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ゴシック (Gosick), Gosick Episode 1

Gosick Episode 1

( 猟犬 の ほえ 声 )

( 雷鳴 )

( ロクサーヌ ) 1 人 の 青年 が もう すぐ 死ぬ だ ろ う

その 死 が 全て の 始まり

世界 は 石 と なり 転がり 始める

( 男性 ) あ あっ 我々 は どう すれ ば …

( 男性 ) お 教え ください ロクサーヌ 様

大きな 箱 を 用意 し それ を みな も に 浮かべよ

そして …

11 匹 の 野 兎 ( の うさぎ ) を 走ら せろ !

( 雷鳴 )

♪ ~

~ ♪

( ヴィクトリカ の あくび )

( 一弥 ( かず や ) ) フランス スイス ―

イタリア と 接する ―

ヨーロッパ の 小国 ソヴュール 王国

アルプス 山脈 の ふもと に 構え られ た ―

聖 マルグリット 学園

貴族 の 子弟 の ため の 教育 機関 と し て ―

王国 に 名 を とどろかす 名門 学園

僕 は ここ の 生徒

名前 は …

( 生徒 ) う っ … “ 黒い 死 神 ” !

( 生徒 たち の ざわめき )

( 一弥 ) そう “ 黒い 死 神 ”

( 一弥 ) ふう …

( 生徒 ) 見 て 全て の 闇 を 吸い込 ん だ 真っ黒 な 瞳

( 生徒 ) きっと おなか の 中 も 真っ黒 な の よ

歩き やすい や

( 始業 の 鐘 の 音 )

( 始業 の 鐘 の 音 )

( 泰博 ( やす ひろ ) ) “ 一弥 異国 で の 暮らし は どう だ ”

“ 先 の 世界 大戦 終結 後 君 が 優秀 な 成績 を 認め られ ― ”

“ 同盟 国 で ある ソヴュール の 地 に ― ”

“ 留学 生 と し て 受け入れ られ た こと ― ”

“ 父 君 を はじめ 私 たち 家族 は 誇り に 思って いる ”

( セシル ) ん ?

( 泰博 ) “ 一弥 1 日 も 早く 一 人 前 の 男 に なって 戻って こい ”

“ 立 身 出世 そして 国 の ため に なる 男 に なって な ”

“ 長兄 より ”

は ぁ …

う っ !

( セシル ) 怪談 を 読め ば いい と 思う の !

( 一弥 ) へ ?

( セシル ) この 学園 に は …

う うん この 国 に は 怪談 が たくさん あって ね

政治 の 世界 に だって オカルト 省 が ある ぐらい ―

み ー ん な 怪談 が 大好き な の よ

“ 黒い 死 神 ” も その 1 つ な ん です ね セシル 先生

ああ 正しく は “ 春 来 たる 死 神 ”

“ 黒い ” は 久 城 ( くじょう ) 君 の ため に つけ られ た 名誉 なる 冠 よ

( 一弥 ) 名誉 って …

お … う わ っ !

共通 の 話題 が あれ ば お 友達 も たくさん 作 れる わ !

100 人 作って みんな で アルプス 山脈 に ―

登り ま しょ う ! 久 城 君 !

( 一弥 ) は あ …

( 一弥 ) 共通 の 話題

怪談 か …

( 一弥 ) なに なに …

“ 嵐 の 夜 に 現れる 幽霊 船 NQueen Berry 号 ”

“ 死者 の はらわた から 金 ( きん ) を 生み出す 錬金術 師 リヴァイアサン ”

どれ も 物騒 だ なあ … ん ?

人 の 言葉 を 語る 頭脳 明晰 なる 灰色 狼 ( は い いろ おおかみ )

しゃべる 狼 か

フッ これ なら ちょっと 仲良く なって み たい かも

ん ?

これ は ?

ん …

金色 の …

ハッ ハッ ハッ ハッ …

ハァ ハァ ハァ …

ハッ ハッ ハッ ハッ …

ハァ ハァ ハァ ハァ …

ハァ ハァ ハァ …

ハァ … あっ

あ …

ん ?

人 … 形 ?

( ヴィクトリカ ) やっと 来 た か

( 一弥 ) えっ

( ヴィクトリカ ) 遅い ぞ “ 春 来 たる 死 神 ”

えっ ど … どう し て 君 僕 の こと を ?

( ヴィクトリカ ) 銀 の つぼ から 立ち上った 未来 は ―

魔法 の 鏡 に 映し出さ れる

占い に よる と 君 は また ここ を 訪れる よう だ

明日 昼 の 鐘 を 聞く 頃 に

( 一弥 ) ちょ … ちょっと 待って どう し て …

君 は 選ば れ た の だ

私 の 退屈 を 埋める ため の 欠 片 ( かけら ) の 1 つ に

あ …

ああ … あー っ !

( 一弥 ) 人形 に ―

人形 に 未来 を 占わ れ た ー っ !

( 犬 の 遠ぼえ )

( 犬 の 遠ぼえ )

( 一弥 ) まるで 奇妙 な 夢 だ

図書 館 の 上 に 植物 園

不思議 な 言葉 を 口 に する 不思議 な 女の子

ああ ! それ は ヴィクト リカ さん ね

( 一弥 ) は あ …

( セシル ) すごい ! 早速 お 友達 が でき た の ね !

彼女 久 城 君 の クラスメート よ

( 一弥 ) えっ ?

教室 に いつも 1 つ 席 が 空 い てる でしょ う ?

ああ ! ちょうど いい わ

久 城 君 彼女 に プリント 持っていって !

久 城 君 彼女 に プリント 持っていって !

( 一弥 ) う わ っ

( セシル ) それ じゃ ね ー !

う う っ ちょっと 待って ください !

( 鐘 の 音 ) ( 一弥 ) ん ?

( 鐘 の 音 ) ( 一弥 ) “ 昼 の 鐘 を 聞く 頃 に … ”

( 一弥 ) ハァ ハァ ハァ …

あっ ?

( ヴィクトリカ ) ん ~ ん ~

えっ

( ヴィクトリカ ) ん ~ ( 一弥 ) お … お っ

ん ?

( ヴィクトリカ ) やっと 来 た か

な … 何 し てる の ?

( ヴィクトリカ ) 君 の 到着 が 思った より 遅かった ので な

退屈 し て い た ところ だ

君 占い 師 な の ?

なぜ ?

僕 が 来る こと を 知って た みたい で

知恵 の 泉 が 教え て くれ た の だ

知恵 の 泉 ?

黒 髪 の 生徒 が この 春 から うろつく よう に なった

その 見慣れ ぬ 不吉 な 容姿 から ―

この 学園 に 伝わる “ 春 来 たる 死 神 ” を ―

想起 さ れる こと だ ろ う

不吉 な 容姿 って !

君 名前 は ?

久 城 … 一弥 だ けど

そして 久 城

君 の よう に クソ 真面目 で 融通 の 利か ない 秀才 は きっと ―

その 出典 を 調べる ため ここ へ やって くる はず だ と

よく 分かった けど …

釈然 と し ない なあ

( 一弥 ) 何 だ ろ う 昨日 と は 印象 が 違う 感じ だ な

それ に …

( 一弥 ) ほら

あんまり 回る から ネックレス が 後ろ に 行っちゃ っ た よ

( ヴィクトリカ ) う っ … 触る な ! ( 一弥 ) えっ ?

( ヴィクトリカ ) は …

これ は ―

大切 な もの だ

とても

とても …

( 物音 ) ( 一弥 ) あっ

( エレベーター の 到着 音 )

はっ !

( 一弥 ) なんて …

( グレ ヴィール ) や あ

( 一弥 ) なんて 独創 的 な 髪形 !

グレ ヴィール か

知り合い な の ?

( グレ ヴィール ) あ あー 今日 は とても いい 陽気 だ

ふむ こんな 所 に 黒い 毛並み の 子 リス も いる

ここ は ひと つ 長 ー い ポエム でも 子 リス に 口 ずさん で みよ う か

ここ は ひと つ 長 ー い ポエム でも 子 リス に 口 ずさん で みよ う か

( 一弥 ) ん ?

ここ は ひと つ 長 ー い ポエム でも 子 リス に 口 ずさん で みよ う か

ここ は ひと つ 長 ー い ポエム でも 子 リス に 口 ずさん で みよ う か

ん っ … むっ !

昨夜 ある 村 の 屋敷 で ―

老婆 … 占い 師 ロクサーヌ が 殺害 さ れ た

え えっ 何 を いきなり ?

占い 師 は 屋敷 に インド 人 の 下 男 アラブ 人 の メイド と ―

3 人 で 住 ん で い た

そこ に 孫娘 が 訪ね て き た 昨晩 事件 は 起こった

なぜ 下 男 が インド 人 で メイド が アラブ 人 な の だ ?

異国 情緒 の ある 使用人 が 好き だった 占い 師 は ―

ヒンズー 語 と か アラビア 語 も 日常 会話 ぐらい できる

ああ ! メイド は アラビア 語 しか 分から ない よう だ

えー と … この 人 も しか して 刑事 さん と か ?

