Grisaia no Kajitsu Episode 10

悪かった わ ね こんな 時間 まで 付き合わ せ て わるかった||||じかん||つきあわ||

部屋 に 女の子 待た せ て いる ん でしょ う へや||おんなのこ|また||||||

事前 に 遅く なる こと は 伝え て ある じぜん||おそく||||つたえ||

流石 に もう 待っちゃ い ない だ ろ う さすが|||まっちゃ|||||

じゃあ な JB

ちょっと 待って 雄二 |まって|ゆうじ

なん だ

お 休み 雄二 |やすみ|ゆうじ

何 な ん だ 一体 なん||||いったい

サチ さち

あ あの 私 何も 見 て ませ ん から ||わたくし|なにも|み||||

待て きっと お前 は とんでもない 勘違い を し て いる まて||おまえ|||かんちがい||||

俺 の 話 を 聞け おれ||はなし||きけ

はい わかって ます

大人 の 悪ふざけ です ね 大丈夫 です 誰 に も 話し ませ ん おとな||わるふざけ|||だいじょうぶ||だれ|||はなし||

こう 見え て も 私 口 は 堅い 方 な ん です |みえ|||わたくし|くち||かたい|かた|||

な なんなら いま この 場 で 押し倒し て キス し て 確かめ て 見 ます か ||||じょう||おしたおし||きす|||たしかめ||み||

おいおい

風見 さん かざみ|

何 だ なん|

もし かして 私 は この あと レイプ さ れる の でしょ う か ||わたくし||||れいぷ||||||

誰 に だれ|

いい から もう 行け |||いけ

はい 失礼 し まし た |しつれい|||

まったく

お 帰り |かえり

まだ 待って い た の か |まって||||

うん まあ ね

やる こと も あった し

アイロン かけ と い た よ あいろん|||||

あと ボタン が 取れ かけ て た から 縫い 直し おい た |ぼたん||とれ|||||ぬい|なおし||

そう か ありがとう

すぐ ご飯 に する |ごはん||

先 に シャワー 浴び ちゃ う さき||しゃわー|あび||

それとも

ア タ

シャワー に しよ う しゃわー|||

なあ 天 音 |てん|おと

なぜ そこ まで 俺 に 固執 する ん だ |||おれ||こしつ|||

だから 一目 惚れ って いった よ ね |いちもく|ほれ||||

そんな 言葉 で は 納得 で きん あまり に も 都合 が 良 すぎる |ことば|||なっとく||||||つごう||よ|

雄二 が 知ら ない だけ で ゆうじ||しら|||

私 み たい な 女 が いたって 変 じゃ ない でしょ う わたくし||||おんな|||へん||||

はい お 待た せ ||また|

いただ こ う

あれ メール だ |めーる|

えっ と サッ ちゃん から だ

幸 ねえ 雄二 こう||ゆうじ これ なに

これ は そう だ 前 に 一 度 見 てる だ ろ う ||||ぜん||ひと|たび|み||||

これ は JB と いって 俺 の 上司 だ |||||おれ||じょうし|

上司 じょうし

あ ちょっと し た 悪戯 だ ||||いたずら|

あ そう

何も 聞か ない の か なにも|きか|||

だって 仕事 に 口 挟ま れる の 嫌 でしょ う |しごと||くち|はさま|||いや||

それとも 何 か 疑って 欲しい の |なん||うたがって|ほしい|

そう じゃ ない が

