|||

四季 崎記 紀 の 趣味 な の か な しき|さきき|き||しゅみ||||

東 風 吹か ば 匂い おこせよ 梅 の 花 主 なし とて 春 を 忘 る な ひがし|かぜ|ふか||におい||うめ||か|おも|||はる||ぼう||

作り手 も 死に つくりて||しに

主 も ない まま 数 百 年 も の 間 あの 不要 湖 を 守り 続けた この 人形 に は おも||||すう|ひゃく|とし|||あいだ||ふよう|こ||まもり|つづけた||にんぎょう||

確かに ねぎらい の 言葉 の 一 つ くらい は 掛けて やって も よい の かも しれ ぬ な たしかに|||ことば||ひと||||かけて||||||||

敵 ながら あっぱれだ てき||

そう だ さっき の もう 一 回 言って みろ |||||ひと|かい|いって|

「 俺 は とが め を 信じて 」 って やつ おれ||と が|||しんじて||

いい よもう

言って みろ って いって||

い いって

言えば いい じゃ ん いえば|||

だから い いって

釵 って の は さ さい||||

四季 崎記 紀 が 生前 に 最も 愛した 女性 を 模して 作って ある ん だって さ しき|さきき|き||せいぜん||もっとも|あいした|じょせい||もして|つくって||||

笑っちゃ う こと に さ わらっちゃ||||

別に 笑う ような こと で は ない と 思い ます が べつに|わらう|||||||おもい||

わたし の 言う こと を 否定 する の ||いう|||ひてい||

いい じゃ ん

あんた も だいぶ わたし の 機嫌 の 取り 方 が 分かって きた って 感じ |||||きげん||とり|かた||わかって|||かんじ

あの 不愉快な 女 は その後 どうした の かしら |ふゆかいな|おんな||そのご|||

日和 号 と 報告 書 を こっち に 送りつけて 帰って こ ない つもりな の ひより|ごう||ほうこく|しょ||||おくりつけて|かえって||||

いえ 不要 湖 で 四季 崎記 紀 の 工房 の 発掘 作業 を して いる ようです |ふよう|こ||しき|さきき|き||こうぼう||はっくつ|さぎょう||||よう です

あら 七 花 君 に やら せて いる の ね |なな|か|きみ||||||

まったく 人使い が 荒い わ ね |ひとづかい||あらい||

それにしても 工房 に 何 か 情報 が ある と 思って いる の かしら |こうぼう||なん||じょうほう||||おもって|||

真庭 鳳凰 より 得て いる 刀 の 在りか は 天童 まにわ|ほうおう||えて||かたな||ありか||てんどう

その 情報 の 真偽 を 確かめる つもり か と |じょうほう||しんぎ||たしかめる|||

あ 本当に 天童 に ある んだった わ ね |ほんとうに|てんどう|||||

あそこ の は 何 だ っけ |||なん||

「 王 刀 · 鋸 」 です おう|かたな|のこぎり|

それ より さ

姫 さま ひめ|

やっぱり 邪魔 よ ね |じゃま||

邪魔 私 が です か じゃま|わたくし|||

あんた が 邪魔な の は いつも の こと でしょ ||じゃまな||||||

真庭 忍 軍 の こと よ まにわ|おし|ぐん|||

真庭 忍 軍 に ついて は 放っておけば いい と まにわ|おし|ぐん||||ほうっておけば||

そんな 過去 の 自分 を 否定 する わ |かこ||じぶん||ひてい||

残り は 確か 3 人 よ ね のこり||たしか|じん||

あんた さ

ちょっと 真庭 鳳凰 を |まにわ|ほうおう|

暗殺 して き なさい よ あんさつ||||

何 だ 何 か あったか なん||なん||

何 か 分か ん ない けど ずっしり 重い し なん||わか|||||おもい|

開けて みる か あけて||

箱 など 今 は 関係ない はこ||いま||かんけいない

工房 を 探る の が 先だ こうぼう||さぐる|||さきだ

そんな もの は 捨てて お けう |||すてて||

魂 も なく た だ あるじ の 命 に 忠実であった 人形 と の 戦い で たましい|||||||いのち||ちゅうじつであった|にんぎょう|||たたかい|

人 の 心 の 意味 を 知った 人間 刀 鑢 七 花 じん||こころ||いみ||しった|にんげん|かたな|やすり|なな|か

奇 策 士 とがめ と の 刀 集 め の 旅 も いよいよ 佳境 に 入った ところ で き|さく|し||||かたな|しゅう|||たび|||かきょう||はいった||

今月 こ よい の 『 刀 語 』 お楽しみ は ここ まで に ございます こんげつ||||かたな|ご|おたのしみ|||||

語ら ないで   語れ ない 姿 かたら||かたれ||すがた

玉手 箱 に 詰めたら 眠れ ます か たまて|はこ||つめたら|ねむれ||

動き出す   切ら れる まま の 体 うごきだす|きら||||からだ

孤独 の 息吹 注ぐ こどく||いぶき|そそぐ

思い出せ   形 は 人 を 無にして おもいだせ|かた||じん||むにして

安らぎ に 帰る の やすらぎ||かえる|

からくり の 糸 は   透明だ から 嫌い ||いと||とうめいだ||きらい

引き千切る   一 人 で 飛べる ひきちぎる|ひと|じん||とべる

踊ら ない の   踊れ ない 姿 おどら|||おどれ||すがた

在る 昔 を 絵 に した 踊り わたし ある|むかし||え|||おどり|

語ら ないで   語れ ない 姿 かたら||かたれ||すがた

玉手 箱 に 詰めたら 眠ら れた ね たまて|はこ||つめたら|ねむら||