( ヴィクトリカ ) グレ ヴィール ・ ド ・ ブロワ 警部 だ

ソヴュール で は それなり に 名 の 知れ た 奇妙 な 頭髪 の 持ち主 だ

ソヴュール で は それなり に 名 の 知れ た 奇妙 な 頭髪 の 持ち主 だ

( グレ ヴィール ) う っ … む むっ

事件 直前 占い 師 は ―

自分 の 部屋 で くつろ い で い た

下 男 は その 窓 の 下 で ―

庭 に 放し た 野 兎 を 飼育 小屋 に 戻し て い た

野 兎 …

この 占い 師 は たくさん の 野 兎 を 飼って い た

時々 猟犬 に かみ殺さ せ たり し て い た らしい

むっ … ああ 話 を 戻 そ う ! むく な 子 リス よ !

あの 僕 を だし に し て 彼女 に 話しかけ て ます ?

その 夜 銃声 が 響き ―

みんな 驚 い て 屋敷 の 廊下 に 集まった

( グレ ヴィール ) ドア に は 鍵 が かかって い た

メイド が 何 か を 呼びかけ た が 応え は ない

下 男 が ドア を 壊 そ う と 提案 し た が ―

孫娘 が 反対 し た

婆さん が 死 ん だ ら 自分 の 屋敷 に なる ん だ から ―

壊さ ない で くれ と いう 罰 ( ばち ) 当たり な 理由 だ

しかし メイド は 孫娘 の 言葉 が 分から なかった ため ―

隣 の 部屋 から 護身 用 の ピストル を 持って くる と …

そして 開か れ た ドア の その 向こう側 に は …

左 目 を 撃ち抜か れ た 占い 師 が

窓 は 内側 から 鍵 が かけ られ 凶器 も 見つから ない

さあ 子 リス よ

お前 なら ば どんな 答え を 出す だ ろ う ?

どう し て 僕 に 聞く ん です か ?

( ヴィクトリカ の あくび ) ( 2 人 ) ん ?

何 だ そんな こと か

えっ

混沌 ( カオス ) の 欠 片 は 全て そろって いる

ここ で 再 構成 し て やろ う

( グレ ヴィール ) うむ

本当 に いい 陽気 だ !

本当 に いい 陽気 だ !

( 一弥 ) ん ん ~ ?

( 一弥 ) ん ん ~ ?

( 一弥 ) 再 構成 って ?

この世 の 混沌 ( カオス ) から 受け取った 欠 片 たち を ―

私 の 中 に ある 知恵 の 泉 を 使い ―

真実 と し て 構成 し 直す の だ

それ って 事件 を 解決 する って こと ?

( グレ ヴィール ) ふむ まあ 私 に も 犯人 は 分かって る が ね

怪しい の は 窓 の 下 に い た 下 男 …

犯人 は メイド だ よ グレ ヴィール

う っ ! ん っ ん ~ !

( 一弥 ) う わ っ ! あっ ! ( グレ ヴィール ) 何 だ 君 !

それ は どう いう こと だ !

( 一弥 ) だ から 僕 に 聞か れ て も !

メイド の アラビア 語 を 理解 できる の は 占い 師 だけ だ

( 一弥 ・ グレ ヴィール ) え ?

メイド は ドア を たたき アラビア 語 で 叫 ん だ

返事 が ない ので 隣 の 部屋 の ピストル を 持ち出し ―

鍵 を 撃ち 壊し た

( ヴィクトリカ ) そう だ な ? ( 2 人 ) うん うん

その 時 メイド は 何 を 叫 ん だ の か …

恐らく は …

( ヴィクトリカ ) “ ご 主人 様 は 命 を 狙わ れ て い ます ”

“ さっき の 銃 声 を 聞き まし た ね ? ”

“ 窓 から 離れ て ドア の 近く へ ”

( 2 人 ) えっ … ええ ?

つまり だ ね メイド は ―

占い 師 が まだ 生き て いる こと を 知って い た の だ よ

アラビア 語 で 叫 ん で 占い 師 を だまし ―

安全 だ から と ドア の 前 に 呼び 鍵 ごと …

占い 師 を 撃った

左 目 を 撃ち抜か れ て い た の は ―

恐らく 占い 師 が 鍵 穴 から 外 を のぞ こ う と し た から な の だ

( 銃声 )

( グレ ヴィール ) ちょっと 待て

では 1 発 目 の 銃声 は いつ どこ で 撃った の だ ? 子 リス

( 一弥 ) ん ん っ … 警部 さん !

僕 は 子 リス じゃ なく て 久 城 一弥 です !

( ヴィクトリカ ) 1 発 目 は 隣 の 部屋 で 撃った の だ ろ う

占い 師 を おびえ させ 屋敷 の 人々 を 呼び寄せる ため に

調べ て みる と いい まだ 新しい 銃 創 が 見つかる はず だ

なるほど

うむ さ ー て 署 に 戻る 時間 だ

いい 気分 転換 に なった

犯人 の 動機 の 謎 は …

( グレ ヴィール ) ん ?

1 発 目 の 弾丸 で 何 を 撃った か に 隠さ れ て いる はず だ よ

な っ … どう いう こと だ !

あ あっ ! はっ … あっ あっ あ あー っ !

( 一弥 ) 行っちゃ っ た

( あくび )

一瞬 で 終わって しまった

また 退屈 が やって き た …

ねえ 君 は 何者 な ん だい ?

あの 警部 さん 君 の こと を 頼り に し てる …

の か な ?

でも 何だか 気 に し てる みたい だ し

私 の こと が 知り たけ れ ば …

知り たけ れ ば ?

踊れ

えっ ? どう し て 踊り なんて

なんて …

あっ はい

( 一弥 の 鼻歌 )

それ は 何という 踊り だ ?

( 一弥 ) ふ っ ふ っ … 盆踊り だ よ

( 一弥 の 鼻歌 )

( 一弥 ) ふう … 昨日 は 3 番 まで 踊った のに ―

結局 教え て くれ ない なんて

ひどい よ ヴィクトリカ

( ゾフィ ) 久 城 君 ( 一弥 ) ん ?

食べ てる ?

( 一弥 ) あ あっ ! ん ん っ ! ( ゾフィ ) あっ …

ど … どう し た の ? ( 一弥 ) う う ー っ

“ またしても お 手柄 ブロワ 警部 ”

“ 占い 師 ロクサーヌ 射殺 事件 を 見事 解決 ” ! ?

( 一弥 ) どう いう こと です か !

( グレ ヴィール ) 君 は ?

( 一弥 ) 孫娘 から 感謝 の キス と 豪華 な ヨット が 贈ら れ た って !

あ あー それ か

あの キス は ねだった わけ じゃ ない 無理やり に さ れ た の だ

( 一弥 ) キス じゃ ない ! ( グレ ヴィール ) え ?

豪華 ヨット と 遺族 の 感謝 の 念 です !

あれ は もともと ―

あなた じゃ なく 贈ら れる べき 相手 は ヴィク …

( グレ ヴィール ) ふん っ !

( 一弥 ) ん ん … ん ー っ

ああ もう 分かった 分かった

君 の その 情熱 に は 負け た よ

は ぁ …

週 末 の ヨット 遊び の 計画 に 君 たち も 招待 しよ う

当たり前 です !

( グレ ヴィール ) 当たり 前 で ある もの か

彼女 … ヴィクトリカ の 外出 許可 の 特例 は ―

この 私 の 働きかけ が なけ れ ば 下り ない の だ よ

( 一弥 ) ヴィクトリカ の 外出 許可 ? ( グレ ヴィール ) う っ …

いや あ ハハッ 何でも ない

では 週 末 に

( ヴィクトリカ ) それ で グレ ヴィール と 約束 を ?

うん 手柄 を 横取り する なんて ―

そんな 不正 は 許さ れ ない から ね

とりあえず は 暫定 的 勝利 !

( ヴィクトリカ ) 久 城 ( 一弥 ) ん ?

貴重 な 週 末 を だ ね

グレ ヴィール と 共に 過ごし て だ ね

君 楽しい の か ?

楽しく ない よ

それ に あんな 変わった 頭 の 人 と 一緒に 歩く の は ―

恥ずかしい し … あっ !

どう し て こう なった ん だ っけ ?

私 と し て も 君 に 聞き たい ところ で は ある が

しかし そう か …

では 出 られる の か ―

この 牢獄 を

( ヴィクトリカ ) 旅行 の 支度 を する

えっ 今 から ?

だって 週 末 まで まだ 何 日 も ある よ ?

( 一弥 ) いくら 何でも … ( ヴィクトリカ ) むっ …

( 一弥 ) あっ 待って

勝手 に 乗ったら …

( ヴィクトリカ ) これ は 教職 員 と 私用 の エレベーター な の だ よ

君 は つらい つらい 思い を し て ―

もも を だ る ー くし ながら ―

えっ ちら お っち ら 階段 を 下り た まえ

あっ …

あっ … う ー っ

ヴィクトリ カー !