もし かして 雄二 私 に ヤキ モチ を 妬 い て 欲しかった の か な ん ||ゆうじ|わたくし|||もち||ねた|||ほしかった||||

いや 別に そういう わけ じゃ |べつに|||

それ じゃあ ヤキ モチ 妬 い ちゃ お う かな |||もち|ねた|||||

いや 勘弁 し て くれ |かんべん|||

キス し て くれ たら 許す かも よ きす|||||ゆるす||

この 女 どこ まで 本気 な ん だ |おんな|||ほんき|||

と いう か どこ まで 男 を 甘く 見 て いる |||||おとこ||あまく|み||

天 音 てん|おと

よし 目 を 閉じろ 天 音 |め||とじろ|てん|おと

や ん 強引 ||ごういん

こいつ

あたし キス し た の 初めて だった ん だ よ |きす||||はじめて||||

奇 遇 だ な 実は 俺 も だ き|ぐう|||じつは|おれ||

嘘つき うそつき

なんか 雄二 の キス なれ てる 感じ が し た |ゆうじ||きす|||かんじ|||

そう か 次 は 気 を 付けよ ||つぎ||き||つけよ

それ は この 次 も ある って こと |||つぎ||||

言って み た だけ だ いって||||

なん だ 遊び で キス さ れ ちゃ った ん だ わたし ||あそび||きす|||||||

人 聞き の 悪い こと を 言う な じん|きき||わるい|||いう|

俺 だって なんの 覚悟 も なし に こんな 暴挙 に 及 ん だ 訳 じゃ ない おれ|||かくご|||||ぼうきょ||およ|||やく||

どういう こと

お前 が 俺 に 惚れる の は 勝手 だ し 認め も しよ う おまえ||おれ||ほれる|||かって|||みとめ|||

だが 俺 は 一生 お前 の 面倒 を 見 て や れる 約束 する は でき ない |おれ||いっしょう|おまえ||めんどう||み||||やくそく||||

つまり 私 が 彼女 に なる の は 認める けど |わたくし||かのじょ|||||みとめる|

あんた は 私 の 彼 氏 に は なれ ない って こと ||わたくし||かれ|うじ||||||

そういう こと だ

えっ と 結局 私 は 雄二 の 彼女 に なって も いい ん だ よ ね ||けっきょく|わたくし||ゆうじ||かのじょ||||||||

あ だ が さらに 条件 が ある ||||じょうけん||

俺 が 突然 い なく なったり 急に 死 ん だ り し て も 絶対 に 泣く な おれ||とつぜん||||きゅうに|し|||||||ぜったい||なく|

そして 一 年 以内 に 俺 の 事 を 忘れる 努力 を しろ |ひと|とし|いない||おれ||こと||わすれる|どりょく||

その 条件 を 飲め ば 私 は 雄二 の 彼女 |じょうけん||のめ||わたくし||ゆうじ||かのじょ

ああ それ は 間違い ない |||まちがい|

じゃあ その 条件 の む よ ||じょうけん|||

その代わり 雄二 は 私 の こと 好き そのかわり|ゆうじ||わたくし|||すき

それ だけ 今 この 場 で 聞か せ て ||いま||じょう||きか||

俺 は そういった 感情 に 疎い 部分 が ある おれ|||かんじょう||うとい|ぶぶん||

今 お前 に 感じ て いる 気持ち が どういった もの な の か あまり よく 理解 は し て ない が いま|おまえ||かんじ|||きもち|||||||||りかい|||||

