Yuuki Yuuna wa Yuusha de Aru Episode 10
( 爆発 音 )
( 犬 吠埼 風 ( い ぬ ぼう ざ き ふう ) の 泣き声 )
( アラーム 音 ) ( 結城 友 奈 ( ゆうき ゆう な )) う … 何 ?
( アラーム 音 )
( アラーム 音 )
( 東郷 美 森 ( とうごう み もり )) これ で … みんな を 助ける こと が できる
♪~
~♪
( 美 森 ) 小さい ころ 私 は いろいろな 史跡 に 連れて いって もらい
歴史 や 国 に 興味 を 持った
母 に よる と 私 たち 東郷 の 家 に も ―
大 赦 ( たいしゃ ) で 働く 一族 の 血 が 入って いる と か
もしかしたら 私 に も 神 樹 ( しんじゅ ) 様 に お 仕え できる 力 が ある かも しれ ない
もし そう なら とても うれしい と 私 の 母 は ほほ笑んだ
あ …
ここ は …
( 美 森 ) 医者 が 言う に は 事故 で ここ 2 年 ほど の 記憶 と
足 の 機能 が 失わ れて しまった らしい
記憶 が 戻る こと は なかった が ―
その 2 年間 も しっかり 生きて いた と ―
自慢 の 娘 だ と 母 は 言って くれた
車 椅子 で の 生活 が 慣れて きた 時 ―
親 の 仕事 の 都合 で 引っ越し が 決まった
わ あ 大きい
うち って ここ まで お 金持ち だった っけ ?
( 友 奈 ) こんにちは ! ( 美 森 ) あ …
もし かして あなた が ここの 家 に 住む の ?
え … ええ
( 友 奈 ) じゃあ 新しい お 隣 さん だ
あっ 私 は 結城 友 奈 よろしく ね
あ … 東郷 美 森
東郷 さん ! ああ カッコいい 名字 だ ね
あ … ありがとう
フッ そうだ この 辺 よく 分から ない でしょ
何 だったら 案内 する よ 任せて
あー ん … ん ん …
う っ ( 美 森 ) えっ ?
う ぐ … ぐ ぐ … う っ
ああ ー っ ! おいし ー い !
よかった 結城 さん が 気 に 入って くれて
車 椅子 で お 菓子 作る の に ようやく 慣れた の
( 友 奈 ) 東郷 さん
もし できれば 毎日 食べ たい 東郷 さん の お 菓子 !
えっ う … うん 分かった
ゆ … 友 奈 ちゃん
友 奈 ちゃん
チアリーディング 部 から 誘わ れた んでしょ ? 入ら ない の ?
( 友 奈 ) 押し花 部 から の 誘い だったら なあ
そんな 部活 存在 し ない でしょ ?
フッ そう だ ねえ
( 風 ) あなた たち に オススメ の 部活 は 他 に ある わ
あなた たち に オススメ の 部活 は 他 に ある わ !
なぜ 2 回 も ?
どちら の 勧誘 な んです か ?
私 は 2 年 の 犬 吠埼 風 勇者 部 ( ゆうしゃ ぶ ) の 部長 よ
(2 人 ) あ …
勇者 部 ?
何で すか ? それ とって も ワクワク する 響き です !
( 風 ) 分かる ? フィーリング 合う ねえ
勇者 部 の 活動 目的 は 世 の ため ―
人 の ため に なる こと を やっていく こと
各種 部活 の 助っ人 と か ボランティア 活動 と か
“ 世 の ため 人 の ため に なる こと ”
うん 神 樹 様 の ステキな 教えよ ね
と いって も 私ら の 年頃 は 何 か そういう こと し たい けど ―
恥ずかしい って 気持ち ある じゃ ない ?
そこ を 恥ずかし がら ず 勇んで やっていく から 勇者 部
なるほど あえて 勇者 と いう 外 連 味 ( けれ ん み ) の ある 言葉 を 使い ―
みんな の 興味 を 引く こと で 存在 感 を 確立 して いる の ね
いや そこ まで 深く 考えて ない って …
私 憧れて た んです よ ね 勇者 って 言葉 の 響き に
カッコいい な あって !