( 一弥 ) それ で ヨット の 1 泊 旅行 に ―

どう し て こんな 大 荷物 な ん だ よ

これ は だ な 私 の この 頭脳 が 英知 を 尽くし て 考え た ―

旅行 に 最低 限 必要 な 持ち物 な の だ

( 一弥 ) こんな 大 荷物 持てる の ?

もちろん 久 城 君 が 持つ の だ

( 一弥 ) むっ ( ヴィクトリカ ) な っ …

君 ! 勝手 に 人 の 荷物 … ( 一弥 ) コンパス ?

こんな の ヨット に ある って

( 一弥 ) 救命 胴衣 も いら ない ( ヴィクトリカ ) むっ …

( 一弥 ) 着替え の 山 も 1 着 で いい し ( ヴィクトリカ ) む むっ …

えっ なんで 食器 セット ?

これ お 菓子 ?

椅子 ?

君 難民 な の ?

( ヴィクトリカ ) ん ん ー っ 必要 だったら 必要 な の だ !

( 汽笛 )

( 一弥 ) もう いつ まで すね てる ん だ よ

しかたない じゃ ない か

ん ?

( ヴィクトリカ ) わ あ …

( 一弥 ) まるで 初めて 機関 車 に 乗った 人 みたい だ

フフ

( 一弥 ) こう し て 見る と やっぱり 人形 みたい だ な

( ヴィクトリカ ) ん ?

何 を し て いる

あっ … ああ えっ えー と …

あ … 日本 の 遊び で こう いう の が ある ん だ よ

( 汽笛 )

あっ

う わ あ …

あれ は 何 だ ?

( 一弥 ) アイスクリーム 屋 だ よ

あれ は ?

( 一弥 ) 新聞 売り

( 一弥 ) ねえ そろそろ 行く よ ( ヴィクトリカ ) わ あ …

( 指 笛 )

( ヴィクトリカ ) あ …

( 一弥 ) さあ 乗って

( ヴィクトリカ ) 魔法 か ? それとも 彼 は 君 の しも べ か ?

( 一弥 ・ 御者 ) えっ

( 一弥 ) ねえ ヴィクトリカ 君 あんまり 外出 し た こ と ない の ?

( ヴィクトリカ ) フンッ !

よう 相棒 !

( 一弥 ) あの … その 格好

( グレ ヴィール ) いい だ ろ う ? テーマ は “ 海 の 男 ” だ よ

そう そう 例 の 事件

隣 の 部屋 で の 1 発 目 の 発砲 だ が ね

撃た れ て い た の は ―

鏡 だった

鏡 ?

なるほど 魔法 の 鏡 か

それ から 容疑 者 で ある アラブ 人 メイド だ が …

( ヴィクトリカ ) ふむ

美人 だ

お っ ほん

その メイド が 動機 に つい て 謎 の 言葉 を 口走った

“ これ は 箱 の 復讐 ( ふく しゅう ) です ” と

箱 の 復讐 ?

( 一弥 ) ん ?

( フラン ) 警部 ! ( 一弥 ) ん ?

( フラン ) 警部 大変 です !

アラブ 人 の メイド が 逃げ まし た !

( グレ ヴィール ・ 一弥 ) えっ !

ほ … ホント か ! ?

おい 久 城 君

私 は ここ で 失礼 する ( 一弥 ) お … おわ っ

( グレ ヴィール ) ヨット だ が ―

乗って も いい が 運転 し て は いか ん ぞ !

え えっ ? そんな の つまらない じゃ …

我慢 だ ! それでは !

そんな … せっかく 来 た のに

ねえ ヴィクトリカ … お ?

ヴィクトリカ ?

ん ?

お ー い ヴィクトリ カー !

ん ?

あっ い たい た

( ヴィクトリカ ) 君 … ( 一弥 ) ん ?

( ヴィクトリカ ) この ヨット は 占い 師 ロクサーヌ の 持ち物 だった な

( 一弥 ) うん

招待 状 の よう だ ロクサーヌ 宛 の

読 ん で み た まえ

えっ ? いい けど

えー と …

“ この 近く の 海岸 に 停泊 中 の 豪華 客船 で の ディナー ”

“ 箱庭 の 夕べ ”

ん っ ?

“ メイン ディッシュ は 野 兎 です ”

( ヴィクトリカ ) うむ

( ヴィクトリカ ) 占い 師 は 野 兎 を 飼って い た

そして “ 箱庭 の 夕べ ” と いう 名 と ―

メイド の 言う “ 箱 の 復讐 ”

( 一弥 ) “ 箱 ” … だ よ ね どっち も

どう しよ う ?

( ヴィクトリカ ) どう し たい ?

( 汽笛 )

( 一弥 ) 行って みよ う か

( ヴィクトリカ ) それ で こそ 死 神 だ

♪ ~

~ ♪

( 一弥 ) 成り行き で 潜り込 ん だ 怪し げ な 豪華 客船 …

って あれ ? 僕 の 分 の ディナー が ない !

( ヴィクトリカ ) もぐもぐ …

♪ 高級 肉 は 脂身 も う ~ ま ~ い ~


Gosick Episode 1 gosick|episode Gosick Episode 1

( 猟犬 の ほえ 声 ) りょうけん|||こえ (barking of hounds) (ladridos de sabuesos)

( 雷鳴 ) らいめい (thunder)

( ロクサーヌ ) 1 人 の 青年 が もう すぐ 死ぬ だ ろ う |じん||せいねん||||しぬ||| A young man will surely die soon!

その 死 が 全て の 始まり |し||すべて||はじまり That death will be the beginning of everything...

世界 は 石 と なり 転がり 始める せかい||いし|||ころがり|はじめる The world will turn to stone and start to tumble!

( 男性 ) あ あっ 我々 は どう すれ ば … だんせい|||われわれ|||| What should we do?!

( 男性 ) お 教え ください ロクサーヌ 様 だんせい||おしえ|||さま Please tell us, Lady Roxane!

大きな 箱 を 用意 し それ を みな も に 浮かべよ おおきな|はこ||ようい|||||||うかべよ Prepare a large box and have it float on the surface of the water...

そして … Then...

11 匹 の 野 兎 ( の うさぎ ) を 走ら せろ ! ひき||の|うさぎ||||はしら| Send 11 hares running wild!

( 雷鳴 ) らいめい (THUNDER RUMBLING)

♪ ~

~ ♪

( ヴィクトリカ の あくび ) (Victorika yawns)

( 一弥 ( かず や ) ) フランス スイス ― かずや|||ふらんす|すいす Bordered by France, Switzerland and Italy

イタリア と 接する ― いたりあ||せっする Contact with Italy ―

ヨーロッパ の 小国 ソヴュール 王国 よーろっぱ||しょうこく||おうこく The Kingdom of Sauville

アルプス 山脈 の ふもと に 構え られ た ― あるぷす|さんみゃく||||かまえ|| And nestled at the base of the Alps is the St. Marguerite Academy.

聖 マルグリット 学園 せい||がくえん St. Marguerite Academy

貴族 の 子弟 の ため の 教育 機関 と し て ― きぞく||してい||||きょういく|きかん||| It's a prestigious school with a reputation in the kingdom cemented

王国 に 名 を とどろかす 名門 学園 おうこく||な|||めいもん|がくえん as the educational institute for the children of aristocracy.

僕 は ここ の 生徒 ぼく||||せいと I'm a student here.

名前 は … なまえ| My name is...

( 生徒 ) う っ … “ 黒い 死 神 ” ! せいと|||くろい|し|かみ The Black Reaper!

( 生徒 たち の ざわめき ) せいと|||

( 一弥 ) そう “ 黒い 死 神 ” かずや||くろい|し|かみ Yes, the Black Reaper.

( 一弥 ) ふう … かずや|

( 生徒 ) 見 て 全て の 闇 を 吸い込 ん だ 真っ黒 な 瞳 せいと|み||すべて||やみ||すいこ|||まっくろ||ひとみ Look at those pitch black eyes that swallow up the darkness!

( 生徒 ) きっと おなか の 中 も 真っ黒 な の よ せいと||||なか||まっくろ||| I'm sure he's black-hearted as well!

歩き やすい や あるき|| It's easy to walk here.

( 始業 の 鐘 の 音 ) しぎょう||かね||おと Kazuya

( 始業 の 鐘 の 音 ) しぎょう||かね||おと "Kazuya, how's life in a foreign country?

( 泰博 ( やす ひろ ) ) “ 一弥 異国 で の 暮らし は どう だ ” やすひろ|||かずや|いこく|||くらし||| (How is life in a foreign country?