お前 の こと は 好き だ おまえ||||すき|

よかった それ が 聞け て |||きけ|

じゃあ さ これ で 私 は 雄二 の 彼女 ||||わたくし||ゆうじ||かのじょ

そう だ

そ っか

どう し た

ごめん 何 か 急に 力 が 抜け ちゃ って |なん||きゅうに|ちから||ぬけ||

膝 が ガクガク し てる の ひざ||がくがく|||

嬉しい ん だ けど なんか 実感 も あまり 湧か なく て うれしい|||||じっかん|||わか||

そ っか 私 雄二 の 彼女 だ ||わたくし|ゆうじ||かのじょ|

気持ち 悪い な 立てよ ほら きもち|わるい||たてよ|

立ち上がら せ て どう する 気 たちあがら|||||き

今 なら 私 抵抗 でき ない よ いま||わたくし|ていこう|||

何 が 言い たい なん||いい|

だから 今 なら 抱 い て も オッケー だ よって サイン を 送って いる の よ |いま||いだ|||||||さいん||おくって|||

は あ

どう する し ちゃ う きっと す っ ごく 気持ち いい ぞ |||||||||きもち||

い たっ ちょっと

ブルブル 震え てる くせ に 調子 に 乗る な アホ ぶるぶる|ふるえ||||ちょうし||のる||

天 音 確かに 俺 は 女 と 付き合った こと は ない てん|おと|たしかに|おれ||おんな||つきあった|||

だが だ から こそ お前 が そう まで し て 俺 と 付き合い たい 理由 を 知り たい ||||おまえ||||||おれ||つきあい||りゆう||しり|

だから 一目 惚れ って |いちもく|ほれ|

あれ

あれ どうして

話せ 何 が お前 を そう さ せ て いる はなせ|なん||おまえ||||||

私立 滝 園 学園 一 年 A 組 しりつ|たき|えん|がくえん|ひと|とし||くみ

バスケ 部 所属 風見 一 姫 |ぶ|しょぞく|かざみ|ひと|ひめ

もちろん 知って る よ ね |しって|||

知って る も 何も 俺 の 姉 だ なぜ しって|||なにも|おれ||あね||

六 年 前 の 八 月 十四 日 女子 バスケ 部 夏 の キャンプ 合宿 の 帰り道 むっ|とし|ぜん||やっ|つき|じゅうよん|ひ|じょし||ぶ|なつ||きゃんぷ|がっしゅく||かえりみち

