episode 04「 初恋 は 叶わないって 言う けれど 」 (1)
( 女子 学生 たち の 騒ぎ 声 )
( 紗栄 子 ( さえ こ )) 上原 ( うえ はら ) 君 !
( 上原 ) あっ 紗栄 子 さん お 疲れ さ まで す
( 紗栄 子 ) え ? ( 上原 ) え ?
あー あれ ね
緊張 しちゃ って る の ね
女 って ね 常に 変化 を 求める 生き物 な の
だから 私 ひと 仕事 終える と
いったん 女 度 マックス まで 上げる の よ
は あ
あなた も その うち 慣れる から
( 虫 の 羽音 )
あー でも …
髪 降り 乱して る ほう が 紗栄 子 さん っぽ いっす けど ね
じゃあ 失礼 し ます
( 菜緒 ( なお )) いらっしゃい ませ ー !
フフッ
ちょ … ちょっと 何 か 言って よ
もう 疲れて て ツッコ む の 面倒 くせ えよ
そこ を 何とか
フフフッ
何 ? その 格好
受かった の バイト の 面接
バイト ?
うん
子供 相手 か ?
違う よ ショップ 店員
花 と か バルーン と か 雑貨 の お 店
宅配 フラワー と か ギフト 系 が メイン で
人 を 幸せに する 仕事 って いう か
まさに 幸せ の キューピッド ?
( 菜緒 ) そんなに 心配 し ないで よ ( 上原 ) して ねえ し
大丈夫 男の子 は 少ない から
店員 さん も お 客 さん も
オシャレ で かわいい 女の子 が 多い から
その セリフ ど っか で 聞いた ような
( 夏目 ( なつ め )) 俺 が ここ に 来た 理由 ?
オシャレ で かわいい 女の子 に 出会える から さ
だから また 来て ね
( 店長 ) 夏目 君 ( 夏目 ) はい
( 店長 ) ちょっと いい ?
今日 から 入った バイト さん 紹介 する から
吉川 ( よし かわ ) 菜緒 です よろしく お 願い し ます
えっ 夏目 君
♪~
~♪
ハァ …
( 足音 )
( 七瀬 ( なな せ )) ゲッ !
七瀬 何 ちゃん だ っけ ?
教える 必要 ない でしょ
あの あと 大地 ( だいち ) さん に 怒ら れた ?
( 七 瀬 ) いろいろ って もし かして
大地 が 菜緒 さん の こと 好きだった と か ?
( 菜緒 ) あの … えー っと
( 大地 ) えっ と …
そう だ よ
まっ フラ れた けど な
失礼 し ます
七瀬 !
ちょっと 待て って
何 だ よ さっき の 態度
菜緒 困った 顔 して ただ ろ
あん ま 変な こと 言う な よ
( 夏目 ) って か 大地 さん 全然 気づいて ない みたいだった ね
君 の 気持ち
もう さ 面倒くさい から 他 当たれば ?
した こと ない んだ ? 片思い
は ?
そんな 簡単に 諦め られる わけな い じゃ ん
そんな もんか ねえ
毎日 一緒に いて 諦め られる わけない
切ない 片思い 系 だ
あなた に は 分か ん ない だろう けど
( 菜緒 ) あった ね
夏目 君 でも 分から ない 女心 ?
ねっ
“ 諦め られる わけない ” か
ハァ …
( 上原 ) 夏目
何 だ よ
くれぐれも 頼む
は ?
吉川 と バイト 先 一緒な んだ ろ ?
ああ
あいつ と 働く の す っげ え 大変だ と 思う から
え ?