その 気持ち が あれば 君 も 勇者 だ !
( 友 奈 ) わ っ う おお 勇者 !
すごい ところ に 食いつく の ね
でも 何だか 友 奈 ちゃん らしい
2 人 が 入って くれた おかげ で 勇者 部 の 戦力 は ―
3 倍 に 膨れ上がった と 言って も 過言 で は ない わ !
聞き覚え が ない 部活 と 思ったら 一 から の スタート だった と は …
全部 これ から な んだ よ ね …
あっ この 間 立ち上げた ホームページ に ―
早速 依頼 が 来て い ます
ナイス 宣伝 東郷 !
( 美 森 ) 友 奈 ちゃん は 陸上 部 から 私 は 将棋 部 から
よし 頑張る ぞ 私 は 勇者 に なる !
フフッ 早速 空いて る 日 を 予定 で 埋めて おき ます ね
( 風 ) お 願い ね
“ 悩んだら 相談 ” と …
こういう 5 つ の 誓い みたいな の いい です ねえ
なんか 引き締まる 感じ する っ しょ ?
( 美 森 ) 残り 1 つ は どう し ます か ?
( 友 奈 ) 最後 だ から ビシッと し たい よ ね
なせば 成る な さ ねば 成ら ぬ 何事 も
… と か どう ? 上杉 鷹 山 ( うえ すぎ よう ざん ) さん の お 言葉
よ … よう ざ … う … ちょっと 難しい 言葉 の ような …
“ なせば 大抵 何とか なる ” と か ?
それ なら ばっ ちり 分かる !
( 風 ) よ ー し じゃあ 決まり ね
緊張 し すぎよ 樹 ( いつき )
( 犬 吠埼 樹 ) い … 犬 吠埼 樹 です
よ … よ よい … よろしく お 願い し ます !
よろしく 樹 ちゃん !
は … は いっ
私 の 妹 に して は 女子 力 低い けど ―
それ 以外 は なかなか よ 占い と か できる し
おお すごい や !
あっ 占い 好き なら これ あげる 縁起物 だ よ
はっ … か かわいい
でしょう ? はい
あ … あっ えっ ?
あっ
ふ っ
ああ …
はい !
えー っ す すごい ! ど どう やった んです か ?
知り たい ?
( 樹 ) は いっ
( 美 森 ) それ は ね 帽子 の 構造 に 秘密 が ある の …
( 風 ) あり が と ね 2 人 と も
( 友 奈 ) おお 載って る !
恥ずかしい です
でも 認め られる の は うれしい わ ねえ
ユニーク って 褒め られて ます し
よ ー し 次 は 保育 園 で の レクリエーション 頑張ろう !
(3 人 ) オー !
( 子供 たち ) 早く して
いよいよ 本番 だ ね
やる からに は 最高の ひととき を 提供 して くれる わ
( 樹 ) お 姉ちゃん が もう 役 に 入って る …
東郷 つかみ は 頼んだ
( 美 森 ) 頼ま れ ました
我が 懸念 して いる は う ぬ と 樹 よ
私 たち なら
大丈夫
フフッ
( 風 ) 友 奈 が セット を 倒した 時 は ギャーッ と 思った けど ―
東郷 の 機転 で 助かった わ
逆に ウケ てま した もん ね
( 樹 ) うん うん
( 友 奈 ) フォロー あり が と 東郷 さん
( 風 ) ホント 東郷 に は 助け られ っぱなし ね
何だか 頼れる お 姉ちゃん が できた みたいです
( 風 ) う っ ここ に すばらしい 姉 が いる でしょ !
うわ ああ いい いい !