彼女 を 含む 十 四 人 を 乗せ た バス が 姿 を 消し た かのじょ||ふくむ|じゅう|よっ|じん||のせ||ばす||すがた||けし|

滝 園 学園 マイクロバス 転落 事故 たき|えん|がくえん||てんらく|じこ

私 は その 中 の 唯一 の 生き残り わたくし|||なか||ゆいいつ||いきのこり

私 は 雄二 の お 姉さん と 同級 生 だった わたくし||ゆうじ|||ねえさん||どうきゅう|せい|

なんで そんな 大事 な こと を ||だいじ|||

ごめん 言え なかった ん だ よ |いえ||||

雄二 が 転入 し て き た とき すぐ 気 が つい た ん だ けど 言え なかった ゆうじ||てんにゅう|||||||き|||||||いえ|

ちょっと 待って て 雄二 |まって||ゆうじ

見せ たい もの が ある の みせ|||||

あの 日 の 日記 帳 だ よ |ひ||にっき|ちょう||

そこ に すべて の こと が 書 い て ある ||||||しょ|||

いい の か

うん

六 年 前 の 八 月 十四 日 むっ|とし|ぜん||やっ|つき|じゅうよん|ひ

私 たち は 夏 の キャンプ 合宿 を 終え て 学校 へ 帰る ところ だった わたくし|||なつ||きゃんぷ|がっしゅく||おえ||がっこう||かえる||

先生 この 道 で あって る ん です か せんせい||どう||||||

いい ん だ よ

なん だ

アー くん

シートベルト を

クソ くそ

ええ なに これ

気 が つい た なら 私 の 体 から 降り て 欲しい の だ けれど き|||||わたくし||からだ||ふり||ほしい|||

え あ ご ごめんなさい

痛い わ よ 不用意 に 動か ない で いたい|||ふようい||うごか||

ああ ごめんなさい

後 で 殴る 時 に 呼び出す から あと||なぐる|じ||よびだす|

名前 を 教え なさい なまえ||おしえ|

あ えっ と ごめんなさい

冗談 よ じょうだん|

私 は 風見 一 姫 あなた は わたくし||かざみ|ひと|ひめ||

周防 です 周防 天 音 すおう||すおう|てん|おと

あ 周防 さん ね 名前 と 容姿 が 知って いる けど |すおう|||なまえ||ようし||しって||

お 話 する の は 初めて ね |はなし||||はじめて|

はい 初め まして |はじめ|

敬語 は いい は 私 も 同じ 一 年 だ し けいご||||わたくし||おなじ|ひと|とし||

それ と でき れ ば さっさと 私 の 上 から 降り て 下さる ||||||わたくし||うえ||ふり||くださる

ご ごめんなさい

四 回 目 よっ|かい|め

いい ごめんなさい って 言葉 は 口 に すれ ば する ほど 価値 が 下がる の |||ことば||くち||||||かち||さがる|

次に 言ったら 怒る わ よ つぎに|いったら|いかる||

いい から 左 に どき なさい 出口 は そっち よ ||ひだり||||でぐち|||

ごめんなさい

どうやら 助かった よ ね は い あなた の でしょ う |たすかった||||||||

え う ん ありがとう

何 どうか し た の なん||||

で 誰 から 助け ま しょ う か |だれ||たすけ||||

一 先生 ひと|せんせい

二 あなた の 親友 ふた|||しんゆう

三 怪我人 みっ|けがにん

あなた なら 誰 から 助ける ||だれ||たすける

風見 さん だったら 誰 から 助ける の かざみ|||だれ||たすける|

質問 で 質問 に 返す の は ばか だ と 思わ れる から やめ なさい しつもん||しつもん||かえす||||||おもわ||||

まあ いい わ

じゃ まずは 部長 から 助け ま しょ う ||ぶちょう||たすけ|||

どうして

私 あの 子 が 嫌い な の よ わたくし||こ||きらい|||

先 の 答え だ けど 私 は 四 嫌い な 子 から 助ける わ さき||こたえ|||わたくし||よっ|きらい||こ||たすける|

四 って ずるく ない よっ|||

選択肢 の 中 に 正解 が なかった 時 どう 答える か も この 心理 テスト の 意味 な の よ せんたくし||なか||せいかい|||じ||こたえる||||しんり|てすと||いみ|||

どうして 嫌い な 子 から 助ける の |きらい||こ||たすける|

だって 十 人 に も いる の よ |じゅう|じん|||||

嫌い な こ が 最後 に 残ったら 絶対 に 面倒くさい って 思う に 決まって る じゃ ない きらい||||さいご||のこったら|ぜったい||めんどうくさい||おもう||きまって|||

まずは 怪我人 の 手当て を する べき だ と 私 が 思う けど |けがにん||てあて||||||わたくし||おもう|

どう かしら

こんな 状況 で 私 たち に 何 が できる と 言う の |じょうきょう||わたくし|||なん||||いう|

ただ 待って い て も 助け が 来る 保障 なんて ない わ |まって||||たすけ||くる|ほしょう|||

あなた に この 場 を 仕切る 能力 が ない の で あれ ば 私 が 代わり ます けど |||じょう||しきる|のうりょく|||||||わたくし||かわり||