“ 先 の 世界 大戦 終結 後 君 が 優秀 な 成績 を 認め られ ― ” さき||せかい|たいせん|しゅうけつ|あと|きみ||ゆうしゅう||せいせき||みとめ| After the end of that last world war,

“ 同盟 国 で ある ソヴュール の 地 に ― ” どうめい|くに|||||ち| "To the land of Sovereignty, our ally..."

“ 留学 生 と し て 受け入れ られ た こと ― ” りゅうがく|せい||||うけいれ||| Acceptance as an exchange student

“ 父 君 を はじめ 私 たち 家族 は 誇り に 思って いる ” ちち|きみ|||わたくし||かぞく||ほこり||おもって| father and the rest of us were so proud of you.

( セシル ) ん ? (Hmm?

( 泰博 ) “ 一弥 1 日 も 早く 一 人 前 の 男 に なって 戻って こい ” やすひろ|かずや|ひ||はやく|ひと|じん|ぜん||おとこ|||もどって| Kazuya, become a full-fledged man as soon as you can, then return home to us.

“ 立 身 出世 そして 国 の ため に なる 男 に なって な ” た|み|しゅっせ||くに|||||おとこ||| Become a man for success in life... and for your country.

“ 長兄 より ” ちょうけい| - From your eldest brother..."

は ぁ … Huh ...

う っ !

( セシル ) 怪談 を 読め ば いい と 思う の ! |かいだん||よめ||||おもう| I think you should read ghost stories!

( 一弥 ) へ ? かずや|

( セシル ) この 学園 に は … ||がくえん|| At this academy... no, in this country, there are a lot of ghost stories, see?

う うん この 国 に は 怪談 が たくさん あって ね |||くに|||かいだん||||

政治 の 世界 に だって オカルト 省 が ある ぐらい ― せいじ||せかい|||おかると|しょう||| I mean, even the political world has a Ministry of the Occult,

み ー ん な 怪談 が 大好き な の よ |-|||かいだん||だいすき||| which just goes to show that we lo-o-ve our ghost stories!

“ 黒い 死 神 ” も その 1 つ な ん です ね セシル 先生 くろい|し|かみ|||||||||せんせい And the Black Reaper is one of them, right, Ms. Cecil?

ああ 正しく は “ 春 来 たる 死 神 ” |まさしく||はる|らい||し|かみ It's better known as The Reaper that Comes in the Spring.

“ 黒い ” は 久 城 ( くじょう ) 君 の ため に つけ られ た 名誉 なる 冠 よ くろい||ひさ|しろ||きみ|||||||めいよ||かん| "Black" is an prefixed honor that the kids have bestowed upon you, Kujō.

( 一弥 ) 名誉 って … かずや|めいよ| An honor...?

お … う わ っ ! Oh ... wow!

共通 の 話題 が あれ ば お 友達 も たくさん 作 れる わ ! きょうつう||わだい|||||ともだち|||さく|| If you've got a common topic to talk about, you can make lots of friends!

100 人 作って みんな で アルプス 山脈 に ― じん|つくって|||あるぷす|さんみゃく| Make 100 friends and climb the Alps together, Kujō!

登り ま しょ う ! 久 城 君 ! のぼり||||ひさ|しろ|きみ Let's climb up! Kushiro-kun!

( 一弥 ) は あ … かずや|| (Oh...

( 一弥 ) 共通 の 話題 かずや|きょうつう||わだい A common topic...

怪談 か … かいだん| Ghost stories?

( 一弥 ) なに なに … かずや|| What's this?

“ 嵐 の 夜 に 現れる 幽霊 船 \ NQueen Berry 号 ” あらし||よ||あらわれる|ゆうれい|せん|nqueen|berry|ごう A ghost ship that appears on stormy nights.

“ 死者 の はらわた から 金 ( きん ) を 生み出す 錬金術 師 リヴァイアサン ” ししゃ||||きむ|||うみだす|れんきんじゅつ|し| Leviathan, an alchemist who could produce gold from the intestines of dead men.

どれ も 物騒 だ なあ … ん ? ||ぶっそう||| Both stories are pretty frightening...

人 の 言葉 を 語る 頭脳 明晰 なる 灰色 狼 ( は い いろ おおかみ ) じん||ことば||かたる|ずのう|めいせき||はいいろ|おおかみ|||| A brilliant gray wolf that can speak human languages.

しゃべる 狼 か |おおかみ| A talking wolf, huh?

フッ これ なら ちょっと 仲良く なって み たい かも ||||なかよく|||| Maybe I'd like to get to know her a little better.

ん ? Hmm?

これ は ? What's this?

ん … ...

金色 の … きんいろ| Golden...

ハッ ハッ ハッ ハッ … Ha, ha, ha, ha, ha...

ハァ ハァ ハァ … Huh, huh, huh, huh ...

ハッ ハッ ハッ ハッ …

ハァ ハァ ハァ ハァ …

ハァ ハァ ハァ …

ハァ … あっ

あ …

ん ?

人 … 形 ? じん|かた People ... form?

( ヴィクトリカ ) やっと 来 た か ||らい|| So you finally made it.

( 一弥 ) えっ かずや| (What?

( ヴィクトリカ ) 遅い ぞ “ 春 来 たる 死 神 ” |おそい||はる|らい||し|かみ You're late, Reaper That Comes in the Spring.

えっ ど … どう し て 君 僕 の こと を ? |||||きみ|ぼく||| H-How do you know about me?

( ヴィクトリカ ) 銀 の つぼ から 立ち上った 未来 は ― |ぎん||||たちのぼった|みらい| The future that rose from the silver jar was reflected in the magic mirror.

魔法 の 鏡 に 映し出さ れる まほう||きよう||うつしださ| reflected in a magic mirror.

占い に よる と 君 は また ここ を 訪れる よう だ うらない||||きみ|||||おとずれる|| My horoscope tells me you'll be visiting here again.

明日 昼 の 鐘 を 聞く 頃 に あした|ひる||かね||きく|ころ| Tomorrow, when you hear the noon bell ring...

( 一弥 ) ちょ … ちょっと 待って どう し て … かずや|||まって||| W-Wait a second. Why...?

君 は 選ば れ た の だ きみ||えらば|||| You were chosen...

私 の 退屈 を 埋める ため の 欠 片 ( かけら ) の 1 つ に わたくし||たいくつ||うずめる|||けつ|かた|||| As a single fragment with which to fill up my boredom...

あ …

ああ … あー っ ! Ah ... ah ... ah ..!

( 一弥 ) 人形 に ― かずや|にんぎょう| A doll...

人形 に 未来 を 占わ れ た ー っ ! にんぎょう||みらい||うらなわ|||-| A doll told me my future!

( 犬 の 遠ぼえ ) いぬ||とおぼえ (Dog's far away memory)

( 犬 の 遠ぼえ ) いぬ||とおぼえ It's like a weird dream.

( 一弥 ) まるで 奇妙 な 夢 だ かずや||きみょう||ゆめ| (It's like a strange dream.

図書 館 の 上 に 植物 園 としょ|かん||うえ||しょくぶつ|えん A botanical garden over the library...

不思議 な 言葉 を 口 に する 不思議 な 女の子 ふしぎ||ことば||くち|||ふしぎ||おんなのこ A strange girl who says strange things...

ああ ! それ は ヴィクト リカ さん ね ||||りか|| Oh, that's Victorique.

( 一弥 ) は あ … かずや|| (Oh...

( セシル ) すごい ! 早速 お 友達 が でき た の ね ! ||さっそく||ともだち||||| That's wonderful! You made a friend already!

彼女 久 城 君 の クラスメート よ かのじょ|ひさ|しろ|きみ||| She's a classmate of yours, Kujō.

( 一弥 ) えっ ? かずや| (What?

教室 に いつも 1 つ 席 が 空 い てる でしょ う ? きょうしつ||||せき||から|||| There's always one empty chair in the classroom, right?

ああ ! ちょうど いい わ Oh! Just in time.

久 城 君 彼女 に プリント 持っていって ! ひさ|しろ|きみ|かのじょ||ぷりんと|もっていって Kujō, give these handouts to her, okay?

久 城 君 彼女 に プリント 持っていって ! ひさ|しろ|きみ|かのじょ||ぷりんと|もっていって

( 一弥 ) う わ っ かずや||| (Wow!

( セシル ) それ じゃ ね ー ! ||||- See you later!

う う っ ちょっと 待って ください ! ||||まって| Wait a second!

( 鐘 の 音 ) ( 一弥 ) ん ? かね||おと|かずや| (Huh?

( 鐘 の 音 ) ( 一弥 ) “ 昼 の 鐘 を 聞く 頃 に … ” かね||おと|かずや|ひる||かね||きく|ころ| ("By the time I heard the bell at noon..."

( 一弥 ) ハァ ハァ ハァ … かずや||| (Huh, huh, huh, huh...

あっ ?

( ヴィクトリカ ) ん ~ ん ~

えっ

( ヴィクトリカ ) ん ~ ( 一弥 ) お … お っ ||かずや|||

ん ?

( ヴィクトリカ ) やっと 来 た か ||らい|| You're finally here?