(2 人 の 笑い声 )
楽しかった し 結果 オーライ だ よ ね
うん
( 美 森 ) そして 私 たち は 本当の 勇者 に なった
勇者 の お 役目 は ―
攻めて くる 12 体 の バーテックス を 倒して いく こと
私 たち は みんな で 力 を 合わせて 使命 を 果たした
でも その あと に 待って いた の は 体 の 機能 の 欠損 だった
大 赦 の 意見 を 信じて いつか 治る と 願って いた
けれど 彼女 に 出会って ―
とても 大事な 過去 が あった こと が 分かった
同時に おぞましい 真実 を 予感 して しまった
調べて いく うち に その 予感 は やがて 確信 へ と 変わって いき ―
今に 至る
精霊 が 勇者 の お 役目 を 助ける だけ じゃ なく ―
勇者 と いう 役目 に 縛りつける もの なら …
( 乃木 園子 ( のぎ その こ )) その代わり 決して 勇者 は 死ぬ こと は ない んだ よ
ハア ハア ハア …
ハア ハア ハア ハア …
ハア ハア …
ハーッ … う っ !
ハア ハア … やっぱり …
( 美 森 ) どの 方法 でも 必ず 介入 して くる
端末 の 電池 が 切れて いて も …
あ …
何が何でも 私 を 生かそう と して いる
これ が ただ の 緊急 安全 装置 だったら ―
すばらしい こと だ けど …
でも 私 の 出した 結論 は 違う
彼女 に 会わ なくちゃ
やっぱり 来て くれ た あ 分かって たよ
この 前 は うれし すぎて 話 が とび とび だった けど ―
今日 は ちゃんと まとめて ある から ね わ っし ー
あっ 東郷 さん か
わ っし ー で も いい わ 記憶 は 飛んじゃ って る けど
その 約 2 年間 私 は 鷲尾 ( わし お ) と いう 名字 だった のだ から
ああ すごい よく 分かった ね
適性 検査 で 勇者 の 資格 を 持って いる と 判断 さ れた 私 は ―
大 赦 の 中 でも 力 を 持つ ―
鷲尾 家 に 養女 と して 入る こと に なり ―
そこ で お 役目 に ついた
鷲尾 家 は 立派な 家柄 だ から ね
高い 適性 値 を 出した あなた を 娘 に 欲しかった んだ よ
( 美 森 ) 私 の 両親 は それ を 承知 した の ね
神聖なる お 役目 の ため だ から ね
私 は あなた たち と 一緒に 戦い ―
散 華 ( さん げ ) して 記憶 の 一部 と 足 の 機能 を 失った
敵 を せ ん 滅 できる 力 の 代償 と して ―
体 の 一部 を 供物 と して 神 樹 様 に ささげる 勇者 システム
うん 私 は もっと 派手に やっちゃ って ―
今 は こんな 感じ だ けど ね エヘヘッ
( 美 森 ) 私 は …
大 赦 は 身内 だけ じゃ やって いけ なく なって ―
勇者 の 素質 を 持つ 人 を 全国 で 調べた んだ よ
東郷 の 家 に 戻さ れて ―
両親 も 事実 を 知って て 黙って いた …
事故 で 記憶 喪失 と ウソ まで ついて
引っ越し の 場所 が 友 奈 ちゃん の 家 の 隣 だった の も ―
仕組ま れた もの …
( 園子 ) 彼女 検査 で 勇者 の 適性 値 が 一 番 高かった ん だって
大 赦側 も 彼女 が 神 樹 様 に 選ば れる って ―
分かって た んだろう ね
満開 して から は 家 の 食事 の 質 が 上がった わ
大 赦 が 手当 と して ―
家 に 十分な 援助 を して いる んだろう ね
思えば 合宿 で の 料理 も 豪華な もの だった
あれ は ねぎらって いた んじゃ なくて ―
祀 ( まつ ) って いた の ね 私 たち を
そして 親 たち は 事情 を 分かって て 今 も 黙って いる
( 園子 ) 神 樹 様 に 選ば れた んだ から 喜ばしい こと だって
納得 した んだろう ね
( 美 森 ) う っ …
どうして 私 たち が こんな …
神 樹 様 は 人類 の 味方 じゃ なかった の ?
味方 で は ある けど 神様 だ から ね そういう 面 も ある よ
そもそも … あ … ん …
落ち着いて 聞いて ね
ハッ
壁 の 外 の 秘密
この 世界 の 成り立ち を 教えて あげる
( 美 森 ) え … ( 園子 ) あの ね …
( 着信 音 )
( 友 奈 ) もしもし 東郷 さん ?