勝手 な 言葉 を 言わ ない で ね かって||ことば||いわ|||

もし あなた の 判断 ミス で 現状 が 悪化 し たら |||はんだん|みす||げんじょう||あっか||

誰 が 責任 を 取る と 思って いる の だれ||せきにん||とる||おもって||

では この 場 は お 任せ し て も ||じょう|||まかせ|||

余計 な お 気遣い は 結構 よ よけい|||きづかい||けっこう|

葎 あ はい りつ|| 怪我 し てる 人 に 応急 処置 を すぐに 取り掛かって けが|||じん||おうきゅう|しょち|||とりかかって

そんな 無理 です よ |むり||

いくら うち が 医者 だ から って そんな 知識 は |||いしゃ|||||ちしき|

ご ちゃ ご ちゃ いわ ない で やり なさい

坂下 部長 周囲 の 探索 を する 許可 を いただけ ます か さかした|ぶちょう|しゅうい||たんさく|||きょか||||

一 人 で 勝手 な ことし ない で ひと|じん||かって||||

周防 さん 付き合って いただける すおう||つきあって|

ちょっと 風見 さん |かざみ|

一 人 で なけ れ ば いい の でしょ ひと|じん|||||||

行く わ よ 周防 さん いく|||すおう|

やっぱり 圏 外 ね |けん|がい|

あなた の は

私 の も わたくし||

電源 は 切って おき ま しょ う バッテリー を 消耗 さ せ ない ため に でんげん||きって|||||ばってりー||しょうもう|||||

見 て ご 覧 なさい み|||み|

方位 磁針 と して は 機能 し て ない わ ほうい|じしん||||きのう||||

恐らくは デビエ － ション ね おそらくは|||

隕石 でも 落下 し た ん でしょ いんせき||らっか||||

デビ ？

さて さて 周囲 は 草 も 生え ない 岩場 ||しゅうい||くさ||はえ||いわば

周り を 囲む 壁 は 構造 的 に 這い上がる の は 不可能 まわり||かこむ|かべ||こうぞう|てき||はいあがる|||ふかのう

進める 先 は 人 を 拒絶 する よう な 密林 すすめる|さき||じん||きょぜつ||||みつりん

申し分 の ない 遭難 ね もうしぶん|||そうなん|

面白く なって き た わ おもしろく||||

面白く なって き た って おもしろく||||

不謹慎 に 聞こえ た の なら 謝る わ ふきんしん||きこえ||||あやまる|

でも 余裕 が 感じ られ た 方 が あなた も 余計 な 不安 を 感じ ない で 済む か と 思って |よゆう||かんじ|||かた||||よけい||ふあん||かんじ|||すむ|||おもって

先生 は 軽い 脳震盪 だ と 思う から せんせい||かるい|のうしんとう|||おもう|

暫く 横 に なって い れ ば 意識 が 戻る はず しばらく|よこ||||||いしき||もどる|

広岡 さん は 左 の 脛 と 右 の 膝 を 骨折 し てる ひろおか|||ひだり||すね||みぎ||ひざ||こっせつ||

桜井 さん は 腹部 裂傷 割れ た 硝子 が お腹 に 突き刺さった みたい さくらい|||ふくぶ|れっしょう|われ||がらす||おなか||つきささった|

金田 さん は 頭部 裂傷 かなだ|||とうぶ|れっしょう

治療 は 知って ない の ちりょう||しって||

骨折 は 固定 こっせつ||こてい

傷 は 縫 合 する だけ じゃ ない 簡単 の 処置 よ きず||ぬ|ごう|||||かんたん||しょち|

無理 を 言わ ない で 道具 も ない のに むり||いわ|||どうぐ|||

簡単 だって 言う なら あなた が やって よ かんたん||いう|||||

じゃ お 湯 を 沸かし て くださる ||ゆ||わかし||

治療 と か 経験 が ある の ちりょう|||けいけん|||

ない わ

本 で 読 ん だ 知識 が ある だけ ほん||よ|||ちしき|||

大丈夫 な の だいじょうぶ||

私 ね できる 事 は あった の に って 言う 後悔 が 一 番 悔しい と 思う の わたくし|||こと||||||いう|こうかい||ひと|ばん|くやしい||おもう|

そんな わけ だ から 一 人 ずつ 見て い き ま しょ う ||||ひと|じん||みて|||||

まずは 頭部 裂傷 の 金田 さん |とうぶ|れっしょう||かなだ|

金田 さん が 嫌い だ から かなだ|||きらい||

一 番 軽傷 だ から よ ひと|ばん|けいしょう|||

軽傷 の 子 を 見て いる 間 に 重傷 の こ が 死ね ば 無駄 な 診察 を し なく で 済む でしょ けいしょう||こ||みて||あいだ||じゅうしょう||||しね||むだ||しんさつ|||||すむ|