な … 何 し てる の ? |なん||| W-What are you doing...?

( ヴィクトリカ ) 君 の 到着 が 思った より 遅かった ので な |きみ||とうちゃく||おもった||おそかった|| (Your arrival was later than expected.

退屈 し て い た ところ だ たいくつ|||||| I was just getting bored.

君 占い 師 な の ? きみ|うらない|し|| Are you a fortune-teller?

なぜ ? Why?

僕 が 来る こと を 知って た みたい で ぼく||くる|||しって||| It seems like you knew I was gonna come here...

知恵 の 泉 が 教え て くれ た の だ ちえ||いずみ||おしえ||||| The fountain of wisdom told me so.

知恵 の 泉 ? ちえ||いずみ Fountain of wisdom?

黒 髪 の 生徒 が この 春 から うろつく よう に なった くろ|かみ||せいと|||はる||||| Since this spring, a black-haired student has been hanging around.

その 見慣れ ぬ 不吉 な 容姿 から ― |みなれ||ふきつ||ようし| Seeing that unfamiliar, ill-omened figure

この 学園 に 伝わる “ 春 来 たる 死 神 ” を ― |がくえん||つたわる|はる|らい||し|かみ| must have made people recall the academy's legend of The Reaper That Comes in the Spring.

想起 さ れる こと だ ろ う そうき|||||| It will be recalled.

不吉 な 容姿 って ! ふきつ||ようし| Ill-omened figure?!

君 名前 は ? きみ|なまえ| What's your name?

久 城 … 一弥 だ けど ひさ|しろ|かずや|| Kujō... Kazuya...

そして 久 城 |ひさ|しろ So, Kujō, being a deathly-serious, strait-laced, bright student,

君 の よう に クソ 真面目 で 融通 の 利か ない 秀才 は きっと ― きみ||||くそ|まじめ||ゆうずう||きか||しゅうさい|| I'm sure that a fucking sober, inflexible, brilliant person like you...

その 出典 を 調べる ため ここ へ やって くる はず だ と |しゅってん||しらべる|||||||| you must have come here to investigate the source of the story.

よく 分かった けど … |わかった| You're pretty good, but I'm not completely satisfied...

釈然 と し ない なあ しゃくぜん|||| I don't get it.

( 一弥 ) 何 だ ろ う 昨日 と は 印象 が 違う 感じ だ な かずや|なん||||きのう|||いんしょう||ちがう|かんじ|| I don't know what it is, but she seems different from yesterday...

それ に … Besides that...

( 一弥 ) ほら かずや| Look, you rolled around so much, your necklace is on backwards.

あんまり 回る から ネックレス が 後ろ に 行っちゃ っ た よ |まわる||ねっくれす||うしろ||おこなっちゃ||| You're spinning so much, the necklace is going behind your back.

( ヴィクトリカ ) う っ … 触る な ! ( 一弥 ) えっ ? |||さわる||かずや| (Don't touch me! (What?

( ヴィクトリカ ) は … (Victorica is a ...

これ は ― This is... precious to me.

大切 な もの だ たいせつ||| It's important.

とても So... so precious...

とても … Very ...

( 物音 ) ( 一弥 ) あっ ものおと|かずや| (Ah!

( エレベーター の 到着 音 ) えれべーたー||とうちゃく|おと (Elevator arrival sound)

はっ !

( 一弥 ) なんて … かずや| What the...?!

( グレ ヴィール ) や あ (Greville

( 一弥 ) なんて 独創 的 な 髪形 ! かずや||どくそう|てき||かみがた (What a creative hairstyle!

グレ ヴィール か Grevil...

知り合い な の ? しりあい|| You know him?

( グレ ヴィール ) あ あー 今日 は とても いい 陽気 だ ||||きょう||||ようき| Aaah, what beautiful weather we're having today.

ふむ こんな 所 に 黒い 毛並み の 子 リス も いる ||しょ||くろい|けなみ||こ|りす|| Hmm, there's a little squirrel with black fur in a place like this.

ここ は ひと つ 長 ー い ポエム でも 子 リス に 口 ずさん で みよ う か ||||ちょう|-||||こ|りす||くち||||| Maybe I'll try reciting a long poem to this baby squirrel.

ここ は ひと つ 長 ー い ポエム でも 子 リス に 口 ずさん で みよ う か ||||ちょう|-||||こ|りす||くち|||||

( 一弥 ) ん ? かずや| (Hmm?

ここ は ひと つ 長 ー い ポエム でも 子 リス に 口 ずさん で みよ う か ||||ちょう|-||||こ|りす||くち||||| I think I'll just recite a long poem to the squirrels.

ここ は ひと つ 長 ー い ポエム でも 子 リス に 口 ずさん で みよ う か ||||ちょう|-||||こ|りす||くち|||||

ん っ … むっ ! Mmm ... mmm ..!

昨夜 ある 村 の 屋敷 で ― さくや||むら||やしき| Last night, at a mansion in a certain village, an old fortune-teller by the name of Roxane, was murdered.

老婆 … 占い 師 ロクサーヌ が 殺害 さ れ た ろうば|うらない|し|||さつがい||| The old woman ... the fortuneteller, Roxanne, was murdered.

え えっ 何 を いきなり ? ||なん|| What? What?

占い 師 は 屋敷 に インド 人 の 下 男 アラブ 人 の メイド と ― うらない|し||やしき||いんど|じん||した|おとこ|あらぶ|じん||| The fortune-teller lived in her mansion with an Indian manservant and an Arabian maid.

3 人 で 住 ん で い た じん||じゅう|||| Three people lived together.

そこ に 孫娘 が 訪ね て き た 昨晩 事件 は 起こった ||まごむすめ||たずね||||さくばん|じけん||おこった Her granddaughter came for a visit that very same night.

なぜ 下 男 が インド 人 で メイド が アラブ 人 な の だ ? |した|おとこ||いんど|じん||||あらぶ|じん||| Why was the manservant Indian and the maid Arabian?

異国 情緒 の ある 使用人 が 好き だった 占い 師 は ― いこく|じょうちょ|||しようにん||すき||うらない|し| The fortune-teller had a penchant for exotic servants and could speak Hindi and Arabic at a conversational level.

ヒンズー 語 と か アラビア 語 も 日常 会話 ぐらい できる |ご|||あらびあ|ご||にちじょう|かいわ|| I can speak Hindi and Arabic in everyday conversation.

ああ ! メイド は アラビア 語 しか 分から ない よう だ |||あらびあ|ご||わから||| Oh, it seems the maid can only speak Arabic.

えー と … この 人 も しか して 刑事 さん と か ? |||じん||||けいじ||| Um, is he a detective or something along those lines?

( ヴィクトリカ ) グレ ヴィール ・ ド ・ ブロワ 警部 だ |||||けいぶ| This is Inspector Grevil de Blois.

ソヴュール で は それなり に 名 の 知れ た 奇妙 な 頭髪 の 持ち主 だ |||||な||しれ||きみょう||とうはつ||もちぬし| He's the owner of the oddest hair in all of Sauville.

ソヴュール で は それなり に 名 の 知れ た 奇妙 な 頭髪 の 持ち主 だ |||||な||しれ||きみょう||とうはつ||もちぬし| He has a strange head of hair, well known in Sovereign circles.

( グレ ヴィール ) う っ … む むっ

事件 直前 占い 師 は ― じけん|ちょくぜん|うらない|し| Just before the murder, the fortune-teller in her bedroom relaxing.

自分 の 部屋 で くつろ い で い た じぶん||へや|||||| He was at home in his room.

下 男 は その 窓 の 下 で ― した|おとこ|||まど||した| The manservant was in the garden just below her window, returning the loose hares to their breeding pen.

庭 に 放し た 野 兎 を 飼育 小屋 に 戻し て い た にわ||はなし||の|うさぎ||しいく|こや||もどし||| I was returning wild rabbits that had been released into the yard to the corral.

野 兎 … の|うさぎ Hares?

この 占い 師 は たくさん の 野 兎 を 飼って い た |うらない|し||||の|うさぎ||かって|| The fortune-teller raised many hares.

時々 猟犬 に かみ殺さ せ たり し て い た らしい ときどき|りょうけん||かみころさ||||||| Apparently, she would let hunting dogs gnaw them to death from time to time.

むっ … ああ 話 を 戻 そ う ! むく な 子 リス よ ! ||はなし||もど|||||こ|りす| Oh, let's get back to the story! It's a swollen little squirrel!

あの 僕 を だし に し て 彼女 に 話しかけ て ます ? |ぼく||||||かのじょ||はなしかけ|| Um... are you using me to talk to her?

その 夜 銃声 が 響き ― |よ|じゅうせい||ひびき That night, a gunshot rang out.

みんな 驚 い て 屋敷 の 廊下 に 集まった |おどろ|||やしき||ろうか||あつまった Everyone was astonished and gathered in the hallway of the villa.