( 菜緒 ) いらっしゃい ませ
( ぶつかる 音 )
( 上原 ) あいつ と 働く の す っげ え 大変だ と 思う から
( 上原 ) あいつ と 働く の す っげ え 大変だ と 思う から
( 菜緒 ) お 花 です ね こちら へ どうぞ
( 菜緒 ) お 花 です ね こちら へ どうぞ
( 上原 ) あいつ と 働く の す っげ え 大変だ と 思う から
( 上原 ) あいつ と 働く の す っげ え 大変だ と 思う から
( 菜緒 ) お 友達 の 誕生日 です か
( 上原 ) あいつ と 働く の す っげ え 大変だ と 思う から
( 上原 ) あいつ と 働く の す っげ え 大変だ と 思う から
じゃ うーん と かわいく しちゃ いま すね
じゃ うーん と かわいく しちゃ いま すね
じゃ うーん と かわいく しちゃ いま すね
( 上原 ) あいつ と 働く の す っげ え 大変だ と 思う から
( 上原 ) あいつ と 働く の す っげ え 大変だ と 思う から
菜緒 ちゃん !
ん ?
ダメでしょ 花 の こと は 俺 に 任せて くれ なきゃ
え ? だって … だって これ 私 が …
俺 が 言って る の は こっち の キレイ な 花
( 女性 客 ) えっ や だ もう えー ! イヤー
搬入 誰 か 手伝って
ほら 行った 行った
( 上原 ) あいつ と 働く の す っげ え 大変だ と 思う から
( 小沢 ( お ざ わ )) あの …
あっ どう さ れ ました ?
贈り物 を 探して る んです けど
贈り物 ?
ええ
初めて 付き合った 人 ?
高校 時代 彼女 は 学校 中 の アイドル でした
それ に 比べて 僕 は
勉強 も 運動 も でき ない さえ ない 男 で な のに …
( 菜緒 ) 両 思い に なった んです ね ( 小沢 ) ええ
偶然 彼女 が うち の 隣 に 引っ越して きて ―
いろんな 幸運 が 重なった 結果
僕 の 人生 最大 の ラッキーです
( 店長 ) あー
それ で プロポーズ の 贈り物 を お 探し な んです ね
( 小沢 ) ただ いきなり 指輪 は ハードル が 高くて
好み も ある でしょう し
でしたら プロポーズ オルゴール って いう の は いかがです か ?
( 小沢 ・ 菜緒 ) プロポーズ オルゴール ?
( 店長 ) 少々 お 待ち ください ( 小沢 ) ええ
分かり ます
( 小沢 ) 何 が です か ?
( 菜緒 ) 私 も 隣 に ちょっと 住んで て
( 小沢 ) だ … 誰 が です か ?
( 店長 ) これ です
( オルゴール の 音 )
わ あ ! かわいい ー !
( 店長 ) メロディー が 流れて いる 間 に
永遠の 愛 を 誓う んです
永遠の 愛
上原 久志 ( ひさし ) は
50 年 後 の 君 も 愛する こと を 誓い ます
上原 君
( 菜緒 ) あー 誓っちゃ った ね
ステキだ
オルゴール で 永遠の 愛 を 誓う なんて ―
最高に ロマンチックじゃ ない です か !
( 菜緒 ) 誓い ます ! ( 小沢 ) 誓い ます
( 店長 ) あの … 音楽 と 中 に 詰める プリザーブドフラワー を
ご 指定 いただければ 出来 しだい お 届け いたし ます
( 小沢 ) ぜひ お 願い し ます ( 菜緒 ) お 願い し ます
( 店長 ) で は こちら へ ( 小沢 ・ 菜緒 ) はい
あっ
こんにちは
( 菜緒 ) 七瀬 さん いらっしゃい ませ
こない だ は ごめんなさい
こない だ ?
大地 と 学 食 で …
私 変な 空気 に しちゃ った でしょ ?
全然 気 に して ないで すよ
大地 は 気 に して た けど
え ?
( 夏目 ) で 何 か お 探し です か ?
え ?
何 か 欲しい 物 が あって ここ に 来た んでしょ ?
あっ そう えっ と …
ハンド 部 の メンバー に 試合 で 勝った お 祝い を と 思って
もし かして 彼 氏 です か ?
( 七 瀬 ) じゃ なくて … ( 菜緒 ) あっ じゃあ
これ を 機 に 告白 し たい と か ?
別に そう いう わけじゃ …
ちょっと 待って ください ね
じゃあ じゃあ じゃあ …
この 腕 時計 は どう です か ?