なぜ 黙る の |だまる|

冗談 を 言った の だ から 笑って くれ ない と 恥ずかしい じゃ ない じょうだん||いった||||わらって||||はずかしい||

あなた 友達 って いる の |ともだち|||

そう ね 今 の ところ が あなた だけ かしら ||いま||||||

ありがとう

ところで 下 の お 名前 な ん で おっしゃった かしら |した|||なまえ|||||

沙 彩 金田 沙 彩 いさご|あや|かなだ|いさご|あや

沙 彩 さん ね いい 名前 だ わ いさご|あや||||なまえ||

私 が 犬 を 飼って い たら そう 名付け たい くらい よ わたくし||いぬ||かって||||なづけ|||

犬 ？ いぬ

えっ と ごめんなさい

この 人 冗談 が きつい から |じん|じょうだん|||

あら どうして あなた が 謝る の ||||あやまる|

それ は 私 が あなた の お 友達 だ から よ ||わたくし|||||ともだち|||

あら 嬉しい 私 親友 って 始め て よ |うれしい|わたくし|しんゆう||はじめ||

今 すぐ あなた を 抱き締め て キス を し たい ところ だ けど いま||||だきしめ||きす||||||

診察 中 だ から 後 で ね しんさつ|なか|||あと||

ご ゆっくり どうぞ

ありがとう

今 の で 最後 いま|||さいご

ほとんど が 軽傷 ね ||けいしょう|

一 番 の 重傷 は やっぱり 広岡 さん ね ひと|ばん||じゅうしょう|||ひろおか||

足 の 骨折 は 固定 し て み た けど あし||こっせつ||こてい|||||

病院 に つれ て 行か ない と びょういん||||いか||

とりあえず や れる だけ の 事 は やった と 部長 に 報告 し て おい て |||||こと||||ぶちょう||ほうこく||||

風見 さん どう し た の かざみ|||||

ヒビ が 入って る ひび||はいって|

その 左腕 って |さわん|

まさか バス の 中 で 私 が 踏 ん で た |ばす||なか||わたくし||ふ|||

私 の せい で わたくし|||

事後 の 直前 に 咄嗟に シートベルト を 腕 に 巻きつけ て 衝撃 に 備え た せい よ じご||ちょくぜん||とっさに|||うで||まきつけ||しょうげき||そなえ|||

落ち込ま ない で よ おちこま|||

あなた 自分 を 罰 して くれる 人 が い ない と 落ち着か ない タイプ |じぶん||ばち|||じん|||||おちつか||たいぷ

だったら この 左腕 の こと は 貸し に し て おい て あげる ||さわん||||かし||||||

貸し ？ かし

叱る べき 時 に 望ま れ れ ば しかる||じ||のぞま|||

あなた は 私 の 命令 を 拒否 でき ない ||わたくし||めいれい||きょひ||

それ で 許し て あげる ||ゆるし||

今 言って くれ れ ば すぐに 従う のに いま|いって|||||したがう|

貸し って 言う の は ね 返し て もらわ ない 方 が 大きな 利益 を 生む もの よ かし||いう||||かえし||||かた||おおきな|りえき||うむ||

先生 越智 先生 せんせい|おち|せんせい

そもそも 事故 の 原因 は なん だった の です か |じこ||げんいん||||||

俺 が 知る わけ が ない だ ろ う おれ||しる||||||

俺 は 今 目 が 覚め た ばかり な ん だ ぞ おれ||いま|め||さめ||||||

発言 を よろしい でしょう か はつげん||||

バス の タイヤ を 見 て ください ばす||たいや||み||

恐らくは トッラク の 荷台 から 金属 片 の よう な もの が 落ち て おそらくは|||にだい||きんぞく|かた||||||おち|

それ を 私 達 の マイクロバス の 前輪 が 踏 ん だ の だ と 思い ます ||わたくし|さとる||||ぜんりん||ふ||||||おもい|

それ でも 直線 道路 で あったら 安全 に 止まる こと は でき た はず ||ちょくせん|どうろ|||あんぜん||とまる|||||

カーブ の 途中 で タイヤ が 破損 し た と いう の は 運 が 悪かった けれど かーぶ||とちゅう||たいや||はそん|||||||うん||わるかった|

そんな 中 で 私 達 は 少なくとも 命 だけ は 助かった |なか||わたくし|さとる||すくなくとも|いのち|||たすかった

今 は その 幸運 を どう 大切 に する か が 大事 じゃ ない かしら いま|||こううん|||たいせつ|||||だいじ|||

こう なって しまえ ば 動き回って 体力 を 消耗 する より おとなしく 救助 を 待った 方 が いい わ ね ||||うごきまわって|たいりょく||しょうもう||||きゅうじょ||まった|かた||||