( グレ ヴィール ) ドア に は 鍵 が かかって い た ||どあ|||かぎ|||| Her door was locked.

メイド が 何 か を 呼びかけ た が 応え は ない ||なん|||よびかけ|||こたえ|| The maid called out something, but there was no answer.

下 男 が ドア を 壊 そ う と 提案 し た が ― した|おとこ||どあ||こわ||||ていあん||| The manservant planned to break the door down, but the granddaughter wouldn't let him.

孫娘 が 反対 し た まごむすめ||はんたい|| My granddaughter objected.

婆さん が 死 ん だ ら 自分 の 屋敷 に なる ん だ から ― ばあさん||し||||じぶん||やしき||||| "If my grandmother is dead, this mansion becomes mine,

壊さ ない で くれ と いう 罰 ( ばち ) 当たり な 理由 だ こわさ||||||ばち||あたり||りゆう| so don't destroy anything," was the contemptible reason she gave.

しかし メイド は 孫娘 の 言葉 が 分から なかった ため ― |||まごむすめ||ことば||わから|| However, the maid didn't understand a word that the granddaughter said,

隣 の 部屋 から 護身 用 の ピストル を 持って くる と … となり||へや||ごしん|よう||ぴすとる||もって|| so she grabbed a pistol for self-defense from the adjacent room, and...

そして 開か れ た ドア の その 向こう側 に は … |あか|||どあ|||むこうがわ|| And on the other side of the now-opened door was...

左 目 を 撃ち抜か れ た 占い 師 が ひだり|め||うちぬか|||うらない|し| The fortune-teller, shot through her left eye...

窓 は 内側 から 鍵 が かけ られ 凶器 も 見つから ない まど||うちがわ||かぎ||||きょうき||みつから| The windows were locked from the inside, and the murder weapon was never found.

さあ 子 リス よ |こ|りす| So tell me, baby squirrel!

お前 なら ば どんな 答え を 出す だ ろ う ? おまえ||||こたえ||だす||| How do you think it happened?!

どう し て 僕 に 聞く ん です か ? |||ぼく||きく||| Why are you asking me?!

( ヴィクトリカ の あくび ) ( 2 人 ) ん ? |||じん|

何 だ そんな こと か なん|||| Oh, that?

えっ What's up?

混沌 ( カオス ) の 欠 片 は 全て そろって いる こんとん|かおす||けつ|かた||すべて|| The fragments of chaos are all lined up.

ここ で 再 構成 し て やろ う ||さい|こうせい|||| I'll reconstruct them for you here.

( グレ ヴィール ) うむ Hm.

本当 に いい 陽気 だ ! ほんとう|||ようき| It really is a beautiful day!

本当 に いい 陽気 だ ! ほんとう|||ようき|

( 一弥 ) ん ん ~ ? かずや||

( 一弥 ) ん ん ~ ? かずや||

( 一弥 ) 再 構成 って ? かずや|さい|こうせい| Reconstruct them?

この世 の 混沌 ( カオス ) から 受け取った 欠 片 たち を ― このよ||こんとん|かおす||うけとった|けつ|かた|| I'll take fragments from the chaos of this world...

私 の 中 に ある 知恵 の 泉 を 使い ― わたくし||なか|||ちえ||いずみ||つかい And I will reconstruct them into truth using the fountain of wisdom within me.

真実 と し て 構成 し 直す の だ しんじつ||||こうせい||なおす|| Reconstruct it as truth.

それ って 事件 を 解決 する って こと ? ||じけん||かいけつ||| You're talking about solving the crime?

( グレ ヴィール ) ふむ まあ 私 に も 犯人 は 分かって る が ね ||||わたくし|||はんにん||わかって||| Hmph. Well, I already know who the murderer is, too.

怪しい の は 窓 の 下 に い た 下 男 … あやしい|||まど||した||||した|おとこ The manservant under the window is the most suspicious—

犯人 は メイド だ よ グレ ヴィール はんにん|||||| The murderer is the maid, Grevil.

う っ ! ん っ ん ~ ! Ugh...! Hm~!

( 一弥 ) う わ っ ! あっ ! ( グレ ヴィール ) 何 だ 君 ! かずや|||||||なん||きみ What are you talking about, boy?! Explain yourself!

それ は どう いう こと だ ! What does that mean?

( 一弥 ) だ から 僕 に 聞か れ て も ! かずや|||ぼく||きか||| (So even if you ask me..!

メイド の アラビア 語 を 理解 できる の は 占い 師 だけ だ ||あらびあ|ご||りかい||||うらない|し|| The fortune-teller was the only one who could understand Arabic.

( 一弥 ・ グレ ヴィール ) え ? かずや|||

メイド は ドア を たたき アラビア 語 で 叫 ん だ ||どあ|||あらびあ|ご||さけ|| The maid knocked on the door and yelled in Arabic.

返事 が ない ので 隣 の 部屋 の ピストル を 持ち出し ― へんじ||||となり||へや||ぴすとる||もちだし There was no answer, so she grabbed a pistol from the next room, then shot the door lock. Correct?

鍵 を 撃ち 壊し た かぎ||うち|こわし| He shot and broke the lock.

( ヴィクトリカ ) そう だ な ? ( 2 人 ) うん うん ||||じん|| (Is that right? (Yeah.

その 時 メイド は 何 を 叫 ん だ の か … |じ|||なん||さけ|||| What did the maid yell out before that?

恐らく は … おそらく| Perhaps...

( ヴィクトリカ ) “ ご 主人 様 は 命 を 狙わ れ て い ます ” ||あるじ|さま||いのち||ねらわ|||| "Milady, someone is after your life. You heard the gunshot just before, didn't you?

“ さっき の 銃 声 を 聞き まし た ね ? ” ||じゅう|こえ||きき||| Did you hear that gunshot earlier? "You heard the gunshot?"

“ 窓 から 離れ て ドア の 近く へ ” まど||はなれ||どあ||ちかく| Move away from the window and come near the door."

( 2 人 ) えっ … ええ ? じん|| (What?

つまり だ ね メイド は ― In other words, the maid knew that the fortune-teller was still alive.

占い 師 が まだ 生き て いる こと を 知って い た の だ よ うらない|し|||いき|||||しって||||| He knew the fortune teller was still alive.

アラビア 語 で 叫 ん で 占い 師 を だまし ― あらびあ|ご||さけ|||うらない|し|| She called out to the fortune-teller in Arabic, tricking her,

安全 だ から と ドア の 前 に 呼び 鍵 ごと … あんぜん||||どあ||ぜん||よび|かぎ| telling her it was safe in front of the door,

占い 師 を 撃った うらない|し||うった and the fortune-teller in tandem.

左 目 を 撃ち抜か れ て い た の は ― ひだり|め||うちぬか|||||| Most likely, the reason the fortune-teller was shot through her left eye

恐らく 占い 師 が 鍵 穴 から 外 を のぞ こ う と し た から な の だ おそらく|うらない|し||かぎ|あな||がい||||||||||| Perhaps it was because the fortune teller was trying to peek through the keyhole.

( 銃声 ) じゅうせい (GUNSHOTS)

( グレ ヴィール ) ちょっと 待て |||まて (Wait a minute.

では 1 発 目 の 銃声 は いつ どこ で 撃った の だ ? 子 リス |はつ|め||じゅうせい|||||うった|||こ|りす Then where and when was the first gunshot... Baby Squirrel?!

( 一弥 ) ん ん っ … 警部 さん ! かずや||||けいぶ|

僕 は 子 リス じゃ なく て 久 城 一弥 です ! ぼく||こ|りす||||ひさ|しろ|かずや|

( ヴィクトリカ ) 1 発 目 は 隣 の 部屋 で 撃った の だ ろ う |はつ|め||となり||へや||うった|||| I'm sure the first shot was from the room next door.

占い 師 を おびえ させ 屋敷 の 人々 を 呼び寄せる ため に うらない|し|||さ せ|やしき||ひとびと||よびよせる|| The purpose was to frighten the fortune-teller and bring together the people in the mansion.

調べ て みる と いい まだ 新しい 銃 創 が 見つかる はず だ しらべ||||||あたらしい|じゅう|はじめ||みつかる|| If you investigate, I bet you'll find a fresh bullet hole in that room.

なるほど I see...

うむ さ ー て 署 に 戻る 時間 だ ||-||しょ||もどる|じかん| Mm-hmm. - Time to get back to the precinct.

いい 気分 転換 に なった |きぶん|てんかん|| This walk has put me in a fine mood...

犯人 の 動機 の 謎 は … はんにん||どうき||なぞ| What about the criminal's motive?

( グレ ヴィール ) ん ?

1 発 目 の 弾丸 で 何 を 撃った か に 隠さ れ て いる はず だ よ はつ|め||だんがん||なん||うった|||かくさ|||||| And she's no doubt hiding whatever she shot with the first bullet.

な っ … どう いう こと だ ! What do you mean?

あ あっ ! はっ … あっ あっ あ あー っ ! Ahh... ah... ah! Ahh ah ah ah ah ah ah ah!