昨日 の 話 私 ショック だった けど ―
樹 ちゃん の こと も ある し 風 先輩 が 心配に なって
大丈夫 かな ? また 連絡 する ね
( 通話 が 切れる 音 )
真実 は あなた 自身 の 目 で 確かめる と いい と 思う よ
( 美 森 ) あ …
どういう 結論 を 出して も 私 は 味方 だ から ね
本当 は 私 は 今 の 勇者 たち が ―
何 か の 形 で 暴走 したら 抑える 役目 な んだ
抑える って その 体 で ?
私 の 精霊 の 数 は 21 体
( 美 森 ) ハッ ! ( 園子 ) エヘヘッ
すごく 強い んだ よ
戦い に なったら 大量の 武器 で ズガーン だ よ
ふだん は 怖がら れて 手元 に スマホ が ない から ―
変身 でき ない んだ けど ね
( 美 森 ) つらい … でしょ 20 回 も 散 華 して …
( 園子 ) うん 何も でき ない から ね
神 樹 様 の 体 に 近づいた から って ―
こんなに 祀 られた ところ で 私 は …
でも 今 は ね 不思議 と つらく ない んだ よ
もう ちょっと だけ ここ に いて くれる ?
( 美 森 ) うん …
( 波 の 音 )
( 美 森 ) きれいな 景色 だ けれど …
えっ ?
( 園子 ) 壁 を 越えれば
神 樹 様 が 見せて いた 幻 が 消えて 真実 が 姿 を 現す よ
( 美 森 ) なんて こと な の …
あの 子 が 言った とおり これ が 本当の … 世界 …
世界 は 宇宙 規模 の 結 界 の 中
あっ
( 園子 ) 人類 を 滅亡 寸前 に 追いやった の は
ウイルス なんか じゃ ない んだ よ
天 の 神様 が 粛清 の ため に 使わ した ―
生物 の 頂点 バーテックス
西暦 の 時代 世界 は 彼ら に 突如 襲わ れた
人類 に 味方 して くれた 他 の 神様 たち は ―
力 を 合わせ 1 本 の 大樹 と なり 四国 に 防御 結 界 を 張った
その 時 神様 の 声 を 聞いた の が 今 の 大 赦
神 樹 様 を 管理 して いる 人 たち
まるで 地獄 じゃ ない ! あっ
あれ って …
友 奈 ちゃん が 倒した はずの …
バーテックス が 生まれて る !
こいつ ら が また 次々 と 攻めて くる の を ―
私 たち が 迎え撃つ の ?
何 回 も 体 の 機能 を 失い ながら 何 回 も …
( 園子 ) 体 が 樹木 の ように 動か なく なって ―
最後 は こうして 祀 られる
う っ う っ
ハア ハア ハア
ゲホッ う っ う っ う っ …
う っ ハア ハア …
( 泣き声 )
こ … この 苦し み を 一つ一つ また 味わう ! それ も みんな が …
絶対 … 絶対 ダメ よ そんな の …
どう すれば いい の ?
考え なきゃ 考え なきゃ みんな を 助け なきゃ
( 泣き声 )
ハッ … あった …
たった 1 つ だけ …
( アラーム 音 )
( 友 奈 ) 何 ? ( 三好 夏 凜 ( みよし かり ん )) なんで 敵 が 来る の よ
( 友 奈 ) おかし いよ アラーム が 鳴りやま ない よ
( アラーム 音 )
そんな … バーテックス は 全部 倒した はずじゃ !
落ち着き なさい まずは 現状 確認
想定 外 の 敵 が 来よう が 私 が … う っ
何 これ …
( 美 森 ) 私 1 人 だけ が いけにえ なら まだ よかった
友 奈 ちゃん たち まで 供物 に する なんて ―
許さ ない
みんな を もう 苦しめ ない
待って て 友 奈 ちゃん みんな
神 樹 様 を 倒して しまえば 苦し み から 解放 さ れる
生き 地獄 を 味わう こと も ない !
こんな 世界 … 私 が 終わら せる
♪~
~♪
これ が 世界 の 真実の 姿 …
いつの間にか 前 に 立って る じゃ ない
勇者 部 五 箇条 一 つ !