はい それ が 最善 か と |||さいぜん||

あら それ は どう かしら

食料 どころ か 飲み水 すら 潤沢 で は ない この 状況 で しょくりょう|||のみみず||じゅんたく|||||じょうきょう|

腰 を すえ て 考え て いる 余裕 が ある と は 思え ない わ こし||||かんがえ|||よゆう|||||おもえ||

それ なら いっそ 気力 と 体力 が 充実 し て いる 今 の うち に 腰 を 上げる べき か と 愚行 し ます が |||きりょく||たいりょく||じゅうじつ||||いま||||こし||あげる||||ぐこう|||

それ は ほんと に 愚行 よ ね ||||ぐこう||

私 達 の よう な 素人 が 考える ほど 山 は 甘く ない わ わたくし|さとる||||しろうと||かんがえる||やま||あまく||

私 の 判断 が 気 に 入ら ない の なら どうぞ あなた お 一 人 で 森 に 入ら れ て 結構 よ わたくし||はんだん||き||はいら|||||||ひと|じん||しげる||はいら|||けっこう|

申し訳 あり ませ ん で し た もうし わけ||||||

分かれ ば いい の よ わかれ||||

鹿内 先輩 ごめんなさい しかうち|せんぱい|

どうして 急に 部長 に 反論 し た の |きゅうに|ぶちょう||はんろん|||

おかしな 反発 意見 を 持つ 前 に わざと 反論 し て みせ た の よ |はんぱつ|いけん||もつ|ぜん|||はんろん||||||

もしも 私 が 口 を 挟ま なけ れ ば |わたくし||くち||はさま|||

三 日 後 ぐらい に は 念 を あげて 脱出 し ま しょ う と 言い出す かも しれ ない でしょ みっ|ひ|あと||||ねん|||だっしゅつ||||||いいだす||||

でも それ は 私 の 意見 が 正しかった と 認める こと に なる |||わたくし||いけん||ただしかった||みとめる|||

彼女 に は でき ない わ かのじょ|||||

そこ まで 考え て ||かんがえ|

私 あなた の 傍 に いる と 息 が 詰まり そう だ わ わたくし|||そば||||いき||つまり|||

注目 ちゅうもく

今 から テント と 食料 を 配給 し ます いま||てんと||しょくりょう||はいきゅう||

テント は 二 人 で ひと つ ペア と なって 使用 し て ください てんと||ふた|じん||||ぺあ|||しよう|||

食料 は とりあえず 三 日 分 の 量 を 配給 し ます しょくりょう|||みっ|ひ|ぶん||りょう||はいきゅう||

キャンプ 合宿 を 思い出し て 慎重 に 行動 し て ください きゃんぷ|がっしゅく||おもいだし||しんちょう||こうどう|||

悪い わ ね わるい||

仕方 が ない よ ね しかた||||

これ から も よろしく ね

ねえ 風見 さん |かざみ|

一 姫 で いい わ ひと|ひめ|||

一 姫 は 今 何 を 考え て いる の ひと|ひめ||いま|なん||かんがえ|||

何も 本 を 読 ん で い た ところ よ なにも|ほん||よ||||||

本 ？ ほん

私 ね 一 度 見 た 本 の 内容 を 画 と して 記憶 し て わたくし||ひと|たび|み||ほん||ないよう||が|||きおく||

好き な 時 に 読む こと が できる の すき||じ||よむ||||

そろそろ 寝 ま しょ う |ね|||

私 達 これ から どう なる ん だ ろ う わたくし|さとる||||||||

こうして 私 達 の 一 日 目 の 夜 が 終わった |わたくし|さとる||ひと|ひ|め||よ||おわった

それ は 同時に 奈落 の 底 に 生き て 行く 日々 の 始まり だった の だ ||どうじに|ならく||そこ||いき||いく|ひび||はじまり|||