( 一弥 ) 行っちゃ っ た かずや|おこなっちゃ|| There he goes...

( あくび )

一瞬 で 終わって しまった いっしゅん||おわって| That was over in a moment.

また 退屈 が やって き た … |たいくつ|||| Now I'm bored again...

ねえ 君 は 何者 な ん だい ? |きみ||なにもの||| Who are you?

あの 警部 さん 君 の こと を 頼り に し てる … |けいぶ||きみ||||たより||| That inspector relies on you... I think...

の か な ?

でも 何だか 気 に し てる みたい だ し |なんだか|き|||||| But he seems uneasy about something...

私 の こと が 知り たけ れ ば … わたくし||||しり||| If you want to know about me...

知り たけ れ ば ? しり||| If I want to know about you...?

踊れ おどれ Dance.

えっ ? どう し て 踊り なんて ||||おどり| What? How can you dance?

なんて … You're serious...

あっ はい Alright.

( 一弥 の 鼻歌 ) かずや||はなうた

それ は 何という 踊り だ ? ||なんという|おどり| What do you call that kind of dancing?

( 一弥 ) ふ っ ふ っ … 盆踊り だ よ かずや|||||ぼんおどり|| (Bon dance!

( 一弥 の 鼻歌 ) かずや||はなうた (Kazuya's humming)

( 一弥 ) ふう … 昨日 は 3 番 まで 踊った のに ― かずや||きのう||ばん||おどった| (Phew... yesterday I danced up to number 3...

結局 教え て くれ ない なんて けっきょく|おしえ|||| But in the end, she told me zip about herself.

ひどい よ ヴィクトリカ Victorique's an awful person...

( ゾフィ ) 久 城 君 ( 一弥 ) ん ? |ひさ|しろ|きみ|かずや| Kujō, are you eating?

食べ てる ? たべ|

( 一弥 ) あ あっ ! ん ん っ ! ( ゾフィ ) あっ … かずや|||||||

ど … どう し た の ? ( 一弥 ) う う ー っ |||||かずや|||-|

“ またしても お 手柄 ブロワ 警部 ” ||てがら||けいぶ "Another great achievement for Inspector de Blois!"

“ 占い 師 ロクサーヌ 射殺 事件 を 見事 解決 ” ! ? うらない|し||しゃさつ|じけん||みごと|かいけつ "Fortune teller Roxanne, shot dead, successfully solved"! ?

( 一弥 ) どう いう こと です か ! かずや||||| What the hell is this?!

( グレ ヴィール ) 君 は ? ||きみ| (And you?

( 一弥 ) 孫娘 から 感謝 の キス と 豪華 な ヨット が 贈ら れ た って ! かずや|まごむすめ||かんしゃ||きす||ごうか||よっと||おくら||| It says you received an appreciative kiss and a luxury yacht from the granddaughter!!

あ あー それ か Oh, that...

あの キス は ねだった わけ じゃ ない 無理やり に さ れ た の だ |きす||||||むりやり|||||| I didn't coax her into a kiss, she forced it on me...

( 一弥 ) キス じゃ ない ! ( グレ ヴィール ) え ? かずや|きす||||| I don't care about the kiss!

豪華 ヨット と 遺族 の 感謝 の 念 です ! ごうか|よっと||いぞく||かんしゃ||ねん| It's the luxury yacht and gratitude from the aristocrats!

あれ は もともと ― In the first place, the one who should be on the receiving end isn't you, but Vic—

あなた じゃ なく 贈ら れる べき 相手 は ヴィク … |||おくら|||あいて|| The person to whom the gift should be given, not you, is Vic...

( グレ ヴィール ) ふん っ !

( 一弥 ) ん ん … ん ー っ かずや||||-|

ああ もう 分かった 分かった ||わかった|わかった Oh, God. Okay, okay, okay.

君 の その 情熱 に は 負け た よ きみ|||じょうねつ|||まけ|| I lose out to your passion...

は ぁ …

週 末 の ヨット 遊び の 計画 に 君 たち も 招待 しよ う しゅう|すえ||よっと|あそび||けいかく||きみ|||しょうたい|| You're both invited to join me on this weekend's maiden voyage.

当たり前 です ! あたりまえ| Naturally.

( グレ ヴィール ) 当たり 前 で ある もの か ||あたり|ぜん|||| Is she natural?

彼女 … ヴィクトリカ の 外出 許可 の 特例 は ― かのじょ|||がいしゅつ|きょか||とくれい| Victorique doesn't get special permission to go outside without my influence.

この 私 の 働きかけ が なけ れ ば 下り ない の だ よ |わたくし||はたらきかけ|||||くだり|||| Without my help, you will not go down.

( 一弥 ) ヴィクトリカ の 外出 許可 ? ( グレ ヴィール ) う っ … かずや|||がいしゅつ|きょか|||| Permission to go outside?

いや あ ハハッ 何でも ない |||なんでも| No, no, no, hahaha, nothing.

では 週 末 に |しゅう|すえ| This weekend, then.

( ヴィクトリカ ) それ で グレ ヴィール と 約束 を ? ||||||やくそく| (So you made an appointment with Greville?

うん 手柄 を 横取り する なんて ― |てがら||よこどり|| Of course! I wasn't gonna let him get away with the injustice of stealing the credit!

そんな 不正 は 許さ れ ない から ね |ふせい||ゆるさ|||| Such injustice will not be tolerated.

とりあえず は 暫定 的 勝利 ! ||ざんてい|てき|しょうり For now, it is a tentative victory!

( ヴィクトリカ ) 久 城 ( 一弥 ) ん ? |ひさ|しろ|かずや| Kujō.

貴重 な 週 末 を だ ね きちょう||しゅう|すえ||| Are you going to have fun spending your precious weekend with Grevil?

グレ ヴィール と 共に 過ごし て だ ね |||ともに|すごし||| With Greville.

君 楽しい の か ? きみ|たのしい|| Are you having fun?

楽しく ない よ たのしく|| It's not fun.

それ に あんな 変わった 頭 の 人 と 一緒に 歩く の は ― |||かわった|あたま||じん||いっしょに|あるく|| On top of that, it'll be embarrassing walking with the guy who possesses that absurd pompadour...

恥ずかしい し … あっ ! はずかしい|| It's embarrassing..!

どう し て こう なった ん だ っけ ? How did this happen again?

私 と し て も 君 に 聞き たい ところ で は ある が わたくし|||||きみ||きき|||||| As for me, I know you have questions, but... I see...

しかし そう か … But is that so ...

では 出 られる の か ― |だ||| Then I'll be able to leave this prison...

この 牢獄 を |ろうごく| I want this prison.

( ヴィクトリカ ) 旅行 の 支度 を する |りょこう||したく|| I'm going to prepare for the trip.

えっ 今 から ? |いま| What? Now?

だって 週 末 まで まだ 何 日 も ある よ ? |しゅう|すえ|||なん|ひ||| There are still many days until the end of the week.

( 一弥 ) いくら 何でも … ( ヴィクトリカ ) むっ … かずや||なんでも|| (No matter how much I want to...

( 一弥 ) あっ 待って かずや||まって Ah, wait!

勝手 に 乗ったら … かって||のったら If you ride that without permission...

( ヴィクトリカ ) これ は 教職 員 と 私用 の エレベーター な の だ よ |||きょうしょく|いん||しよう||えれべーたー|||| This elevator is for school personnel and me.

君 は つらい つらい 思い を し て ― きみ||||おもい||| You can huff and puff down the lo-o-ng staircase, wearily lifting those out-of-shape thighs.

もも を だ る ー くし ながら ― ||||-|| While slackening the thighs...

えっ ちら お っち ら 階段 を 下り た まえ |||||かいだん||くだり|| Down, down, down, down the stairs you go.

あっ … Oh ...

あっ … う ー っ ||-|

ヴィクトリ カー ! |かー Victorique!!

( 一弥 ) それ で ヨット の 1 泊 旅行 に ― かずや|||よっと||はく|りょこう| So...

どう し て こんな 大 荷物 な ん だ よ ||||だい|にもつ|||| How did you get such a big load?

これ は だ な 私 の この 頭脳 が 英知 を 尽くし て 考え た ― ||||わたくし|||ずのう||えいち||つくし||かんがえ| My brain has meticulously calculated this as being the absolute minimum baggage necessary for the trip.

旅行 に 最低 限 必要 な 持ち物 な の だ りょこう||さいてい|げん|ひつよう||もちもの||| It's the minimum you need to take with you on your trip.

( 一弥 ) こんな 大 荷物 持てる の ? かずや||だい|にもつ|もてる| You're really bringing all this stuff?

もちろん 久 城 君 が 持つ の だ |ひさ|しろ|きみ||もつ|| Of course, Kujō, you'll be the one who carries it.