これ レディース も ある んです けど ゆくゆくは
2 人 で お そろい みたいな こと も できちゃ ったり し ます
俺 は こっち を オススメ する な
女の子 が 不毛な 告白 なんて する もん じゃ ない よ
まずは 現状 維持 で 別に 本命 候補 を 探す べし
不毛 って
何で 夏目 君 が 決めつけ ん の ?
( 七 瀬 ) 不毛だ から
彼 好きな 女の子 が いる から
絶対 振り向いて くれ ない 子
彼 笑って る けど 本当 は 苦しんで る んだ と 思う
なのに その 子 ずっと 彼 の 優し さ に 甘えて て
そういう 女の子 どう 思う ?
( 夏目 ) 菜緒 ちゃん ほら ( 菜緒 ) え ?
小沢 さん もう 記入 終わって る よ 行って 行って
( 菜緒 ) あっ すいません ちょっと 失礼 し ます
( 夏目 ) ハァ …
あなた も 彼女 に 振り回さ れて る 1 人 なんだ
こない だ から 君 は 一体 何 に イラ ついて ん の ?
よければ 相談 乗り ます よ
結構です
( ドア が 開く 音 )
( 菜緒 ) 七瀬 さん 結局 告白 する の か な ?
( 夏目 ) さあ ねえ
( 菜緒 ) 小沢 さん の プロポーズ うまく いく と いいね
( 夏目 ) そう ねえ
( 菜緒 ) ねえ 何 か さ 全然 心 込もって ない よ ね ?
( 夏目 ) うーん
だって ダメ なら ダメで チャンス じゃ ん ?
( 菜緒 ) チャンス ?
( 夏目 ) うん 他 に 行く チャンス
また そんな こと 言って
小沢 さん なんて 12 年 も 付き合った たった 1 人 の 彼女 だ よ
たった 1 人 しか 知ら ない まま
人生 終わっちゃ う なんて もったいない よ
世の中 かわいい 子 たくさん いる のに さ
もったいない って
最初に 好きに なった 人 と 結ばれる って
もう 最高な こと だ よ
で お互い “ この 人 だ !” って 思って
一緒に い よう って 約束 して さ
で ステキな チャペル で 永遠の 愛 の 誓い を する んだ
( 夏目 ) 意味 ない って
( 菜緒 ) は ?
( 夏目 ) 約束 と か 誓い と か 意味 ない よ
先 の こと なんて 分か ん ない んだ から
それ より この先 今 を 楽しく 生き なきゃ
( 菜緒 ) ずーっと 一緒に いたい と 思える 人 と 会えたら
それ だけ で 幸せだ よ
しかも お互い 思い が 通じ合ったら もう 奇跡 な んだ よ
みんな そういう 人 探して る んだ よ
菜緒 ちゃん さ さっき から 誰 の こと 言って ん の ?
え ?
ムキ に なっちゃ って かわいい
ムキ に なって る の は 夏目 君 でしょ !
( 夏目 ) 菜緒 ちゃん って 何で ああ な の ?
( 上原 ) え ?
( 夏目 ) すぐ 人 に 肩入れ する し ムキ に なる し
いや あ つくづく 俺 の タイプ と は 真 逆 って いう か
( 上原 ) 悪い な 世話 かけて
マジ 迷惑
( 上原 ) 何も して やれ なくて さ
旅行 と かも 連れて って やれ ねえ し 飯 も 家 ん 中 ばっ か だし
誕生日 もさ 何も して やれ なかった
だから バイト ぐらい 応援 して やり たい って ?
欲しい 物 も たくさん ある だろう し
彼 氏 だ か 保護 者 だ か 分か ん ねえ な
( 上原 ) お前 は ? 彼女 と か つくる 気 ねえ の ?
( 夏目 ) 俺 ?
ほら 俺 は 永遠に みんな の 夏目 君 だ から さ
( メール の 着信 音 )
よし また 1 人 デート に こぎつけた
( 上原 ) よく やる わ
うわ っ うま そう 何 ? 今日 おごり ?
( 上原 ) おう
う まっ !
って か お前 も 物好きだ よ な
え ?