( 一弥 ) むっ ( ヴィクトリカ ) な っ … かずや||||

君 ! 勝手 に 人 の 荷物 … ( 一弥 ) コンパス ? きみ|かって||じん||にもつ|かずや|こんぱす Hey! What right do you have to go through somebody else's—

こんな の ヨット に ある って ||よっと||| The yacht's already got one.

( 一弥 ) 救命 胴衣 も いら ない ( ヴィクトリカ ) むっ … かずや|きゅうめい|どうい||||| You don't need a life jacket either, and just one change of clothes will do...

( 一弥 ) 着替え の 山 も 1 着 で いい し ( ヴィクトリカ ) む むっ … かずや|きがえ||やま||ちゃく|||||| (And I only need one change of clothes.

えっ なんで 食器 セット ? ||しょっき|せっと What? Why a set of dishes?

これ お 菓子 ? ||かし Are there snacks in here?

椅子 ? いす A chair?

君 難民 な の ? きみ|なんみん|| Are you a refugee?!

( ヴィクトリカ ) ん ん ー っ 必要 だったら 必要 な の だ ! |||-||ひつよう||ひつよう||| If I say it's necessary, it's necessary!

( 汽笛 ) きてき (Whistle)

( 一弥 ) もう いつ まで すね てる ん だ よ かずや|||||||| How much longer are you gonna pout?

しかたない じゃ ない か There was nothing for it...

ん ? Hmm?

( ヴィクトリカ ) わ あ … (Wow...

( 一弥 ) まるで 初めて 機関 車 に 乗った 人 みたい だ かずや||はじめて|きかん|くるま||のった|じん|| You'd think she'd never ridden a locomotive before.

フフ ha ha

( 一弥 ) こう し て 見る と やっぱり 人形 みたい だ な かずや||||みる|||にんぎょう||| Right now, she looks like a doll again...

( ヴィクトリカ ) ん ?

何 を し て いる なん|||| What are you doing?

あっ … ああ えっ えー と … Ah... ah, ah, ah, and...

あ … 日本 の 遊び で こう いう の が ある ん だ よ |にっぽん||あそび||||||||| There is a Japanese game that goes like this.

( 汽笛 ) きてき (Whistle)

あっ

う わ あ …

あれ は 何 だ ? ||なん| What's that?

( 一弥 ) アイスクリーム 屋 だ よ かずや|あいすくりーむ|や|| An ice cream stand.

あれ は ? And that?

( 一弥 ) 新聞 売り かずや|しんぶん|うり (Newspaper Seller

( 一弥 ) ねえ そろそろ 行く よ ( ヴィクトリカ ) わ あ … かずや|||いく|||| Well, we'd better get going.

( 指 笛 ) ゆび|ふえ (Finger whistle)

( ヴィクトリカ ) あ …

( 一弥 ) さあ 乗って かずや||のって Come on, get in.

( ヴィクトリカ ) 魔法 か ? それとも 彼 は 君 の しも べ か ? |まほう|||かれ||きみ|||| Was that magic?

( 一弥 ・ 御者 ) えっ かずや|ぎょしゃ| (Eh?

( 一弥 ) ねえ ヴィクトリカ 君 あんまり 外出 し た こ と ない の ? かずや|||きみ||がいしゅつ|||||| Tell me, Victorique.

( ヴィクトリカ ) フンッ ! Hmph!

よう 相棒 ! |あいぼう Hey buddy!

( 一弥 ) あの … その 格好 かずや|||かっこう Um, that outfit...

( グレ ヴィール ) いい だ ろ う ? テーマ は “ 海 の 男 ” だ よ ||||||てーま||うみ||おとこ|| (You like that, right? The theme is "Man of the Sea."

そう そう 例 の 事件 ||れい||じけん Oh, yes. About that murder...

隣 の 部屋 で の 1 発 目 の 発砲 だ が ね となり||へや|||はつ|め||はっぽう||| Remember the first shot fired from the next room?

撃た れ て い た の は ― うた|||||| I think I know who's been shot.

鏡 だった きよう| It was a mirror.

鏡 ? きよう A mirror?

なるほど 魔法 の 鏡 か |まほう||きよう| I see. A magic mirror, eh?

それ から 容疑 者 で ある アラブ 人 メイド だ が … ||ようぎ|もの|||あらぶ|じん||| And the prime suspect, the Arabian maid...

( ヴィクトリカ ) ふむ Hmph.

美人 だ びじん| ...is a beauty.

お っ ほん Ahem, regarding the motive, the maid babbled something that was somewhat nonsensical.

その メイド が 動機 に つい て 謎 の 言葉 を 口走った |||どうき||||なぞ||ことば||くちばしった The maid uttered a few cryptic words about motive.

“ これ は 箱 の 復讐 ( ふく しゅう ) です ” と ||はこ||ふくしゅう|||| She said this is "The box's revenge"...

箱 の 復讐 ? はこ||ふくしゅう Box's revenge?

( 一弥 ) ん ? かずや| (Hmm?

( フラン ) 警部 ! ( 一弥 ) ん ? ふらん|けいぶ|かずや| Inspector!

( フラン ) 警部 大変 です ! ふらん|けいぶ|たいへん| Inspector, awful news!

アラブ 人 の メイド が 逃げ まし た ! あらぶ|じん||||にげ|| The Arabian maid escaped!

( グレ ヴィール ・ 一弥 ) えっ ! ||かずや| (What?

ほ … ホント か ! ? |ほんと| Are you serious?!

おい 久 城 君 |ひさ|しろ|きみ Excuse me, Kujō, I've got to go!

私 は ここ で 失礼 する ( 一弥 ) お … おわ っ わたくし||||しつれい||かずや|||

( グレ ヴィール ) ヨット だ が ― ||よっと|| (It's a yacht.

乗って も いい が 運転 し て は いか ん ぞ ! のって||||うんてん||||||

え えっ ? そんな の つまらない じゃ … What? That's so boring...

我慢 だ ! それでは ! がまん|| Patience!

そんな … せっかく 来 た のに ||らい|| I don't believe it... We came all this way.

ねえ ヴィクトリカ … お ? Right, Victorique?

ヴィクトリカ ? Victorique?

ん ?

お ー い ヴィクトリ カー ! |-|||かー Hey, Victorique!

ん ?

あっ い たい た Oh, there you are.

( ヴィクトリカ ) 君 … ( 一弥 ) ん ? |きみ|かずや| You know, this yacht belonged to the fortune-teller.

( ヴィクトリカ ) この ヨット は 占い 師 ロクサーヌ の 持ち物 だった な ||よっと||うらない|し|||もちもの|| (This yacht belonged to Roxanne the Fortune Teller.

( 一弥 ) うん かずや| Yeah.

招待 状 の よう だ ロクサーヌ 宛 の しょうたい|じょう|||||あて| This looks like an invitation, addressed to Roxane.

読 ん で み た まえ よ||||| Read it.

えっ ? いい けど

えー と … Um, dinner on a moored luxury liner on the nearby coast...

“ この 近く の 海岸 に 停泊 中 の 豪華 客船 で の ディナー ” |ちかく||かいがん||ていはく|なか||ごうか|きゃくせん|||でぃなー Dinner on a luxury cruise ship docked near here.

“ 箱庭 の 夕べ ” はこにわ||ゆうべ Miniature Garden Box Evening...

ん っ ?

“ メイン ディッシュ は 野 兎 です ” |||の|うさぎ| The main dish is hare?!

( ヴィクトリカ ) うむ (Mm-hmm.

( ヴィクトリカ ) 占い 師 は 野 兎 を 飼って い た |うらない|し||の|うさぎ||かって|| The fortune-teller raised hares.

そして “ 箱庭 の 夕べ ” と いう 名 と ― |はこにわ||ゆうべ|||な| Then we have the name, "Miniature Garden Box Evening"

メイド の 言う “ 箱 の 復讐 ” ||いう|はこ||ふくしゅう and what the maid said, "The box's revenge"...

( 一弥 ) “ 箱 ” … だ よ ね どっち も かずや|はこ||||| Fighting back again

どう しよ う ? What should we do?

( ヴィクトリカ ) どう し たい ? What do you want to do?

( 汽笛 ) きてき Give us hope through the love of peaceful shine on me

( 一弥 ) 行って みよ う か かずや|おこなって||| (Shall we go?

( ヴィクトリカ ) それ で こそ 死 神 だ ||||し|かみ| Spoken like a true Reaper!

♪ ~ ♪ ~

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( 一弥 ) 成り行き で 潜り込 ん だ 怪し げ な 豪華 客船 … かずや|なりゆき||もぐりこ|||あやし|||ごうか|きゃくせん Through the course of events, we slip aboard a suspicious luxury liner and...

って あれ ? 僕 の 分 の ディナー が ない ! ||ぼく||ぶん||でぃなー|| What's that? I don't have a dinner for me!

( ヴィクトリカ ) もぐもぐ … (Victorica...

♪ 高級 肉 は 脂身 も う ~ ま ~ い ~ こうきゅう|にく||あぶらみ|||| Even the fat on high-grade meat is delicious!