俺 に 女 の こと 頼む なんて あり え ねえ から
なに げ に 俺 男 に 恨ま れ やすい し
( 上原 ) まあ そう だ よ な ( 夏目 ) フッ
考えて みりゃ 初 体験 かも
何 が ?
こう やって 男 と 約束 して 会う の 初めて だ わ
今 俺 の 人生 に お前 の 名前 が 刻ま れた
お前 や っぱ 俺 の こと バカに して んだ ろ
( 夏目 ) 心 の 友 アモーレ ! ( 上原 ) 何 して んだ よ
( 夏目 ) う まっ !
アモーレ !
やめ … 面倒 くせ え ヤツ だ な
( 夏目 ) って か ご飯 は ?
( 携帯 電話 の 着信 音 )
( 夏目 ) あっ 菜緒 ちゃん ? 今 ちょうど 上原 ん ち に …
( 菜緒 ) 夏目 君 今 すぐ 来て !
え ?
あっ 夏目 君 ! こっち こっち
( 菜緒 ) よかった 間に合って ( 夏目 ) 何 ?
夏目 君 に は どうしても 見て ほしくて
さっき 届けた の プロポーズ オルゴール
( 小沢 ) か … かおり
至らない 僕 だ けど
これ から も ずっと 一緒に いて くれ ます か ?
( オルゴール の 音 )
( かおり ) はい
( 歓声 と 拍手 )
や … やった ー ! やった ー !
やっぱり 彼女 さん も
小沢 さん と ずっと 一緒に いたい って 思って た んだ よ
あー は いはい 俺 の 負け って こと ね
だから 夏目 君 に も 絶対 見つかる よ
( 夏目 ) え ?
ずっと 一緒に いたい って 思える 人
フフフッ
あっ … 小沢 さん 泣いちゃ って る よ
( 夏目 ) 返品 し たい ?
昨日 は みんな が いる 手前 断れ なかった そうです
でも やっぱり 僕 と の 結婚 は 無理 だって
今朝 に なって 彼女 が …
そんな
お 金 は いら ない んで 返品 さ せて ください
これ を 見る と 彼女 の こと を 思い出して しまう ので
( ドア の 開閉 音 )
しょうがない わ ね
( ドア が 開く 音 )
( 菜緒 ) お 疲れ さ まで す
店長 !
昨日 小沢 さん の プロポーズ す っ ごい 感動 した んです よ
ねっ 夏目 君
あの ね 吉川 さん …
( 夏川 ) 菜緒 ちゃん 時間 だ よ
ほら 早く 準備 して
何 隠して ん の ?
えっ いや … 別に
ウソ 何 か 隠して る でしょ
( 夏目 ) 隠して ない よ ( 菜緒 ) 隠し てるよ
( 夏目 ) 隠して ない って ( 菜緒 ) 見せて
( 夏目 ) 何も 隠して ない よ ( 菜緒 ) 見せて よ ! 何で 隠す の ?
あっ 菜緒 ちゃん ! そこ 虫 ! 虫 !
( 菜緒 ) えっ 虫 ?
いいかげんに し なさい !
( 菜緒 ) うわ っ
( オルゴール の 音 )
( 菜緒 ) この オルゴール
あの ね 菜緒 ちゃん
それ は たまたま 小沢 さん と 同じ オルゴール で
決して 小沢 さん の オルゴール じゃ …
( 店長 ) 返品 さ れた の
プロポーズ やっぱり うまく いか なかった んだ って
まあ こういう こと 珍しく ない から
そう な んだ
( 菜緒 ) ごめん ね ( 夏目 ) え ?
気 使わ せちゃ って
そ … そうだ よ
菜緒 ちゃん に 言ったら さ ギャーギャー うるさい と 思って さ
うん ありがとう
( 店長 ) 吉川 さん ちょっと いい ?
夏目 君 ね あなた の こと 気 に して ずっと 陰 で フォロー して た の
あなた は 自分 の こと しか 見て ない
それ じゃ 困る の よ
( 男子 学生 ) うわ ー コーチ の メニュー キツ くない ?
( 男子 学生 ) 今日 は ヤバ かった な ( 男子 学生 ) 無理な んだ けど あれ